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欧州委員会/Europese Commissie, 1049 Bruxelles/Brussel, BELGIQUE/BELGIË – 電話 +32 22991111

欧州委員会 総局 税制関税・同盟総局 間接税および税務行政CBAM、エネルギーおよびグリーン税制 ブリュッセル、2024 年4 月5 日

EU 域外の施設事業者のための CBAM 実施に関するガイダンス文書

本ガイダンス文書は、公表時点での欧州委員会の見解を示したものであるが、法的 拘束力はもたない。

2 バージョン履歴 日付 バージョンに関するノート 2023 年8 月 17 日 初版 2023 年10 月 26 日 以下の部分が訂正された: • セクション6.7.3(電力とCHP)で内容の明確化。 • 以下の対象セクターの事例を改善:
• セメント、セクション7.1.3(若干の明確化) • 鉄鋼(7.2.2.1、特に排出ガス控除の計算) • 混合肥料(セクション7.3.2、若干の明確化) • アルミニウム(セクション7.4.2、若干の明確化) • 水素(セクション7.5.2 – 生産されたH2の全てが販売さ れるわけではない) • 様々な誤字、参考文献、書式の訂正。 2023 年11 月 21 日 Minimis 規則に関する訂正 2023 年12 月 8 日 以下の部分が訂正された: • セクション4.3(移行期間)、特にセクション4.3.3(報告 期間)およびセクション4.3.5(再輸出加工)の明確化。 • セクション5.4.3(水素)が他の生産ルートを含むように、 また図5-6(焼結鉱)および図5-11(粗鋼–基本酸素製鋼) を明確化。 • セクション6.2.1 に、CBAM、EU ETS、その他の基準にお けるGHG 排出スコープを比較した表6-1 が追加された。 • 6.3 項(生産工程システム境界の定義)の細かな明確化。 • 実施規則(EU)2023/1773 を参照するセクション6 と7 に、方程式の参照番号を含める。 • 製品品質に関するセクション6.8.1.2(モニタリング要求事 項)とセクション6.8.2(前駆体データのモニタリング) で、報告期間の相違について明確化。 • セクション6.9(デフォルトの係数およびその他の方法の 使用)の明確化、特にセクション6.9.4(他のGHG モニタ リングおよび報告システムの移行期間の使用)の追加。 • セクション7.2.2.3 に、購入した前駆体から鉄鋼製品を生産 することに関する新しい実施例を追加。 • セクション8 では、EFTA 免除規定を修正。

3 • デフォルト値に関する情報は欧州委員会のCBAM 専用ウ ェブサイトに掲載されているため、同値に関する付属文書 を削除。 2024 年4 月5 日 以下の部分が訂正された: • セション6.11(報告書テンプレート)を修正。 • セクション7.5.2.2 の、総排出量の計算を修正。
• 付属書B の定義リストにおける「実排出量(Actual emissions)」の参照を修正(実施規則付属書III)。 • 付属書B の定義リストの「報告申告者(Reporting declarant)」の誤字を修正。

024 年4 月5 日 以下の部分が訂正された: • セション6.11(報告書テンプレート)を修正。 • セクション7.5.2.2 の、総排出量の計算を修正。
• 付属書B の定義リストにおける「実排出量(Actual emissions)」の参照を修正(実施規則付属書III)。 • 付属書B の定義リストの「報告申告者(Reporting declarant)」の誤字を修正。

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目次 1 概要 8 2 はじめに 9 2.1 本文書について 9 2.2 本文書の使い方 10 2.3 詳細情報の入手先 10 3 事業者向けクイックガイド 13 4 炭素国境調整メカニズム 22 4.1 CBAM の紹介 22 4.2 CBAM における排出量の定義と範囲 23 4.3 移行期間 24 4.3.1 主要な報告の役割と責任 25 4.3.2 事業者として、何をモニタリングする必要があるのか。 27 4.3.3 事業者と輸入業者の報告期間 27 4.3.4 CBAM の運営管理 30 4.3.5 再輸出加工 31 5 CBAM 製品と生産ルート 33 5.1 セクター別セクションの注意書き 33 5.2 CBAM 製品の識別 34 5.2.1 製品仕様 34 5.2.2 CBAM 規制の対象となる製品の識別 34 5.3 セメントセクター 35 5.3.1 産業セクターの生産単位と体化排出量。 35 5.3.2 対象製品の定義と説明 36 5.3.3 関連する生産工程および生産ルートの定義と説明 38

5 5.4 化学セクター – 水素 42 5.4.1 生産単位と体化排出量 42 5.4.2 CBAM 対象セクターの定義と説明 43 5.4.3 関連する生産工程および生産ルートの定義と説明 44 5.5 肥料セクター 47 5.5.1 生産単位と体化排出量 48 5.5.2 CBAM 対象セクターの定義と説明 49 5.5.3 関連する生産工程および生産ルートの定義と説明 50 5.6 鉄鋼セクター 55 5.6.1 生産単位と体化排出量 55 5.6.2 CBAM 対象セクターの定義と説明 56 5.6.3 関連する生産工程と対象となる排出量の定義と説明 62 5.7 アルミニウムセクター 77 5.7.1 生産単位と体化排出量 77 5.7.2 対象セクター製品の定義と説明 79 5.7.3 関連する生産工程および生産ルートの定義と説明 81 6 モニタリングおよび報告義務 88 6.1 CBAM の定義と対象となる排出量の範囲 91 6.1.1 施設、生産工程、生産ルート 91 6.1.2 活動レベル、生産された製品量 91 6.1.3 直接および間接の体化排出量 92 6.1.4 体化排出量の報告に使用する単位 94 6.2 体化排出量の決定方法 94 6.2.1 概念 94 6.2.2 施設排出量から製品の体化排出量へ 97 6.3 生産工程システムの境界および生産ルートの定義 109 6.4 モニタリングの計画 113 6.4.1 モニタリングの計画に必要な書類 114 6.4.2 モニタリング手法の原則と手順 114 6.4.3 文書化された手順 115 6.4.4 入手可能な最良のデータソースを選択する 116

94 6.2.2 施設排出量から製品の体化排出量へ 97 6.3 生産工程システムの境界および生産ルートの定義 109 6.4 モニタリングの計画 113 6.4.1 モニタリングの計画に必要な書類 114 6.4.2 モニタリング手法の原則と手順 114 6.4.3 文書化された手順 115 6.4.4 入手可能な最良のデータソースを選択する 116

6 6.4.5 モニタリング関連コストの抑制 118 6.4.6 管理措置と品質管理 120 6.5 施設の直接排出量を決定する 121 6.5.1 計算ベースのアプローチ 124 6.5.2 測定に基づく方法 - 連続排出量モニタリングシステム(CEMS) 137 6.5.3 非EU 諸国固有の方法 140 6.5.4 バイオマス排出の取扱い 141 6.5.5 PFC(パーフルオロカーボン)排出量の算定 142 6.5.6 施設間でのCO2 の移転に関する規則 143 6.6 施設の間接排出量の決定 145 6.7 排出量を生産工程に割り当てるために必要な規則 146 6.7.1 生産工程に割り当てるパラメータの計測に関する一般的規則 147 6.7.2 熱エネルギーおよび排出量に関する規則 150 6.7.3 電気エネルギーとその排出量に関する規則 158 6.7.4 コージェネレーション (CHP)に関する規則 160 6.7.5 廃ガスのエネルギーおよび排出量に関する規則 163 6.8 製品の体化排出量の計算 165 6.8.1 生産された製品の規則 165 6.8.2 前駆体データのモニタリングに関する規則 168 6.9 デフォルト係数および他の方法の使用 169 6.9.1 体化排出量のデフォルト係数 169 6.9.2 電力網のデフォルト排出係数 171 6.9.3 施設のモニタリングデータの軽微なデータギャップ 171 6.9.4 他のGHG モニタリングおよび報告システムの過渡的利用 171 6.10 適用される炭素価格の報告 173 6.11 報告テンプレート 176 6.11.1 事業者向け: 177 6.11.2 輸入申告者向け 179 7 セクター別のモニタリングと報告 181 7.1 セメントセクター 182

タリングデータの軽微なデータギャップ 171 6.9.4 他のGHG モニタリングおよび報告システムの過渡的利用 171 6.10 適用される炭素価格の報告 173 6.11 報告テンプレート 176 6.11.1 事業者向け: 177 6.11.2 輸入申告者向け 179 7 セクター別のモニタリングと報告 181 7.1 セメントセクター 182

7 7.1.1 セクター別のモニタリングと報告の要件 182 7.1.2 セメントの対象施設を別々の生産工程に分割する場合の例 187 7.1.3 セメントセクターの具体例 190 7.2 鉄鋼セクター 194 7.2.1 セクター別のモニタリングと報告の要件 195 7.2.2 鉄鋼セクターの具体例 197 7.3 肥料セクター 213 7.3.1 セクター別のモニタリングと報告の要件 214 7.3.2 肥料セクターの具体例 217 7.4 アルミニウムセクター 220 7.4.1 セクター別のモニタリングと報告の要件 220 7.4.2 アルミニウムセクターの具体例 225 7.5 化学 - 水素セクター 231 7.5.1 セクター別のモニタリングと報告の要件 231 7.5.2 水素セクターの具体例 235 7.6 「製品としての」(すなわち、EU に輸入される)電力 239 7.6.1 報告申告者のデータに基づくCO2 排出量 240 7.6.2 対象施設の実際のCO2 排出量に基づくCO2 排出係数 241 8 CBAM の免除 243 付属書 A 略語一覧 244 付属書 B 定義一覧 247 付属書 C – バイオマスに関する詳細情報 256 付属書 D – 排出量計算の標準値 267

8 1 概要 炭素国境調整メカニズム(CBAM)は、欧州連合(EU)域内で生産する施設と 同じ炭素価格を輸入製品に適用することを目的とした環境政策の手段である。 この手段により、CBAM は、EU と比べてより基準の穏やかな脱炭素政策を実施 している国へ生産を移転すること(いわゆる「カーボンリーケージ」)によっ て、EU の気候変動目標が損なわれることによるリスクを低減する。
CBAM の下では、その本格的な適用期間(移行期間後)において、特定の製品 の輸入者を代表しているEU の認可を受けた申告者が、その輸入製品の体化排出 量に応じたCBAM 証明書を購入し、納付することになる。これらの証明書の価 格は、EU 排出権取引制度(EU ETS)の排出権価格に基づくものであり、「モニ タリング、報告および検証」(MRV)規則が、EU 排出量取引制度のMRV 制度 に基づいて設計されているため、輸入品と当該制度参加施設で生産された製品 との間で発生する炭素価格が等しくなる仕組みである。 このガイダンス文書は、移行期間(2023 年10 月1 日から2025 年12 月31 日ま で)におけるCBAM の調和された実施を支援するために、欧州委員会が提供す る一連のガイダンス文書および電子テンプレートの一部である。このガイダン スは、CBAM の紹介と、定置設備のモニタリングと報告に使用される概念を提 供する。本文書は、CBAM の強制的な必須要件を追加するものではないが、実 施を容易にするために正しい解釈を助けることを目的としている。
本ガイダンス文書は、公表時点での欧州委員会の見解を示したものであるが、 法的拘束力はもたない。

会が提供す る一連のガイダンス文書および電子テンプレートの一部である。このガイダン スは、CBAM の紹介と、定置設備のモニタリングと報告に使用される概念を提 供する。本文書は、CBAM の強制的な必須要件を追加するものではないが、実 施を容易にするために正しい解釈を助けることを目的としている。
本ガイダンス文書は、公表時点での欧州委員会の見解を示したものであるが、 法的拘束力はもたない。

9 2 はじめに 2.1 本文書について 本文書は、CBAM 規則の要求事項を、法的でない言葉で説明することにより、 利害関係者を支援するために作成されたものである。このガイダンスは、2023 年10 月1 日から2025 年12 月31 日までの移行期間における、EU 域外でCBAM 製品を生産する施設の事業者に対する要件に焦点を当てている。この移行期間 中は、CBAM は輸入業者に財政的義務なしに、データ収集のみを目的として適 用される。
• セクション3 は、この文書の意図された読者であるCBAM 製品を生産す る施設の事業者のための簡単なガイダンスを提供する。本書は、CBAM 排出量モニタリングの最も重要な概念と、本書のどこに詳細な情報があ るかを示すロードマップである。 • セクション4 では、CBAM の紹介と、移行期間におけるEU 域外の施設の 事業者のためのコンプライアンスサイクル、役割と責任、マイルストー ンと期限の概要を説明している。
• セクション5では、CBAMの範囲に含まれるセクターと製品の生産工程と バリューチェーンの概要を示す。 • セクション6 は、影響を受けるCBAM 製品の生産者に適用される可能性 のある、モニタリングと報告の義務と勧告内容を定めている。
• セクション7 では、各CBAM 製品に関連するセクター特有のモニタリン グと報告に関する考慮事項を追加している。このセクションは、各セク ターの事例によって補足されている。
• セクション8 は、CBAM の一般的な免除について説明している。 CBAM 製品の輸入者(「報告申告者」)向けには、欧州委員会から別のガイダ ンス文書が提供されている。またガイダンス文書には、事業者が報告申告者に 情報を送信するために使用すべき情報の電子テンプレートが添付されている。

EU 文書における数値の表記 EU の法的文書と整合させるため、本ガイダンス文書(日本語)ではアラビア 数字の表記に以下の慣例を用いる。 数値の整数部分とその小数部分を区切るために使用される小数の区切り記号 は点「.」である:0.890 千単位およびそれ以降の10 の3 乗の累乗の区切りにはスペースを使用する:

情報を送信するために使用すべき情報の電子テンプレートが添付されている。

EU 文書における数値の表記 EU の法的文書と整合させるため、本ガイダンス文書(日本語)ではアラビア 数字の表記に以下の慣例を用いる。 数値の整数部分とその小数部分を区切るために使用される小数の区切り記号 は点「.」である:0.890 千単位およびそれ以降の10 の3 乗の累乗の区切りにはスペースを使用する:

10 簡略 • 「一万五千」は「15 000」と表記する。 • 「一千五百万」は「15 000 000」と表記する。

2.2 本文書の使い方 本文書で条文番号が指定なしで使用されている場合、常にCBAM 規則1を指して いる。「実施規則」が引用されている場合は、移行期間の詳細なMRV 規則を定 めた規則2 を意味する。本文書で使用されている略語と定義については、 Annex A と Annex B を参照のこと。 本書内では、以下の一連のシンボル記号が使用されている。 シンボル記号 内容

CBAM 製品を生産する施設の事業者にとって特に重要な 情報。

CBAM の一般的な要求事項の簡略化されたアプローチを 強調する。

推奨される改善が提示される場合に使用される。

他の文書、テンプレート、ツールが他の情報源から入手可 能な場合に使用される。

段落で取り上げられているトピックについての事例を示 す。

移行期間ではなく、CBAM の本格実施期間に言及してい る箇所を強調する。

2.3 詳細情報の入手先 以下のテキストボックスは、CBAM 規制当局と施行規則のうち、移行期間中に CBAM 製品を生産する施設の事業者に関連する主要な部分を示している。 CBAM 規制

1 炭素国境調整メカニズム(CBAM)を規定する、2023 年5 月10 日の欧州議会および理事会規 則(EU)2023/956 は、以下からから入手できる。http://data.europa.eu/eli/reg/2023/956/oj
2 2023 年8 月17 日付の欧州委員会施行規則(EU)2023/1773 は、移行期における炭素国境調整 メカニズム目的の報告義務に関する欧州議会および理事会規則(EU)2023/956 の適用規則を 定めたものである。以下からから入手できる。 http://data.europa.eu/eli/reg_impl/2023/1773/oj

u/eli/reg/2023/956/oj
2 2023 年8 月17 日付の欧州委員会施行規則(EU)2023/1773 は、移行期における炭素国境調整 メカニズム目的の報告義務に関する欧州議会および理事会規則(EU)2023/956 の適用規則を 定めたものである。以下からから入手できる。 http://data.europa.eu/eli/reg_impl/2023/1773/oj

11 炭素国境調整メカニズム(CBAM)を規定する、2023 年5 月10 日の欧州議会 および理事会規則(EU)2023/956:
以下から入手可能: http://data.europa.eu/eli/reg/2023/956/oj

• 第2 条 – 規則付属書I を参照し、CBAM の範囲を定める。 • 第3 条と規則付属書IV – CBAM で使用される一般的な用語の定義を示 す。 • 第10 条 – CBAM に基づく事業者登録の要件を定める(2024 年12 月31 日から)。 • 第30 条 – 欧州委員会に対し、2024 年12 月31 日までにCBAM の範囲の 見直しを行うことを要求している。 • 第32 条~第35 条 – EU の輸入業者に対する移行期間中の報告義務を定 めている。 • 第36 条 – 他の条文の施行開始日を定める。 • 付属書I – 製品を識別するためのCN コードと、それに対応する温室効 果ガス(GHG)の産業別セクターのCBAM 製品リストを提供する。
• 付属書III – CBAM の対象とならない非EU 加盟国および地域を示す。 • 付属書IV – 製品に含まれる体化排出量の算定に関する一般的な方法を 規定している。簡単な製品についてはセクション2 に、複雑な製品に ついセクション3 に記載されている。

施行規則(CBAM 規則第35 条第7 項に基づく): 欧州委員会施行規則(EU)2023/1773、 http://data.europa.eu/eli/reg_impl/2023/1773/oj から入手可能。
• 第2 条と規則付属書II セクション1 – CBAM およびMRV 規則で使用 される一般的な用語の定義を示す。 • 第3 条 – 報告すべきデータのパラメータを含む、報告申告者の報告義 務を規定する。 • 第4 条と第5 条 – 体化排出量の算定方法とデフォルト値の使用条件を 規定する。 • 第7 条 – 炭素価格に関して報告すべき情報を示す。 • 第16 条 – 報告申告者が報告義務を適切に果たさなかった場合に、加盟 国が適用する罰則に関する情報を示す。 • 第19 条と第22 条 – CBAM 移行期登録簿の技術的要素を定める。 • 付属書I: 表1 – CBAM 報告書の構成、表2 – CBAM 報告書の詳細な情 報要件。 • 付属書II: セクション2、表1 – CN コードとCBAM 集約製品カテゴリーとの対応、セクション 3 – CBAM 製品カテゴリーの生産工程の定義(生産ルートと関連前駆体のシステム境界を含む)。

報を示す。 • 第19 条と第22 条 – CBAM 移行期登録簿の技術的要素を定める。 • 付属書I: 表1 – CBAM 報告書の構成、表2 – CBAM 報告書の詳細な情 報要件。 • 付属書II: セクション2、表1 – CN コードとCBAM 集約製品カテゴリーとの対応、セクション 3 – CBAM 製品カテゴリーの生産工程の定義(生産ルートと関連前駆体のシステム境界を含む)。

12 • 付属書III: 施設レベルでの排出量モニタリング、それらを生産工程に 帰属させるための規則、単純および複雑な製品の具体的な直接および 間接の体化排出量の決定に関する規則。この付属書のセクション構成 は以下の通りである: o A. 原則 o B. 施設レベルでの直接排出量のモニタリング o C. 熱のヒートフローのモニタリング o D.電力のモニタリング o E. 前駆体のモニタリング o F. 施設の排出量を製品に割り当てるための規則 o G. 複雑な製品の具体的な体化排出量の算定 o H. データの品質を向上するためのオプション測定 • 付属書IV:製品の生産者(「事業者」)が、輸入者(または「報告申 告者」)に報告すべき最低限のデータ。 • 付属書V~VII:EORI 番号、国内輸入システムなど、その他の報告書 に必要なデータを一覧にした表(輸入業者による再輸出加工を含 む)。 • 付属書VIII:直接排出量のモニタリングに使用できる標準係数。 • 付属書IX: コージェネレーション(CHP)計算に使用される、熱と電 気を別々に生産する効率の基準値。

EU の全法令は次のサイトで閲覧可能:eur-lex.europa.eu/homepage.html その他、欧州委員会が事業者や輸入業者を支援するために作成したガイダンス や研修用資料には、以下のものがある: • CBAM 製品のEU 内への輸入事業者(「報告申告者」)向けには、欧州 委員会から別のガイダンス文書が提供されている。
• 輸入事業者向けに、CBAM トレーダーポータルで、四半期報告書を記入 する方法についてのガイダンスが作成されている。 • 事業者が体化排出量を自動的に計算し、このデータを製品の輸入事業者 に正確に伝えるためのエクセルベースのテンプレート
• トレーニングビデオ

ガイダンス文書とテンプレートは、欧州委員会のCBAM 専用サイトで入手可 能:https://taxation-customs.ec.europa.eu/carbon-border-adjustment-mechanism_en

れている。 • 事業者が体化排出量を自動的に計算し、このデータを製品の輸入事業者 に正確に伝えるためのエクセルベースのテンプレート
• トレーニングビデオ

ガイダンス文書とテンプレートは、欧州委員会のCBAM 専用サイトで入手可 能:https://taxation-customs.ec.europa.eu/carbon-border-adjustment-mechanism_en

13 3 事業者向けクイックガイド このセクションでは、移行期間中の重要な概念、規則、義務について段階的に 説明する。
あなたは「CBAM 対象製品」を生産する施設の事業者ですか?
CBAM 対象製品とは、現在、EU に輸入されているセメント、鉄鋼、アルミニウ ム、一部の化学セクター(肥料、水素)、電力の製品である。この質問に答え るには、CBAM 規則の付属書I に記載されている製品リストと当該製品のCN コ ード3(EU の関税品目分類) を比較しなければならない。このアプローチ方法 についての詳細は、本文書のセクション5.2 に記載されており、セクション5 内 の後続するサブセクションでは、各セクターについてさらに詳細が説明されて いる。 それに当該する製品を生産していない場合は、本文書を読む必要はない。しか し、本書は、他の利害関係者(学術界、CBAM 輸入業者、温室効果ガス検証者、 管轄当局、コンサルタントなど)にも役立つように作成されている。CBAM が 一般的にどのように機能するかを理解したい場合、セクション 4 にCBAM の概 要が説明されている。 EU 加盟国の顧客向けに、貴社は製品を輸出していますか?
当該の場合、CBAM 規則が関与する可能性がある。
顧客が貴社の製品を購入し、それを使ってCBAM 対象製品を生産している可能 性があることに注意。購入された製品は、その「前駆体」として機能し、生産 された製品はその後EU 諸国に輸出される可能性がある。また、製品を取引業者 に販売し、その取引業者がEU の顧客にそれを販売する場合、その製品はCBAM 対象製品に該当する。
CBAM 製品がEU に輸入されることになった場合、ある時点で輸入業者から連絡 があり、CBAM 製品の「体化排出量」に関する情報収集が必要となる。あるい は、当該製品を前駆体として使用して他のCBAM 製品を生産する事業者は、体 化排出量のレベルを必要とする。したがって、これらのデータを提供する準備 をし、できるだけ早く、このガイダンス文書に従って、当該施設でモニタリン グ方法の確立に着手する必要がある。 体化排出量とは何か?このコンセプトは、EU 排出量取引制度が、EU 域内で CBAM 製品が生産されたと想定した場合の排出量をできるだけカバーするもの であるように考案された。EU 排出量取引制度は、事業者が自らの(「直接の」) 排出量に見合う価格を支払うことを求めている。しかし、電力を消費する場合、 購入する電力価格に含まれるCO2 のコスト4(「間接」)排出量も発生する。同 じことが、EU 排出量取引制度対象施設から供給される可能性のある、生産工程 に必要な投入原材料にも適用される。したがって、これらのいわゆる前駆体は、

3 CN(関税品目分類)コードは、国際貿易におけるHS(製品分類システム)コードのEU 版 である。CN コードは通常8 桁で構成される(最初の6 桁はHS コードと同じ)。CBAM 規則 の付属書I において、桁数が少ない場合は、その桁数で始まるすべてのCN コードが対象と なる。 4EU の施設が自ら電力を生産する場合、CO2コストが直接発生する。

って、これらのいわゆる前駆体は、

3 CN(関税品目分類)コードは、国際貿易におけるHS(製品分類システム)コードのEU 版 である。CN コードは通常8 桁で構成される(最初の6 桁はHS コードと同じ)。CBAM 規則 の付属書I において、桁数が少ない場合は、その桁数で始まるすべてのCN コードが対象と なる。 4EU の施設が自ら電力を生産する場合、CO2コストが直接発生する。

14 EU 排出量取引制度の対象施設が直面するCO2 コストの一因となる。「体化排出 量」は、EU 排出量取引制度におけるCO2 コストの原因となる排出量と同様に定 義され、前駆体の体化排出量だけでなく、生産工程における直接および間接5 排 出量も考慮される。製品のカーボンフットプリントと同じような概念である。 CBAM の適用範囲は、主にEU 排出量取引制度の規則に関連しており、したがっ て「温室効果ガスプロトコル」や「ISO14067」のような製品のカーボンフット プリントを算出する他の方法とは異なる。 体化排出量の概念と計算の詳細については、セクション6.2 を参照されたい。 何をモニタリングする必要があるのですか?この質問への答えとして、次の手 順を実行して、「モニタリング方法論の文書」、つまり、将来数年間にわたっ てモニタリング業務を一貫した方法で実行するための手引きを作成する必要が ある。提示された手順により、体化排出量の算出に必要なデータがすべて網羅 されていることが確認できる。 • ステップ1:施設の境界、生産工程、生産ルートを定義する。生産工程と は、生産された特定の製品6に排出量を割り当てるために必要なシステムの 境界を意味する。それぞれの 「集約製品カテゴリー」(すなわち、CN コー ドは異なるが、共通のモニタリング規則が適用される対象製品の集合体) は、1 つの生産工程に対応する。システム境界に関するガイダンスはセクシ ョン 5.2 に、各セクターのサブセクションはセクション 5 にて説明されてい る。 • ステップ2:使用する報告期間を定義する。デフォルトでは(ヨーロッパ の)暦年である。ただし、施設が異なる暦の国にある場合、または異なる期 間について他の合理的な論拠がある場合は、少なくとも3 カ月をカバーする のであれば、これを使用することができる。適切な代替期間としては、特 に、施設のある国でのカーボ ンプライシング制度や強制的な排出量モニタリ ング制度の報告期間、あるいは使用される会計年度が挙げられる。このよう な他の期間を選択する主な理由は、年次財務会計のための在庫の棚卸しや財 務監査、あるいは第三者による排出量の検証など、それらの目的のために追 加的な審査が適用される可能性があるためで、CBAM の目的にも使用される 場合、データの品質に対してより高いレベルの信頼性が得られる。報告期間 に関する詳しいガイダンスは、セクション 4.3.3 に記載されている。 • ステップ3:モニタリングする必要のあるすべてのパラメータを特定する:
o 施設の直接排出量については2 つのオプションがある:
a) 「計算ベース」のアプローチでは、消費されたすべての燃料と関連 材料7の量、および対応する「算出係数」(特に、燃料または材料の

5移行期間中、すべてのCBAM 製品の間接排出量を報告する必要がある。現段階では、CBAM 規 制の付属書II に含まれるのは、限られた製品のみであり、確定期間において間接排出量をカ バーしなければならないのもそれらの製品に限られる。 6 EU 排出量取引制度に詳しい方なら、「生産工程」という概念が、ベンチマークに使われる

材料7の量、および対応する「算出係数」(特に、燃料または材料の

5移行期間中、すべてのCBAM 製品の間接排出量を報告する必要がある。現段階では、CBAM 規 制の付属書II に含まれるのは、限られた製品のみであり、確定期間において間接排出量をカ バーしなければならないのもそれらの製品に限られる。 6 EU 排出量取引制度に詳しい方なら、「生産工程」という概念が、ベンチマークに使われる 「部分設備」と非常に似ていることを理解されるかもしれない。 7 「排出源の流れ」(source stream)という用語は、排出量に影響を与える燃料やその他の投 入または排出材料の両方をカバーするために使用される。

15 炭素含有量に基づくいわゆる「排出係数」)を決定する必要があ る。 b) 「測定ベース」のアプローチでは、「排出源」(煙突)ごとに、温 室効果ガスの濃度と煙道ガスの流量をオンラインで測定する必要が ある。 ただし、2024 年7 月31 日までの導入期間中においては、管轄区域で許 可されているその他の排出モニタリング方法を適用することができる が、これにより排出量のカバーと精度が得られなくてはならない。この 他の方法には、欧州委員会が移行期のために公表したデフォルト値が含 まれる。その他のデフォルト値は、CBAM 報告書において、報告者がそ のような値を設定した方法論を示し、参照することを条件に、使用する ことができる。一次アルミニウム生産からのパーフルオロカーボン (PFC)8 ガスの排出については、過電圧測定に基づく特別な方法を適用 すべきである。硝酸生産からのN2O ガス排出については、測定に基づく 方法が義務付けられている。それ以外の場合は、施設の状況に応じて、 どの方法が最も適しているかを選択することができる。 さらに、施設に複数の生産工程がある場合、排出量を各生産工程に正確 に割り当てるために、生産工程間の燃料あるいは材料の流れをモニタリ ングする必要がある9。
これらの直接排出をモニタリングするための規則は、実施規則付属書III のセクションB に記載されている。本文書のセクション 6.4 に、関連す る具体的なガイダンスが記載されている。 o ヒートフローに関連する直接排出量10:熱消費(施設内で生産された 熱、または別の施設から供給された熱)は、各生産工程に割り当てる必 要があり、生産工程から外部に輸出された熱に関連する排出量は、 熱が 生産または回収された各生産工程の割り当ての排出量から差し引く必要 がある。したがって、ヒートフローのモニタリングに関する規則は、施 行規則付属書III のセクションC に記載されている。また、 熱の排出係

8 パーフルオロカーボン
9 例えば、高炉が銑鉄を生産する場合、廃ガスの一部は通常、施設の他の部分(例えば発電所 や熱間圧延の工場)で燃料として使用される。このような場合、施設の総排出量を計算する 必要はないが、この廃ガスについて量と計算係数を決定する必要がある。
10 注記1:これは、「測定可能な熱量」、すなわち、蒸気、温水、液体塩などの熱媒体を通し て輸送され、その流量が配管やダクトなどで測定できる熱量についてのみである。熱がバー ナーで生産され、キルンや乾燥機などで直接使用される場合、ヒートフローをモニタリング する必要はなく、排出量は燃料消費量から決定される。一方、測定可能な熱量は、多くの場 合、生産工程のシステム境界に直接対応しないで、施設の中央または複数の地点で発生する。 したがって、熱生産に伴う排出量を個別に決定し、各生産工程で消費される熱量を通じて、 排出量を生産工程に割り当てることが有効である。

がバー ナーで生産され、キルンや乾燥機などで直接使用される場合、ヒートフローをモニタリング する必要はなく、排出量は燃料消費量から決定される。一方、測定可能な熱量は、多くの場 合、生産工程のシステム境界に直接対応しないで、施設の中央または複数の地点で発生する。 したがって、熱生産に伴う排出量を個別に決定し、各生産工程で消費される熱量を通じて、 排出量を生産工程に割り当てることが有効である。

注記2:カーボンフットプリントの文脈では、(外部から供給された)熱量からの排出は、 しばしば「スコープ2 排出」とみなされ、したがって「間接排出量」と呼ばれることが多い。 しかしCBAM 規則および本書では、「間接排出量」という表現は、熱ではなく電力のみを指 すので注意が必要である。

16 数を決定する規則もある。詳細なガイダンスは、本文書のセクション 6.7.2 に記載されている。 o 間接排出量:これらの排出は、施設内で生産された電力であるか、 外部 から供給された電力であるかに関係なく、施設が生産工程で消費する電 力が生産された時に発生する排出量である。各生産工程で消費される電 力消費量をモニタリングし、それに該当する電力の排出係数を掛ける必 要がある。排出係数については、以下のオプションがある: a) 電力が電力グリッドから供給される場合は、IEA11のデータに基づ き、欧州委員会が提供するデフォルト排出係数を使用する。 b) 施設内で自ら電力を生産する場合(「自家発電者」である)、発電 所やコージェネレーション(CHP)プラント12の排出量を、施設の 他の直接排出をモニタリングするのと同じ方法でモニタリングし、 燃料の混合割合と、該当する場合はCHP の熱生産を考慮して排出係 数を計算するための特定の規則を適用する必要がある。当該する規 則は、施行規則付属書III のセクショD に記載されている。本文書の セクション 6.7.2 とセクション 6.7.4 に、熱とCHP に関するガイダン スがある。 c) 「電力購入契約」に基づき特定の施設から電力の供給を受ける場 合、その発電所が、自家発電電力に適用されるのと同じ規則に従っ て排出量をモニタリングし、その情報を適切に提供するのであれ ば、その電力に対する排出係数を使用できる。 詳細なガイダンスは、本文書のセクション6.7.3 に記載されている。 o 前駆体:上記ポイント3 で説明したように、体化排出量の概念には、生 産工程で使用される特定の材料、いわゆる前駆体の体化排出量13 の追加 も含まれる。どの前駆体が各生産工程に関連するかは、実施規則の付属 書II のセクション3 に記載されており、影響を受けるセクターごとに本 文書のセクション5 で説明されている。各前駆体の材料について、以下 のパラメータをモニターする必要がある: a) 前駆体が施設内で生産されている場合、関連するモニタリングはす べて、上記のポイントに沿ってすでに行われている。前駆体の体化 排出量を考慮する必要があるのは、 生産工程で前駆体を使用する製 品の体化排出量を計算するときだけである。
b) 前駆体を他の施設から購入する場合、EU に製品を輸入する際にデー タを求められるのと同じように、関連する生産者にデータを求める 必要がある。関連情報には、各前駆体について、 その生産の施設ご とに別々のデータが必要で、それには以下が含まれる:

11 国際エネルギー機関。 12 CHP とはコージェネレーションシステムのことである。 13 前駆体と通常の投入材料の違いに注意する必要がある:直接排出量の決定には、材料に含ま

に製品を輸入する際にデー タを求められるのと同じように、関連する生産者にデータを求める 必要がある。関連情報には、各前駆体について、 その生産の施設ご とに別々のデータが必要で、それには以下が含まれる:

11 国際エネルギー機関。 12 CHP とはコージェネレーションシステムのことである。 13 前駆体と通常の投入材料の違いに注意する必要がある:直接排出量の決定には、材料に含ま れる炭素原子が CO2 に酸化されて排出される可能性があることを考慮する。しかし、 前駆体 については、さらに、それ以前(それ自身の生産時)に発生した排出量、すなわち、前駆体 の体化排出量を加える必要がある。

17  生産された施設の識別情報  前駆体に関する、特定の14直接および間接的な体化排出量  最終製品がCBAM に基づいてEU に輸入される際に、輸入者が報 告する必要がある生産ルート、および追加パラメータ。これらの 追加パラメータは、実施規則の付属書IV のセクション2 に記載 されており、影響を受けるセクターごとに、本文書の セクショ ン5 とセクション 7 で説明されている。  前駆体の生産者により適用される報告期間。  該当する場合、その管轄地域での前駆体の生産に起因する炭素価 格に関する情報(下記ポイント5 を参照)。 c) どちらの場合も、つまり、購入した前駆体でも自施設で生産した前 駆体でも、報告期間中に使用した前駆体の量を生産工程ごとにモニ ターする必要がある。 前駆体関連データのモニタリングに関する規則は、施行規則付属書III の セクションE に記載されている。詳細なガイダンスは、本文書のセクシ ョン 6.8.2 に記載されている。 o 最後に、EU の輸入者がCBAM の下で報告する必要がある、追加の適格 なパラメータがいくつかある。これらは生産される製品によって異な る。例えば、輸入されたセメントについては、クリンカー含有率全体を 報告する必要があり、混合肥料については異なる形態の窒素の含有量を 報告する必要がある。関連するパラメータは、施行規則付属書IV のセク ション2 に記載されている。CBAM 製品に必要なすべてのパラメータの データを確実に収集し、製品の輸入業者に伝える必要がある。ガイダン スは、本文書のセクション 5 に記載されている。 • ステップ4:特定した各パラメータについてのモニタリング方法を決定す る:
o 使用された燃料と材料の量(前駆体を含む)については、報告期間中に どれだけの量が消費されたかを知ることができる測定機器(計量ベル ト、流量計、熱量計など)によるか、または、購入記録や各期末の在庫 測定から使用量を決定することができる。
o いわゆる計算係数(燃料や材料の炭素含有量など)については、適用可 能な文献(特にUNFCCC/パリ協定のもとで提出された各国の温室効果ガ スインベントリ)や実施規則付属書VIII から「標準値」を選択するか、 実験室での分析に基づいて決定することができる。これについては、実 施規則付属書III のセクションB.5 で詳細な規則が定められている。 o 連続的な排出量測定、ヒートフロー、電力測定についても、使用する機 器、適用される校正と保守方法も定義する必要がある。
o 場合によっては、推定方法、または間接的な方法を、測定パラメータの 既知の相関関係に基づいて定義する必要がある。

14 特定の体化排出量とは、当該の材料1 トンあたりの排出量を意味する。

規則付属書III のセクションB.5 で詳細な規則が定められている。 o 連続的な排出量測定、ヒートフロー、電力測定についても、使用する機 器、適用される校正と保守方法も定義する必要がある。
o 場合によっては、推定方法、または間接的な方法を、測定パラメータの 既知の相関関係に基づいて定義する必要がある。

14 特定の体化排出量とは、当該の材料1 トンあたりの排出量を意味する。

18 o 最後の手段として、製品の体化排出量をモニタリングするために利用で きる方法がない場合、特に、使用する前駆物質の生産者が必要なデータ を提供しない場合、欧州委員会が当該の目的のために公開している CBAM 製品の体化排出量のデフォルト値(関連する全ての前駆体を含 む)を使用することができる。デフォルト値が利用可能な製品のリスト は、欧州委員会のCBAM 専用ウェブサイトに掲載されており、セクショ ン 6.9 にその使用に関するガイダンスが掲載されている。 注意点として、場合によっては、異なるモニタリング手法を選択しなければな らないこともある。(例えば、複数の測定器がある場合、継続的な測定とバッ チごとの納入記録の使用のどちらかを選択する必要がある場合、あるいは計算 に基づく方法と測定に基づく方法のどちらかを選択する必要がある場合など)。 実施規則付属書III のセクションA.3 に、入手可能な最善の(すなわち最も正確 な)データソースを選択する方法に関する規定が含まれている。詳細は、本文 書のセクション 6.4 に記載されている。 自国の管轄区域で炭素価格を支払っているか?EU 排出量取引制度の対象施設と、 他国の対象施設との間で同等条件での扱いを確保するために、CBAM 製品が生 産される国での炭素価格により、2026 年以降の本格実施においてはCBAM 義務 の削減が可能になる。これは、CBAM の移行期間中(すなわち2025 年末まで) はすでに報告義務となっている。CBAM 製品の輸入業者に関連情報を間違いな く通信するには、モニタリングの方法に炭素価格に関する情報を含める必要が ある。移行期間中、欧州委員会がCBAM 規則のさらなる改善を検討するには、 このような世界各国の炭素価格に関する報告が重要となる。 貴社の施設が炭素価格の対象となる場合、排出量を製品に割り当てるのと同様 の方法で、生産工程やCBAM 製品カテゴリーに割り当てることができるように、 炭素価格に関する情報を収集する必要がある。実効 炭素価格は、適用される 「リベート」(排出量取引制度の場合、無償割当はリベートとみなされる)を 考慮したものである。
原産国で炭素価格が適用される場合は、購入した各前駆体について情報を収集 する必要があることに注意されたい。前駆体の生産者が必要な情報を提供しな い場合、その前駆体の炭素価格をゼロとしなければならない。 総合的な実効炭素価格は、特定の体化排出量と同様に、CBAM 製品に割り当て られる必要がある、すなわち、CBAM 製品の1 トン当たりのユーロ価格で表さ れる必要がある。 炭素価格に関する情報の報告規則は、実施規則の第7 条に記載されている。詳細 なガイダンスは、本文書のセクション 6.10 に記載されている。モニタリングの 方法に関する文書(MMD)の作成 この時点で、年間を通してモニタリングする必要のあるすべての物質または排 出源について、すべてのモニタリングの方法をリストアップしたことになる。 この方法を今後何年にもわたって一貫して使用できるように、これらの情報を1 つの文書(施設の「CBAM 管理ハンドブック」)にまとめるべきである。これ

スは、本文書のセクション 6.10 に記載されている。モニタリングの 方法に関する文書(MMD)の作成 この時点で、年間を通してモニタリングする必要のあるすべての物質または排 出源について、すべてのモニタリングの方法をリストアップしたことになる。 この方法を今後何年にもわたって一貫して使用できるように、これらの情報を1 つの文書(施設の「CBAM 管理ハンドブック」)にまとめるべきである。これ は体系的な方法(例えば、すべての測定器、すべての読み取り頻度、標準値の すべてのデータソースを列挙する)で行うべきである。また、必要な計器やサ ンプリングポイントなどがすべて記載された設置図を使用することが望ましい。

19 このモニタリングの方法に関する文書を作成する際の指針は、温室効果ガスモ ニタリングについてある程度の知識を持つ独立した立場の人が、モニタリング の方法を理解できるよう、十分に明確で透明性のあるものとすることが必要で ある。これは、製品の体化排出量を決定するために必要なすべての作業を実施 する上で、施設担当者への指示として十分に詳細である必要がある。したがっ て、適用される計算ステップと、分析によって決定されないすべての計算係数 も記載しなければならない。
「モニタリングの方法に関する文書」(MMD)作成に関するガイダンスは、本 文書のセクション6.4 に記載されている。また、欧州委員会が提供する「コミュ ニケーションテンプレート」(下記ポイント8 参照)と照らし合わせて、モニタ リング方法をチェックすることも有効である。MMD の完全性をチェックするた めに、テンプレートのデータ要件を使用することが推奨される。 さらに、MMD は、一次データから最終的な特定の体化排出量に至るデータフロ ーに、計測によるコントロールを含める必要がある。これらの計測は、エラー リスクを考慮したものでなければならない。計測としては、独立した立場の人 による頻繁なチェック、異なる情報源からのデータの比較、時系列の整合性チ ェックなどを含むべきである。より詳細なガイダンスは、本文書のセクション 6.4.6 に記載されている。報告期間を通じてモニタリングを実施する:上記のス テップはすべて、施設とそのスタッフがモニタリング業務に備えられるように、 少なくとも一度は実施する必要があるが、これ以降のステップはすべての期間 を通じて継続的に実施しなくてはならない。
MMD に定められたモニタリング業務を遂行しなければならない。定期的に燃料 計を読み取り、消費または生産された材料の在庫を把握し、分析対象の燃料ま たは材料のサンプルを採取し、測定器の保守、管理、校正などを実施しなけれ ばならない。関連データを収集し、排出量の計算を行い、MMD に定めら れたす べての関連する品質管理および保証措置を実施する必要がある。
さらに、少なくとも報告期間に1 回はMMD を見直し、その方法が常に正確で適 切かどうかをチェックすべきである。例えば、施設で使用されている技術は反 映されているか、生産されている製品リストは最新であるか、などをチェック する。新しい燃料や材料は考慮されているか?より優れた(より正確な)モニ タリング方法は使えないか、データフローにおけるエラーのリスクを減らすこ とはできないか?すべての変更と改善はMMD に記録し、最新版のMMD のみを 使用すべきである。また、現在のモニタリングの方法の弱点を特定し、改善す るために、自主的な方法として、第三者による温室効果ガス(GHG)検証を実 施することも考えられる。最後に、CBAM 規則に基づいて報告義務を負うEU 域

れた(より正確な)モニ タリング方法は使えないか、データフローにおけるエラーのリスクを減らすこ とはできないか?すべての変更と改善はMMD に記録し、最新版のMMD のみを 使用すべきである。また、現在のモニタリングの方法の弱点を特定し、改善す るために、自主的な方法として、第三者による温室効果ガス(GHG)検証を実 施することも考えられる。最後に、CBAM 規則に基づいて報告義務を負うEU 域 内への輸入業者に、CBAM 製品の体化排出量データを通信しなければならない。 数多くのEU の顧客に同様な製品を販売している場合、複数の輸入業者からこの 情報が求められることが予想される。そこで欧州委員会は、このような通信業 務をできるだけ効率化する目的で、共通のテンプレートを提供している。
このテンプレートの使用は義務的ではないが、共通のテンプレートを使用する ことで、当事者間のコミュニケーションが大幅に簡素化されることが明らかで ある。顧客は、異なったEU 加盟国に設立さており、異なった言語を使用し、 CBAM 製品を複数の国のサプライヤーから購入する場合も考えられる。共通の テンプレートを使用することで、共通の報告書フォーマットが保証され、同じ

20 フィールドに同じタイプの情報を見つけることができ、各フィールドの意味も 明確になる。
選択した報告期間が終了するたびに(例えば暦年の終了後)、報告期間全体の モニタリングデータを集計し、各生産工程の割当て排出量を決定し、それを対 応する「活動レベル」(すなわち、報告期間内に生産された関連するCBAM カ テゴリーの製品の総トン数)で割ることで、その製品の特定の体化排出量を得 ることができる。これが、EU の輸入業者が必要とする主要なパラメータである (さらに、上記のステップ3 のポイント4 で述べた追加的な適格パラメータもあ る)。次の報告期間のデータ集計が完了するまでは、これらの体化排出量デー タを使用し(この報告期間用に記入したテ ンプレートを使用する)、そして CBAM の目的でそれを必要とするすべての顧客に提供しなければならない。 テンプレートは欧州委員会のCBAM 専用ウェブサイトから入手可能である。こ れは、実施規則の付属書IV に規定されている、施設の事業者から報告申告者へ の、推奨される通信内容に関する規則に基づいて作成されている。輸入業者の ための関連情報の取りまとめ、およびテンプレートの使用に関する詳しいガイ ダンスは、本文書のセクション 6.11 およびテンプレート内に直接記載されてい る。

21

移行期間終了後の展開
2026 年からは、CBAM の本格実施が適用される。つまり、2026 年1 月1 日以 降、輸入業者は、EU に輸入されるすべてのCBAM 製品について、EU 排出量 取引制度の排出枠の平均価格で購入する証書の形で、「CBAM 義務」を負わ なければならなくなる。2026 年からは、CBAM 義務による、体化排出量の適 用範囲を段階的に拡大する段階に入る。体化排出量が完全にカバーされるの は2034 年以降となる15。

15 詳細な算定式は後日、欧州委員会が作成し、公表する。

輸入業者は、EU に輸入されるすべてのCBAM 製品について、EU 排出量 取引制度の排出枠の平均価格で購入する証書の形で、「CBAM 義務」を負わ なければならなくなる。2026 年からは、CBAM 義務による、体化排出量の適 用範囲を段階的に拡大する段階に入る。体化排出量が完全にカバーされるの は2034 年以降となる15。

15 詳細な算定式は後日、欧州委員会が作成し、公表する。

22 4 炭素国境調整メカニズム 4.1 CBAM の紹介 「炭素国境調整メカニズム」(CBAM)は、2030 年までに温室効果ガス(GHG) 排出量を55%以上削減し、遅くとも2050年までに気候中立に到達するというEU の気候変動に関する目標を支援するための環境政策手段である。
CBAM は、「EU の排出量取引制度」(EU ETS)を補完するもので、EU の「Fit for 55」政策パッケージの一環として最近強化された。EU 排出量取引制度におい て、排出量が多い製品を生産する施設の事業者は、CO2 排出量1 トンごとに排出 枠を提出する。これらの排出枠の増加する量は、オークションまたは二次市場 で購入されるため、これらの事業者は温室効果ガス排出量に対する「炭素価格」 16 を負うことになる。しかし、非EU 加盟国のほとんどの事業者にはそのような 義務を負うことはなく、この競争上の優位性によって、欧州の生産は炭素リー ケージ、すなわちEU 域外への移転のリスクにさらされている。 CBAM 導入以前は、炭素リーケージのリスクを軽減するため、関連産業セクタ ーは、EU 排出量取引制度の下で排出枠の一部を無償で割り当てられてきた (「無償割当」)。CBAM の導入に伴い、無償割当は段階的に廃止されている。 CBAM は、EU の事業者の炭素コストを軽減する代わりに、EU 域外からの製品 の輸入事業者が、輸入製品の「体化排出量」に対して同様の炭素コストを負担 することを保証するものである。このEU 排出量取引制度とCBAM の基本的な 指針は、EU 域内の事業者と、EU に輸出する非EU の事業者の間で、同等の排出 削減インセンティブを与えることを目的としている。 CBAM の対象は、国ではなく、EU 排出量取引制度の範囲内で炭素リーケージの リスクが最も高い、特定セクターのEU に輸入される製品の体化炭素排出量を対 象とする。具体的には、セメント、鉄鋼、アルミニウム、肥料、水素、電力で ある。また、前述した分野の前駆体や川下製品(以下、「CBAM 製品」)も対 象となる。セクターごとのCBAM 製品の完全なリストについては、本文書のセ クション 5 を参照のこと。 CBAM は以下のような段階で導入される: • 移行期間(2023 年10 月1 日~2025 年12 月31 日):
この期間は「学習段階」として設計され、CBAM の輸入業者は、体化排 出量に対する金銭的調整金を負担することなく、製品の体化排出量に関 する一連のデータを報告することが求められる。しかし、例えば、義務 付けられている 四半期ごとの CBAM 報告書を提出しなかった場合などに は、罰金が課される。 • 本格実施期間(2026 年1 月1 日から開始):

16 より正確には、CO2あるいはその他の同等の温室効果ガス排出に対する価格である。

入業者は、体化排 出量に対する金銭的調整金を負担することなく、製品の体化排出量に関 する一連のデータを報告することが求められる。しかし、例えば、義務 付けられている 四半期ごとの CBAM 報告書を提出しなかった場合などに は、罰金が課される。 • 本格実施期間(2026 年1 月1 日から開始):

16 より正確には、CO2あるいはその他の同等の温室効果ガス排出に対する価格である。

23 o 2026 年から2033 年まで、EU 排出量取引制度の無償割当が徐々に 廃止されるため、CBAM 製品の体化排出量は、段階的にCBAM 義 務の対象となる。
o 2034 年からは、CBAM 製品の体化排出量の100%がCBAM 証明書 でカバーされ、これらの製品についてのEU 排出量取引制度の下で の無償割当ては撤廃される。 本格実施期間のCBAM は、EU 排出量取引制度の排出価格を反映するように設計 されている: • EU の事業者は、EU 排出量取引制度下で、CO2排出量と排出枠(EUA) の価格を支払う。 • EU にCBAM 製品を輸入する業者は、モニタリング、報告および検証 (MRV)規則と、CBAM 証明書価格の両面で、EU 排出量取引制度の状 況を忠実に反映したCBAM 証明書で支払うことになる。 CBAM は、世界貿易機関(WTO)の規則およびEU のその他の国際的義務事項 を遵守して設計されており、EU 域外のすべての国からの輸入製品に同等に適用 される17。
本文書では、移行期間中の要件のみを扱う。
この段階は、EU 域外の関連するモニタリング、報告および検証(MRV)アプロ ーチ、EU 域内の制度や情報技術システムを習得し、構築するためのステップで ある。

4.2 CBAM における排出量の定義と範囲 以下の文章は、CBAM(炭素国境調整メカニズム)における用語の定義と適用 範囲に関する主要な項目について記載している。 施行規則の参照文書:
CBAM 規則(EU)2023/956、第3 条(定義)および付属書IV(定義) 付属書II のセクション1 定義、A.1(定義) さらに、このガイダンス文書の後半の付属書に用語および略語のリストも提供されている。

本ガイダンス文書で頻繁に使用される用語の定義

17 唯一の例外は、EU 排出量取引制度を適用している国(現時点ではアイスランド、ノルウェ ー、リヒテンシュタイン)あるいは、EU 排出量取引制度と完全にリンクした排出量取引制 度を実施している国(現時点ではスイス)の製品である。したがって、これらの国の生産者 は、EU と同じ炭素価格に対応することになる。

のリストも提供されている。

本ガイダンス文書で頻繁に使用される用語の定義

17 唯一の例外は、EU 排出量取引制度を適用している国(現時点ではアイスランド、ノルウェ ー、リヒテンシュタイン)あるいは、EU 排出量取引制度と完全にリンクした排出量取引制 度を実施している国(現時点ではスイス)の製品である。したがって、これらの国の生産者 は、EU と同じ炭素価格に対応することになる。

24 • 「CO2e トン」とは、1 トンの二酸化炭素(CO2)、またはCBAM 規則の 付属書I に記載された他の温室効果ガス(GHG)を、CO2と同等の地球温 暖化係数で調整した量を意味する。 • 「直接排出量」とは、加熱や冷却の生産過程も含めた物品の生産工程に おける排出量で、加熱や冷却がどこで生産されたかは問わない。
• 「間接排出量」とは、物品の生産工程で消費される電力の生産に伴う排 出量で、消費される電力がどこで生産されたかは問わない。 • 「体化排出量」とは、生産工程で消費される前駆体の体化排出量を含 む、製品の生産工程で発生する排出量を意味する。 • 「関連する前駆体」とは、単純または複雑な製品のうち、体化排出量が ゼロでないもので、複雑な製品の体化排出量計算のためのシステム境界 内にあると認識されるものをいう。 • 「単純な製品」とは、投入材料と体化排出量がゼロである燃料のみを必 要とする生産工程で生産された製品を意味する。 • 「複雑な製品」とは、「単純な製品」以外の製品を意味する。 • 「特定の体化排出量」とは、製品1 トンの体化排出量を意味し、製品1 トン当たりのCO2換算排出トン数で表される。 • 「特定の体化排出量」とは、製品1 トンの体化排出量を意味し、製品1 トン当たりのCO2換算排出トン数で表される。 • 「生産工程」とは、実施規則付属書Ⅱのセクション2 の表1 に定義されて いる、集約製品カテゴリーの製品を生産するために、化学的または物理 的な生産工程が実施される施設の部分を意味し、また投入材料、製品、 対応する排出量に関する特定のシステム境界を意味する。 • 「集約製品カテゴリー」は、付属書II のセクション2 の表1 に、関連する 集約製品カテゴリーとそのCN コードで識別されるすべての製品を列挙す ることによって、実施規則の中で暗黙のうちに定義されている。 • 「生産ルート」とは、集約製品カテゴリーの製品を生産する生産工程で 使用される特定の技術を意味する。一つの生産工程は通常、生産される CBAM 製品の一つのグループ(「集約製品カテゴリー」)に関連してい る。しかし、これらの製品を生産するために、複数の生産ルートが存在 する場合もある。

4.3 移行期間 移行期間における主要な内容の解説は表4-1 に記載されている。 表4-1:移行期間 – キーポイント 期間 2023 年10 月1 日~2025 年12 月31 日

味する。一つの生産工程は通常、生産される CBAM 製品の一つのグループ(「集約製品カテゴリー」)に関連してい る。しかし、これらの製品を生産するために、複数の生産ルートが存在 する場合もある。

4.3 移行期間 移行期間における主要な内容の解説は表4-1 に記載されている。 表4-1:移行期間 – キーポイント 期間 2023 年10 月1 日~2025 年12 月31 日

25 モニタリング、報告 および検証(MRV) 規則 施行規則(EU)2023/1773. 間接排出量の報告
すべてのCBAM 製品に必要。 体化排出量報告のデ フォルト値 グローバル値 (電力は除く)。 複雑な製品の前駆体として、複雑な製品全体の20%ま でを占める場合に使用できる。 電力の輸入および間接排出量には、特定の基準を満た さない限り必ず使用しなければならない。 モニタリング、報告 および検証(MRV) 規則に対する柔軟性 施設の事業者は、他の(EU 以外の)炭素価格や報告 制度の規則の使用を、それが同じ排出量をカバーし、 同等の精度を提供するのであれば、2024 年末までは 使用することが認められている。
輸入業者は2024 年7 月31 日まで、他の(推定)方法 を使用することができる。 報告の頻度 四半期ごと(輸入業者)。 報告されるデータの 検証 不要。
事業者と輸入業者は、可能な限り正確かつ完全な報告 を目指すべきである。
検証を実施した場合は、提出書類にその旨を明記す る。 CBAM 証明書の支払 い 不要。

4.3.1 主要な報告の役割と責任 「報告申告者」18は、輸入製品の体化排出量の報告に責任を持つ事業者である。 原則として、報告申告者は「輸入業者」である。しかし実際には、税関申告書 を提出する人によって異なる場合がある。さまざまな関係者が輸入プロセスに 関与している場合、輸入された製品はすべて、 まちがいなく唯一の報告申告者 の責任であること、すなわち、二重に報告されたり、報告から漏れたりするこ とがあってはならない。

18 実施規則では、輸入者またはその間接的通関代理人がCBAM 報告に責任を負う状況に対処す るために、この用語「報告申告者」を使用している。

を提出する人によって異なる場合がある。さまざまな関係者が輸入プロセスに 関与している場合、輸入された製品はすべて、 まちがいなく唯一の報告申告者 の責任であること、すなわち、二重に報告されたり、報告から漏れたりするこ とがあってはならない。

18 実施規則では、輸入者またはその間接的通関代理人がCBAM 報告に責任を負う状況に対処す るために、この用語「報告申告者」を使用している。

26 欧州連合税関法典(UCC19)に規定されたオプションに従えば、報告申告者は以 下のいずれかとなる20: • 自己の名において、自己の責任で、自由流通のために貨物の通関申告を 行う輸入者
• 欧州連合税関法典(UCC)第182 条第1 項の税関申告書を提出する権限 を有する者で、製品の輸入を申告する者。 • 間接的通関代理人、つまり、UCC 第18 条に基づき指名された間接的通関 代理人によって通関申告が行われる場合、輸入業者がEU 域外に設立され ている場合、または間接的通関代理人がCBAM 規則第32 条に基づく報告 義務に同意した場合。 報告申告者は四半期ごとに、(遅くとも四半期末の翌月末までに)21「CBAM 報 告書」をCBAM 移行期間登録簿(Transitional Registry)を通じて欧州委員会に 提出しなければならない。この報告書は、当該の四半期にEU に輸入された製品 について、施行規則付属書I に記載されている情報を報告するものとする。いわ ゆる「再輸出加工」(inward processing)通関手続き( 4.3.5 の項を参照)の場 合、輸入日を含む特定の要件に留意することが必要である。
EU域外でCBAM 製品を生産する施設の事業者は、CBAM が機能するための第二 の重要な役割を担う。事業者とは、その施設の排出量に関する情報に直接にア クセスできる者である。そのため、 EU 向けに輸出する目的で生産している製品 について、 体化排出量をモニタリングし、それを報告する責任がある。
第三者検証者は、本格実施期間に重要な役割を果たすことになる。しかし、移 行期間中は、検証は完全に自主的な措置であり、施設の事業者は、データの質 を向上させ、本格実施期間の要件に備える上での手段として選択することがで きる。 さらに、報告申告者が設立されているEU 加盟国の管轄当局が重要な役割を果た す。管轄当局は、例えば、申告者が完全かつ正確なCBAM 報告書を四半期ごと に提出していることを確認するためにCBAM 報告書を審査し、必要であれば施 行規則に沿った罰則を科すことができる。 欧州委員会(この文書では「委員会」ともいう)は、CBAM 移行期間登録簿の 運営、四半期ごとのCBAM 報告書に含まれる情報のチェックによる移行期間中 のCBAM の全体的な実施状況の評価、本格実施期間を視野に入れたさらなる法 整備、EU 加盟国の管轄当局の調整を担当する。さらに、欧州委員会はCBAM の 専用ウェブサイトを提供し、ガイダンス文書、報告用テンプレート、トレーニ ング資料、CBAM 移行期間登録簿(本格実施期間中にCBAM 登録簿としてさら に更新される予定)へのポータルを提供する。

19 規則(EU)No 952/2013、統合版:http://data.europa.eu/eli/reg/2013/952/2022-12-12
20 施行規則第2 条(1) 21 CBAM 規則第35 条

イダンス文書、報告用テンプレート、トレーニ ング資料、CBAM 移行期間登録簿(本格実施期間中にCBAM 登録簿としてさら に更新される予定)へのポータルを提供する。

19 規則(EU)No 952/2013、統合版:http://data.europa.eu/eli/reg/2013/952/2022-12-12
20 施行規則第2 条(1) 21 CBAM 規則第35 条

27

4.3.2 事業者として、何をモニタリングする必要があるのか。 最初にモニタリングすべき要素は直接排出量である。しかし、施設の排出量の モニタリングは、製品の体化排出量を決定するための初期ステップにしか過ぎ ない。施設で複数の異なる製品を生産する場合、個々の製品に施設全体の排出 量を割り当てなければならない。排出量を各製品に割り当てるには特別な規則 があるのでそれに従って、施設へ供給および施設から排出され、また関連する 生産工程間でのヒートフロー(蒸気、温水など)を決定する必要がある。いわ ゆる「廃ガス」(鉄鋼業の高炉ガスなど)についても同様である。熱と廃ガス の両方が直接排出量に関与している。 また、生産工程で使用され、それ自体が体化排出量を持つ特定の投入材料(い わゆる「関連前駆体」であり、それ自体がCBAM 製品である)の量をモニタリ ングし、報告申告者に報告し、これらの前駆体材料の体化排出量を決定しなけ ればならない。他のCBAM 製品を生産するために前駆体を購入する場合、前駆 体の供給者から体化排出量のデータを入手する 必要がある。
全てのCBAM 対象製品の生産時に消費される電力の生産から発生する間接排出 量は、同様にCBAM22の枠内でモニタリングされ、生産された製品に割り当てし なければならない。ここでも、前駆体に含まれる排出量も、当該する場合には 含めなければならない。 EU に輸入される電力は、それ自体が製品であるため、直接排出量のみが対象と なる。電力をCBAM 製品として扱うことについては、セクション 7.6 で詳しく説 明する。 これらの体化排出量を決定し、システム境界を定義する方法の説明は、セクシ ョン5.2 と5 で詳しく説明されている。 最後に、自国の管轄地域内で製品を生産する際に発生する炭素価格が存在すれ ば、それを輸入業者に伝えなければならない。これには、 CO2e 換算1 トンあた りの炭素価格と、CBAMに関連する製品の1トンあたりの無償割当量およびその 他の財政補助金、補償、リベートなどが含まれる。特に複雑な製品の場合、前 駆体材料の生産者が負担する炭素価格も考慮すべきである。

4.3.3 事業者と輸入業者の報告期間 報告期間とは、体化排出量を決定するための基準となる期間である。事業者と 輸入業者では報告期間が異なる。

22 移行期間中、全てのCBAM 製品の間接排出量は、前駆体の体化間接排出量を含め、モニタリ ングされ報告されなければならない。しかし、本格実施期間おいては、特定の製品(CBAM 規則の付属書II に含まれる製品)のみを間接排出量に含めるものとする。

事業者と輸入業者の報告期間 報告期間とは、体化排出量を決定するための基準となる期間である。事業者と 輸入業者では報告期間が異なる。

22 移行期間中、全てのCBAM 製品の間接排出量は、前駆体の体化間接排出量を含め、モニタリ ングされ報告されなければならない。しかし、本格実施期間おいては、特定の製品(CBAM 規則の付属書II に含まれる製品)のみを間接排出量に含めるものとする。

28 施設事業者 事業者の場合、施設の年間操業を反映する典型的なデータを収集できるように、 デフォルトの報告対象期間は12 ヶ月である。 12 カ月の報告対象期間は、以下のいずれかとする: • 暦年 – これは当報告のためのデフォルトの選択肢となっている。 • 会計年度 – 会計報告年度のデータがより正確である、あるいは不合理な 経費の発生を避けるという理由で正当化できる場合に選択できる。一例 として、会計年度が燃料および資材の年次棚卸と一致している場合が考 えられる。 これは、施設の操業における季節的変動や、計画的な年次シャットダウン(保 守などのために)や再始動に起因する、生産の中断期間を反映する場合である。 通年を対象とすることで、欠落している定期データポイントの前後の両側で検 針を行うなど、データギャップを軽減するのにも役立つ。
ただし、施設が適格な「モニタリング、報告および検証」(MRV)システムに 参加しており、報告期間がそのMRV システムの要件と一致する場合は、少なく とも3 ヶ月の代替報告期間を選択することもできる。以下の場合が例にあたる。
• 義務的なカーボンプライシング制度(排出量取引制度、炭素税、賦課 金、手数料)、または遵守義務を伴う温室効果ガス(GHG)報告制度が ある場合。この場合、少なくとも対象期間3 ヶ月をカバーしていれば、 その制度の報告対象期間を使用することができる。 • 他のモニタリング制度(例えば、認定された検証機関による検証を含 む、GHG 排出削減プロジェクト)この場合、適用されるMRV 規則の報 告期間が3 ヶ月以上であれば、それを使用することができる。 上記のすべての場合において、製品の直接的および間接体化排出量は、選択し た報告期間の平均として計算されなければならない。 移行期間の開始から典型的データを報告できるようにするため、事業者は2024 年1 月に、輸入業者と、2023 年通年のデータを共有し、最初の四半期報告を行 うことを目指すべきである。そのためには、以下の事項を実施すべきである: • 移行期間開始時から2023 年までの排出量データと活動データを、入手可 能な限り収集する。実際の排出量モニタリングが開始される前の期間に ついては23、入手可能な最善のデータに基づいて推定を行うべきである (例えば、生産プロトコルの使用、周知データと関連排出量との間の既 知の相関関係に基づいた逆算など)。

23 これは、適格なMRV システムがすでに導入されている場合を除き、最も頻繁に見られるケ ースである。

3 年までの排出量データと活動データを、入手可 能な限り収集する。実際の排出量モニタリングが開始される前の期間に ついては23、入手可能な最善のデータに基づいて推定を行うべきである (例えば、生産プロトコルの使用、周知データと関連排出量との間の既 知の相関関係に基づいた逆算など)。

23 これは、適格なMRV システムがすでに導入されている場合を除き、最も頻繁に見られるケ ースである。

29 • 2023 年最終四半期のデータ収集を開始し、可能であれば2024 年1 月開始 の、できるだけ早い時期に、通年データを輸入業者に報告するために準 備にとりかかる。 以上のことから、できるだけ早くモニタリング方法の準備を始めておき、2023 年10 月1 日以降、早急にモニタリングを実施することを目指すべきである。各 四半期の終了後、入手可能になり次第、輸入業者と体化排出量に関するデータ を共有すべきである。
輸入業者
移行期間中、輸入業者(「報告申告者」)の報告期間は四半期ごとで、報告提 出の期限はその後1 ヶ月以内である。 • 最初の四半期報告書は2023 年10 月から12 月までの期間を対象とし、 2024 年1 月31 日までにCBAM 移行登録簿に提出する。 • 最終の四半期報告書は2025 年10 月から12 月までのもので、2026 年1 月 31 日までにCBAM 移行登録簿に提出する。 四半期報告書は、暦年で前四半期に輸入された製品の体化排出量を、直接排出 量と間接排出量に分け、EU 域外で発生した炭素価格も含めてまとめたものでな ければならない。製品がいつ輸入されたかは、「市場へのクリアランス(通 関)」(すなわち税関当局による通関が許可された日)である。これは特に、 「再輸出加工」手続き( 4.3.5 の項を参照)に分類された製品に対して重要であ る。 事業者と輸入業者では報告スケジュールが異なる。輸入業者は、四半期ごとの CBAM 報告に、事業者から伝達された最新の体化排出量データを使用する必要 がある。例えば、事業者が報告期間を暦年としている場合、輸入者が2025 年第 1 四半期から第4 四半期のいずれかの四半期CBAM 報告書を作成する場合、報告 目的に事業者から伝達された2024 年暦年の製品の特定の体化排出量情報を使用 する必要がある。例えば、ある製品が2024 年12 月に事業者によって生産され、 2025 年1 月に輸入者によってEU に輸入された場合、輸入者の第1 四半期の CBAM 報告書には、その製品の2024 年暦年の具体的な体化排出量を使用する。 2024 年のデータが2025 年1 月末までに入手できない場合、2023 年からの具体的 な体化排出量のデータを、第1四半期のCBAM報告書に使用することができる。 この場合、事業者が適格なMRV システムの下で順守義務を遂行していることを 条件に、報告期間が暦年より短いが少なくとも3 カ月である場合は異なる。例え ば、報告期間が3 ヶ月の場合、輸入者は事業者の第1 四半期のデータを第2 四半 期のCBAM 報告書に使用することができる。 なお、すでに提出されたCBAM 報告書は、報告四半期終了の2 ヶ月後まで修正 24することができる。このようなケースは、例えば、報告期限後に輸入者が体化 排出量に関するより正確なデータを入手できるようになった場合などである。 MRV システムを時間内に構築することの難しさを考慮し、実施規則では、最初 の2 回の四半期報告書の修正期間を、第3 四半期報告書の期限までと長く設定し

24 施行規則第9 条

提出されたCBAM 報告書は、報告四半期終了の2 ヶ月後まで修正 24することができる。このようなケースは、例えば、報告期限後に輸入者が体化 排出量に関するより正確なデータを入手できるようになった場合などである。 MRV システムを時間内に構築することの難しさを考慮し、実施規則では、最初 の2 回の四半期報告書の修正期間を、第3 四半期報告書の期限までと長く設定し

24 施行規則第9 条

30 ている。つまり、2024 年1 月31 日および4 月30 日締切の報告書は、その後2024 年7 月31 日まで修正することができる。

4.3.4 CBAM の運営管理 図4-1:CBAM の移行期間における報告責任の概要

手続きの流れに関連する番号の説明については、以下の本文に対応の番号の項 目を参照のこと。 図4-1 に図示されているように、CBAM の移行期間における運営管理システム と手続きの流れは以下のように段階的に実施される(本文内の段落番号が図の 赤い番号に対応):

  1. 輸入業者(報告申告者)が、様々な施設、場合によってはEU 域外の国か ら輸入のためにCBAM 製品を受け取る。
  2. 輸入のたびに、輸入業者は通常の通関申告書を提出する。対応するEU 加 盟国の税関当局は、通常通り輸入品をチェックし、通関する。
  3. 税関当局(または使用されているIT システム)は、欧州委員会に (CBAM 移行期間登録簿を使って)この輸入に関する情報を通知する。 この情報は、四半期ごとのCBAM 報告書の完全性と正確性をチェックす るために使用される。
  4. 報告申告者は、輸入されたCBAM 製品の具体的な体化排出量に関する関 連データを事業者に要求する(実際には、この要求には通関代理人が関 与する可能性があり、当該の通関代理人はCBAM 製品を生産した施設の 事業者にこの要求を転送しなければならない)。施設の事業者は、可能 であれば、欧州委員会が提供しているテンプレートを使用して、要求さ れたデータを送信する。データは、第三者検証者により任意に検証され る場合がある。

31 5. その後、申告者は四半期ごとのCBAM レポートをCBAM 移行期間登録簿 に提出することができる。 6. 欧州委員会とEU 加盟国の管轄当局との間で情報交換が行われる。欧州委 員会は、どの申告者がCBAM 報告書を提出するかを(通関データに基づ いて)通知する。さらに、欧州委員会は、実際の報告書の抜き打ちチェ ックを行い、通関データに関してその完全性をチェックすることができ る。不備が判明された場合、欧州委員会は管轄当局にその旨を報告する。 その後、管轄当局は、通常、輸入業者と連絡を取り、不備の是正、また は未提出のCBAM 報告書の提出を要求することにより、フォローアップ を行う。申告者が誤りを正さない場合、管轄当局は最終的に罰金を課す ことができる。
7.

委員会は、実際の報告書の抜き打ちチェ ックを行い、通関データに関してその完全性をチェックすることができ る。不備が判明された場合、欧州委員会は管轄当局にその旨を報告する。 その後、管轄当局は、通常、輸入業者と連絡を取り、不備の是正、また は未提出のCBAM 報告書の提出を要求することにより、フォローアップ を行う。申告者が誤りを正さない場合、管轄当局は最終的に罰金を課す ことができる。
7. (図には示されておらず、また法律で義務付けられているわけでもない が、輸入者自身のために):将来同様の問題が発生することを避けるた め、罰金を受けた輸入者は、今後の提出書類の問題に対処するために、 欧州委員会または管轄当局が指摘した問題を施設事業者に報告すべきで ある。

4.3.5 再輸出加工 欧州連合関税法典は、いくつかの特別な手続きを規定している。「再輸出加工」 (Inward processing)25とは、輸入品が輸入関税と付加価値税を免除された上で、 EU 域内に輸入され加工されることを意味する。加工後、加工製品または元の輸 入品は再輸出されるか、EU 域内で自由に流通させることができる。域内での流 通の場合、輸入関税や税金の支払い義務、商業政策措置の適用を意味する。 この原則はCBAM 製品にも適用される。すなわち、再輸出の場合、再輸出加工 の対象となった製品にはCBAM に基づく報告義務は発生しない。しかし、 CBAM 製品が、元の輸入された製品のままであろうと再加工が加えられた製品 であろうと、再輸出加工の対象として輸入されてEU 市場に流通される場合は、 CBAM 報告義務が生じる。
再輸出手続きを受けて実際に輸入された製品については、CBAM 報告書に記載 しなければならない期間は、EU 域内の自由流通を可能にする通関日によって決 定される。このため、場合によっては、2023 年10 月1 日以前に再輸入加工とし て手続きされた製品であっても、CBAM で報告しなければならないことがある。
実施規則の第6 条により、四半期ごとのCBAM 報告書の目的上、再輸出加工手 続き後に自由流通のために通関される製品について、いくつかの特別な報告要 件が定められている: • もし製品が再輸出加工手続きで修正されなかった場合、流通された CBAM 製品の数量とその体化排出量を報告しなければならない。その値

25 参 照 : https://taxation-customs.ec.europa.eu/customs-4/customs-procedures-import-and-export- 0/what-importation/inward-processing_en

再輸出加工手続きで修正されなかった場合、流通された CBAM 製品の数量とその体化排出量を報告しなければならない。その値

25 参 照 : https://taxation-customs.ec.europa.eu/customs-4/customs-procedures-import-and-export- 0/what-importation/inward-processing_en

32 は再輸出加工の手続きの場合の値と同一である。原産国および製品が生 産された施設が判明している場合、報告書に記載しなければならない。 • もし、製品に修正が加えられ、その再輸出加工手続きの製品がもはや CBAM 製品として適格でない場合、元の製品の数量と、その元の数量の 体化排出量を報告しなければならない。原産国および製品が生産された 施設が判明している場合、報告書に記載しなければならない。 • もし、製品に修正が加えられ、再輸出加工手続きの製品がCBAM 製品と して適格である場合、市場に流通された製品数量と体化排出量を報告し なければならない。再輸出加工手続きがEU 排出量取引制度対象施設で行 われる場合は、炭素価格も報告しなければならない。原産国および製品 が生産された施設が判明している場合、報告書に記載しなければならな い。 • 再輸出加工手続きの製品の原産地が定義できない場合、体化排出量は、 同じ製品のカテゴリーについて、再輸出加工手続きに使用される製品全 体の加重平均の体化排出量に基づいて計算されなければならない。

33 5 CBAM 製品と生産ルート このセクションは、セメント、水素、肥料、鉄鋼、アルミニウムの各セクター について、移行期間に適用されるセクター別規則に関するガイダンスを提供す る。本セクションではCBAM の対象製品の仕様と、関連する生産ルートについ て説明している。セクション6 では、全セクターに適用されるCBAM のモニタ リング要件を説明している。その後、 セクション7 では、セクター別の詳細、 特にセクター別のモニタリングと報告要件を追加し、各セクターの具体例を詳 細している。
このガイダンス文書は、主にCBAM に該当する有形製品を生産する事業者の使 用を意図しているが、セクション7には、CBAMに該当する、製品としての電力 を輸入する事業者向けの情報も含まれている(セクション7.6)。

5.1 セクター別セクションの注意書き 以下のセクションでは、CBAM 規制の付属書Ⅰに記載されている製品の様々な 生産ルートの概要を説明し、セクター別のガイダンスを提供する。 製品の生産工程に関する追加情報は、BREF 26の「利用可能な最善の技術」 (BAT)の参照文書にも記載されている。 以下のセクションで使用される図。 以下のセクションで提示される、システム境界の図形には、以下の規則が適 用される:  生産工程(直接排出のモニタリングの対象となる工程)は長方形の枠内に 示され、材料は角丸長方形の枠内に示される。  オプションの工程(CCS/CCU など)は青枠で示されている。特に、 CCS/CCU は、デフォルト値を策定する際には考慮され ないが、事業者と してCCS/CCU を使用する場合には、実際の体化排出量を決定する際に、 関連する排出量や排出削減量を考慮すべきである。  体化排出量がないと考えられる材料は赤枠で、体化排出量がある材料(関 連する前駆体材料および最終製品、すなわちCBAM 製品)は緑枠で示し た。単純な製品は通常のフォントで、複雑な製品は太字で表示されてい る。  投入される材料は、不完全のままの状態で提示される。つまり、異なる生

CCU を使用する場合には、実際の体化排出量を決定する際に、 関連する排出量や排出削減量を考慮すべきである。  体化排出量がないと考えられる材料は赤枠で、体化排出量がある材料(関 連する前駆体材料および最終製品、すなわちCBAM 製品)は緑枠で示し た。単純な製品は通常のフォントで、複雑な製品は太字で表示されてい る。  投入される材料は、不完全のままの状態で提示される。つまり、異なる生 産ルート間の相違を明らかにするのに適した素材に焦点を当てて提示され

26 BAT 参照文書(BAT Reference document:略称BREF)。BAT(Best Available Technology:略 称BAT)とは、産業排出指令(Industrial Emissions Directive:略称IED)が定義する「利用可 能な最善の技術」のことである。関連するBREF 文書は、セメントの生産、鉄鋼生産、大量 無機化学物質(肥料を含む)、塩素アルカリ、非鉄金属(アルミニウムと合金鉄を含む)に 関するものである。すべての BREF は欧州 IPPC 事務局のサイト 「https://eippcb.jrc.ec.europa.eu/reference」に掲載されている。

34 ている。したがって、あまり重要でない投入材料、特に燃料は、図式をシ ンプルにするため、通常は省略されている。  注記:CCS/CCU プロセスは、セメントのバリューチェーンを例として以下の図5-1 に示 されている。図式をわかりやすくシンプルにするため、他のセクターでは示 していないが、同様に適用可能である。 電気はその投入材料として、工程の主要な「前駆体」である場合(つまり、 特に電気アーク炉や電解工程の場合)にのみ表示される。

5.2 CBAM 製品の識別 本セクションでは、CBAM 対象製品が本規則においてどのように定義され、識 別されているかを説明する。以下のテキストボックスは、CBAM 移行期間に関 連する、CBAM 製品の定義と報告に関する重要なセクションを示す。 施行規則の参照文書:
付属書Ⅱ、セクション2、表1 「CN コードと集約製品カテゴリーへのマッピング」 付属書III、セクションF 「施設の排出量を製品に割り当てるための規則」

5.2.1 製品仕様 合同関税品目(CN)27, 28分類システムは、製品の本質的な特徴を定義し、 CBAM の対象となるセクター製品を識別するために使用される。
CN「製品仕様」分類システムは、2 つの部分から構成されている。一つは、製 品のさまざまな細分化レベルを反映した4 桁、6 桁または8 桁の数字による番号 付けシステムであり、2 つ目には、各製品分類の本質的な特徴を示す短いテキス トによる説明である。最初の6 桁は国際貿易で使用されるHS コード (Harmonised System)分類と同じで、残りの2 桁はEU 固有要素の追加である。 CBAM 規則の付属書Ⅰに、製品仕様の両方の部分が記載されているが、本文中 の他の箇所では、参照を容易にするため、数値コードのみに簡略化される場合 もある。 5.2.2 CBAM 規制の対象となる製品の識別 事業者はまず、その施設で生産されるどの製品がCBAM の適用範囲に入るかを 確認する必要がある。そのための推奨事項:

27 1987 年7 月23 日付関税および統計的分類表、ならびに共通関税率に関する理事会規則(EEC) 第2658/87 号(OJ[官報] L 256, 7.9.1987, p.1)

に簡略化される場合 もある。 5.2.2 CBAM 規制の対象となる製品の識別 事業者はまず、その施設で生産されるどの製品がCBAM の適用範囲に入るかを 確認する必要がある。そのための推奨事項:

27 1987 年7 月23 日付関税および統計的分類表、ならびに共通関税率に関する理事会規則(EEC) 第2658/87 号(OJ[官報] L 256, 7.9.1987, p.1) 28 製品のCN 定義の詳細については、2022 年の Eurostat RAMON データベースを参照: https://ec.europa.eu/eurostat/ramon/nomenclatures/index.cfm?TargetUrl=LST_NOM_DTL&StrNom= CN_2022

35 • 施設内で生産される前駆体と、施設外から入手される前駆体の両方を含 め、施設におけるすべての製品と前駆体のリストを作成する。
同じ製品カテゴリーが、生産される製品と、その製品を生産するために使用さ れる前駆体の両方に適用される場合があることに留意されたい。これは鉄鋼、 アルミニウム、肥料のそれぞれのセクターの製品に適用される.。 • CBAM 規則付属書Ⅰに記載されている製品仕様に照らして、生産される 全製品を確認し、比較する。 • この比較から、施設で生産されるリスト製品のどれがCBAM の適用を受 ける範囲内であるかを決定する。

5.3 セメントセクター 以下のテキストボックスは、CBAM の移行期間に関連する実施規則のセクター 別のセクションを示す。
施行規則の参照文書:
• 付属書Ⅱ、セクション2、表1 「CN コードと集約製品カテゴリーのマッピング」 • 付属書II のセクション3「生産ルート、システム境界、関連する前駆体」である。3.2 – 焼成粘土、3.3 – セメントクリンカー、3.4 – セメント、 3.5 – アルミナセメント

5.3.1 産業セクターの生産単位と体化排出量。 EU に輸入されるセメント製品の申告量は、トンで表示されなければならない。 報告のために、施設または生産工程で生産された CBAM 製品の量を記録しなけ ればならない。 産業セクター セメント 製品の生産単位 単位:トン。生産国での施設または生産工程 別に、生産されるCBAM 製品の種類ごとに、 別々に報告する。 関連する活動 セメントクリンカーおよび焼成粘土を生産 し、セメントクリンカーを粉砕および混合し てセメントを生産する。 関連する温室効果ガス排出 量
二酸化炭素(CO2) 直接排出量
CO2e トン
間接排出量 消費電力量(MWh)、排出源および間接排出 量を計算するために使用した排出係数(トン のCO2またはCO2e)。
移行期間中は、それぞれ区別して報告すべき である。

する活動 セメントクリンカーおよび焼成粘土を生産 し、セメントクリンカーを粉砕および混合し てセメントを生産する。 関連する温室効果ガス排出 量
二酸化炭素(CO2) 直接排出量
CO2e トン
間接排出量 消費電力量(MWh)、排出源および間接排出 量を計算するために使用した排出係数(トン のCO2またはCO2e)。
移行期間中は、それぞれ区別して報告すべき である。

36 産業セクター セメント 体化排出量の単位 原産国での施設または生産工程別の、CBAM 製品の種類ごとに個別に報告すべき、製品1 トンあたりのCO2e 排出量(トン)。

セメントセクターは、移行期間中において、直接排出量と間接排出量の両方を 算出して報告しなければならない。間接排出量はそれぞれ区別して報告する。 排出量は、生産される製品1 トンあたりのCO2 換算排出量(tCO2e)で報告され なければならない。この数値は、生産国での具体的な施設や生産工程を特定し て算出する必要がある。 セメント生産工程での直接的および間接的に特定される体化排出量(SEE)の値 がどのように計算されるか、また、EU への輸入の体化排出量がどのように計算 されるかを示す事例が、セクション7.1.3 に示されている。 以下のセクションでは、セメントセクターの製品のシステム境界をどのように 定義すべきか、また、モニタリングと報告に含めるべき生産工程の要素を明ら かにする。

5.3.2 対象製品の定義と説明 以下の表5-1 は、セメント産業セクターにおけるCBAM 移行期間に対象となる 関連製品のリストである。左側の列の製品カテゴリーは、モニタリングのため に共通の「生産工程」を定義するグループを示す。 表5-1:セメントセクターのCBAM 製品
集約製品カテゴリー CN コード 説明 焼成粘土 2507 00 80 その他のカオリニック粘土 セメントクリンカー 2523 10 00 セメントクリンカー29 セメント 2523 21 00

2523 29 00 2523 90 00 白色ポルトランドセメント(人工着色 の有無を問わない) その他のポルトランドセメント その他の水硬性セメント アルミナセメント 2523 30 00 アルミナセメント30 出典:CBAM 規則付属書I、施行規則付属書II.

29 クリンカーの種類は区別されない。灰色セメントクリンカーと白色セメントクリンカーは CBAM では同一に扱う。 30 「アルミン酸カルシウムセメント」とも呼ばれる。

ント(人工着色 の有無を問わない) その他のポルトランドセメント その他の水硬性セメント アルミナセメント 2523 30 00 アルミナセメント30 出典:CBAM 規則付属書I、施行規則付属書II.

29 クリンカーの種類は区別されない。灰色セメントクリンカーと白色セメントクリンカーは CBAM では同一に扱う。 30 「アルミン酸カルシウムセメント」とも呼ばれる。

37 表5-1 に記載されている製品カテゴリーには、セメント完成品とセメント生産に 消費される前駆体製品(中間製品)の両方が含まれる。 実施規則に規定されている、生産工程のシステム境界に関連する前駆体として リストアップされた投入材料のみが考慮される。表5-2 は、集約製品カテゴリ ーと生産ルート別に前駆体をリストアップしている。
表5-2:集約製品カテゴリー、その生産ルートおよび関連する前駆体 集約製品カテゴリー 関連前駆体 生産ルート 焼成粘土 なし セメントクリンカー なし セメント セメントクリンカー、焼成粘土(工程で使用 する場合) アルミナセメント なし

システム境界に関連する前駆体は、「セメントクリンカー31」(CN コード2523 10 00)であり、白色クリンカー(白色セメントを生産するために使用される) と灰色クリンカーの両方が含まれ、「焼成粘土」(CN コード2507 00 80)32はク リンカーの代替物であり、生産されるセメントの特性を変更するために使用さ れることがある。 これらの前駆体は、その生産に使用される材料や燃料(化石燃料と代替燃料の 両方)自体が、体化排出量がゼロであるとみなされるため、単純な製品と定義 される。 表5-1 に記載されているセメント製品には、白色ポルトランドセメント、灰色ポ ルトランドセメント、その他の水硬性セメント、アルミナスセメントがある。 これらの製品は、前駆体となる製品からの体化排出量を含むため、複雑な製品 と定義される(アルミナセメントを除く)。 セメント製造に使用されるその他の成分、特に、顆粒化高炉スラグ、フライア ッシュ、天然ポゾラナは、他の水硬性セメント製品(混合セメントや「複合」 セメントを含む)の製造に使用されるが、体化排出量はないと考えられ、 CBAM の対象外である。

31 灰色クリンカーと白色クリンカーは区別されないので、事業者は、使用されるクリンカー前 駆体の体化排出量を適用しなければならない。 32 CN コードには非焼成粘土も含まれ、これはCBAM の対象外である。この場合、非焼成粘土 の輸入量は報告されるが、体化排出量はゼロで、生産者のモニタリング対象ではない。

造に使用されるが、体化排出量はないと考えられ、 CBAM の対象外である。

31 灰色クリンカーと白色クリンカーは区別されないので、事業者は、使用されるクリンカー前 駆体の体化排出量を適用しなければならない。 32 CN コードには非焼成粘土も含まれ、これはCBAM の対象外である。この場合、非焼成粘土 の輸入量は報告されるが、体化排出量はゼロで、生産者のモニタリング対象ではない。

38 セメントセクターの製品は、以下に示すようなさまざまな工程を経て生産され る。

5.3.3 関連する生産工程および生産ルートの定義と説明
前駆体とセメント製品のシステム境界は区別されるべきものであるが、ある一 定の条件下では、工程への投入活動や工程からの生成活動を含め、これらの製 品の生産工程に直接的または間接的に関与するすべての工程を含むように、合 算することができる。
セメントセクターのモニタリングの対象となる排出量は、7.1.1 に詳述されてい る。 5.3.3.1 焼成粘土の生産工程 焼成粘土はクリンカーの代用品として使用できる。焼成したカオリナイト粘土 (メタカオリン)は、セメント混合物の性状を変えるため、クリンカーの代わ りに様々な割合でセメントに加えることができる。
実施規則(付属書II セクション3)は、焼成粘土生産ルートにおける直接排出量 のモニタリングについて、システム境界を以下のように定義している: 「 – 原料調製、混合、乾燥、焼成、煙道ガス洗浄など、生産工程に直接的 または間接的に関連するすべての工程。
– 燃料の燃焼および原材料からのCO2排出(該当する場合)」 この生産工程に関連する前駆体はない。生産工程で消費される電力に起因する 間接排出量もモニタリングする必要がある。 CN コード 2507 00 80 に該当するその他の非焼成粘土は、体化排出量がゼロとし て割り当てられる点に留意されたい。

5.3.3.2 セメントクリンカー生産工程 セメントクリンカーは、クリンカープラント(キルン)で、炭酸カルシウムを 熱分解して酸化カルシウムを形成し、その後、酸化カルシウムがシリカ、アル ミナ、酸化第一鉄と高温で反応してクリンカーを形成するクリンキングプロセ スを経て生産される。工程の温度や原料の純度によって、灰色や白色のクリン カーが生成される。
実施規則(付属書II セクション3)は、セメントクリンカーの生産ルートにおけ る直接排出量のモニタリングについて、システム境界を以下のように定義して いる:

熱分解して酸化カルシウムを形成し、その後、酸化カルシウムがシリカ、アル ミナ、酸化第一鉄と高温で反応してクリンカーを形成するクリンキングプロセ スを経て生産される。工程の温度や原料の純度によって、灰色や白色のクリン カーが生成される。
実施規則(付属書II セクション3)は、セメントクリンカーの生産ルートにおけ る直接排出量のモニタリングについて、システム境界を以下のように定義して いる:

39 「 – 原材料中の石灰石およびその他の炭酸塩の脱炭酸、従来型化石燃料キ ルン、代替化石燃料キルンおよび原材料、バイオマスキルン燃料(廃棄 物由来燃料など)、非キルン燃料、石灰石および頁岩の非炭酸塩炭素含 量、またはキルン内の生原料に使用されるフライアッシュや、排ガス洗 浄に使用される原材料などの代替原材料」 この生産工程に関連する前駆体はない。生産工程で消費される電力に起因する 間接排出量もモニタリングする必要がある。 上記のシステム境界の定義に従えば、以下の生産工程は、セメントクリンカー 施設のシステム境界内にあるとみなすことができる: • 原料調製 – 粉砕、ミリング、均質化。
• 燃料の貯蔵と準備 – 従来型燃料と廃棄物由来燃料の場合。
• クリンカー生産(「クリンカー焼成」)– 前加熱、キルン処理、クリンカ ー冷却を含むキルンシステム全体の全工程。 • 中間貯蔵 – セメントクリンカーを工場外に移転したり、セメントを粉砕し たりする前に、覆いをかけて貯蔵。 • 排出量コントロール – 大気、水、地面への放出を処理。
炭酸塩材料からの工程排出量を投入または生成ベースで計算する方法は、本ガ イダンス文書のセクション 6.5.1.1 に示されている。 セメントキルンダスト(CKD)の扱いに関する補足的な規則は、セクション 7.1.1.2 に、セメントクリンカーの体化排出量がどのように導かれるかを示すケー ススタディが、セクション7.1.2 に説明されている。

5.3.3.3 セメント生産工程 セメント(アルミナセメントを除く)は、関連する前駆体であるセメントクリ ンカーと焼成粘土から生産されるため、複雑な製品と定義される。
セメントは粉砕工場(セメントミル)で生産されるが、この工場は、セメント クリンカーを生産するのと同じ施設にある場合もあれば、独立した別の施設に ある場合もある。セメントクリンカーは粉砕され、他の特定の成分と混合され て、完成したセメント製品になる。様々な成分の組み合わせにより、ポルトラ ンドセメント、混合セメント(ポルトランドセメントと他の水硬性成分の混合 物)、または他の水硬性セメントが使用される。 実施規則(付属書II セクション3)は、セメントの生産ルートにおける直接排出 量のモニタリングについて、システム境界を以下のように定義している:
「 – 燃料の燃焼から排出される全てのCO2(材料の乾燥に関連する場合)。

製品になる。様々な成分の組み合わせにより、ポルトラ ンドセメント、混合セメント(ポルトランドセメントと他の水硬性成分の混合 物)、または他の水硬性セメントが使用される。 実施規則(付属書II セクション3)は、セメントの生産ルートにおける直接排出 量のモニタリングについて、システム境界を以下のように定義している:
「 – 燃料の燃焼から排出される全てのCO2(材料の乾燥に関連する場合)。

40 関連する前駆体は、セメントクリンカーと焼成粘土である(工程で使用する場 合)。生産工程で消費される電力に起因する間接排出量もモニタリングする必 要がある。 上記のシステム境界の定義に従えば、以下の生産工程は、セメント施設のシス テム境界内にあるとみなすことができる: • 原料調製 – 材料(セメントクリンカー、焼成粘土、鉱物添加物)の取り扱 いと前処理(鉱物添加物の予熱、乾燥など)。 • セメント生産 – 破砕、粉砕、ミリング、粒度による分離を含むすべての工 程。 • セメントの保管、梱包、発送。 図5-1 は、セメントクリンカーとセメントの生産工程がどのように関連している かを示している。 図5-1:セメントクリンカーとセメント生産工程のシステム境界 セメントクリンカーとセメント生産工程

41 セメントクリンカー生産工程での直接排出量は、キルンおよび非キルン燃料の 燃焼、および石灰石などの工程で使用される原料から生じる。直接排出量は、 最終セメント製品の生産に使用される原料の乾燥に使われる燃料からも発生す る可能性がある。 クリンカー生産工程のバリエーションとして、永久的な地中貯留、すなわち二 酸化炭素回収および貯留(CCS)が考えられる。 セメント製品の生産に使われるセメントクリンカーは、灰色と白色の区別はな いものとする。

5.3.3.4 アルミナセメント生産工程 アルミナセメントは、アルミナクリンカーから連続生産工程で直接に生産され、 さらに添加物を加えることなく粉砕されるため、単純な製品であると考えられ ている。 実施規則(付属書II セクション3)は、アルミナセメントの生産ルートにおける 直接排出量のモニタリングについて、システム境界を以下のように定義してい る:
「工程に直接的または間接的に関連する燃料の燃焼による全てのCO2 排 出量。 – 該当する場合、原料中の炭酸塩と煙道ガス洗浄による工程排出量」 この生産工程に関連する前駆体はない。生産工程で消費される電力に起因する 間接排出量もモニタリングする必要がある。 上記のシステム境界の定義に従えば、アルミナスセメントの生産全体は、焼成 とセメント粉砕の両方の生産工程を含み、原料調製から排ガス管理までを対象 とする。

接的に関連する燃料の燃焼による全てのCO2 排 出量。 – 該当する場合、原料中の炭酸塩と煙道ガス洗浄による工程排出量」 この生産工程に関連する前駆体はない。生産工程で消費される電力に起因する 間接排出量もモニタリングする必要がある。 上記のシステム境界の定義に従えば、アルミナスセメントの生産全体は、焼成 とセメント粉砕の両方の生産工程を含み、原料調製から排ガス管理までを対象 とする。

42 図5-2:アルミナセメントの生産工程のシステム境界 アルミナセメント生産工程

なお、アルミナ(ボーキサイトから生産)は原料として扱われ、体化排出量は ゼロである。

5.4 化学セクター – 水素 別のセクションを示す。
施行規則の参照文書: • 付属書Ⅱ、セクション2、表1 「CN コードと集約製品カテゴリーへのマッピング」 • 付属書II のセクション3 「生産ルート、システム境界、に特定される関連する前駆 体」、および以下のサブセクション:3.6 – 水素(サブセクション 3.6.2.2 の水の電解とサ ブセクション 3.6.2.3 の塩素–アルカリ電解における排出量の割当てに関する追加規則を含 む)。

5.4.1 生産単位と体化排出量 EU に輸入される水素の量は(純水素として換算)、トン単位で表示される。事 業者としては、報告のために、施設または生産工程ごとに発生した水素の量を 記録する必要がある。 産業セクター 化学 – 水素 製品の生産単位 純水素(トン)を生産国の施設または生産 工程ごとに区分して報告する。

43 産業セクター 化学 – 水素 関連する活動 蒸気改質または炭化水素の部分酸化、水の 電気分解、塩素アルカリ電解、または次亜 塩素酸ナトリウムの生産による水素の生産 関連する温室効果ガス 二酸化炭素(CO2) 直接排出量
CO2e トン
間接排出量 消費電力量1 メガワット時(MWh)、排出 源、間接排出量を計算するために使用した 排出係数のCO2またはCO2 換算排出量(トン)。
移行期間中は、それぞれ区別して報告すべ きである。 体化排出量の単位 原産国における施設別に、製品の種類ごと に個別に報告すべき、製品1 トンあたりの CO2換算排出量(トン)。

水素セクターは、移行期間中においては、直接排出量と間接排出量の両方を算 出して報告しなければならない。間接排出量はそれぞれ区別して報告する。33排 出量は、生産される1 トンあたりのCO2 換算排出量(tCO2e)で報告されなけれ ばならない。この数値は、生産国での具体的な施設や生産工程を特定して算出 する必要がある。 蒸気改質法および塩素アルカリ電解生産ルートでの直接的および間接的に特定 される体化排出量(SEE)の値がどのように計算されるか、また、EU への輸入 の体化排出量がどのように計算されるかを示す事例が、セクション7.5.2 に示さ れている。 以下のセクションでは、水素生産ルートのシステム境界をどのように定義すべ きか、また、モニタリングと報告に含めるべき生産工程の要素を明らかにする。 5.4.2 CBAM 対象セクターの定義と説明 以下の表5-3 は、水素産業セクターにおけるCBAM 移行期間に対象となる関連 製品のリストである。左側の列の製品カテゴリーは、モニタリングのために共 通の「生産工程」を定義するグループを示す。 表5-3:化学セクターにおけるCBAM 製品 - 水素 集約製品カテゴリー 製品CN コード 説明 水素 2804 10 000 水素

4.2 CBAM 対象セクターの定義と説明 以下の表5-3 は、水素産業セクターにおけるCBAM 移行期間に対象となる関連 製品のリストである。左側の列の製品カテゴリーは、モニタリングのために共 通の「生産工程」を定義するグループを示す。 表5-3:化学セクターにおけるCBAM 製品 - 水素 集約製品カテゴリー 製品CN コード 説明 水素 2804 10 000 水素

33 このセクターの間接排出量は、移行期間中のみ報告される(本格実施期間中は報告されな い)。

44 出典:CBAM 規則付属書I、施行規則付属書II. 水素は、その生産に使用される原材料と燃料の体化排出量がゼロとみなされる ため、単純な製品と定義される。 水素には関連する前駆体はない。しかし、水素そのものが、アンモニアを生産 するための化学原料として、あるいは銑鉄や直接還元鉄(DRI)を生産するため に、別途生産される他の工程の関連前駆体となる場合もある。 水素は、以下に示すようなさまざまな工程を経て生産される。 5.4.3 関連する生産工程および生産ルートの定義と説明 水素は、プラスチック廃棄物を含むさまざまな原料から生産することができる が、現在は主に化石燃料から生産されている。水素生産施設は通常、アンモニ アを生産する施設のような、より大規模な工業プロセスに組み込まれている。 次の図は、水素を生産するさまざまな生産ルートを示している。 図5-3: さまざまな水素生産ルートのシステム境界 – 概要
水素の生産ルート – 概要

水素の直接排出量モニタリングのシステム境界内には、水素生産に直接または 間接的に関連するすべての工程、および水素生産に使用されるすべての燃料が 含まれる。 水素セクターのモニタリングの対象となる排出量は、セクション7.5.1.1 に詳述 されている。 エチレン生産の副産物として生産される水素など、他の生産ルートもあるが、 アンモニア生産に使用できる純水素または窒素との混合物の生産のみが対象と なる。CBAM 規制の下で製品の生産に使用されない合成ガスや、精製所や有機 化学施設内で専用に使用される水素の生産は対象外である。

45 5.4.3.1 水素 – 蒸気改質生産ルート この工程の天然ガス原料は、一次および二次蒸気改質によって二酸化炭素と水 素に変換される。反応全体は吸熱性が高く、工程熱は天然ガスやその他のガス 燃料の燃焼によって供給される。発生する一酸化炭素は、ほとんどすべて工程 によって二酸化炭素に変換される。
実施規則(付属書II セクション3)は、蒸気改質(あるいは部分酸化)の生産ル ートにおける直接排出量のモニタリングについて、システム境界を以下のよう に定義している:
「水素生産および煙道ガス浄化に直接的または間接的に関連するすべて の工程。 – エネルギー的、非エネルギー的用途に関係なく、水素生産工程で使用さ れるすべての燃料、および温水や蒸気を生産する目的を含む他の燃焼工 程で使用される燃料。」 この生産工程に関連する前駆体はない。生産工程で消費される電力に起因する 間接排出量もモニタリングする必要がある。 上記のシステム境界の定義に従えば、以下の生産工程は、水素生産施設(蒸気 改質)のシステム境界内にあるとみなすことができる: • 原料の前処理 – 天然ガスの脱硫 • 蒸気改質 – 一次および二次、H2/CO 生成 • シフト変換 – 一酸化炭素から二酸化炭素と水素に変換 • 分離および精製 – CO2除去、極低温、吸着、吸収、膜、水素化(メタン化) を含む分離工程。 • 排出量コントロール – 大気、水、地面への排出物を処理

産工程は、水素生産施設(蒸気 改質)のシステム境界内にあるとみなすことができる: • 原料の前処理 – 天然ガスの脱硫 • 蒸気改質 – 一次および二次、H2/CO 生成 • シフト変換 – 一酸化炭素から二酸化炭素と水素に変換 • 分離および精製 – CO2除去、極低温、吸着、吸収、膜、水素化(メタン化) を含む分離工程。 • 排出量コントロール – 大気、水、地面への排出物を処理 蒸気改質工程で生成される二酸化炭素の流れは非常に純粋であり、尿素の生産 などに使用するために分離および回収される。この工程のバリエーションとし て、永久的な地中貯留、すなわち二酸化炭素回収貯留(CCS)が考えられる。
蒸気改質生産ルートで生産された水素の体化排出量の計算例は、7.5.2.1に記載さ れている。

5.4.3.2 水素 – 炭化水素の部分酸化(ガス化)生産ルート 水素は炭化水素の部分酸化(ガス化)によって生産され、一般的には残留重油 や石炭、さらには廃プラスチックなどの重質原料から生産される。その過程で 発生する一酸化炭素は、ほとんどすべて二酸化炭素に変換される。

46 実施規則(付属書II セクション3)は、部分酸化(あるいは蒸気改質)の生産ル ートにおける直接排出量のモニタリングについて、システム境界を以下のよう に定義している:
「水素生産および煙道ガス浄化に直接的または間接的に関連するすべて の工程。 – エネルギー的、非エネルギー的用途に関係なく、水素生産工程で使用さ れるすべての燃料、および温水や蒸気を生産する目的を含む他の燃焼工 程で使用される燃料。」 この生産工程に関連する前駆体はない。生産工程で消費される電力に起因する 間接排出量もモニタリングする必要がある。 上記のシステム境界の定義に従えば、以下の生産工程は、水素生産施設(部分 酸化)のシステム境界内にあるとみなすことができる: • 空気分離ユニット – 部分酸化工程の酸素を生成。 • ガス化 – H2/CO 生成。 • 合成ガスの浄化–煤と硫黄の除去。 • 変換反応 – 一酸化炭素から二酸化炭素への変換 • 分離と精製 – CO2除去、極低温分離(液体窒素)を含む分離工程。 この工程から発生する二酸化炭素の流れは高純度であり、さらなる利用のため に分離および回収することができる。
5.4.3.3 水素 – 水の電解生産ルート 水電解は、統合されていない独立した生産工程であり、非常に純粋な水素ガス の流れを生成する。この工程からの直接排出量は最小限である。間接排出量は、 工程で消費される電力から生じる。再生可能な電力によって生産される水素は、 将来的に重要な意味を持つようになる可能性がある。 実施規則(付属書II セクション3)は、水の電解生産ルートにおける直接排出量 のモニタリングについて、システム境界を以下のように定義している:
「– 水素生産工程に直接的または間接的に関連する燃料の使用および煙道 ガス浄化によるすべての排出物」 この生産工程に関連する前駆体はない。
生産工程で消費される電力に起因する間接排出量もモニタリングする必要があ る。ただし、生産された水素が欧州委員会委任規則(EU)2023/1184(1)に適 合していることが証明されている場合は、電力の排出係数をゼロとすることが

うに定義している:
「– 水素生産工程に直接的または間接的に関連する燃料の使用および煙道 ガス浄化によるすべての排出物」 この生産工程に関連する前駆体はない。
生産工程で消費される電力に起因する間接排出量もモニタリングする必要があ る。ただし、生産された水素が欧州委員会委任規則(EU)2023/1184(1)に適 合していることが証明されている場合は、電力の排出係数をゼロとすることが

47 できる。それ以外の場合 は、間接的な体化排出量に関する規則(付属書Ⅲのセ クションD) を適用する。 水の電解によって生成される水素の排出量を割り当てるための追加規則は、セ クション7.5.1.2 に記載されている。 5.4.3.4 水素 – クロールアルカリ電解(および塩素酸塩の生成)生産ルート 水素は食塩水の電気分解の副産物として生成され、塩素と水酸化ナトリウムが 同時に生産される。クロールアルカリ電解には、水銀電解法、隔膜電解法、膜 電解法の3 つの基本的な技術が存在する。この3 つのセル技術はすべて水素を発 生させるが、水素はセルの陰極で生成され、非常に高い純度でセルから排出さ れる。生成された水素ガスは冷却、乾燥、精製され、水蒸気やその他の不純物 (酸素を含む場合もある)が除去された後、圧縮されて貯蔵されるか、敷地外 に移転される。 実施規則(付属書II セクション3)は、クロールアルカリと塩素酸塩の生産ルー トにおける直接排出量のモニタリングについて、システム境界を以下のように 定義している:
「– 水素生産工程に直接的または間接的に関連する燃料の使用および煙道 ガス浄化によるすべての排出物」
この生産工程に関連する前駆体はない。
生産工程で消費される電力に起因する間接排出量もモニタリングする必要があ る。ただし、生産された水素が欧州委員会委任規則(EU)2023/1184(1)に適 合していることが証明されている場合は、電力の排出係数をゼロとすることが できる。それ以外の場合 は、間接的な体化排出量に関する規則(付属書Ⅲのセ クションD) を適用する。 上記のシステム境界の定義に従えば、以下の生産工程は、水素生産施設(クロ ールアルカリ)のシステム境界内にあるとみなすことができる: • 塩水の電気分解 – 塩水の調製、電気分解、副産物としての水素の発生と回 収。 • ガスの冷却、乾燥、精製 – 水蒸気、水酸化ナトリウム、塩、塩素、酸素を 水素ガスから除去する。 クロールアルカリ工程で発生する水素の排出量を割り当てる方法に関する追加 規則はセクション7.5.1.2 に、実施例はセクション7.5.2.2 に記載されている。

5.5 肥料セクター 別のセクションを示す。

の電気分解 – 塩水の調製、電気分解、副産物としての水素の発生と回 収。 • ガスの冷却、乾燥、精製 – 水蒸気、水酸化ナトリウム、塩、塩素、酸素を 水素ガスから除去する。 クロールアルカリ工程で発生する水素の排出量を割り当てる方法に関する追加 規則はセクション7.5.1.2 に、実施例はセクション7.5.2.2 に記載されている。

5.5 肥料セクター 別のセクションを示す。

48 施行規則の参照文書: • 付属書Ⅱ、セクション2、表1 「CN コードと集約製品カテゴリーへの マッピング」 • 付属書II: セクション3 「生産ルート、システム境界、および関連する 前駆体」、および以下のサブセクション:3.7 – アンモニア、3.8 – 硝 酸、3.9 – 尿素、3.10 – 混合肥料。

5.5.1 生産単位と体化排出量 EU に輸入される素含有肥料製品の申告量は、トン単位で表示されなければなら ない。事業者としては、報告のために、施設または生産工程ごとに発生した CBAM 製品の量を記録する必要がある。 産業セクター 肥料 製品の生産単位 単位:トン34。生産国での施設または生産 工程別に、生産されるセクターの種類ごと に、別々に報告する。 関連する活動 窒素肥料生産のための化学前駆体を生産 し、物理的な混合または化学的な反応によ って窒素肥料を生産後、最終形態に加工す る。 関連する温室効果ガス排出量
二酸化炭素(CO2)と亜酸化窒素(N2O) である。 直接排出量
CO2e トン
間接排出量 消費電力量1 メガワット時(MWh)、排出 源、間接排出量を計算するために使用した 排出係数のCO2またはCO2 換算排出量(トン)。
移行期間中は、それぞれ区別して報告すべ きである。 体化排出量の単位 原産国における施設別に、製品の種類ごと に個別に報告すべき、製品1 トンあたりの CO2e 換算排出量(トン)。

肥料セクターは、移行期間中、直接排出量と間接排出量の両方を算出して報告 しなければならない。間接排出量はそれぞれ区別して報告する。排出量は、生 産される1 トンあたりのCO2 換算排出量(tCO2e)で報告されなければならない。

34 特定の製品については、輸入量を標準トンに換算する必要がある。それは、その後CBAM 義 務の計算に使用される。例えば、硝酸、アンモニア水和溶液、窒素含有肥料については、基 準濃度/窒素含有量(および窒素の形態)を明示する必要がある。

ればならない。間接排出量はそれぞれ区別して報告する。排出量は、生 産される1 トンあたりのCO2 換算排出量(tCO2e)で報告されなければならない。

34 特定の製品については、輸入量を標準トンに換算する必要がある。それは、その後CBAM 義 務の計算に使用される。例えば、硝酸、アンモニア水和溶液、窒素含有肥料については、基 準濃度/窒素含有量(および窒素の形態)を明示する必要がある。

49 この数値は、生産国での具体的な施設や生産工程を特定して算出する必要があ る。 混合肥料の生産工程での直接的および間接的に特定される体化排出量(SEE)の 値がどのように計算されるか、また、EU への輸入の体化排出量がどのように計 算されるかを示す事例が、セクション7.3.2 に示されている。 以下のセクションでは、肥料セクターの製品のシステム境界をどのように定義 すべきか、また、モニタリングと報告に含めるべき生産工程の要素を明らかに する。 5.5.2 CBAM 対象セクターの定義と説明 以下の表5-4 は、肥料セクターにおけるCBAM 移行期間に対象となる関連製品 のリストである。左側の列の製品カテゴリーは、モニタリングのために共通の 「生産工程」を定義するグループを示す。 表5-4:肥料セクターのCBAM 対象製品 集約製品カテゴリ ー 製品CN コード 説明 硝酸 2808 00 00 硝酸、硝酸硫酸 尿素 3102 10 尿素(水溶液であるか否かを問わ ない) アンモニア 2814 無水アンモニアまたは水溶液 混合肥料 2834 21 00、 3102、3105 – 例外:3102 10 (尿素)および 3105 60 00 2834 21 00 – カリウム硝酸塩、 3102 – 窒素を含む鉱物性または化 学肥料、
– 例外は 3102 10(尿素) 3105 – 窒素、リン、カリウムのう ち2~3 種を含む鉱物性または化学 肥料、その他の肥料 – 例外:3105 60 00 – リンおよびカ リウムを含む鉱物性または化学肥 料35。 出典:CBAM 規則付属書I、施行規則付属書II. 表5-4 に記載されている集約製品カテゴリーには、最終的な窒素肥料と肥料の生 産に消費される前駆体製品(中間製品)の両方が含まれる。

35 窒素(N)を含む肥料のみが、体化排出量に大きな影響を与えるため、その前駆体をCBAM に 含める。

– 例外:3105 60 00 – リンおよびカ リウムを含む鉱物性または化学肥 料35。 出典:CBAM 規則付属書I、施行規則付属書II. 表5-4 に記載されている集約製品カテゴリーには、最終的な窒素肥料と肥料の生 産に消費される前駆体製品(中間製品)の両方が含まれる。

35 窒素(N)を含む肥料のみが、体化排出量に大きな影響を与えるため、その前駆体をCBAM に 含める。

50 生産工程のシステム境界に対して適用される、化学肥料生産のために生産され た前駆体として適格であると指定された原材料のみが対象となる。36以下の表 5-5 は、集約製品カテゴリーと生産ルート別に、可能性のある前駆体をリストア ップしている。
表5-5:集約製品カテゴリー、その生産ルート、可能性のある前駆体 集約製品カテゴリー 関連前駆体 生産ルート アンモニア 水素は、工程で使用するために別途に生産さ れる場合37。 ハーバー・ボッシュ法 (蒸気改質) ハーバー・ボッシュ法 (ガス化) 硝酸 100%アンモニアとしてのアンモニア 尿素 100%アンモニアとしてのアンモニア 混合肥料 工程で使用する場合:100%アンモニアとして のアンモニア、100%硝酸としての硝酸、尿 素、混合肥料(特にアンモニウムまたは硝酸 塩を含む塩)。

混合肥料の生産においては、すべての前駆体が適用されるわけではないことに 注意。特に、混合肥料自体がそのカテゴリーの前駆体として使用される場合が あり、これは必要とされる最終製品の調合によるものである。 関連する前駆体から生産された最終的な窒素化学肥料製品は、前駆体の体化排 出量を含むため、複合品目として定義されている。
肥料セクターの製品の生産は、以下に示すようなさまざまな工程を経て生産さ れる。 5.5.3 関連する生産工程および生産ルートの定義と説明 化学前駆体と肥料のシステム境界は、区別されるべきものであるが、ある一定 の条件下では、工程への投入活動や工程からの生成活動を含め、これらの製品 の生産工程に直接的または間接的に関与するすべての工程を含むように、統合 することができる。

36 全アンモニア生産量の約80%が肥料生産の化学前駆体として使用され、約97%の窒素肥料 がアンモニアに由来する。 37 他の生産ルートからの水素が工程に加えられる場合、それ自体の排出量が組み込まれている 前駆体として扱われなければならない。

入活動や工程からの生成活動を含め、これらの製品 の生産工程に直接的または間接的に関与するすべての工程を含むように、統合 することができる。

36 全アンモニア生産量の約80%が肥料生産の化学前駆体として使用され、約97%の窒素肥料 がアンモニアに由来する。 37 他の生産ルートからの水素が工程に加えられる場合、それ自体の排出量が組み込まれている 前駆体として扱われなければならない。

51 以下の図5-4 は、窒素肥料とその関連する前駆体の生産のためのさまざまな工程 と生産ルートの概要を示している。 図5-4: 窒素肥料およびその前駆体生産のシステム境界とバリューチェーン – 概 要 窒素肥料とその前駆体の生産 – 概要

尿素は混合肥料生産の前駆体として使用されるが、窒素含有量が高いため、単 独で便利な肥料として使用されることもある。 混合肥料は、硝酸アンモニウム、カルシウムアンモニウム硝酸塩、硫酸アンモ ニウム、リン酸アンモニウム、尿素アンモニウム硝酸塩溶液、窒素–リン(NP) 肥料、窒素カリ(NK)肥料、窒素リン酸カリ(NPK)肥料など、あらゆる種類 の窒素(N)含有肥料からなる。 肥料セクターのモニタリングの対象となる排出量は、7.3.1.1に詳述されている。 5.5.3.1 アンモニア – ハーバー・ボッシュ法による蒸気改質生産ルート アンモニアは、ハーバー・ボッシュ法で窒素と水素から合成される。この生産 ルートでは、水素は天然ガス(またはバイオガス)を蒸気改質することによっ て得られ、窒素は空気から得られる。反応全体は吸熱性が高く、工程熱は天然 ガスやその他のガス燃料の燃焼によって供給される。発生する一酸化炭素は、 ほとんどすべて二酸化炭素に変換される。 実施規則(付属書II セクション3)は、蒸気改質生産ルートを持つハーバー・ボ ッシュ法の直接排出量のモニタリングについて、システム境界を以下のように 定義している:
「 – アンモニア生産に直接的または間接的に関係するすべての燃料、およ び煙道ガス浄化に使用される材料。
– すべての燃料は、エネルギーとしての投入か非エネルギーとしての投入 かに関係なく、モニタリングされなければならない。

施規則(付属書II セクション3)は、蒸気改質生産ルートを持つハーバー・ボ ッシュ法の直接排出量のモニタリングについて、システム境界を以下のように 定義している:
「 – アンモニア生産に直接的または間接的に関係するすべての燃料、およ び煙道ガス浄化に使用される材料。
– すべての燃料は、エネルギーとしての投入か非エネルギーとしての投入 かに関係なく、モニタリングされなければならない。

52 – バイオガスを使用する場合は、付属書III のセクションB.3.3 の規定を適 用する。
– 他の生産ルートからの水素が工程に加えられる場合、それは前駆体とし て扱われ、その体化排出量が考慮されるべきである。 関連する前駆体は、工程で使用される場合は、別途に生産されている水素であ る。生産工程で消費される電力に起因する間接排出量もモニタリングする必要 がある。 上記のシステム境界の定義に従えば、以下の生産工程は、蒸気改質工程による ハーバー・ボッシュ法のシステム境界内にあるとみなすことができる:
• 天然ガスまたはバイオガスの蒸気改質による水素生産38. • 水素と窒素からのアンモニアの合成:高温および高圧下で触媒の存在下 でのアンモニアの凝縮、精製および保存(該当する場合)。 アンモニア生産から排出される二酸化炭素は高純度であり、分離、回収し、尿 素生産など他の用途に移転することができる。 生産されるアンモニアは、含水であれ無水であれ、100%アンモニアとして報告 すべきことに留意されたい。 5.5.3.2 アンモニア – ハーバー・ボッシュ法のガス化の生産ルート この生産ルートでは、水素は炭化水素のガス化によって得られる。水素は通常、 石炭、重質油精製燃料、その他の化石原料などの重質原料から得られる。水素 を含む合成ガスが生成され、次の生産工程に使用する前に精製する必要がある。 次にアンモニアは、生成された水素と空気中の窒素から、触媒の存在下、高温 高圧で合成される。発生する一酸化炭素は、ほとんどすべて二酸化炭素に変換 される。 実施規則(付属書II セクション3)は、ガス化を伴うハーバー・ボッシュ法の生 産ルートにおける直接排出量のモニタリングについて、システム境界を以下の ように定義している:
「 – アンモニア生産に直接的または間接的に関係するすべての燃料、およ び煙道ガス浄化に使用される材料。 – 各燃料投入は、エネルギー投入として使用されるか非エネルギー投入と して使用されるかに関係なく、1 つの燃料の流れとしてモニタリングされ なければならない。

38 工程ステップについては、上記の水素セクターのセクション5.4.3.1 を参照のこと。

ように定義している:
「 – アンモニア生産に直接的または間接的に関係するすべての燃料、およ び煙道ガス浄化に使用される材料。 – 各燃料投入は、エネルギー投入として使用されるか非エネルギー投入と して使用されるかに関係なく、1 つの燃料の流れとしてモニタリングされ なければならない。

38 工程ステップについては、上記の水素セクターのセクション5.4.3.1 を参照のこと。

53 – 他の生産ルートからの水素が工程に加えられる場合、それは前駆体とし て扱われ、その体化排出量が考慮されるべきである。 関連する前駆体は、工程で使用される場合は、別途に生産されている水素であ る。生産工程で消費される電力に起因する間接排出量もモニタリングする必要 がある。 上記のシステム境界の定義に従えば、以下の生産工程は、ガス化を伴うハーバ ー・ボッシュ法のシステム境界内にあるとみなすことができる:
• ガス化(部分酸化)による水素生産39 • 水素と窒素からのアンモニアの合成:高温および高圧下で触媒の存在下 でのアンモニアの凝縮、精製および保存(該当する場合)。 生産されるアンモニアは、含水であれ無水であれ、100%アンモニアとして報告 すべきことに留意されたい。 5.5.3.3 硝酸(およびスルホン硝酸)生産工程 硝酸は主に、オストワルド法によるアンモニアの酸化によって生成される。。 アンモニアはまず触媒の存在下で酸化され、一酸化窒素を生成する。その後、 一酸化窒素はさらなる酸化を経て二酸化窒素となり、吸収塔で水に吸収されて 硝酸を形成する。反応は発熱性であり、発生する熱と電力を工程に回収するこ とができる。 実施規則(付属書II セクション3)は、硝酸生産ルートにおける直接排出量のモ ニタリングについて、システム境界を以下のように定義している:
「– 硝酸生産に直接または間接的に関連するすべての燃料からのCO2、お よび煙道ガス洗浄に使用される材料。 – 生産工程からN2O を排出するすべての発生源からのN2O 排出量(抑制処 理されていない排出量と抑制処理された排出量の両方を含む)。燃料の 燃焼から排出されるN2O はモニタリングから除外される。 関連する前駆体は、アンモニア(100%のアンモニア)である。生産工程で消費 される電力に起因する間接排出量もモニタリングする必要がある。 上記のシステム境界の定義に従えば、以下の生産工程は、硝酸生産工程のシス テム境界内にあるとみなすことができる: • 原料調製 – アンモニアおよび工程空気の蒸発と濾過 • アンモニアの酸化 – 一酸化窒素への生産酸化、全ての工程。

39 工程ステップについては、上記の水素セクターのセクション5.4.3.2 を参照のこと。

れる電力に起因する間接排出量もモニタリングする必要がある。 上記のシステム境界の定義に従えば、以下の生産工程は、硝酸生産工程のシス テム境界内にあるとみなすことができる: • 原料調製 – アンモニアおよび工程空気の蒸発と濾過 • アンモニアの酸化 – 一酸化窒素への生産酸化、全ての工程。

39 工程ステップについては、上記の水素セクターのセクション5.4.3.2 を参照のこと。

54 • さらなる酸化および吸収 – 二酸化窒素への酸化と硝酸を形成するための水 への吸収、すべての工程ステップ。 なお、生産された硝酸は100%硝酸として報告される。 5.5.3.4 尿素生産工程 尿素は、高圧下でアンモニアと二酸化炭素を反応させてカルバミン酸アンモニ ウムを生成し、それを脱水して尿素を生成する。
実施規則(付属書II セクション3)は、尿素生産ルートにおける直接排出量のモ ニタリングについて、システム境界を以下のように定義している:
「– 尿素生産に直接または間接的に関連するすべての燃料からのCO2、お よび煙道ガス洗浄に使用される材料。 –他の施設からCO2 が原材料として受け取られる場合、尿素に結合されて いないCO2 は、まだCO2 が生成された施設で排出量として計算されてい ない場合、対象のモニタリング、報告、検証システムの下で排出量と見 なされる。」 関連する前駆体は、アンモニア(100%のアンモニア)である。生産工程で消費 される電力に起因する間接排出量もモニタリングする必要がある。 上記のシステム境界の定義に従えば、以下の生産工程は、尿素生産工程のシス テム境界内にあるとみなすことができる: • 原料の調製 – アンモニア、CO2の蒸発とろ過。 • 尿素の生産 – 合成から粒子形成までの全工程。 この生産工程で消費されるアンモニアとCO2 は、通常、同じ敷地内の他の生産 工程から供給される場合が多い。
5.5.3.5 混合肥料の生産工程 あらゆる種類の窒素含有混合肥料(特にアンモニウム塩とNP、NK、NPK)の生 産には、物理的混合か化学反応かに関係なく、混合、中和40、粒子形成(造粒や プリリングによるもの)など、幅広い操作が含まれる。

40 窒素を含む化学肥料は、酸とアンモニアの中和によって対応するアンモニウム塩を形成する ことによって生産される。このようにして生産される肥料には、硝酸アンモニウム、硝酸カ ルシウムアンモニウム、硫酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、尿素硝酸アンモニウムな どがある。

物理的混合か化学反応かに関係なく、混合、中和40、粒子形成(造粒や プリリングによるもの)など、幅広い操作が含まれる。

40 窒素を含む化学肥料は、酸とアンモニアの中和によって対応するアンモニウム塩を形成する ことによって生産される。このようにして生産される肥料には、硝酸アンモニウム、硝酸カ ルシウムアンモニウム、硫酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、尿素硝酸アンモニウムな どがある。

55 実施規則(付属書II セクション3)は、混合肥料生産ルートにおける直接排出量 のモニタリングについて、システム境界を以下のように定義している:
「乾燥機や投入材料の加熱に使用される燃料、煙道ガス洗浄に使用され る材料などを含め、肥料生産に直接的または間接的に関連するすべての 燃料からのCO2。 工程で使用する場合の関連する前駆体:アンモニア(100%アンモニア)、硝酸 (100%硝酸)、尿素、混合肥料(特にアンモニウムまたは硝酸塩を含む塩)。 生産工程で消費される電力に起因する間接排出量もモニタリングする必要があ る。
上記のシステム境界の定義に従えば、以下の生産工程は、混合肥料生産工程の システム境界内にあるとみなすことができる: • 原材料の準備。 • 混合肥料の生産 – すべての工程。 混合肥料の生産工程での直接的および間接的に特定される体化排出量(SEE)の 値がどのように計算されるか、また、EU への輸入の体化排出量がどのように計 算されるかを示す事例が、セクション7.3.2 に示されている。

5.6 鉄鋼セクター 別のセクションを示す。
施行規則の参照文書: • 付属書Ⅱ、セクション2、表1 「CN コードと集約製品カテゴリーへのマッピング」 • 付属書II のセクション3「生産ルート、システム境界、関連する前駆体」である。3.11 – 焼結鉱石、3.12 – フェロマンガン、フェロクロム、フェロニッケル、 3.13 – 銑鉄、 3.14 – DRI(直接還元鉄)、 3.15 – 粗鋼、 3.16 – 鉄または鋼製品。

5.6.1 生産単位と体化排出量 EU に輸入される鉄鋼セクター製品の申告量は、トン単位で表示されなければな らない。事業者としては、報告のために、生産工程ごとの施設で発生した CBAM 製品の量を記録する必要がある。 産業セクター 鉄鋼 製品の生産単位 単位:トン。生産国での施設または生産工 程別に、生産されるセクターの種類ごと に、別々に報告する。

– 鉄または鋼製品。

5.6.1 生産単位と体化排出量 EU に輸入される鉄鋼セクター製品の申告量は、トン単位で表示されなければな らない。事業者としては、報告のために、生産工程ごとの施設で発生した CBAM 製品の量を記録する必要がある。 産業セクター 鉄鋼 製品の生産単位 単位:トン。生産国での施設または生産工 程別に、生産されるセクターの種類ごと に、別々に報告する。

56 関連する活動 鉄、鋼鉄、鉄鋼合金の生産、溶解、精錬。 および半製品および基本的な鉄鋼製品の生 産。 関連する温室効果ガス 二酸化炭素(CO2) 直接排出量
CO2e トン
間接排出量 消費電力量1 メガワット時(MWh)、排出 源、間接排出量を計算するために使用した 排出係数のCO2またはCO2 換算排出量(トン)。
移行期間中は、それぞれ区別して報告すべ きである。 体化排出量の単位 原産国における施設別に、製品の種類ごと に個別に報告すべき、製品1 トンあたりの CO2e 換算排出量(トン)。

鉄鋼部門は、移行期間中、直接排出量と間接排出量の両方を算出しなければな らない。間接排出量はそれぞれ区別して報告する。41排出量は、生産される1 ト ンあたりのCO2 換算排出量(t CO2e)で報告されなければならない。この数値は、 生産国での具体的な施設や生産工程を特定して算出する必要がある。 なお、鉄鋼製品について、質量収支法を用いて、直接排出量と間接排出量(SEE) の値がどのように計算されるのか、また、EU への輸入の体化排出量がどのよう に計算されるのかを示すいくつかの事例が、セクション7.2.2 に記載されている。 以下のセクションでは、鉄鋼セクターの製品のシステム境界をどのように定義 すべきか、また、モニタリングと報告に含めるべき生産工程の要素を明らかに する。 5.6.2 CBAM 対象セクターの定義と説明 以下の表5-6 は、鉄鋼セクターにおけるCBAM 移行期間における対象品目であ る。左側の列の製品カテゴリーは、モニタリングのために共通の「生産工程」 を定義するグループを示す。

41 このセクターの間接排出量は、移行期間中のみ報告される(本格実施期間中は報告されな い)。

タリングと報告に含めるべき生産工程の要素を明らかに する。 5.6.2 CBAM 対象セクターの定義と説明 以下の表5-6 は、鉄鋼セクターにおけるCBAM 移行期間における対象品目であ る。左側の列の製品カテゴリーは、モニタリングのために共通の「生産工程」 を定義するグループを示す。

41 このセクターの間接排出量は、移行期間中のみ報告される(本格実施期間中は報告されな い)。

57 表5-6:鉄鋼セクターのCBAM 製品 集約製品 カテゴリ ー 製品CN コー ド 説明 焼結鉱石 42 2601 12 00 焼結鉄鉱および濃縮物(焙焼した硫化鉄を除 く) 銑鉄 7201 銑鉄とスピゲル鉄の塊43、ブロック、その他の 一次形態

720544 7205 製品の一部(鋳鉄、スピゲル鉄、鉄、また は鋼の顆粒および粉末)が、ここに含まれる場 合がある。 フェロア ロイ: FeMn 7202 1

フェロマンガン(FeMn) フェロア ロイ: FeCr 7202 4
フェロクロム(FeCr) フェロア ロイ: FeNi 7202 6 フェロニッケル(FeNi) DRI 7203 鉱石の直接還元およびその他のスポンジ状鉄製 品から得られる鉄製品 粗鋼 7206、7207、 7218、7224 7206 – 鋳塊または他の一次形態の鉄および非合 金鋼(7203 の鉄を除く) 7207 – 鉄または非合金鋼の半製品 7218 – 鋳塊または他の一次形態のステンレス 鋼、ステンレス鋼の半製品 7224 – 鋳塊または他の一次形態のその他の合金 鋼、その他の合金鋼の半製品

42 この集約製品カテゴリーには、あらゆる種類の鉄鉱石ペレット生産(ペレットの販売および 同一施設内での直接使用)と焼結生産が含まれる。 43 合金フェロマンガンを含む銑鉄。 44 このCN コードの一部の製品のみが「銑鉄」として認定され、他の製品は「鉄鋼製品」に分 類される。

58 集約製品 カテゴリ ー 製品CN コー ド 説明 鉄または 鋼製品45
以下を含む: 7205、7208– 7217、7219– 7223、7225– 7229、7301– 7311、7318、 7326

7205 – 鋳鉄、スピゲル鉄、鉄または鋼の顆粒お よび粉末(鋳鉄カテゴリにカバーされていない 場合) 7208 – 幅 600mm 以上の鉄または非合金鋼の熱 間圧延品で、クラッド、メッキまたはコーティ ングされていないもの 7209 – 幅600mm 以上の鉄または非合金鋼の冷 間圧延品(冷間減少)で、クラッド、メッキま たはコーティングされていないもの 7210 – 幅600mm 以上の鉄または非合金鋼の平 板圧延製品で、クラッド、メッキまたはコーテ ィングされたもの 7211 – 幅 600mm 未満の鉄または非合金鋼の平 鋼製品で、クラッド、メッキまたはコーティン グされていないもの 7212 – 幅600mm 未満の鉄または非合金鋼の平 鋼製品で、クラッド、メッキまたはコーティン グされたもの 7213 – 鉄または非合金鋼の不規則に巻かれたコ イル内での熱間圧延された棒鋼(バーおよびロ ッド) 7214 – 鉄または非合金鋼の他の棒およびロッ ド、鍛造、熱間圧延、熱間引抜きまたは熱間押 出しのみに加工され、巻き戻されたものを含む 7215 – 鉄または非合金鋼の他の棒およびロッド 7216 – 鉄鋼または非合金鋼のアングル、形鋼、 セクション鋼材 7217 – 鉄または非合金鋼線 7219 – 幅600mm 以上のステンレス鋼の平板圧 延製品

れた棒鋼(バーおよびロ ッド) 7214 – 鉄または非合金鋼の他の棒およびロッ ド、鍛造、熱間圧延、熱間引抜きまたは熱間押 出しのみに加工され、巻き戻されたものを含む 7215 – 鉄または非合金鋼の他の棒およびロッド 7216 – 鉄鋼または非合金鋼のアングル、形鋼、 セクション鋼材 7217 – 鉄または非合金鋼線 7219 – 幅600mm 以上のステンレス鋼の平板圧 延製品 7220 – 幅600mm 未満のステンレス鋼の平板圧 延製品 7221 – 不規則に巻かれたコイル状の熱間圧延の ステンレス鋼の棒およびロッド

45 この集約製品カテゴリーには、半完成品と完成品が含まれる。

59 集約製品 カテゴリ ー 製品CN コー ド 説明 7222 – その他のステンレス鋼の棒鋼(バーおよ びロッド)、ステンレス鋼のアングル、形鋼、 セクション鋼材 7223 – ステンレス鋼線 7225 – 幅が600mm 以上のその他の合金鋼の平 板圧延品 7226 – 幅600mm 未満のその他の合金鋼の平板 圧延製品 7227 – 不規則に巻かれたコイル状の熱間圧延の 他の合金鋼の棒およびロッド 7228 – その他の合金鋼の棒鋼(バーおよびロッ ド):その他の合金鋼のアングル、形鋼、セク ション鋼材、合金または非合金鋼の中空ドリル 棒およびロッド 7229 – その他の合金鋼線 7301 – 鉄または鋼の矢板(穴あけ、打抜き、ま たは組立てによるものであるか否かを問わな い)、鉄または鋼の溶接されたアングル、形 鋼、セクション鋼材 7302 – 鉄または鋼の鉄道またはトラムの軌道建 設材料、以下を含む:レール、チェックレール およびラックレール、スイッチブレード、踏切 フロッグ、ポイントロッドおよびその他の踏切 部品、枕木(クロスタイ)、フィッシュプレー ト、チェア、チェアウェッジ、ソールプレート (ベースプレート)、レールクリップ、ベッド プレート、枕木およびその他のレールの接続ま たは固定用の特殊材料。 7303 – 鋳鉄製の管、パイプおよび中空形材 7304 – 継ぎ目のない鉄(鋳鉄を除く)または鋼 の管、パイプおよび中空形材 7305 – その他の管およびパイプ(例えば、溶 接、リベット、または同様に閉じられたもの) で、円形断面を有し、その外径が406.4mm を 超える鉄または鋼のもの 7306 – 鉄または鋼のその他の管、パイプおよび 中空形材(例えば、オープンシームまたは溶 接、リベットまたは同様に閉じられたもの)。

形材 7304 – 継ぎ目のない鉄(鋳鉄を除く)または鋼 の管、パイプおよび中空形材 7305 – その他の管およびパイプ(例えば、溶 接、リベット、または同様に閉じられたもの) で、円形断面を有し、その外径が406.4mm を 超える鉄または鋼のもの 7306 – 鉄または鋼のその他の管、パイプおよび 中空形材(例えば、オープンシームまたは溶 接、リベットまたは同様に閉じられたもの)。

60 集約製品 カテゴリ ー 製品CN コー ド 説明 7307 – 鉄製または鋼製の管またはパイプ継手 (カップリング、エルボ、スリーブなど) 7308 – 構造物(項目9406 のプレハブ建築物を 除く)および構造物の部分品(例えば、橋およ び橋の部分品、水門、塔、格子状のマスト、屋 根、屋根の骨組み、ドアおよび窓並びにその枠 および戸口、雨戸、欄干、支柱および柱)であ って、鉄製または鋼製のもの。構造物に使用す るために調製された鉄製または鋼製の板、棒、 アングル、形鋼、セクション鋼材、管その他の もの 7309 – 鉄製または鋼製の、容量が300 リットル を超えるもので、あらゆる材料(圧縮ガスまた は液化ガスを除く)用の貯槽、タンク、桶およ び類似の容器で、内張りまたは断熱の有無にか かわらず、機械的または熱的装置を備えていな いもの。 7310 – 鉄製または鋼製の、容量が300 リットル を超えないもので、あらゆる材料(圧縮ガスま たは液化ガス用を除く)用のタンク、容器、ド ラム缶、缶、ボックスおよび類似の容器で、内 張りまたは断熱の有無にかかわらず、機械的ま たは熱的装置を備えていないもの。 7311 – 鉄製または鋼製の、圧縮または液化ガス 用容器 7318 – 鉄製または鋼製の、ネジ、ボルト、ナッ ト、コーチスクリュー、ネジフック、リベッ ト、コッター、コッターピン、ワッシャー(ス プリングワッシャーを含む)およびこれらに類 する製品 7326 – その他の鉄あるいは鋼製品 出典:CBAM 規則付属書I、施行規則付属書II.

表5-6 に記載されている製品カテゴリーには、鉄鋼製品の生産に消費される完成 品と前駆体製品(中間製品)の両方が含まれる。実施規則に規定されている、 生産工程のシステム境界に関連する前駆体としてリストアップされた投入材料 のみが考慮される。以下の表5-7 は、集約製品カテゴリーと生産ルート別に、 可能性のある前駆体をリストアップしている。

典:CBAM 規則付属書I、施行規則付属書II.

表5-6 に記載されている製品カテゴリーには、鉄鋼製品の生産に消費される完成 品と前駆体製品(中間製品)の両方が含まれる。実施規則に規定されている、 生産工程のシステム境界に関連する前駆体としてリストアップされた投入材料 のみが考慮される。以下の表5-7 は、集約製品カテゴリーと生産ルート別に、 可能性のある前駆体をリストアップしている。

61 表5-7:集約製品カテゴリー、その生産ルート、可能性のある前駆体 集約製品カテゴリー 関連前駆体 生産ルート 焼結鉱石 なし 合金鉄(FeMn、FeCr、FeNi) 工程で使用されている場合は焼結鉱石。 銑鉄 水素、焼結鉱、合金鉄、銑鉄/DRI(後者は他 の施設または生産工程から入手し、工程で使 用する場合)。 高炉ルート 溶融還元 直接還元鉄(DRI) 水素、焼結鉱石、合金鉄、銑鉄/DRI(後者は 他の施設または生産工程から入手し、工程で 使用する場合)。 粗鋼 合金鉄、銑鉄、DRI、粗鋼(後者は他の施設ま たは生産工程から入手し、工程で使用する場 合)。 基本酸素製鋼 電気アーク炉 鉄または鋼製品 合金鉄、銑鉄、DRI、粗鋼、鉄または鋼製品 (工程で使用される場合)。

すべての前駆体がすべてのケースに適用されるわけではない。例えば、水素が 重要になるのは、まだ先のことかもしれない。
特に、場合によっては、集約製品カテゴリーが、それ自身のカテゴリーの前駆 体となることもある点に注意されたい。以下のように、理解しやすい例を挙げ て説明する。 例:ある施設で、棒鋼(ロッド)からネジとナットを生産する場合、棒鋼は 前駆体であるが、棒鋼とネジとナットは同じ集約製品カテゴリーに属してい る。
ネジとナットの体化排出量は、生産工程での排出量(棒鋼を加工しやすくす るために加えられる熱と、最終製品の焼鈍のための熱)と、棒鋼の体化排出 量で構成される。この場合、前駆体の棒鋼の質量と最終製品のネジとナット の質量が同じにならないので、この点に留意することが重要である。例え ば、元の質量の20%が切削される(スクラップとして処分される)とすれ ば、最終製品80 トンに対して100 トンの前駆体が必要となることになる。

62 一部の鉄および鋼製品はCBAM の対象から除外されている。特に、それには CN720246 およびCN7204「鉄系廃棄物およびスクラップ」に該当する、「その他 の種類の合金鉄」が含まれる。 鉄鋼セクター製品の生産は、以下のようなさまざまな工程を経て行われる。 5.6.3 関連する生産工程と対象となる排出量の定義と説明 前駆体と基本的な鉄鋼製品(最終製品)のシステム境界は、区別されるべきの ものであるが、ある一定の条件下では、工程への投入活動や工程からの排出活 動を含め、これらの製品の生産工程に直接的または間接的に関与するすべての 工程を含むように、合算することができる(セクション6.3 を参照)。 次の図は、鉄または鋼製品が生産されるさまざまな生産ルートを示している。
図5-5: 鉄または鋼製品の生産におけるシステム境界とバリューチェーンの概要 鉄または鋼製品の生産-概要

鉄および鋼の完成品の生産は、以下の各節で概説されているように、複数の工 程ルートによって行われる。鉄鋼セクターでモニタリングすべき対象の排出量 は、 7.2.1.1 に詳述されている。

46 CBAM でカバーされていない他の合金鉄には、フェロシリコン、フェロシリコマンガン、フ ェロシリコクロム、フェロモリブデン、フェロタングステン、フェロシリコタングステンな どがある。

鉄および鋼の完成品の生産は、以下の各節で概説されているように、複数の工 程ルートによって行われる。鉄鋼セクターでモニタリングすべき対象の排出量 は、 7.2.1.1 に詳述されている。

46 CBAM でカバーされていない他の合金鉄には、フェロシリコン、フェロシリコマンガン、フ ェロシリコクロム、フェロモリブデン、フェロタングステン、フェロシリコタングステンな どがある。

63 5.6.3.1 焼結鉱生産工程 この集約製品カテゴリーには、あらゆる種類の鉄鉱石ペレット生産(ペレット の販売用および同一施設内での直接使用用の両方)と焼結生産が含まれる。ペ レット化と焼結は、製鉄および製鋼用の酸化鉄原料を調製および凝集させるた めの補完的な工程である。ペレット化の工程では、酸化鉄原料を粉砕し、添加 剤を混合してペレットを形成し、これを熱処理する。焼結鉱の生産では、酸化 鉄原料はコークスブリーズやその他の添加物と混合された後、焼結炉の中でそ の混合物が焼結され、「シンター」(焼結)と呼ばれるクリンカーに類似した 多孔質焼結物が形成される。焼結鉱は通常、製鋼所で生産され使用される。鉱 山で生産されることもあれば、製鉄所で生産されることもある。 鉄鉱石から生産されたフェロアロイペレットおよび焼結鉱も、この生産工程に 該当する可能性がある(CN コード2601 12 00)。 実施規則(付属書II セクション3)は、焼結鉱の生産ルートにおける直接排出量 のモニタリングについて、システム境界を以下のように定義している:
「– 石灰石やその他の炭酸塩、炭酸鉱石などの工程材料からのCO2
– コークス、コークス炉ガス、高炉ガス、転炉ガスなどの廃ガス、生産工 程に直接的または間接的に関連するもの、および煙道ガス浄化に使用さ れる材料を含む、すべての燃料から排出されるCO2 」 この生産工程に関連する前駆体はない。生産工程で消費される電力に起因する 間接排出量もモニタリングする必要がある。 上記のシステム境界の定義に従えば、以下の生産工程は、鉄鉱石ペレットおよ び焼結鉱生産のシステム境界内にあるとみなすことができる: • 原料の取り扱いと前処理 – 鉄鉱石原料の乾燥と粉砕
• 原料のブレンドと混合 – ペレット用および焼結用の原料の調製。工程開始 時に、原料ミックスをバンカーまたはホッパーに貯蔵する。 • 鉄鉱石ペレットのみ – ペレットへの成形と熱処理、選別 • 焼結鉱のみ – 原料の準備、炉での焼結、続いて粉砕、選別、搬送、冷却 • 排出量コントロール – 特に排ガス処理 次の 図5-6 は、焼結(または鉄鉱石ペレット)生産工程のシステム境界を示し ている。

のブレンドと混合 – ペレット用および焼結用の原料の調製。工程開始 時に、原料ミックスをバンカーまたはホッパーに貯蔵する。 • 鉄鉱石ペレットのみ – ペレットへの成形と熱処理、選別 • 焼結鉱のみ – 原料の準備、炉での焼結、続いて粉砕、選別、搬送、冷却 • 排出量コントロール – 特に排ガス処理 次の 図5-6 は、焼結(または鉄鉱石ペレット)生産工程のシステム境界を示し ている。

64 図5-6: 焼結鉱生産工程のシステム境界 焼結鉱生産工程

5.6.3.2 FeMn、FeCr、FeNi 合金鉄の生産工程 このプロセスは、CN コード7202 1、7202 4、7202 6 で分類される合金フェロマ ンガン(FeMn)、フェロクロム(FeCr)、フェロニッケル(FeNi)の生産をカ バーしている。スピゲル鉄のような高合金含有の鉄材料は、ここでは取り扱わ ない (セクション 5.6.3.3 を参照)。ただし、ニッケル含有量が10%以上の場合 はニッケル銑鉄(NPI)が対象となり、10%未満の場合は銑鉄および高炉生産ル ートでのNPI が対象範囲となる。 さまざまなフェロアロイは、コークスなどの還元剤を他の添加剤とともに電気 アーク炉(EAF)に加え、還元製錬によって生産される。フェロアロイの生産工 程によって、さまざまなタイプの電気アーク炉(EAF)が使用されることがある。 フェロニッケルには、製錬の前に、さらに焼成と予備還元のステップがある。 電気アーク炉(EAF)製錬後、液体金属合金は鋳型に注がれて鋳造され、固体化 した金属は顧客の要求に応じて粉砕または粒状化される。
実施規則(付属書II セクション3)は、フェロアロイおよびFeMn、FeCr、FeNi 銑鉄生産工程に対する直接排出モニタリングのシステム境界を以下のように定 義している:
「燃料の投入によって生じるCO2 排出量であり、それがエネルギー用途 か非エネルギー用途かに関わらない。 – 石灰石などの工程投入材料や煙道ガス処理から発生するCO2排出
– 電極や電極ペーストの消費によるCO2 排出。
– 製品やスラグ、廃棄物中に残る炭素は、付属書III のセクションB.3.2 に 基づいてマスバランス法が適用される。

ステム境界を以下のように定 義している:
「燃料の投入によって生じるCO2 排出量であり、それがエネルギー用途 か非エネルギー用途かに関わらない。 – 石灰石などの工程投入材料や煙道ガス処理から発生するCO2排出
– 電極や電極ペーストの消費によるCO2 排出。
– 製品やスラグ、廃棄物中に残る炭素は、付属書III のセクションB.3.2 に 基づいてマスバランス法が適用される。

65 関連する前駆体は、工程で使用される場合には焼結鉱である。生産工程で消費 される電力に起因する間接排出量もモニタリングする必要がある。 上記のシステム境界の定義に従えば、以下の生産工程は、フェロアロイ施設の システム境界内にあるとみなすことができる: • 原料の取り扱いと前処理 – FeMn およびFeCr 用のペレットと焼結、FeNi 用のロータリーキルンでの焼成および予備還元。 • 電気アーク炉(EAF)工程 – 投入、溶解、一次精錬、一次炉の出銑を含む 電気アーク炉(EAF)の全工程。 • 脱炭および二次冶金 – 炭素含有量の異なるフェロアロイを生産するため に必要な場合。 • 鋳造工場 – 鋳造、切断、および鋳塊予熱装置を含む。 • 粉砕と造粒。 • 排出量コントロール – 大気、水、地面への排出物を処理するためのもの で、脱塵装置、燃焼後装置、スラグ処理を含む。 以下の図5-7 は、関連するフェロアロイ生産工程のシステム境界を示している。

図5-7: フェロアロイ生産工程のシステム境界 フェロアロイ生産工程 – 電気アーク炉(EAF)による還元製錬

フェロアロイの原料投入量には、焼結鉄鉱石(CN コード2601 12 00)の別の生 産工程で生産されるペレットや焼結が含まれる場合があることに注意すること。
EAF 生産工程では、炭素の出入り(鋼、廃棄物、スラグに残る炭素)を完全に バランスさせるために、マスバランス法を使用する。マスバランス法がどのよ うに適用されるかを示す事例は、セクション 7.2.2.2 に記載されている。

66 5.6.3.3 銑鉄 – 高炉生産ルート 高炉生産ルートでは、液体の銑鉄(「溶銑」)を生産するが、これは合金化さ れる場合(例:スピゲル鉄やニッケル銑鉄またはNPI47)と、非合金化される場 合がある。この生産工程の主要な生産設備は高炉である。高炉への投入物には、 鉄鉱石ペレットまたは焼結鉱、燃料、還元剤として使用される他の原料が含ま れる。高炉の中では酸化鉄が還元されて金属鉄になる。生成された溶けた高温 の金属は、その後取り出され、鋳造されるか、あるいは次の工程で基本酸素転 炉によって直接粗鋼に転換される。この工程は、粗鋼 – 基本酸素製鋼 ルートと いう別の生産工程で行われる。 実施規則(付属書II セクション3)は、銑鉄 – 高炉生産ルートにおける直接排出 量モニタリングのシステム境界を、以下のように定義している:
「 – コークス、コークスダスト、石炭、燃料油、プラスチック廃棄物、天 然ガス、木材廃棄物、木炭などの燃料や還元剤、そしてコークス炉ガス、 高炉ガス、転炉ガスなどの廃ガスからのCO2。 – バイオマスを使用する場合は、付属書III のセクション B.3.3 の規定を考 慮に入れる必要がある。 – 石灰石、マグネサイト、その他の炭酸塩、炭酸塩鉱石、煙道ガス浄化の 材料などの工程材料からのCO2。 – 製品やスラグ、廃棄物中に残る炭素は、付属書III のセクションB.3.2 に 基づいてマスバランス法が適用される。 関連する前駆体(工程で使用される場合)とは、焼結鉱、銑鉄または他の設備

マスを使用する場合は、付属書III のセクション B.3.3 の規定を考 慮に入れる必要がある。 – 石灰石、マグネサイト、その他の炭酸塩、炭酸塩鉱石、煙道ガス浄化の 材料などの工程材料からのCO2。 – 製品やスラグ、廃棄物中に残る炭素は、付属書III のセクションB.3.2 に 基づいてマスバランス法が適用される。 関連する前駆体(工程で使用される場合)とは、焼結鉱、銑鉄または他の設備 や生産工程から得られる直接還元鉄(DRI)、フェロアロイ(フェロマンガン FeMn、フェロクロムFeCr、フェロニッケルFeNi)、および水素(使用される場 合)である。生産工程で消費される電力に起因する間接排出量もモニタリング する必要がある。 上記のシステム境界の定義に従えば、以下の生産工程は、高炉施設のシステム 境界内にあるとみなすことができる: • 原材料の取り扱いと前処理。 • 燃料の貯蔵と準備 – 例えば、石炭の乾燥および粉末石炭注入(PCI)の準 備、容器の予熱スタンドなど。 • 溶銑生産 – 液体銑鉄をもたらす高炉工程の全工程を含む。主要ユニット は高炉で、溶銑処理ユニット、高炉ブロワー、高炉熱風炉、圧縮空気の 生産、ブロワー内へのスチーム注入、蒸気発生装置などが含まれる。

47 NPI はニッケル含有量が10%未満であればこの生産工程でカバーされ、10%以上の場合はフ ェロアロイ生産工程でカバーされる。

67 • 排出量コントロール – 大気中、河川、または地面への放出物の処理が対 象(スラグ処理、排ガス処理、集塵装置、粉塵の圧縮成形が含まれる) • 上記以外の項目。 次の 図5-8 は、高炉生産ルートのシステム境界を示している。 高炉からの液体銑鉄がすべて酸素製鋼工程で粗鋼生産に使用されるのであれば、 高炉生産ルートからの排出量を個別にモニタリングする必要はない。その代わ りに、粗鋼生産のための共同生産工程を定義することができる。
生産工程に出入りの炭素量(製品に残存する炭素、または廃棄物やスラグに含 まれる炭素)の完全なバランスを示すためにマスバランス法が使用される。マ スバランス法がどのように適用されるかを示す事例が、セクション 7.2.2.1 に記 載されている。

図5-8: 銑鉄 – 高炉生産ルートのシステム境界
銑鉄 – 高炉生産ルート

5.6.3.4 銑鉄 – 製錬還元生産ルート 製錬還元は、さまざまな燃料や還元剤を使用して、前駆体である焼結鉱、鉄鉱 石ペレット、または製鉄残渣から銑鉄を生産する。この工程は、鉄鉱石の還元 と、その後の溶融による液体銑鉄(溶銑)生産の2 段階から構成される。
実施規則(付属書II セクション3)は、銑鉄 – 製錬還元生産ルートにおける直接 排出量モニタリングのシステム境界を、以下のように定義している:

銑鉄 – 製錬還元生産ルート 製錬還元は、さまざまな燃料や還元剤を使用して、前駆体である焼結鉱、鉄鉱 石ペレット、または製鉄残渣から銑鉄を生産する。この工程は、鉄鉱石の還元 と、その後の溶融による液体銑鉄(溶銑)生産の2 段階から構成される。
実施規則(付属書II セクション3)は、銑鉄 – 製錬還元生産ルートにおける直接 排出量モニタリングのシステム境界を、以下のように定義している:

68 「 – コークス、コークスダスト、石炭、燃料油、プラスチック廃棄物、天 然ガス、木材廃棄物、木炭、そして工程や転炉ガスからの廃ガスなど、 燃料および還元剤からのCO2。 – バイオマスを使用する場合は、付属書III のセクション B.3.3 の規定を考 慮に入れる必要がある。 – 石灰石、マグネサイト、その他の炭酸塩、炭酸塩鉱石、煙道ガス浄化の 材料などの工程材料からのCO2。 – 製品やスラグ、廃棄物中に残る炭素は、付属書III のセクションB.3.2 に 基づいてマスバランス法が適用される。 関連する前駆体(工程で使用される場合)とは、焼結鉱、銑鉄または他の設備 や生産工程から得られる直接還元鉄(DRI)、フェロアロイ(フェロマンガン FeMn、フェロクロムFeCr、フェロニッケルFeNi)、および水素(使用される場 合)である。生産工程で消費される電力に起因する間接排出量もモニタリング する必要がある。 上記のシステム境界の定義に従えば、以下の生産工程は、製錬還元施設のシス テム境界内にあるとみなすことができる: • 原材料の取り扱いと前処理。 • 燃料の貯蔵と準備。 • 還元製錬工程 – 溶銑が得られる製錬工程のすべてのステップ。 • 鋳造工場。 • 排出量コントロール – 特に煙道ガスの清浄化。 次の図5-9 は、銑鉄を生産するための製錬還元工程のシステム境界を示している。

図5-9: 銑鉄 – 製錬還元生産ルートのシステム境界

69 銑鉄 – 製錬還元生産ルート

マスバランス法は、生産工程に出入りする炭素量(製品に残存する炭素、また は廃棄物やスラグの炭素を含む)の完全な収支を示すために使用される。マス バランス法がどのように適用されるかを示す事例は、セクション 7.2.2.1 に記載 されている。 5.6.3.5 直接還元鉄(DRI)生産工程 直接還元法とは、高品位の鉄鉱石(ペレット、焼結鉱、精鉱)から固体の一次 鉄を生産する方法である。異なる技術が使用されることがあり、それによって 異なる品質の鉱石(ペレット化や焼結化が必要な場合がある)や、異なる燃料 および還元剤(天然ガス、様々な化石燃料またはバイオマス、水素)が用いら れる。得られる固体製品は「直接還元鉄(DRI)」と呼ばれる。DRI には、例え ば「鉄スポンジ」や「熱圧成鉄(HBI)」など、さまざまな種類がある。DRI の 一部は、EAF(電気アーク炉)への供給原料として、または他の下流工程に直接 使用される。水素を使用する生産ルートが、今後数年間で鉄鋼業の脱炭素化に おいて重要な役割を果たすと予想されている。 実施規則(付属書II セクション3)は、直接還元鉄(DRI)生産ルートにおける 直接排出量のモニタリングについて、システム境界を以下のように定義してい る:
「 – 燃料や還元剤からのCO2(天然ガス、燃料油、工程からの廃ガスやコ ンバータガスなど)。 – バイオガスまたは他のバイオマスを使用する場合、付属書III セクショ ンB.3.3 の規定を考慮しなければならない。 – 石灰石、マグネサイト、その他の炭酸塩、炭酸塩鉱石、煙道ガス浄化の 材料などの工程材料からのCO2。

のモニタリングについて、システム境界を以下のように定義してい る:
「 – 燃料や還元剤からのCO2(天然ガス、燃料油、工程からの廃ガスやコ ンバータガスなど)。 – バイオガスまたは他のバイオマスを使用する場合、付属書III セクショ ンB.3.3 の規定を考慮しなければならない。 – 石灰石、マグネサイト、その他の炭酸塩、炭酸塩鉱石、煙道ガス浄化の 材料などの工程材料からのCO2。

70 – 製品やスラグ、廃棄物中に残る炭素は、付属書III のセクションB.3.2 に 基づいてマスバランス法が適用される。 関連する前駆体(工程で使用される場合)とは、焼結鉱、水素、他の設備や生 産工程から得られる銑鉄または直接還元鉄(DRI)、フェロアロイ(フェロマン ガンFeMn、フェロクロムFeCr、フェロニッケルFeNi)(使用される場合)。生 産工程で消費される電力に起因する間接排出量もモニタリングする必要がある。 上記のシステム境界の定義に従えば、以下の生産工程は、直接還元鉄(DRI)施 設のシステム境界内にあるとみなすことができる: • 原材料の取り扱いと前処理。 • 燃料の貯蔵と準備 – 石炭、天然ガス、水素など。 • 鉄生産のための直接還元工程 – 直接還元鉄(DRI)工程の全ステップ、該 当する場合は熱圧成鉄(HBI)への成形。 • 排出量コントロール – 特に煙道ガスの清浄化。 以下の図5-10 は、直接還元鉄(DRI)生産に関連する工程のシステム境界を示し ている。実際には複数の工程が使用されるが、高レベルのシステム境界は非常 に類似しているため、単一の図で示すことができる。 対象施設が、生産した直接還元鉄(DRI)を他の施設に販売したり移転したりし ない限り、DRI 生産工程からの排出量を個別にモニタリングする必要はない。製 鋼を含む一般的な生産工程が使用される可能性がある。 マスバランス法は、生産工程に出入りする炭素量(製品に残存する炭素、また は廃棄物やスラグの炭素を含む)の完全な収支を示すために使用される。マス バランス法がどのように適用されるかを示す事例は、セクション 7.2.2.1 に記載 されている。

71 図5-10: 直接還元鉄(DRI)生産工程のシステム境界 直接還元鉄(DRI)生産工程

5.6.3.6 粗鋼 – 基本酸素製鋼ルート 基本酸素製鋼ルートが溶銑(液体銑鉄)から始まる場合、溶銑は連続工程の一 環として基本酸素転炉または溶鉱炉(BOF)によって粗鋼に直接転換される。 転換に続いて、アルゴン酸素脱炭(AOD)または真空酸素脱炭(VOD)による 鋼の脱炭工程が行われる場合があり、その後、溶存ガスを除去するための真空 脱ガスなどのさまざまな二次冶金工程が行われる。粗鋼はその後、連続鋳造ま たは鋳塊鋳造によって一次形状に鋳造され、熱間圧延または鍛造によって半製 品粗鋼製品(CN コード7207、7218、7224)が得られる。 実施規則(付属書II セクション3)は、粗鋼 – 基本酸素製鋼ルートにおける直接 排出量モニタリングのシステム境界を、以下のように定義している:
「 – 石炭、天然ガス、燃料油、高炉ガス、コークス炉ガス、転炉ガスなど の廃ガスなどの燃料からのCO2。 – 石灰石、マグネサイト、その他の炭酸塩、炭酸塩鉱石、煙道ガス浄化の 材料などの工程材料からのCO2。 – スクラップ、合金、黒鉛等から工程に流入する炭素と、製品中またはス ラグや廃棄物中に残存する炭素は、付属書III のセクションB.3.2 に従って マスバランス法を用いて考慮する。」 使用される場合の関連する前駆体には、鋳鉄、直接還元鉄(DRI)、フェロアロ

スなどの燃料からのCO2。 – 石灰石、マグネサイト、その他の炭酸塩、炭酸塩鉱石、煙道ガス浄化の 材料などの工程材料からのCO2。 – スクラップ、合金、黒鉛等から工程に流入する炭素と、製品中またはス ラグや廃棄物中に残存する炭素は、付属書III のセクションB.3.2 に従って マスバランス法を用いて考慮する。」 使用される場合の関連する前駆体には、鋳鉄、直接還元鉄(DRI)、フェロアロ イ(フェロマンガンFeMn、フェロクロムFeCr、フェロニッケルFeNi)、および 他の設備や生産工程からの粗鋼が含まれる。生産工程で消費される電力に起因 する間接排出量もモニタリングする必要がある。

72 上記のシステム境界の定義に従えば、以下の生産工程は、基本酸素製鋼施設の システム境界内にあるとみなすことができる: • 基本酸素転炉または溶鉱炉(BOF) • 脱炭処理 – アルゴン酸素脱炭(AOD)または真空酸素脱炭(VOD)工程 (関連する場合)。 • 二次冶金および真空脱ガス処理 • 鋳造プラント – 連続鋳造または鋳塊鋳造、予熱装置 • 熱間圧延または鍛造 – 当該するものは、半製品を得るための一次熱間圧 延と鍛造による粗成形のみとする。 • すべての必要な補助作業 – 例えば、転送、再加熱 • 排出量コントロール – 特に煙道ガス清浄、除塵装置、スラグ処理 CN コード7207、7218 および7224 の半製品を得るための一次熱間圧延および鍛 造による粗成形のみが、この集約製品カテゴリーに含まれる。その他の圧延お よび鍛造工程はすべて、集約製品カテゴリー「鉄または鋼鉄製品」に含まれる。

図5-11: 基本酸素製鋼のシステム境界と関連工程..

73 粗鋼 – 基本酸素製鋼とその他の関連活動

統合製鉄所において、酸素転炉に直接投入される液体銑鉄が、銑鉄の生産工程 (図図5-11 の左下)と粗鋼の生産工程(図右下)の分岐点に位置する製品であ るといえる。 統合高炉/基本酸素炉(BF/BOF)製鋼工程は、最も複雑な製鋼工程であり、さ まざまな生産ユニット間の相互依存的な物質とエネルギーの流れのネットワー クによって特徴づけられる。コークス(左上)は、体化排出量を含まない原料 として扱われることに注意すること。

炉に直接投入される液体銑鉄が、銑鉄の生産工程 (図図5-11 の左下)と粗鋼の生産工程(図右下)の分岐点に位置する製品であ るといえる。 統合高炉/基本酸素炉(BF/BOF)製鋼工程は、最も複雑な製鋼工程であり、さ まざまな生産ユニット間の相互依存的な物質とエネルギーの流れのネットワー クによって特徴づけられる。コークス(左上)は、体化排出量を含まない原料 として扱われることに注意すること。

74 高炉からの液体銑鉄がすべて酸素製鋼工程で粗鋼生産に使用されるのであれば、 高炉生産ルートからの排出量を個別にモニタリングする必要はない。その代わ りに、粗鋼生産のための共同生産工程を定義することができる。
マスバランス法は、生産工程に出入りする炭素量(鋼製品に残存する炭素、ま たは廃棄物およびスラグに含まれる炭素)の完全な収支を示すために使用され る。
この生産ルートにおいて、マスバランス法がどのように適用されるかに関する 事例が、セクション7.2.2.1 に記載されている。

5.6.3.7 粗鋼 – 電気アーク炉(EAF)製鋼ルート 鉄を含む材料の直接溶解は、通常、電気アーク炉(EAF)で行われる。EAFの原 料は金属鉄、特に鉄スクラップ48 や直接還元鉄(DRI)である。多量のDRIを使 用する場合は、多様なEAF–DRI 生産ルートのいずれかが適用される。EAF 溶解 の後、アルゴン酸素脱炭(AOD)または真空酸素脱炭(VOD)による鋼の脱炭 工程が行われる場合があり、その後、溶存ガスを除去するための真空脱ガスな どのさまざまな二次冶金工程が行われる。EAF への主な投入エネルギーは電力 である。
実施規則(付属書II セクション3)は、粗鋼 – EAF 生産ルートにおける直接排出 量モニタリングのシステム境界を、以下のように定義している:
「 – 石炭、天然ガス、燃料油などの燃料や、高炉ガス、コークス炉ガス、 転炉ガスなどの廃ガスからのCO2。 – 電極と電極ペーストの消費によるCO2。 – 石灰石、マグネサイト、その他の炭酸塩、炭酸塩鉱石、煙道ガス浄化の 材料などの工程材料からのCO2。 – スクラップ、合金、グラファイト等から工程に流入する炭素と、製品中 またはスラグや廃棄物中に残存する炭素は、付属書III のセクションB.3.2 に従ってマスバランス法を用いて考慮する。」 使用される場合の関連する前駆体には、鋳鉄、直接還元鉄(DRI)、フェロアロ イ(フェロマンガンFeMn、フェロクロムFeCr、フェロニッケルFeNi)、および 他の設備や生産工程からの粗鋼が含まれる。生産工程で消費される電力に起因 する間接排出量もモニタリングする必要がある。 上述のシステム境界の定義に沿って、以下の生産ステップはEAF(電気アーク 炉)製鋼施設のシステム境界内にあると見なすことができる:

48 消費者使用後の廃材のみが使用される場合、その廃材の体化排出量がゼロであると見なされ る。

eCr、フェロニッケルFeNi)、および 他の設備や生産工程からの粗鋼が含まれる。生産工程で消費される電力に起因 する間接排出量もモニタリングする必要がある。 上述のシステム境界の定義に沿って、以下の生産ステップはEAF(電気アーク 炉)製鋼施設のシステム境界内にあると見なすことができる:

48 消費者使用後の廃材のみが使用される場合、その廃材の体化排出量がゼロであると見なされ る。

75 • 原材料の取り扱いと前処理 – スクラップの乾燥と原材料の予熱。 • 電気アーク炉(EAF)工程 – 投入、溶解、一次精錬、一次炉の鋼とスラグ の出銑を含む電気アーク炉(EAF)の全工程。 • 脱炭処理 – アルゴン酸素脱炭(AOD)または真空酸素脱炭(VOD)工程 (関連する場合)。 • 二次冶金および真空脱ガス処理 • 鋳造プラント – 連続鋳造または鋳塊鋳造、予熱装置 • 熱間圧延または鍛造 – 当該するものは、半製品を得るための一次熱間圧 延と鍛造による粗成形のみとする。 • 必要なすべての補助活動 – 移転、機器の加熱、再加熱など。 • 排出量コントロール – 特に煙道ガス清浄、除塵装置、スラグ処理
CN コード7207、7218 および7224 の半製品を得るための一次熱間圧延および鍛 造による粗成形のみが、この集約製品カテゴリーに含まれる。その他の圧延お よび鍛造工程はすべて、集約製品カテゴリー「鉄または鋼鉄製品」に含まれる。

図5-12: 粗鋼 – 電気アーク炉(EAF)製鋼生産ルートのシステム境界 粗鋼 – 電気アーク炉(EAF)合金鋼および非合金鋼生産ルート

76 粗鋼および粗合金鋼の生産にはいくつかの異なる電気炉(EAF)生産ルートがあ り、それらは類似しているため、図5-12 にまとめて示した。
マスバランス法は、電気アーク炉(EAF)生産工程における炭素の完全な収支を 把握するために使用され、これには、鉄鋼中、廃棄物中およびスラグ中に残る 炭素量の計算が含まれる。
この生産ルートにおいて、マスバランス法がどのように適用されるかに関する 事例が、セクション7.2.2.2 に記載されている。

5.6.3.8 鉄または鋼鉄製品の生産工程 鉄または鋼製品は、粗鋼や半製品、その他の最終鋼製品を、さまざまな成形お よび仕上げ工程でさらに加工することによって生産される。これには、再加熱、 再溶解、鋳造、熱間圧延、冷間圧延、鍛造、酸洗、焼鈍、メッキ、コーティン グ、亜鉛メッキ、線引き、切断、溶接、仕上げが含まれる。
実施規則(付属書II セクション3)は、鉄あるいは鋼鉄生産ルートにおける直接 排出量モニタリングのシステム境界を、以下のように定義している:
「燃料の燃焼および煙道ガス処理による工程排出に関連する、施設で適 用される生産工程に関わるすべてのCO2 排出量。これには、鉄および鋼 鉄の再加熱、再溶解、鋳造、熱間圧延、冷間圧延、鍛造、酸洗、焼鈍、 メッキ、コーティング、亜鉛メッキ、線引き、切断、溶接、仕上げが含 まれるが、これに限定されない。 工程で使用される場合に関連する前駆体は、粗鋼、銑鉄、直接還元鉄(DRI)、 フェロアロイ(FeMn、FeCr、FeNi)、およびその他の鉄や鋼製品である。生産 工程で消費される電力に起因する間接排出量もモニタリングする必要がある。 上記のシステム境界の定義に従えば、以下の生産工程は、基本的な鋼製品のシ ステム境界内にあるとみなすことができる: • 原材料の準備 - 予熱、再溶解、合金化を含む。 • 基本的な鉄鋼製品の成形工程 - 鋳造、熱間圧延、冷間圧延、鍛造による 成形、線引きなど、すべての成形工程。

)、およびその他の鉄や鋼製品である。生産 工程で消費される電力に起因する間接排出量もモニタリングする必要がある。 上記のシステム境界の定義に従えば、以下の生産工程は、基本的な鋼製品のシ ステム境界内にあるとみなすことができる: • 原材料の準備 - 予熱、再溶解、合金化を含む。 • 基本的な鉄鋼製品の成形工程 - 鋳造、熱間圧延、冷間圧延、鍛造による 成形、線引きなど、すべての成形工程。 • 仕上げ活動 - 表面処理(酸洗、焼鈍、メッキ、コーティング、亜鉛メッ キなど)、およびさらなる加工(切断、溶接、仕上げ)を含むすべての 仕上げ工程。 以下の 図5-13 は、粗鋼から基本的な鉄鋼製品までのシステム境界を示している。

77 図5-13: 鉄鋼製品生産工程のシステム境界 鉄または鋼製品

最終的な鉄または鋼製品で、他の材料が全体の質量の5%以上を占めるもの (例:CN コード7309 00 30 に該当する断熱材を含む貯蔵タンク、鉄や鋼で作ら れた容量300 リットルを超える液体やガス以外の物質を入れるための容器)につ いては、製品全体の質量ではなく、鉄あるいは鉄鋼の質量のみを生産品の質量 として報告することに注意すること。 なお、鉄から鉄鋼製品への、マスバランス法を用いて、直接排出量と間接排出 量(SEE)の値がどの ように計算されるのか、また、EU への輸入の体化排出量 がどのように計算されるのかを示すいくつかの事例が、セクション7.2.2 に記載 されている。

5.7 アルミニウムセクター 別のセクションを示す。
施行規則の参照文書: • 付属書Ⅱ、セクション2、表1 「CN コードと集約製品カテゴリーへのマッピング」 • 付属書II のセクション3「生産ルート、システム境界、関連する前駆体」である。3.17 – 未加工アルミニウムおよび 3.18 – アルミニウム製品

5.7.1 生産単位と体化排出量 EU に輸入されるアルミニウム製品の申告量は、トン単位で表示されなければな らない。事業者としては、報告のために、施設または生産工程ごとに発生した CBAM 製品の量を記録する必要がある。

78 産業セクター アルミニウム 製品の生産単位 単位:トン。生産国での施設または生産工 程別に、生産されるセクターの種類ごと に、別々に報告する。 関連する活動 アルミナまたは二次原料(アルミニウムス クラップ)から未加工のアルミニウムを冶 金的、化学的、または電解的手段によって 生産すること、および半製品および完成品 のアルミニウム製品を生産すること。 関連する温室効果ガス 二酸化炭素 (CO2) およびパーフルオロカー ボン (CF4 および C2F6) 直接排出量
CO2e トン
間接排出量 消費電力量1 メガワット時(MWh)、排出 源、間接排出量を計算するために使用した 排出係数のCO2またはCO2 換算排出量(トン)。
移行期間中は、それぞれ区別して報告すべ きである。 体化排出量の単位 原産国における施設別に、製品の種類ごと に個別に報告すべき、製品1 トンあたりの CO2換算排出量(トン)。

アルミニウムセクターは、移行期間中は直接排出量と間接排出量の両方を考慮 すべきである。間接排出量はそれぞれ区別して報告する。49排出量は、生産され る1 トンあたりのCO2 換算排出量(tCO2e)で報告されなければならない。この 数値は、生産国での具体的な施設や生産工程を特定して算出する必要がある。 アルミニウム製品の直接的および間接的に特定される体化排出量(SEE)の値が

(トン)。

アルミニウムセクターは、移行期間中は直接排出量と間接排出量の両方を考慮 すべきである。間接排出量はそれぞれ区別して報告する。49排出量は、生産され る1 トンあたりのCO2 換算排出量(tCO2e)で報告されなければならない。この 数値は、生産国での具体的な施設や生産工程を特定して算出する必要がある。 アルミニウム製品の直接的および間接的に特定される体化排出量(SEE)の値が どのように計算されるか、また、EU への輸入の体化排出量がどのように計算さ れるかを示す事例が、 セクション7.4.2 に示されている。 以下のセクションでは、アルミニウムセクターの製品のシステム境界をどのよ うに定義すべきか、また、モニタリングと報告に含めるべき生産工程の要素を 明らかにする。

49 このセクターの間接排出量は、移行期間中のみ報告される(本格実施期間中は報告されな い)。

79 5.7.2 対象セクター製品の定義と説明 以下の 表5-8 は、アルミニウムセクターにおけるCBAM 移行期間に対象となる 関連製品のリストである。左側の列の製品カテゴリーは、モニタリングのため に共通の「生産工程」を定義するグループを示す。 表5-8:アルミニウムセクターのCBAM 製品 集約製品カ テゴリー 製品CN コード 説明 未加工アル ミニウム 7601 未加工アルミニウム アルミニウ ム製品 7603 – 7608、 7609 00 00、 7610、 7611 00 00、 7612、 7613 00 00、 7614、 7616 7603 – アルミニウム粉末およびフレーク 7604 – アルミニウム棒、ロッド、プロファイル 7605 – アルミニウム線 7606 – 厚さが0.2mm を超えるアルミニウムの 板、シート、ストリップ 7607 – 厚さ(裏打ちを除く)が0.2mm を超えな いアルミニウム箔(紙、板紙、プラスチックま たは類似の裏打ち材料で印刷または裏打ちされ ているか否かを問わない) 7608 – アルミニウム管およびパイプ 7609 00 00 – アルミニウム管またはパイプ継手 (例:カップリング、エルボ、スリーブなど) 7610 – アルミニウム製構造物(見出し9406 の組 み立て済み建物を除く)および構造物の部分品 (例えば、橋梁および橋梁部分品、塔、格子状 マスト、屋根、屋根の骨組み、扉および窓なら びにその枠および敷居、手すり、柱およびコラ ム)、また構造物に使用するために準備された アルミニウム製の板、棒、プロファイル、管な ど。 7611 00 00 – アルミニウム製の貯蔵槽、タンク、 バット、その他同様の容器で、300 リットルを超 える容量のもの。圧縮または液化ガス以外の物 質用で、ライニングや断熱処理がされているか どうかに関わらず、機械的または熱的な装置が 取り付けられていないもの。

よび敷居、手すり、柱およびコラ ム)、また構造物に使用するために準備された アルミニウム製の板、棒、プロファイル、管な ど。 7611 00 00 – アルミニウム製の貯蔵槽、タンク、 バット、その他同様の容器で、300 リットルを超 える容量のもの。圧縮または液化ガス以外の物 質用で、ライニングや断熱処理がされているか どうかに関わらず、機械的または熱的な装置が 取り付けられていないもの。

80 集約製品カ テゴリー 製品CN コード 説明 7612 – アルミニウム製の、容量が300 リットル を超えないもので、あらゆる材料(圧縮ガスま たは液化ガスを除く)用の容器、ドラム缶、 缶、ボックスおよび類似の容器で、内張りまた は断熱の有無にかかわらず、機械的または熱的 装置を備えていないもの。 7613 00 00 – 圧縮または液化ガス用アルミニウム 容器
7614 – 電気的に絶縁されていないアルミニウム 製の撚線、ケーブル、編組バンドなど 7616 – その他のアルミニウム製品 出典:CBAM 規則付属書I、施行規則付属書II. 表5-8 に記載されている集約された製品カテゴリーには、完成品のアルミニウム 製品と、アルミニウム製品の生産に使用される前駆体である「未加工アルミニ ウム」の両方が含まれる。 実施規則に規定されている、生産工程のシステム境界に関連する前駆体として リストアップされた投入材料のみが考慮される。以下の表5-9 は、集約製品カ テゴリーと生産ルート別に、可能性のある前駆体をリストアップしている。
表5-9:集約製品カテゴリー、その生産ルート、可能性のある前駆体 集約製品カテゴリー 関連前駆体 生産ルート 未加工アルミニウム 一次アルミニウムは該当なし 二次アルミニウムについては、他の供給源か らの未加工アルミニウムが工程で使用される 場合50 一次アルミニウム 二次アルミニウム アルミニウム製品 未加工アルミニウム(一次アルミニウムと二 次アルミニウムの区別されている場合は区別 する)、その他のアルミニウム製品(生産工 程で使用される場合)。

未加工アルミニウムは、金属インゴット、ブロック、ビレット、スラブなどと して、いくつかの生産ルート(電解精製の「一次アルミニウム」、スクラップ

50 もし二次アルミニウム生産ルートからの製品に5%以上の合金元素が含まれる場合、その製 品の体化排出量は、合金元素の質量が一次製錬からの未加工アルミニウムであるかのように 計算されるものとする。

ウム製品(生産工 程で使用される場合)。

未加工アルミニウムは、金属インゴット、ブロック、ビレット、スラブなどと して、いくつかの生産ルート(電解精製の「一次アルミニウム」、スクラップ

50 もし二次アルミニウム生産ルートからの製品に5%以上の合金元素が含まれる場合、その製 品の体化排出量は、合金元素の質量が一次製錬からの未加工アルミニウムであるかのように 計算されるものとする。

81 の溶解/リサイクルの「二次アルミニウム」)によって生産される。その生産 に使用される原料(一次アルミニウムでは炭素陽極とアルミナ、二次アルミニ ウムではスクラップ)と燃料は、それ自体が体化排出量ゼロとみなされるため、 「単純製品」と定義される。
上記のアルミニウム製品には、生産されるほとんどの種類のアルミニウム製品51 が含まれる。アルミニウム製品は、前駆体である未加工アルミニウムからの体 化排出量を含むため、「複雑な製品」と定義される。 アルミニウムセクターの製品の生産は、以下に示すようなさまざまな工程を経 て生産される。

5.7.3 関連する生産工程および生産ルートの定義と説明 前駆体である未加工アルミニウムとアルミニウム製品のシステム境界は異なる ものであるが、特定の条件下では、工程への入力活動や工程からの生成活動を 含む、これらの製品の生産工程に直接的または間接的に関連するすべての工程 を含め、一括して追加することができる(セクション 6.3 を参照)。

図5-14: アルミニウム製品のシステム境界とバリューチェーン アルミニウム製品のシステム境界とバリューチェーン

51 一部の家庭用品のためのカテゴリーCN 7615 と、アルミニウムスクラップCN 7602 00 を除 く。

82 上図の一次アルミニウム製錬ルートの違いは、使用される電極材料の違い、つ まり予備焼成(プレベイク)アノードまたはソーデルベルグアノードによるも のである。 アルミニウムセクターのモニタリングの対象となる排出量は、 7.4.1.1 に詳述さ れている。 5.7.3.1 未加工アルミニウム – 一次(電解)製錬生産ルート 一次アルミニウムは、電解槽でアルミナ 52 を電気分解することによって生産さ れる。電解中にアルミニウムは還元され、アルミナから酸素が放出され、炭素 アノードと結合して二酸化炭素と一酸化炭素を生成する。したがって、一次ア ルミニウム生産工程の炭素アノードは、工程中に継続的に消費される。 一次アルミニウム電解槽システムは、使用されるアノードのタイプによって異 なる。「プレベイク」電解槽は、複数のプレベイクされた炭素アノードを使用 し、それらは定期的に交換しなければならない。「ソーデルベルグ」電解槽は、 セル内で電解工程中に放出される熱を利用して、自己焼成された単一の連続炭 素アノードを使用する。「グリーン」アノードペーストのブリケットが上部に 追加され、アノードは下部で消費される。溶融アルミニウムは陰極で析出し、 セル底部に集まる。そこで定期的に真空サイフォンでクルーシブルに引き抜か れ、鋳造工場に運ばれる。鋳造工場では、溶融アルミニウムが保持炉に保持さ れ、その後の加工のために使用される。この段階で、金属のインゴット、ブロ ック、ビレット、スラブなどを鋳造する前に、小量の清浄な商業スクラップも 追加することがある。 実施規則(付属書II セクション3)は、アルミニウムの一次(電解)製錬の生産 ルートにおける直接排出量モニタリングのシステム境界を、以下のように定義 している:
「 – 電極や電極ペーストの消費によるCO2 排出量。

持さ れ、その後の加工のために使用される。この段階で、金属のインゴット、ブロ ック、ビレット、スラブなどを鋳造する前に、小量の清浄な商業スクラップも 追加することがある。 実施規則(付属書II セクション3)は、アルミニウムの一次(電解)製錬の生産 ルートにおける直接排出量モニタリングのシステム境界を、以下のように定義 している:
「 – 電極や電極ペーストの消費によるCO2 排出量。
– 使用される燃料からのCO2 排出量(例えば、原料の乾燥と予熱、電解セ ルの加熱、鋳造に必要な加熱)。 – ソーダ灰、または石灰が関連する場合、煙道ガス処理からのCO2排出量。
– 付属書III のセクションB.7 に従ってモニタリングされる、アノード効果 によって引き起こされるパーフルオロカーボンの排出量」 この生産工程に関連する前駆体はない。生産工程で消費される電力に起因する 間接排出量もモニタリングする必要がある。

52 アルミナは、ボーキサイト鉱石をベイヤー法で精製して得られる酸化アルミニウムである。 アルミナの生産は通常、物流と電力供給の理由から、一次アルミニウム生産とは別の場所で 行われる。

83 上記のシステム境界の定義に従えば、以下の生産工程は、一次アルミニウム生 産施設のシステム境界内にあるとみなすことができる: • 原材料の準備 – 各種添加物成分の貯蔵を含む。 • アルミニウム生産工程の電解セルシステム – 全工程。 • 鋳造工場 – 保持炉、搬送システム、その後の金属加工(金属処理、合金化、 均質化)、および鋳造を含むすべての工程。 • 一次アルミニウム生産ルートで消費される工程材料(アルミナ、プレベ イクされた炭素アノード、「グリーン」アノードペーストのブリケット、 クリオライト、その他の添加剤)は、原材料として扱われるため、体化 排出量はゼロである。 • PFC(パーフルオロカーボン)からの排出量を決定するためのアルミニウ ム部門の特別な規則に関する詳細は、本ガイダンス文書のセクション 6.5.5 とセクション 7.4.1.2 に示されており、アルミニウムセクターの製品 に対する特定の体化排出量がどのように導かれるかを示す事例がセクシ ョン7.4.2 に示されている。

図5-15: 未加工アルミニウム – 一次製錬生産ルートのシステム境界 未加工アルミニウム – 一次製錬

5.7.3.2 未加工アルミニウム – 二次溶解(リサイクル)生産ルート 二次アルミニウムは主に、リサイクルのために回収された消費者使用後のアル ミニウムスクラップから生産される(未加工アルミニウムが別途添加されるこ ともある)。スクラップは、種類(鋳造合金または圧延合金)と、必要な前処

アルミニウム – 一次製錬生産ルートのシステム境界 未加工アルミニウム – 一次製錬

5.7.3.2 未加工アルミニウム – 二次溶解(リサイクル)生産ルート 二次アルミニウムは主に、リサイクルのために回収された消費者使用後のアル ミニウムスクラップから生産される(未加工アルミニウムが別途添加されるこ ともある)。スクラップは、種類(鋳造合金または圧延合金)と、必要な前処

84 理(コーティングの除去、脱油など)に従って選別され、適切なタイプの炉 (通常はロータリー炉またはリバーベラトリー炉だが、誘導炉を使用すること もある)で再溶解された後、合金化、溶融処理(塩の添加または塩素化)が行 われ、最終的に金属インゴット、ブロック、ビレット、スラブなどが鋳造され る。一般的に使用される燃料は、天然ガス、LPG、燃料油である。
実施規則(付属書II セクション3)は、二次溶解(リサイクル)生産ルートにお ける直接排出量モニタリングのシステム境界を、以下のように定義している:
「ー 原料の乾燥および予熱に使用される燃料、溶解炉で使用される燃料、 コーティング除去や脱油などのスクラップの前処理に使用される燃料、 関連する残渣の燃焼に使用される燃料、インゴット、ビレット、スラブ の鋳造に必要な燃料からのCO2 排出量。 –脱炭酸処理、スラグ回収などの関連活動で使用される燃料からのCO2 排 出量。
– ソーダ灰、または石灰が関連する場合、煙道ガス処理からのCO2排出量。 関連する前駆体は、他の供給源からの未加工アルミニウムである(使用される 場合)。生産工程で消費される電力に起因する間接排出量もモニタリングする 必要がある。 上記のシステム境界の定義に従えば、以下の生産工程は、二次アルミニウム生 産のシステム境界内にあるとみなすことができる: • 原材料の準備 – スクラップの選別、前処理(コーティング除去、脱油)、 乾燥、予熱を含む。 • アルミニウム生産工程のための炉システム – 炉への投入、溶解、保持炉を 含む全工程。 • 鋳造工場 – 保持炉、搬送システム、その後の金属加工(金属処理、合金化、 均質化)、および鋳造を含むすべての工程。 以下の 図5-16 は、二次アルミニウム生産工程のシステム境界を示している。 図5-16: 未加工アルミニウム – 二次溶解生産ルートのシステム境界

脱油)、 乾燥、予熱を含む。 • アルミニウム生産工程のための炉システム – 炉への投入、溶解、保持炉を 含む全工程。 • 鋳造工場 – 保持炉、搬送システム、その後の金属加工(金属処理、合金化、 均質化)、および鋳造を含むすべての工程。 以下の 図5-16 は、二次アルミニウム生産工程のシステム境界を示している。 図5-16: 未加工アルミニウム – 二次溶解生産ルートのシステム境界

85 未加工アルミニウム – 二次溶解

二次アルミニウム工程からのPFC 排出はない。 二次溶解生産ルートへの主な原料投入物はアルミニウムスクラップである。ス クラップ(消費前であれ消費後であれ)は原材料として扱われるため、体化排 出量はゼロである。
この工程で生成された製品に5%以上の合金元素が含まれる場合、合金元素の質 量は一次精錬された未加工アルミニウムとして計算され、その製品の体化排出 量が算出されるものとする。

5.7.3.3 アルミニウム製品生産工程 アルミニウム製品は、前駆体である未加工アルミニウム(合金または非合金) をさらに加工することによって生産される。アルミニウム製品は、押出、鋳造、 熱間圧延、冷間圧延、鍛造、引抜など、さまざまな成形工程を経て生産される。 押出成形は、アルミ形材を生産するための一般的な工程である。熱間圧延と冷 間圧延は、厚板、薄板、箔の生産に使用される。鋳造は、複雑な形状を作るた めに使われる場合もある。 実施規則(付属書II セクション3)は、アルミニウム製品の生産ルートにおける 直接排出量のモニタリングについて、システム境界を以下のように定義してい る:
「ー アルミニウム製品を形成する工程での燃料消費と煙道ガス洗浄によ る全てのCO2 排出量」 関連する前駆体は、生産工程で使用される場合は未加工アルミニウム(一次ア ルミニウムと二次アルミニウムは、それぞれ異なる体化排出量があるため、デ ータがわかっている場合は別個に扱うべきである)、生産工程で使用される場

86 合はアルミニウム製品である。生産工程で消費される電力に起因する間接排出 量もモニタリングする必要がある。 上記のシステム境界の定義に従えば、以下の生産工程は、基本アルミニウム生 産施設のシステム境界内にあるとみなすことができる: • 原材料の準備 - 予熱、再溶解、合金化を含む。 • 成形工程 - 押出、鋳造、熱間圧延、冷間圧延、鍛造、引抜を含む(ただ しこれらに限定されない)基本的なアルミニウム製品のすべての成形工 程。 • 仕上げ活動 - サイズ変更、焼鈍、表面処理、加工を含む。 以下の 図5-17 は、アルミニウム製品に関連する工程のシステム境界を示してい る。

図5-17: アルミニウム製品生産工程のシステム境界 アルミニウム製品生産工程

アルミニウム製品の成形工程に起因するPFC の排出はない。 この工程で生成された製品に5%以上の合金元素が含まれる場合、合金元素の質 量は一次精錬された未加工アルミニウムとして計算され、その製品の体化排出 量が算出されるものとする。 また、他の材料の質量が総質量の5%を超える製品については(例えばCN コー ド7611 00 00 の断熱材を含む製品について)、アルミニウムの質量のみが生産さ れた製品の質量として報告されるものとする。

87 セクション7.4.2 では、アルミニウムセクターの製品の具体的な体化排出量がど のように導き出されるかについて事例が示されている。

その製品の体化排出 量が算出されるものとする。 また、他の材料の質量が総質量の5%を超える製品については(例えばCN コー ド7611 00 00 の断熱材を含む製品について)、アルミニウムの質量のみが生産さ れた製品の質量として報告されるものとする。

87 セクション7.4.2 では、アルミニウムセクターの製品の具体的な体化排出量がど のように導き出されるかについて事例が示されている。

88 6 モニタリングおよび報告義務
このセクションには、移行期間中の体化排出量のモニタリングと計算に必要な すべての規則が含まれている。セクションの構成は以下の通りである: • セクション 6.1 では定義と原則について記載されている。 • セクション 6.2 では、 体化排出量の考え方(6.2.1)について説明し、続 いて計算規則(6.2.2)を3 段階で説明している: o 対象施設レベルでのモニタリング(6.2.2.1) o 排出量データを施設内のそれぞれの生産工程に割り当てる (6.2.2.2) o 工程に割り当てられた排出量、前駆体の体化排出量、生産工程の 活動レベルから、具体的な体化排出量を計算する 。 • 施設の生産工程とそのシステム境界をどのように定義するかについて は、セクション 6.3 に記載されている。 • セクション 6.4 では、モニタリング方法に関する詳細が記載されている。 これには、MMD(モニタリングの方法の文書化)の設定、 利用可能な最 良のデータソースの選択方法、モニタリングコストの制限方法などが含 まれる。このセクションでは、正しいデータを保証するための管理シス テムの設定に関するアドバイスも提供されている。 • セクション 6.5 は本ガイダンスの中心的な部分を構成する。このガイダン スは、 対象施設のレベルで直接排出量をモニタリングするための適格な 方法を示しており、許可される手法の「ビルディングブロック」的な特 性を反映した、次のような基本構造で構成されている。
o セクション 6.5.1:計算ベースの方法  計算式とパラメータは、 6.5.1.1 (標準的な方法)と 6.5.1.2 (マスバランス)で説明されている。  活動データ(すなわち、使用される燃料や材料の量)を決 定するための規則は、セクション6.5.1.3 に示されている。  「計算係数」(すなわち、使用される燃料と材料の特性と 組成に関する情報)を決定するための規則は、6.5.1.4 で取 り扱われている。これらの方法には、適切な標準値の選 択、 実験室での分析が含まれ、その基本的な要件が説明さ れている。 o セクション 6.5.2 では、測定方法、すなわちCEMS(連続排出量モ ニタリングシステム)の方法が説明されている。これは特に N2O の排出量に必要となる。 o その他の方法、特に他のカーボンプライシング制度を使うための 条件は、セクション6.5.3 で説明されている。

われている。これらの方法には、適切な標準値の選 択、 実験室での分析が含まれ、その基本的な要件が説明さ れている。 o セクション 6.5.2 では、測定方法、すなわちCEMS(連続排出量モ ニタリングシステム)の方法が説明されている。これは特に N2O の排出量に必要となる。 o その他の方法、特に他のカーボンプライシング制度を使うための 条件は、セクション6.5.3 で説明されている。

89 o 上記のすべての方法において、バイオマス排出量をゼロとして計 算するための要件は、 付属書 C の追加情報によって補足されるセ クション6.5.4 に概説されている。 o PFC(パーフルオロカーボン排出量)のモニタリングについて は、セクション6.5.5 で説明している。 o 施設レベルのモニタリングの最後の要素として、セクション6.5.6 では、将来の CCS(二酸化炭素回収貯留)とCCU(二酸化炭素回 収利用)規則との関連である「移転されたCO2」モニタリングの 基本的な要素を概説している。
• 施設の間接排出とそのモニタリング要件は、セクション6.6 で説明されて いる。 • 排出量の生産工程への割り当てに関する規則は、セクション 6.7 で取り扱 われ、以下の詳細な規則を含んでいる。 o モニタリングの一般規則:6.7.1 o (測定可能な)ヒートフローとそれに関連する排出量:6.7.2 o 電力とそれぞれの排出量:6.7.3 o 熱と電力のコージェネレーション(CHP)に関する規則は、セク ション6.7.4 で説明されている。 o 廃ガスとその排出量の割り当て規則:6.7.5 • 割り当てられた排出量からの体化排出量の計算:関連するガイダンスは セクション 6.8 にあり、以下の基本的な要素について説明している。 o 生産される製品に関する規則(品質と活動レベル)の説明は 6.8.1 である。 o 前駆体材料の質と量のモニタリング規則は、セクション 6.8.2 で説 明されている。 • モニタリングの規則は、モニタリングが失敗した場合、つまりデータに ギャップが生じた場合、あるいは必要な時間内に情報が得られなかった 場合の対処法に言及している(セクション 6.9): o 欧州委員会から提供された特定の体化排出量のデフォルト値の使 用については、セクション 6.9.1 で説明されている。 o 間接排出量、すなわち電力の排出係数のデフォルト値について は、セクション 6.9.2 で説明されている。 o 日常的なモニタリング活動における軽微なデータギャップの補完 に関するガイダンスは、セクション6.9.3 に記載されている。 • 原産国で発生する炭素価格に関するデータの収集(CBAM 義務の控除や 返金の可能性)については、 セクション6.10 で説明されている。 • 最後に、セクション 6.11 では、 報告テンプレートについて説明してい る。これは、CBAM 製品を生産する施設の事業者とEU 輸入業者との間 で、後者が「四半期ごとのCBAM 報告書」を作成し、CBAM 規則を遵守

90 するために必要なデータを提供する目的で、欧州委員会が提供する報告 用のテンプレートである。このテンプレートは、複雑な製品を生産する 事業者と前駆体原料の供給者との間の通信教務の効率化にも提案されて いる。

報告テンプレートについて説明してい る。これは、CBAM 製品を生産する施設の事業者とEU 輸入業者との間 で、後者が「四半期ごとのCBAM 報告書」を作成し、CBAM 規則を遵守

90 するために必要なデータを提供する目的で、欧州委員会が提供する報告 用のテンプレートである。このテンプレートは、複雑な製品を生産する 事業者と前駆体原料の供給者との間の通信教務の効率化にも提案されて いる。

91 6.1 CBAM の定義と対象となる排出量の範囲 必要な計算を適切に行うには、これらの計算で使用される用語の正確な意味を 把握することが大切になる。セクション 4.2 で紹介した一般的な定義に加えて、 ここでは、本書の以下のセクションで使用される追加用語について説明する。
6.1.1 施設、生産工程、生産ルート 以下のような、階層的な定義が適用される: • 「施設」とは、生産工程が行われる定置式の技術的設備を意味する。 • 「生産工程」とは、実施規則付属書Ⅱのセクション2 の表1 に定義されて いる、集約製品カテゴリーの製品を生産するために、化学的または物理 的な生産工程が実施される施設の部分を意味し、また投入材料、製品、 対応する排出量に関する特定のシステム境界を意味する。 • 「集約製品カテゴリー」は、付属書II のセクション2 の表1 に、関連する 集約製品カテゴリーとそのCN コードで識別されるすべての製品を列挙す ることによって、実施規則の中で暗黙のうちに定義されている。 • 「生産ルート」とは、集約製品カテゴリーの製品を生産する生産工程で 使用される特定の技術を意味する。 これらの定義から、施設とは1 つまたは複数の生産工程から構成されていること が理解できる。CBAM の目的においては、実施規則の付属書II セクション2 に 記載されている生産工程のみに関するものである。施設に他の生産工程が含ま れている場合、それらをモニタリングの対象に含めるかどうかは各自の選択に なる。いずれの場合も、排出量をCBAM 関連工程に割り当てるという規則は同 様に適用される。 一つの生産工程は通常、生産されるCBAM 製品の一つのグループ(「集約製品 カテゴリー」)に関連している。しかし、これらの製品を生産するために、複 数の生産ルートが存在する場合もある。同じ製品カテゴリーに複数の生産ルー トが存在する場合、1 つの生産工程とそれぞれのシステム境界を使用することに より、複数の生産ルートを共同でモニタリングすることができる。 以上の点を、要約すると:ひとつの施設は複数の生産工程で構成されることが あり、それぞれの生産工程も複数の生産ルートで構成されることがある。「排 出量の割り当て」は、常に生産工程のレベルで計算される。セクション 6.3 で説 明されているように、生産工程とそのシステム境界を定義において、いくつか の詳細規則が存在することに注意すること。

6.1.2 活動レベル、生産された製品量 所定の報告期間を対象にした場合、 「活動レベル」 とは、ある生産工程で特定 のCN 製品仕様を満たす形で生産された製品の総量を指し、トンまたは電力の MWh の単位で表される。生産工程の活動レベルを決定するにあたって、「集約

で説 明されているように、生産工程とそのシステム境界を定義において、いくつか の詳細規則が存在することに注意すること。

6.1.2 活動レベル、生産された製品量 所定の報告期間を対象にした場合、 「活動レベル」 とは、ある生産工程で特定 のCN 製品仕様を満たす形で生産された製品の総量を指し、トンまたは電力の MWh の単位で表される。生産工程の活動レベルを決定するにあたって、「集約

92 製品カテゴリー」を表しているすべてのCN コードの下にあるすべての製品の数 量が合計される。 施設または生産工程の活動レベルは、他の製品を生産するための前駆体材料と して他の生産工程で直接使用されるものを含む、販売可能な製品53を考慮しなけ ればならない(「関連前駆体材料」と呼ばれる)。 生産量の重複計算を避けるために、生産工程のシステム境界の範囲から出て行 く最終製品だけを考慮すべきである。同じ工程に戻される製品(前駆体の生産 が同じ生産工程に含まれる場合)、および廃棄物やスクラップは計算から除外 される。 製品の活動レベルを報告する際には、特定の生産工程や生産ルートについて、 実施規則付属書Ⅱのセクション3 で規定されている特別規定も考慮しなければな らない。これらは、セクターごとに関連する事項について、セクション7 に記載 されている。

6.1.3 直接および間接の体化排出量 移行期間中は、施設で生産される製品の体化排出量を報告する際に、「直接排 出量」54 と「間接排出量」55の両方を考慮する必要がある。以上の文脈から: • 直接排出量には、当該施設での燃焼およびプロセスによる排出量だけで なく、隣接する施設や地域熱供給ネットワークから熱を受け取っている 場合、その熱の生産時に発生する排出量も含まれる。
• 割り当てられる直接排出量は、施設で生産される製品に関連する生産工 程に起因する排出量である。これは、施設の直接排出量、関連するヒー トフロー、マテリアルフロー、廃ガス(当該の場合)からの排出量に基 づいている。
• 生産された製品の直接体化排出量は、生産工程に起因する直接排出量 に、この生産工程で使用された関連する前駆体材料の体化排出量を加え て計算される。 • 個別直接体化排出量:これは、生産された製品の直接体化排出量を生産 工程の活動レベルで割ったものである。結果は、製品1 トン当たりの CO2e トンとして表される。 • 間接排出量には、施設での消費電力に関連する排出量が含まれる。施設 が自ら電気を生産している場合、電気生産のために消費された燃料は、

53 すなわち、実施規則に記載されたCN コードの集約製品カテゴリーの製品仕様を満たす製品 である。 54

「直接排出量」 とは、温冷熱の発電場所に関係なく、生産工程で消費される温冷熱の生 産からの排出量を含む、製品の生産工程からの排出量を意味する。 55 「間接排出量」 とは、消費電力の発電場所に関係なく、製品の生産工程で消費される電力の 生産からの排出量を意味する。

は、

53 すなわち、実施規則に記載されたCN コードの集約製品カテゴリーの製品仕様を満たす製品 である。 54

「直接排出量」 とは、温冷熱の発電場所に関係なく、生産工程で消費される温冷熱の生 産からの排出量を含む、製品の生産工程からの排出量を意味する。 55 「間接排出量」 とは、消費電力の発電場所に関係なく、製品の生産工程で消費される電力の 生産からの排出量を意味する。

93 施設の直接排出量としてカウントされる点に注意すること。しかし、電 力の生産は別の生産工程と見なされるため、その電力の直接的排出量 は、この施設で生産される製品に対する直接的排出量には含まれない。 • 割り当てられる間接排出量は、施設で生産される製品に関連する生産工 程に起因する間接的排出量である。 • 生産された製品の間接体化排出量は、生産工程に割り当てられた間接的 排出量に、生産工程で使用された関連する前駆体の間接体化排出量を加 算して計算される。
• 個別間接体化排出量:これは、生産された製品の間接的体化排出量を生 産工程の活動レベルで割ったものである。結果は、製品1 トン当たりの CO2e トンとして表される。 • (個別)総体化排出量:(個別)直接排出量と間接体化排出量の合計。 直接および間接排出量のモニタリングに用いる手法は、個々の施設とその生産 ルートに対する「排出源 emission sources」 と「排出源の流れ source streams」 (定義については セクション6.2.2.1 を参照)をカバーする範囲を反映したもの でなければならない。 前駆体製品の体化排出量 前駆体の排出量(直接排出量と間接排出量の両方)は、最終製品の総体化排出 量の計算に含めるべきであり、その場合最終製品は「複雑な製品」となる。関 連する前駆体56の排出量は、複雑な製品に割り当てられた排出量に加算される。 前駆体の体化排出量を含めることは、EU 排出量取引制度(EU ETS)および CBAM のもとでの炭素価格の比較を行いたい場合に必要となる。該当する温室 効果ガスの排出量は、EU 排出量取引制度指令57の付属書I に記載されている温 室効果ガス 58 排出量に対応しており、すなわち、すべてのセクターの二酸化炭 素(CO2)が含まれ、さらに肥料には亜酸化窒素(N2O)、アルミニウムにはパ ーフルオロカーボン(PFC)が追加されている。 事業者がコントロールできない体化排出量 事業者が施設内で使用するために、施設外から電気、熱、または前駆体製品を 受け取る場合、CBAM 製品の体化排出量を決定するためには、供給者からの最 新のデータを使用する必要がある。この排出量関連データには、以下のような ものがある。 • 輸入される電力網に由来する間接排出量

56 前駆体が、それ自体複雑な製品である場合、この計算方法が、関連する前駆体がなくなるま で繰り返し行われる。 57 指令2003/87/EC 58 「温室効果ガス」とは、CBAM 規則の付属書I に記載されている各製品に関連する温室効果 ガスを意味する。

ータを使用する必要がある。この排出量関連データには、以下のような ものがある。 • 輸入される電力網に由来する間接排出量

56 前駆体が、それ自体複雑な製品である場合、この計算方法が、関連する前駆体がなくなるま で繰り返し行われる。 57 指令2003/87/EC 58 「温室効果ガス」とは、CBAM 規則の付属書I に記載されている各製品に関連する温室効果 ガスを意味する。

94 • 他の施設から供給される電気および熱に由来する排出量 • 他の施設から受け取った前駆体の直接および間接排出量

6.1.4 体化排出量の報告に使用する単位 報告に使用される体化温室効果ガスの単位は、「トンのCO2e59」である。これ は1 トンの二酸化炭素(CO2)、または、CBAM 規則の付属書Ⅰに記載されてい る他の温室効果ガスのうち、同等の(「e」)地球温暖化係数 60を持つ量を意味 する。すなわち、当該の場合、N2O およびPFC の排出量は、「tCO2e」値に換算 されなければならない。
報告目的のための体化排出量データは、報告期間中、CO2e のトン単位で四捨五 入されなければならない。報告される体化排出量の算出に使用されるパラメー タは、すべての有効数字を含み、最大5 桁の小数点以下に四捨五入されなければ ならない。このような計算で使用されるパラメータに必要な四捨五入のレベル は、使用される測定機器の精度と正確性に依存する。

6.2 体化排出量の決定方法
6.2.1 概念 CBAM の目的における体化排出量の概念は、カーボンフットプリント(CFP)の 原則や要件を基にしているが、しかしそれに完全に一致するものではない。カ ーボンフットプリント(CFP)は、通常、宣言された単位(例えば、製品1 トン) あたりの温室効果ガス(GHG)排出量(kg またはt CO2e)を指し、ライフサイ クルの観点から、採掘や生産から輸送、使用、廃棄までの上流および下流のプ ロセスからのすべての重要な排出量をカバーする。 カーボンフットプリント(CFP)の対象範囲との違いは、CBAM が、EU 域内で 生産された場合にEU 排出量取引制度の対象と同じ排出量をカバーすることを意 図しているためである。EU 排出量取引制度のシステム境界は(したがって CBAM のシステム境界)は、CFP のそれよりも狭い。製品の使用および廃棄時 に発生する下流の排出量は、EU 排出量取引制度およびCBAM の範囲外である。 事業所間の原料輸送や、さらに上流の工程からの排出量も含まれていない。図 6-1 は、この状況をグラフィカルにまとめたものである。さらに、 表6-1 は、 CBAM の排出範囲を、EU 排出量取引制度や他の一般的な温室効果ガス(GHG) 報告スキームのカーボンフットプリントの範囲と比較している。

59 「CO2e のトン」とは、1 トンの二酸化炭素(「CO2」)、または同等の地球温暖化係数を持 つCBAM 規則の付属書I に記載されている他の温室効果ガスの量を意味する。 60 EU 排出量取引制度の基準に従い、第5 次IPCC 評価報告書(AR5)の100 年地球温暖化係数 (GWP)値が使用される。

ス(GHG) 報告スキームのカーボンフットプリントの範囲と比較している。

59 「CO2e のトン」とは、1 トンの二酸化炭素(「CO2」)、または同等の地球温暖化係数を持 つCBAM 規則の付属書I に記載されている他の温室効果ガスの量を意味する。 60 EU 排出量取引制度の基準に従い、第5 次IPCC 評価報告書(AR5)の100 年地球温暖化係数 (GWP)値が使用される。

95 CBAM の体化排出量を製品レベルで決定するための出発点は、施設の排出量で ある。施設の排出量は、生産工程の排出量に「割り当て」られる。次に、前駆 体に関連する体化排出量が加えられ、その結果を各生産工程の活動レベルで割 ることにより、その生産工程から生じる製品の「特定の体化排出量」が算出さ れる。これらの考慮事項は、CBAM 規則に定められた直接排出量と間接排出量 の定義に反映されており、その付属書IV では基本的な計算アプローチが定めら れている。このアプローチは、特に前駆体材料を考慮することを要求している。 このアプローチの詳細は、実施規則、特に付属書II およびIII に詳述および説明 されている。

図6-1: 製品環境フットプリント、製品カーボンフットプリント、およびCBAM における体化排出量を決定するために使用される特定の部分カーボンフットプ リントの比較
製品フットプリントの範囲の比較とCBAM の要件

表6-1:以下、CBAM の温室効果ガス排出範囲、EU 排出量取引制度、および広く使われ ている基準(ISO 14064-1 および「温室効果ガスプロトコル」に含まれる定義)の比較 である。

96 パラメータ
ISO 14064-1 (付属書B) GHG プロト コル EU ETS CBAM 「直接排出量」 (定置式) カテゴリー 1

スコー プ1 各EU 排出量取引制 度の施設のシステム 境界に従う。 直接排出量とは、 「製品の生産工程に 由来する排出量を指 す。これには、生産 工程で消費される加 熱および冷却の熱生 産からの排出量も含 まれる(加熱および 冷却の熱生産場所は 問わない)」と定義 される。
「直接排出量」 (移動式、例:フォー クリフト、自動車) 範囲外 範囲外 「間接排出量」 (上流)

供給された 温冷熱 カテゴリー 2 スコー プ2 EU 排出量取引制度 対象施設で生産され た場合は対象とな る。 「直接排出量」に含 まれる

供給された 電力 EU 排出量取引制度 対象施設で生産され た場合は対象とな る。 「間接排出量」と は、「物品の生産工 程で消費される電力 の生産に伴う排出量 で、消費される電力 がどこで生産された かは問わない」と定 義される。

輸入された 燃料 カテゴリー 3

スコー プ3 範囲外 範囲外

輸送
範囲外 範囲外

受け取った(前駆 体)材料 カテゴリー 4 EU 排出量取引制度 対象施設で生産され た場合は対象とな る。 前駆体が実施法にお いて関連性があると 定義される範囲内 「間接排出量」(下流 およびその他、例:製 品の使用、寿命終了時 の排出量) カテゴリー 5 範囲外 範囲外

燃料 カテゴリー 3

スコー プ3 範囲外 範囲外

輸送
範囲外 範囲外

受け取った(前駆 体)材料 カテゴリー 4 EU 排出量取引制度 対象施設で生産され た場合は対象とな る。 前駆体が実施法にお いて関連性があると 定義される範囲内 「間接排出量」(下流 およびその他、例:製 品の使用、寿命終了時 の排出量) カテゴリー 5 範囲外 範囲外

97 6.2.2 施設排出量から製品の体化排出量へ 本セクションでは、製品の体化排出量を決定するためのステップを概説する。 最初に概念を説明し、次に排出量の割り当てを説明し、最後に体化排出量の計 算を行う。
以下のテキストボックスは、CBAM の移行期間に関連するもので、それぞれの 目的のための実施規則の当該セクションを示したものである。 施行規則の参照文書:
付属書II、セクション3「生産ルート、システム境界、および関連する前駆体」 付属書III、セクションA 「定義と原則、特にサブセクションA.4、生産工程への施設の分割」

実施規則の付属書III に含まれるモニタリング規則の理解を助けるために、この セクションではいくつかの用語と概念について説明する。排出量モニタリング の経験がある場合は、本セクションをスキップしても構わない。たとえば、当 該施設が、カーボンプライシング制度(排出権取引制度など)や温室効果ガス の義務的なモニタリングが適用される管轄地域にある場合、あるいは、施設が、 国際的に認証された検証付き認証制度のもとで温室効果ガス削減プロジェクト を実施している場合などがこれにあたる。 CBAM の方式は、以下のように 「トップダウン方式」である。
• まず、施設の排出量が決定される(詳細はセクション 6.5 を参照)。
• 次に、施設は、体化排出量を決定すべき製品(群)を生産する「生産工 程」に分割される。施設の総排出量は、セクション6.2.2.2 で説明されて いる概念を用いて、これらの生産工程に「割り当て」られる。生産工程 の境界を定義する規則はセクション 6.3 に掲載されている。
• 生産工程への排出量の割り当ては、比較的複雑な作業である。なぜな ら、異なった施設設計が可能な限り平等に扱われるように規則を定めな ければならなかったからである。例えば次のような様々な状況が考えら れる: o 熱供給のさまざまな方法:熱は、プロセス内で燃料や電気から直 接生産することもできるし、施設内の他の部分(例えば、中央ボ イラー、コージェネレーションユニット(CHP)、様々な熱源を 持つ蒸気グリッド、発熱反応からの熱など)から受け取ることも できるし、施設の外部(既知のボイラーハウスやコージェネレー ションユニット(CHP)、地域暖房ネットワーク)から受け取る ことも可能である。そのような熱には、一定の排出量が割り当て られるべきである。そのためには、生産工程への排出量の割り当 てには、関連するヒートストリームのモニタリングが必要である (その規則については セクション6.7.2 を参照)。

熱反応からの熱など)から受け取ることも できるし、施設の外部(既知のボイラーハウスやコージェネレー ションユニット(CHP)、地域暖房ネットワーク)から受け取る ことも可能である。そのような熱には、一定の排出量が割り当て られるべきである。そのためには、生産工程への排出量の割り当 てには、関連するヒートストリームのモニタリングが必要である (その規則については セクション6.7.2 を参照)。

98 o さまざまな電力供給方法:生産工程から外部に取り出される電力 量(規則はセクション 6.7.3 を参照)のモニタリングが必要である (取り込まれる場合は排出量の決定に関連する)。各種類の電力 には共通の要素(例えば、排出係数)が存在する。
o 最後に、「廃ガス」と呼ばれる、未完全に酸化された燃料による 熱価を持つガスも考慮しなければならない。これらのガスは、製 鉄所の高炉などの生産工程の結果として発生し、EU 排出量取引制 度ベンチマークの開発過程で開発された特別な規則で扱われる (セクション6.7.5 を参照)。
• 次のステップは、関連する前駆体材料の体化排出量を加算することであ る。「割り当てられた排出量」は、生産工程の排出量を示すが、それ は、CBAM 製品が「単純製品」であるものとして表現される。しかし、 前駆体が実施規則の付属書II のセクション3 に関連していると特定され る場合、言い換えるとその製品が「複雑な製品」である場合、前駆体自 身の体化排出量も加算する必要がある。これにより、生産された製品の 「体化排出量」という用語を使用するのが正しい。
この概念については、セクション6.2.2.3 でさらに説明されており、前駆 体関連データのモニタリングに関する規則は別のセクション6.8.2 に記載 されている。 • 最後に、前のステップで決定された体化排出量 は、「報告期間」全体 (通常は、暦年1 年間)に わたって、生産工程全体とそこで生産された 総製品に関連するものである。しかし、輸入者は、製品1 トンあたりの 直接および間接の体化排出量、いわゆる「個別(直接または間接)体化 排出量」を報告する必要がある。これらの個別の体化排出量は、工程レ ベ ルの体化排出量を「活動レベル」、すなわち、生産された製品の総量 (トン)で割ることによって決定される。活動レベルを決定する規則 は、セクション6.1.2 で説明されている。

注記:事業者と輸入業者間の通信に関する 委員会のテンプレートは、必要なデ ータが入力されると、関連する計算のほとんどを自動的に行うように設計され ている 。したがって、輸入者が報告を義務付けられているすべてのデータを提 供することは、事業者にとって貴重なツールであり、不完全なデータを回避し、 計算ミスを大幅に減らすのに役立つ。したがって、このテンプレートを使用す ることが強く推奨される。詳細はセクション6.11 で説明されている。

6.2.2.1 施設レベルの温室効果ガス(GHG)モニタリングの概念 他のカーボンプライシング制度と同様、CBAM 実施規則の付属書III のセクショ ンB では、建物ブロックシステムのような複数のモニタリング手法が提供され ており、事業者は自分の施設にとって最適なモニタリングの方法を選択できる。 その「最適」とは、精度だけでなく、コスト効率といった要素も含む。後者の コスト効率の目的のためには、施設ですでに利用可能なモニタリング方法を選 択することが有益であることが多い。例えば、工程コントロールに使用されて

施規則の付属書III のセクショ ンB では、建物ブロックシステムのような複数のモニタリング手法が提供され ており、事業者は自分の施設にとって最適なモニタリングの方法を選択できる。 その「最適」とは、精度だけでなく、コスト効率といった要素も含む。後者の コスト効率の目的のためには、施設ですでに利用可能なモニタリング方法を選 択することが有益であることが多い。例えば、工程コントロールに使用されて

99 いる測定器や、原料や燃料の受入量や販売量を確認するための計測機器などで ある。
ここでは 図6-2 を使い、主な概念と用語を紹介する。この用語は、本文書のセ クション6.5 で、実施規則の詳細なモニタリング規則を説明する際に使われてい るものである。

図6-2: 基本的なモニタリングの概念を説明するための簡単な施設例(詳細は本 文を参照)。
直接排出量の基本的なモニタリング概念による施設例

架空の例として、施設にはボイラーからの蒸気を使って原材料1 を乾燥させる乾 燥機が含まれている。この材料は排出量には寄与しないと考えられている。別 の原材料(例: 石灰石)は回転窯で焼成され、そこで炭酸塩からCO2 が放出され る。焼成された原料の混合物は、この施設の唯一の製品とみなされており、そ の結果、生産工程は1 つしかない。図6-2 を使って、以下の要素を説明すること ができる。 定義: • 「排出源の流れ」(Source stream)61:燃焼や他の化学工程によって放出 される炭素を含む燃料や物質は、「排出源の流れ」という用語で要約さ れる。製品、副産物、または廃棄物などの生成に炭素が多く含まれる場

61 実施規則における定義:「排出源の流れ」とは、以下のいずれかに該当する:

(a) 特定の燃料、原材料または製品で、その消費または生産に伴って、一つまたは複数の排 出源から温室効果ガスを生じさせるもの (b) 特定の燃料、原材料または製品で、炭素を含 み、マスバランス法を用いた温室効果ガス排出量の算定に含まれるもの

100 合、それらも「排出源の流れ」に該当し、「マスバランス」アプローチ では、 排出量からそれらの炭素量を差し引くことで考慮される。図6-2 では、投入される排出源の流れは、燃料の天然ガス、燃料の石油、石 炭、さらに材料の「原料2」、そして、関連する炭素量を含む場合は製品 やスラグも含まれる可能性がある。
• 排出源(Emission source)62:ボイラーやキルンのような単一工程のユニ ットは、「排出源」 と呼ばれる。なお、煙突も排出源と見なされる場合 がある。しかし、煙突は「排出ポイント」と呼ぶ方が一貫性がある。排 出ポイントとは、連続排出量測定システム(CEMS)を「測定ポイント」 として設置できる場所を指す(測定ポイントはCEMS の設置場所を示 す)。 モニタリングの方法: CBAM 実施規則の付属書III は、施設レベルでの以下のモニタリングの方法を認 めている: • 計算ベースの方法では2 つのバリエーションがある(詳細はセクション 6.5.1.1 を参照): o 標準的な方法:この方法には、全ての燃料と投入材料の量(「活 動データ」)を決定する必要があり、またこれらの燃料と投入材 料に関するいくつかの定性的情報、特に「排出係数」を決定する 必要がある。もし一部に排出されない炭素がある場合(例えば、 石炭の灰に炭素が残る場合)、これは「酸化係数」によって処理 される。その他の不完全な工程がある場合は、「換算係数」によ って処理される。図6-2 の例では、測定機器は、この目的のため に、排出源の流れの量が決定される場所を示している。

する必要があり、またこれらの燃料と投入材 料に関するいくつかの定性的情報、特に「排出係数」を決定する 必要がある。もし一部に排出されない炭素がある場合(例えば、 石炭の灰に炭素が残る場合)、これは「酸化係数」によって処理 される。その他の不完全な工程がある場合は、「換算係数」によ って処理される。図6-2 の例では、測定機器は、この目的のため に、排出源の流れの量が決定される場所を示している。 o マスバランス法:この場合、すべての燃料、投入材料、そして生 成材料の炭素量は、それらの各量および炭素含有量を再度決定す ることで算出される。 o 図6-2 に示されていない内容:排出源の流れがバイオマスを含む場 合、特定の条件下では、それぞれのCO2 排出量をゼロ評価するこ とができる。これは、「予備的排出係数」に「1- バイオマス分 画」を乗じることによって達成される。したがって、純粋な化石 燃料の場合、結果として得られる排出係数は予備排出係数と同じ になり、純粋なバイオマスの場合はゼロになる。しかし、一定の 持続可能性基準に適合するバイオマスだけが、このような「ゼロ 評価」の対象となる。 • 測定ベースの方法 (詳細はセクション 6.5.2 を参照):すべての排出源の流 れを個別にモニタリングする代わりに、単一の操作でモニタリングする ことが望ましい場合がある。 図6-2 では、煙突が、すべての排出源から

62 実施規則における定義:「排出源」とは、施設または施設内の工程のうち、温室効果ガスを 排出する個別に識別可能な部分を意味する。

101 (したがってすべての排出源の流れから)のすべての排出量を受け取る ことになる。この場所に連続排出量測定システム(CEMS)が設置されて いれば、施設全体の排出量をモニタリングすることができる。
• 注意:二重カウントを避けるためには、 計算ベースの方法か、測定ベー スの方法のどちらかを選択しなければならない。両方のアプローチは、 施設の異なる部分に対して、または同じ排出データの相互確認のためで あれば併存させることができる。しかし、事業者として、モニタリング において欠落や二重カウントが発生しないように、いずれかの方法を選 択しなければならない。この選択を行うための助言は、セクション 6.4.4 で詳しく説明されている。 • その他の方法:実施規則では、一部の事業者が新しい要件に適応するた めの時間を必要としていることを認めている。そのため、特定の条件下 では、他のモニタリングの方法も許可されている。詳細については、セ クション 6.5.3 に記載されている。 測定機器と分析: 図6-2 では、測定機器が記号で示されている。より詳細な説明を以下に記載す る: • 燃料や材料の量を決定するための測定は、基本的に2 つの方法で行うこ とができる。ひとつは継続的測定で、例えばガスメーターや油用の液体 流量計を使用し、月ごとの消費量などを読み取る方法である。一方で、 バッチ計測は、例えばトラックや列車、船舶ごとに積み荷を個別に計量 する場合に適用される。このような量は通常、使用前に設備に保管され る。したがって、 報告期間の開始時と終了時に在庫を考慮する必要があ る。
図では、天然ガスは連続的に計測されていると考えられ、燃料油、石 炭、原材料はバッチ単位で計測されていると仮定できる。 • モニタリング手法を選択するためには、機器やサンプリングポイントが 事業者の管理下にあるか、他者の管理下にあるかが重要になる。 図6-2 の例では、天然ガスの計器が施設の境界外にあることが示されている。 このように、メーターの読み取りが燃料供給者によって行われることは


図では、天然ガスは連続的に計測されていると考えられ、燃料油、石 炭、原材料はバッチ単位で計測されていると仮定できる。 • モニタリング手法を選択するためには、機器やサンプリングポイントが 事業者の管理下にあるか、他者の管理下にあるかが重要になる。 図6-2 の例では、天然ガスの計器が施設の境界外にあることが示されている。 このように、メーターの読み取りが燃料供給者によって行われることは よくある。したがって、燃料や材料の量を決定するために、請求書など の明確な情報を使用することができる(詳細についてはセクション6.5 に 記載されている)。 • 排出源の流れの定性的情報(「計算係数」)については、原則的に2 つ の選択肢が存在する(詳細はセクション6.5.1.4 を参照): o 排出係数などには固定値が使用される。これらは、実施規則の付 属書V に示されたIPCC ガイドラインからの(国際的に受け入れら れた)標準値や、より適切な国内の値、文献値などであり、この ガイドラインの付属書 D にもコピーされている。
o 実験室での分析によって決定された値:この方法は、燃料や材料 の量が多い場合や、燃料や材料の品質に大きな変動がある場合に

102 適している。CBAM 実施規則では、サンプリングおよび分析に関 する規則が定められている。特に、サンプリングは代表的な方法 で行われる必要があり(サンプリングポイントは量の測定ポイン トと相関する場合があるが、必ずしも適切とは限らない)、分析 はその業務に対して適格な実験室で、受け入れられた基準に従っ て行う必要がある(理想的には、ISO/IEC 17025 に基づく認定の実 験室)
この図には示されていないが、施行規則に規定があるその他の事例: • CO2 以外の温室効果ガスの測定のための特別方法:アルミニウム生産に おけるPFC(パーフルオロカーボン、セクション6.5.5)と、硝酸および 肥料の生産におけるN2O(セクション7.3.1)。 • CCU およびCCS63に関連する「移転されたCO2」に関する規則(詳細は セクション6.5.6.2 に記載)。

図6-3: 生産工程への排出量の割り当てに関連するシステム境界の概略説明(詳 細は本文を参照)。
生産工程における計算の原則 出典:欧州連合/欧州委員会64

6.2.2.2 生産工程への排出量の割り当て 上記セクション 6.2.2 で述べたように、排出量の割り当ては複雑な作業である。 これは、生産工程のシステム境界が、基本的にエネルギーと物質のバランスを

63 二酸化炭素の回収および利用(CCU)、二酸化炭素の地下貯留(CCS) 64 EU 排出量取引制度における無償割当のためのモニタリングに関するガイダンス文書第5号:

https://climate.ec.europa.eu/system/files/2019-02/p4_gd5_mr_guidance_en.pdf

のシステム境界が、基本的にエネルギーと物質のバランスを

63 二酸化炭素の回収および利用(CCU)、二酸化炭素の地下貯留(CCS) 64 EU 排出量取引制度における無償割当のためのモニタリングに関するガイダンス文書第5号:

https://climate.ec.europa.eu/system/files/2019-02/p4_gd5_mr_guidance_en.pdf

103 形成しており、その結果として排出量が割り当てられるためである。図6-3 でそ の概要が示されている。

割り当てられる直接排出量 生産工程の直接排出量の割り当てを計算するための式は、実施規則の付属書III のセクションF.1 に記載されている。この式は、報告期間全体にわたって、式 4865で示されるパラメータに基づいて次のように適用される。 𝐴𝐴𝐴𝐴𝐴𝐴𝐴𝐴𝐴𝐴𝑚𝑚𝐷𝐷𝐷𝐷𝐷𝐷= 𝐷𝐷𝐷𝐷𝐷𝐷𝐷𝐷𝑚𝑚∗+ 𝐸𝐸𝑚𝑚𝐻𝐻,𝑖𝑖𝑖𝑖𝑖𝑖−𝐸𝐸𝑚𝑚𝐻𝐻,𝑒𝑒𝑒𝑒𝑒𝑒+ 𝑊𝑊𝐺𝐺𝑐𝑐𝑐𝑐𝑐𝑐𝑐𝑐,𝑖𝑖𝑖𝑖𝑖𝑖−𝑊𝑊𝐺𝐺𝑐𝑐𝑐𝑐𝑐𝑐𝑐𝑐,𝑒𝑒𝑒𝑒𝑒𝑒− 𝐸𝐸𝑚𝑚𝑒𝑒𝑒𝑒,𝑝𝑝𝑝𝑝𝑝𝑝𝑝𝑝
ここで、𝐴𝐴𝐴𝐴𝐴𝐴𝐴𝐴𝐴𝐴𝑚𝑚𝐷𝐷𝐷𝐷𝐷𝐷(割り当てられる直接排出量)が負の値になる場合、ゼロに 設定される。 この式は、複数の生産工程が施設内に存在する場合、熱供給が分離されている 場合、または施設内で廃ガスや電力生産が存在する場合に、モニタリングパラ メータのガイドラインとなる。なお、詳細はセクション 6.7.2 (熱)、セクショ ン 6.7.3 (電気)、セクション 6.7.5 (廃ガス)で説明する。 パラメータの説明は以下の通りである: 𝑨𝑨𝑨𝑨𝑨𝑨𝑨𝑨𝑨𝑨𝒎𝒎𝑫𝑫𝑫𝑫𝑫𝑫
これは、報告期間全体にわたる生産工程に割り当てられる直接 排出量で、単位は「 t CO2e」で表される。
𝐷𝐷𝐷𝐷𝐷𝐷𝐷𝐷𝑚𝑚∗
これは、生産工程に起因して割り当てられる直接排出量であ り、実施規則の付属書III のセクションB に記載された規則およ び以下の規則に従って報告期間に対して決定されるものであ る。 測定可能な熱量:測定可能な熱生産のために燃料が消費され、 その熱が対象としている生産工程以外で消費される場合、ある いは複数の生産工程で使用される場合(他の施設からの取り込 みや他の施設への放出を含む)、燃料の排出量は、生産工程に 起因して割り当てられる直接排出量には含めず、二重計上を避 けるため、「EmH,import」のパラメータに追加する。
廃ガス:
同じ生産工程内で生産され、完全に消費される廃ガスによって 発生する排出量は、「DirEm*」に含まれる。 生産工程から排出される廃ガスの燃焼による排出量は、それが どこで消費されるかに関わらず、すべて 「DirEm*」 に含まれ

65 本ガイダンス文書に記載されている方程式の参照番号は、施行規則(EU)2023/1773 を参照 している。

」のパラメータに追加する。
廃ガス:
同じ生産工程内で生産され、完全に消費される廃ガスによって 発生する排出量は、「DirEm*」に含まれる。 生産工程から排出される廃ガスの燃焼による排出量は、それが どこで消費されるかに関わらず、すべて 「DirEm*」 に含まれ

65 本ガイダンス文書に記載されている方程式の参照番号は、施行規則(EU)2023/1773 を参照 している。

104 る。ただし、廃ガスの外部への取り出しについては、 「WGcorr,export 」の項を計算する必要がある。 他の生産工程から取り込まれる廃ガスの燃焼による排出量は、 「DirEm*」では考慮されない。代わりに「WGcorr,import 」の項で 計算されるものとする。 𝐸𝐸𝑚𝑚𝐻𝐻,𝑖𝑖𝑖𝑖𝑖𝑖
これは、生産工程に取り込まれた測定可能な熱量に相当する排 出量であり、実施規則の付属書III のセクションC に記載された 規則を用いて報告期間において決定される。また、以下の規則 に従うものとする。 生産工程に取り込まれる測定可能な熱量に関連する排出量に は、他の施設からの取り込み、同じ施設内の他の生産工程から の取り込み、さらに複数の生産工程に熱を供給する技術ユニッ ト(例:施設内の中央発電所や複数の熱生成ユニットを持つ複 雑な蒸気ネットワーク)から受け取る熱が含まれる。
測定可能な熱量に起因する排出量は、以下の式を用いて算出す る:

𝐸𝐸𝑚𝑚𝐻𝐻,𝑖𝑖𝑖𝑖𝑖𝑖= 𝑄𝑄𝑖𝑖𝑖𝑖𝑖𝑖∙𝐸𝐸𝐹𝐹ℎ𝑒𝑒𝑒𝑒𝑒𝑒 (方程式 52) ここで:
「EFheat」は、実施規則付属書III のセクションC.2 に従って決定 された、測定可能な熱の発生に対する排出係数であり、「t CO2/TJ」で表される。
また「Qimp」は、生産工程に供給され消費される正味の熱量を 「TJ」で表したものである。 𝐸𝐸𝑚𝑚𝐻𝐻,𝑒𝑒𝑒𝑒𝑒𝑒
これは、報告期間中に実際の生産工程から測定可能な熱量に相 当する放出量であり、実施規則の付属書III のセクションC で定 められた規則に基づいて決定される。外部に放出される熱に関 しては、その付属書のセクションC.2 に従って、実際に知られ ている混合燃料の排出量を使用するか、実際の混合燃料が不明 な場合には、国内および産業セクターで最も一般的に使用され る燃料の標準排出係数を使用する。この際、ボイラーの効率は 90%であると仮定する。
電気駆動の工程および硝酸の生産からの回収熱は考慮されな い。 𝑊𝑊𝐺𝐺𝑐𝑐𝑐𝑐𝑐𝑐𝑐𝑐,𝑖𝑖𝑖𝑖𝑖𝑖
これは、他の生産工程から取り込まれた廃ガスを消費する生産 工程に割り当てられる直接排出量であり、以下の式を用いて報 告期間について補正する。

な場合には、国内および産業セクターで最も一般的に使用され る燃料の標準排出係数を使用する。この際、ボイラーの効率は 90%であると仮定する。
電気駆動の工程および硝酸の生産からの回収熱は考慮されな い。 𝑊𝑊𝐺𝐺𝑐𝑐𝑐𝑐𝑐𝑐𝑐𝑐,𝑖𝑖𝑖𝑖𝑖𝑖
これは、他の生産工程から取り込まれた廃ガスを消費する生産 工程に割り当てられる直接排出量であり、以下の式を用いて報 告期間について補正する。

105

𝑊𝑊𝑊𝑊𝑐𝑐𝑐𝑐𝑐𝑐𝑐𝑐,𝑖𝑖𝑖𝑖𝑖𝑖= 𝑉𝑉𝑊𝑊𝑊𝑊· 𝑁𝑁𝑁𝑁𝑁𝑁𝑊𝑊𝑊𝑊· 𝐸𝐸𝐹𝐹𝑁𝑁𝑁𝑁 (方程式 53) ここで:
「VWG 」は、外部から取り込まれた廃ガスの体積である。
「NCVWG」は、外部から取り込まれた廃ガスの正味発熱量であ る。
「EFNG」は、実施規則の付属書VIII に示される天然ガスの標準 排出係数である。 𝑊𝑊𝐺𝐺𝑐𝑐𝑐𝑐𝑐𝑐𝑐𝑐,𝑒𝑒𝑒𝑒𝑒𝑒
これは、生産工程から外部に移動される廃ガスの量に相当する 排出量であり、実施規則の付属書III のセクションB に記載され た規則を用いて報告期間において決定される。また、以下の規 則に従うものとする。

𝑊𝑊𝐺𝐺𝑐𝑐𝑐𝑐𝑐𝑐𝑐𝑐,𝑒𝑒𝑒𝑒𝑒𝑒= 𝑉𝑉𝑊𝑊𝑊𝑊,𝑒𝑒𝑒𝑒𝑒𝑒· 𝑁𝑁𝑁𝑁𝑁𝑁𝑊𝑊𝑊𝑊· 𝐸𝐸𝐸𝐸𝑁𝑁𝑁𝑁· 𝐶𝐶𝐶𝐶𝐶𝐶𝐶𝐶𝜂𝜂 (方程式 54) ここで:
「VWG,exported 」は生産工程から外部に移動される廃ガスの体積で ある。
「NCVWG」は廃ガスの正味発熱量である。
「EFNG 」は、実施規則の付属書VIII に示される天然ガスの標準 排出係数である。
「Corrη」は、廃ガスの使用と基準燃料である天然ガスの使用の 効率の差を考慮する係数である。標準値は「Corrη = 0.667」で ある。 𝐸𝐸𝑚𝑚𝑒𝑒𝑒𝑒,𝑝𝑝𝑝𝑝𝑝𝑝𝑝𝑝
これは、生産工程の境界内で生産された電力に相当する排出量 であり、実施規則の付属書 III のセクション D に記載されている 規則に基づいて、報告期間中に決定される。

割り当てられる間接排出量

𝐴𝐴𝐴𝐴𝐴𝐴𝐴𝐴𝐴𝐴𝑚𝑚𝑖𝑖𝑖𝑖𝑖𝑖𝑖𝑖𝑖𝑖= 𝐸𝐸𝑚𝑚𝑒𝑒𝑒𝑒,𝑐𝑐𝑐𝑐𝑐𝑐𝑐𝑐 (方程式 49) ここで: 𝑨𝑨𝑨𝑨𝑨𝑨𝑨𝑨𝑨𝑨𝒎𝒎𝒊𝒊𝒊𝒊𝒊𝒊𝒊𝒊𝒊𝒊
これは、報告期間全体にわたる生産工程に割り当てられる間接 排出量で、単位は「t CO2e」で表される。

106 𝑬𝑬𝒎𝒎𝒆𝒆𝒆𝒆,𝒄𝒄𝒄𝒄𝒄𝒄𝒄𝒄
これは、生産プロセスの境界内で消費された電力量に相当する 排出量であり、実施規則の付属書 III のセクション D に記載さ れている規則に基づいて、報告期間中に決定される。

ここで: 𝑨𝑨𝑨𝑨𝑨𝑨𝑨𝑨𝑨𝑨𝒎𝒎𝒊𝒊𝒊𝒊𝒊𝒊𝒊𝒊𝒊𝒊
これは、報告期間全体にわたる生産工程に割り当てられる間接 排出量で、単位は「t CO2e」で表される。

106 𝑬𝑬𝒎𝒎𝒆𝒆𝒆𝒆,𝒄𝒄𝒄𝒄𝒄𝒄𝒄𝒄
これは、生産プロセスの境界内で消費された電力量に相当する 排出量であり、実施規則の付属書 III のセクション D に記載さ れている規則に基づいて、報告期間中に決定される。

107 6.2.2.3 製品の体化排出量の計算 前駆体の体化排出量を加算 上記のセクション 6.2.2 で述べたように、体化排出量を決定するための最終段階 は、「複雑な製品」の場合、生産工程で使用される前駆体の体化排出量を、そ の工程に割り当てられた排出量に加算することである。しかし、同じ施設内で 前駆体を自ら生産し、かつ「バブルアプローチ」(セクション6.3 を参照)を使 用できる場合、この「バブル」生産工程に割り当てられる排出量には、前駆体 の生産中に発生する排出量が既に含まれている。したがって、 バブルアプロー チを使用する場合、自己生産した前駆体に加え、購入した前駆体に関してのみ、 以下の計算を行う必要がある。 以下の式が適用される: 𝐸𝐸𝐸𝐸𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃,𝑑𝑑𝑑𝑑𝑑𝑑= 𝐴𝐴𝐴𝐴𝐴𝐴𝐴𝐴𝐴𝐴𝐴𝐴𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃,𝑑𝑑𝑑𝑑𝑑𝑑+ ෍𝑀𝑀𝑖𝑖· 𝑆𝑆𝑆𝑆𝑆𝑆𝑖𝑖,𝑑𝑑𝑑𝑑𝑑𝑑 𝑛𝑛 𝑖𝑖=1

𝐸𝐸𝐸𝐸𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃,𝑖𝑖𝑖𝑖𝑖𝑖𝑖𝑖𝑖𝑖= 𝐴𝐴𝐴𝐴𝐴𝐴𝐴𝐴𝐴𝐴𝐴𝐴𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃,𝑖𝑖𝑖𝑖𝑖𝑖𝑖𝑖𝑖𝑖+ ෍𝑀𝑀𝑖𝑖· 𝑆𝑆𝑆𝑆𝑆𝑆𝑖𝑖,𝑖𝑖𝑖𝑖𝑖𝑖𝑖𝑖𝑖𝑖 𝑛𝑛 𝑖𝑖=1

ここで
「EEProc,dir」は、報告期間中における生産工程レベルでの直接体化排出量である。 「EEProc,indir」は、報告期間中における生産工程レベルの間接体化排出量である。 「AttrEmProc,dir」は、報告期間中における、セクション 6.2.2.2 に従って決定され た、生産工程に割り当てられた直接排出量である。 「AttrEmProc,indi」 は、報告期間中における、セクション 6.2.2.2 に従って決定され た、生産工程に割り当てられた間接排出量である。 「Mi」は、報告期間中に生産工程で消費された前駆体「i」の質量である。 「SEEi,dir」は、前駆体「i」の特定の直接体化排出量である。 「SEEi,indir」は、前駆体「i」の特定の間接体化排出量である。 もし前駆体が同じ施設内で生産されたものであれば、事業者が実施規則の規則 にしたがって SEE (特定の体化排出量)の値を決定する必要がある。他の施設 から前駆体を受け取る場合、前駆体が生産された施設の事業者に関連情報を要 求しなければならない。この場合、欧州委員会が事業者と輸入業者間のコミュ ニケーション用に提供しているテンプレートを使って行うのが理想的である ( セクション6.11 を参照)66。

66 前駆体の特定の体化排出量に関する情報だけでなく、カーボンプライスに関する情報も必要 となることに注意する( セクション6.10 を参照)。

を受け取る場合、前駆体が生産された施設の事業者に関連情報を要 求しなければならない。この場合、欧州委員会が事業者と輸入業者間のコミュ ニケーション用に提供しているテンプレートを使って行うのが理想的である ( セクション6.11 を参照)66。

66 前駆体の特定の体化排出量に関する情報だけでなく、カーボンプライスに関する情報も必要 となることに注意する( セクション6.10 を参照)。

108 複数の事業者から前駆体を受け取っている場合、事業者ごとに異なるSEE(特定 の体化排出量)の値になる可能性がある。この場合、「Mi 」と「SEEi」の値は、 前駆体が異なる材料であるかのように、別々に計算に使用する必要がある。

特定の体化排出量(製品1 トンに換算して算出) 上記の計算をすべて行った後、工程レベルでの体化排出量は、その工程の「活 動レベル」で割るだけで、製品に対する特定の体化排出量を算出できる。

𝑆𝑆𝑆𝑆𝑆𝑆𝑔𝑔,𝑑𝑑𝑑𝑑𝑑𝑑= 𝐸𝐸𝐸𝐸𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃,𝑑𝑑𝑑𝑑𝑑𝑑 𝐴𝐴𝐴𝐴𝑔𝑔

𝑆𝑆𝑆𝑆𝑆𝑆𝑔𝑔,𝑖𝑖𝑖𝑖𝑖𝑖𝑖𝑖𝑖𝑖= 𝐸𝐸𝐸𝐸𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃,,𝐼𝐼𝐼𝐼𝐼𝐼𝐼𝐼𝐼𝐼 𝐴𝐴𝐴𝐴𝑔𝑔

ここで 「SEEg,dir 」は、集約製品カテゴリー「g」に分類される製品の特定の直接体化排 出量である。 「SEEg,indir 」は、集約製品カテゴリー「g」に分類される製品の特定の間接体化 排出量である。 「ALg 」は、集計製品カテゴリー「g」の製品を生産する生産工程の活動レベル、 すなわち報告期間中に生産されたそのカテゴリーに属する全製品の質量である。 これらの式は、CBAM 規則の付属書IV および実施規則の付属書III に記載された 式と異なるように見えるかもしれない。しかし、これらは数学的には同等であ る。違いは、本ガイダンスでは、活動レベルで割り算する前に、まず工程レベ ルのデータを決定する方が簡単であると想定している点である。この方法が、 欧州委員会の通信のテンプレートにも適用されている。しかし、法律では、前 駆体の体化排出量を1 トン当たりに正規化して一度に加算する式が示されている。 複雑な製品の場合、これは以下のように表される。

𝑆𝑆𝑆𝑆𝑆𝑆𝑔𝑔= 𝐴𝐴𝐴𝐴𝐴𝐴𝐴𝐴𝐴𝐴𝐴𝐴𝑔𝑔+𝐸𝐸𝐸𝐸𝐼𝐼𝐼𝐼𝐼𝐼𝐼𝐼𝐼𝐼𝐼𝐼 𝐴𝐴𝐴𝐴𝑔𝑔 (方程式 57)

𝐸𝐸𝐸𝐸𝐼𝐼𝐼𝐼𝐼𝐼𝐼𝐼𝐼𝐼𝐼𝐼= ∑ 𝑀𝑀𝑖𝑖· 𝑆𝑆𝑆𝑆𝑆𝑆𝑖𝑖 𝑛𝑛 𝑖𝑖=1 (Equation 58) 単純な製品の場合、「EEinpMat」はゼロに等しい。 実施規則ではさらに、以下のようにSEE を計算する前に、まず割り当てられる 排出量を正規化する一般的な手法の公式を以下のように示している。 各前駆体「i 」の特定の質量消費量「mi」を示す: 𝑚𝑚𝑖𝑖= Mi/𝐴𝐴𝐿𝐿𝑔𝑔 したがって、複雑な製品「g」の特定の体化排出量は、次のように表すことがで きる:

(Equation 58) 単純な製品の場合、「EEinpMat」はゼロに等しい。 実施規則ではさらに、以下のようにSEE を計算する前に、まず割り当てられる 排出量を正規化する一般的な手法の公式を以下のように示している。 各前駆体「i 」の特定の質量消費量「mi」を示す: 𝑚𝑚𝑖𝑖= Mi/𝐴𝐴𝐿𝐿𝑔𝑔 したがって、複雑な製品「g」の特定の体化排出量は、次のように表すことがで きる:

109

𝑆𝑆𝑆𝑆𝑆𝑆𝑔𝑔= aeg + ∑ (𝑚𝑚𝑖𝑖∙𝑆𝑆𝑆𝑆𝐸𝐸𝑖𝑖) 𝑛𝑛 𝑖𝑖=1 (方程式 60) ここで:𝑎𝑎𝑎𝑎𝑔𝑔 は、製品「g」を生産する過程における、割り当てられた特定の直 接または間接排出量であり、単位は「 t CO2e/トン」(製品「g」)であって、前 駆体の体化排出量を含まない特定の体化排出量に相当する:

𝑎𝑎𝑒𝑒𝑔𝑔= 𝐴𝐴𝐴𝐴𝐴𝐴𝐴𝐴𝐴𝐴𝑚𝑚𝑔𝑔/𝐴𝐴𝐿𝐿𝑔𝑔 (方程式 61) 原則的には、 SEE の計算から上記と同じ結果が得られることを証明できれば、 どの計算経路を選択するかは、事業者に委ねられている。しかし、 輸入業者 (あるいは、当該製品を前駆体として使用する他の事業者)に対して、製品の 体化排出量を伝える際に欧州委員会のテンプレートを使用するのであれば、そ の計算は正しく行われていると見なすことができる。

「SEEi」に関しては、入力材料が生産された施設から生じる排出量の値を使用 すべきであるが、ただしその施設のデータが適切に測定でき、その施設の事業 者が必要なデータをすべて通信している場合に限る。移行期間中は、前駆体が CBAM 対象製品である場合、欧州委員会が提供する体化排出量のデフォルト値 を使用することができる。詳細はセクション 6.9 に記載されている。

6.3 生産工程システムの境界および生産ルートの定義
本セクションでは、CBAM 移行期間中、事業者として利用できるモニタリング アプローチについて概説する。以下のテキストボックスは、CBAM の移行期間 に関連するもので、モニタリングに関する実施規則の主要部分を示している。 施行規則の参照文書:
付属書II、セクション3「生産ルート、システム境界、および関連する前駆体」 付属書III、セクションA 「定義と原則、特にサブセクションA.4.生産工程への施設の分割」

実施規則の付属書Ⅱのセクション2 で対象となっている集約製品の体化排出量を 決定するには、事業者として、その製品生産のシステム境界を定義する必要が ある。そのために以下の事項を特定する必要がある。 • CBAM 対象製品の生産に使用されたすべての生産工程または設備

界、および関連する前駆体」 付属書III、セクションA 「定義と原則、特にサブセクションA.4.生産工程への施設の分割」

実施規則の付属書Ⅱのセクション2 で対象となっている集約製品の体化排出量を 決定するには、事業者として、その製品生産のシステム境界を定義する必要が ある。そのために以下の事項を特定する必要がある。 • CBAM 対象製品の生産に使用されたすべての生産工程または設備

110 • これらの生産工程に投入され、またそこから生成されるすべての燃料、 エネルギー(電力67、熱、または廃ガス68)および材料の流れ
• これらの生産工程から直接排出される温室効果ガスの排出源、および当 該する場合は、消費エネルギーと前駆体の生産工程で排出される温室効 果ガスの排出源。

ステップ1:対象施設に関する、すべての製品、物理的設備、投入物、生成物、 排出量のリストを作成。
まず、対象施設について、すべての生産工程の物理的設備、投入(製品の生産 に必要な原材料、燃料、熱、電力)、生成(生産される製品、副産物、廃棄物、 熱、電力、廃ガス、排出物)をリストアップする。 CBAM 規則の「直接排出量」の定義を満たすためには、投入された熱量を考慮 しなければならない(つまり、施設の総排出量に加算する)。電力の投入によ る「間接排出量」も考慮する必要がある。 ステップ2:関連する生産工程と生産ルートを特定する このステップでは、施設が生産するすべての製品とそのCN コードをリストアッ プする。実施規則の付属書II のセクション2 の表1(または本ガイダンス文書の セクション5)を使用することで、どの製品がCBAM の対象となり、どの集約 製品カテゴリーに分類されるかを特定することができる。特定された各集約製 品カテゴリーは、次のステップのために対応する1 つの生産工程を定義する必要 がある。ただし、一部の簡略化は許可されている(以下を参照)。
次に、CBAM 対象製品を生産する産業プロセス(「生産ルート」)と、関連す る生産ユニット、投入、生成、排出量を特定する。
システム境界を視覚的に確認するには、施設の概略図を使用するのが便利であ る。また、ボイラー、CHP プラント、蒸気系統など、異なる生産工程で共同使 用される可能性のあるユニットを特定することも重要である。このようなユニ ットからの排出量は、個別にモニタリングし、異なる生産工程で消費される熱 量に応じて生産工程に割り当てる必要がある。 生産工程のシステム境界を定義する際、多くの異なる施設および生産工程の構 成が可能である:
• 単一カテゴリーの製品を生産する施設の場合、体化排出量をモニタリン グおよび報告するための施設境界と、生産工程のシステム境界は同じで ある。

67 なお、発電は別の生産工程として定義されている点に注意。実施例についてはセクション 7.2.2.1 を参照のこと。電力の具体的なケースでは、間接的排出量が影響を受ける。つまり、 施設の分割は実質的な影響を与えない。 68 「廃ガス」の定義については、セクション 6.7.5 を参照のこと。

出量をモニタリン グおよび報告するための施設境界と、生産工程のシステム境界は同じで ある。

67 なお、発電は別の生産工程として定義されている点に注意。実施例についてはセクション 7.2.2.1 を参照のこと。電力の具体的なケースでは、間接的排出量が影響を受ける。つまり、 施設の分割は実質的な影響を与えない。 68 「廃ガス」の定義については、セクション 6.7.5 を参照のこと。

111 • 関連性のない複数のカテゴリーの製品を生産している場合、1 つの施設内 で、別々の生産工程のシステム境界を定義しなければならない。 • 施設で異なった生産ルートで同じカテゴリー製品を生産する場合、事業 者は、単一の生産工程システム境界を定義するか、または異なる生産ル ートの別々の生産工程のシステム境界のいずれかを定義することができ る。別々の工程を定義する場合、製品の体化排出量は生産ルートごとに 別々に計算する。 • 複雑な製品とその前駆体を生産する施設で、前駆体が全て複雑な製品の 生産に使用される場合、施設内に共同(単一)生産工程のシステム境界 を定義することができる(「バブルアプローチ」69)。 • CBAM 製品と非CBAM 製品を同時に生産する施設では、CBAM 製品に関 連する工程のシステム境界のみを定義すればよい。ただし、基本要件か らの推奨事項として、すべての関連する排出量が間違いなくカバーされ ていることを確認するために、非CBAM 製品のために追加の生産工程シ ステム境界を定義することが望ましい。 上記に加え、移行期の特定のセクターにおいては、いくつかの簡略化が適用さ れる:
• 鉄鋼生産施設において、特定の製品群70から2 つ以上の製品を生産する 場合、生成された前駆体材料が個別に販売されない限り、1 つの共同生産 工程として定義することで体化排出量をモニタリングし報告することが できる(つまり、「バブルアプローチ」を使用することができる)。 • アルミニウム生産施設において、未加工アルミニウムまたはアルミニウ ム製品群から2 つ以上の製品を生産する場合、生成された前駆体材料が 個別に販売されない限り、1 つの共同生産工程として定義することで体化 排出量をモニタリングし報告することができる(つまり、「バブルアプ ローチ」を使用することができる)。 • 混合肥料生産施設において、混合肥料に含まれる窒素のトン当たりの体 化排出量の一律の値を定めることで、該当する生産工程のモニタリング を簡素化することができる。この場合、窒素の化学的形態(アンモニウ ム、硝酸塩、または尿素の形態)に関わらず適用される。

生産工程のシステム境界を定義する際の重要な基準は以下の通りである。 • システムの境界は、製品を生産するための連続的な工程ステップを実行 する物理的ユニット71 を取り囲むように設定する必要がある。

69 バブルアプローチの例についてはセクション 7.2.2.1 を参照。 70 焼結鉱、銑鉄、FeMn、FeCr、FeNi、DRI、粗鋼、鉄鋼製品。 71 「ユニット」とは、キルン、炉、ボイラー、反応器、蒸留塔、乾燥機、煙道ガス洗浄などの 工業設備を指す。

テムの境界は、製品を生産するための連続的な工程ステップを実行 する物理的ユニット71 を取り囲むように設定する必要がある。

69 バブルアプローチの例についてはセクション 7.2.2.1 を参照。 70 焼結鉱、銑鉄、FeMn、FeCr、FeNi、DRI、粗鋼、鉄鋼製品。 71 「ユニット」とは、キルン、炉、ボイラー、反応器、蒸留塔、乾燥機、煙道ガス洗浄などの 工業設備を指す。

112 • 生産工程を支援し、完全な生産能力を維持するために100%専用で利用さ れる補助的なユニットも、システム境界に含めるべきである。例えば、 CHP ユニット(投入活動)や煙道ガス処理装置(生成活動)などが該当 する。 • 複数の生産工程で利用される物理的ユニット(例えば、複数の工程に蒸 気を供給するボイラーや圧縮空気を供給するエアコンプレッサー)は、 仮想的に分割する必要がある。つまり、セクション6.2.2.2 で示されてい るように、それぞれの排出量を計算式に従って個別に処理する。 • システム境界には定置式ユニットのみが含まれる。車両(フォークリフ ト、トラック、ブルドーザーなど)からの排出量は、生産工程のシステ ム境界には含まれない。
全体として、施設の関連する排出量は、CBAM 製品と非CBAM 製品で100%カバ ーされなければならない。具体的には以下の通り: • 単一の生産工程を持つ施設の場合、施設から排出され る全て(100%)の 排出量は、CBAM 対象製品の生産工程に割り当てるべきである。
• 複数の関連する生産工程を持つ施設の場合、事業者は必要に応じて、共 有設備や「排出源の流れ」および排出源を、特定されたそれぞれの生産 工程に割り当てるべきである。 したがって、CBAM 対象製品以外の製品に関連するものでない限り、投入物、生成 物、それぞれに対応する排出量は、すべてひとつの生産工程に割り当てるべきであ る。
その場合、特に注意しなければならないのは、生産工程が重複しないようにす ることである。すなわち、投入物、生成物、それに対応する排出量が、複数の 生産工程でカバーされてはならない。 また、透明性を確保するために、CBAM 移行期間中に定義された生産工程の根 拠を、その後の本格実施期間において、CBAM 申告を確認する検証人や当局に 提供する必要がある場合があるので注意を要する。 推奨される改善点:
施設全体のエネルギー効率や排出量を管理し、完全性のチェックを行うために、施設全体のすべて の排出源および排出源の流れをリスト化する。

セクション 7.1.2 は、セメント業界で一般的に想定される施設における複数のさ まざまなCBAM 対象製品のための、個別の生産工程をどのように定義するかの 例が示されている。

ステップ3:施設レベルでモニタリングの必要性を決定する

る改善点:
施設全体のエネルギー効率や排出量を管理し、完全性のチェックを行うために、施設全体のすべて の排出源および排出源の流れをリスト化する。

セクション 7.1.2 は、セメント業界で一般的に想定される施設における複数のさ まざまなCBAM 対象製品のための、個別の生産工程をどのように定義するかの 例が示されている。

ステップ3:施設レベルでモニタリングの必要性を決定する

113 すべてのCBAM に関連する生産工程と、それに関連する排出源および排出源の 流れ(つまり、排出に寄与する燃料や材料)を特定した後、モニタリングアプ ローチを決定する必要がある。施設レベルでは、「計算ベース」と「測定ベー ス」のアプローチが利用でき、また、移行期間中には他のカーボンプライシン グやMRV(モニタリング、報告および検証)システムからの他の方法を使用す ることも可能である。適用される方法の詳細については、セクション 6.4 に記載 されている。 場合によっては、生産工程間で発生する追加の物質やエネルギーの流れをモニ タリングする必要があることがある。これらは施設レベルの排出量モニタリン グには必須ではない。例えば、銑鉄の生産で発生する廃ガスが下流の鉄や鋼製 品の生産で消費される場合、その廃ガスは施設レベルで個別にモニタリングす る必要はない。しかし、異なる生産工程、ひいては製品に割り当てるためには、 このようなモニタリングが必要であり、次のステップのために特定される必要 がある。 ステップ4:排出量を生産工程に割り当てる
施設の総排出量を決定する方法が決まったら、 生産工程と生産する製品に応じ て排出量を割り当てるためのすべてのデータを確実に入手しなければならない。
このステップでは、使用される前駆体の体化排出量を考慮せずに行われる。そ の代わりに、各製品は「単純な製品」として扱われ、すなわち、各生産工程か らの(直接および/または間接)排出量のみが考慮される。施設が前駆体材料も 生産している場合、それらは個々の製品として個別に考慮される。 この段階での目標は、ギャップや二重計上をすることなく、施設の排出量を 100%製品に割り当てることである。この文脈では、生産工程外で使用するため に生産される「電気」と「熱」も「製品」である(これらは経済的価値があり、 取引可能である)。また、この100%目標を達成するために、CBAM でカバーさ れていない製品も考慮しなければならない。

6.4 モニタリングの計画
本セクションでは、CBAM 移行期間中、事業者として利用できるモニタリング アプローチについて概説する。以下のテキストボックスは、CBAM の移行期間 に関連するもので、モニタリングに関する実施規則の主要部分を示している。

施行規則の参照文書:
付属書III、セクションA 「定義と原則」、特にサブセクション:- A.1.「全体的なアプローチ」 - A.2.「モニタリングの原則」 - A.3.「入手可能な最善のデータソースを示す方法」 - A.4.「生産工程 への施設の分割」。

説する。以下のテキストボックスは、CBAM の移行期間 に関連するもので、モニタリングに関する実施規則の主要部分を示している。

施行規則の参照文書:
付属書III、セクションA 「定義と原則」、特にサブセクション:- A.1.「全体的なアプローチ」 - A.2.「モニタリングの原則」 - A.3.「入手可能な最善のデータソースを示す方法」 - A.4.「生産工程 への施設の分割」。

114 付属書III、セクションB 「直接排出量のモニタリング」、特にサブセクション:- B.1.「排出源の 流れと排出源の完全性」 - B.2.「モニタリングの方法の選択」- B.4.「活動データの要件」 - B.5. 「CO2の計算係数の要件」。 付属書III、セクションE 「前駆体のモニタリング」 付属書III、セクションF 「施設の排出量を製品に割り当てるための規則」 付属文書III、セクションH 「データの質を高めるためのオプション措置」

6.4.1 モニタリングの計画に必要な書類
事業者としては、CBAM 排出量を決定するために使用したモニタリング方法と、 施設や生産工程の生産データを文書化する必要がある。このモニタリングの方 法に関する文書(MMD)は、各産業セクター固有の要件に沿って、施設のシス テム境界と各生産工程を定義する必要がある。MMD はまた、どの排出源の流れ が計算ベースの基準またはマスバランス法を使用し、どの排出源について測定 ベースのアプローチが使用されているかを特定すべきである。また、生産され るCBAM 製品の品質と量、熱、電力、煙道ガスの流れなど、該当する場合、他 のすべての関連するモニタリング手法を含むべきである。 また、事業者として、施設の図とそれに付随する工程の説明も作成することが 推奨される:
• 生産工程のシステム境界と排出源の流れを可視化する • 排出量の報告に二重計上やデータギャップがないことを確認する 最初から優れた文書管理システムを導入することが望まれる。これを支援する ために、MMD は、他のカーボンプライシングやMRV システム(およびEU 排 出量取引制度)で知られている「モニタリング計画」(MP)と比較できるよう な、単一の文書にまとめられることが理想的である。

6.4.2 モニタリング手法の原則と手順 事業者としては、すべてのモニタリング活動が毎年一貫して実施されるよう、 モニタリングの方法を文書化することが求められる。この点で、MMD はすべて の施設スタッフの「規則リーフレット」として機能し、モニタリングに関与す る新しいスタッフのトレーニングにも利用できる。自主的に温室効果ガス検証 機関を利用する場合、MMD は検証機関にとって不可欠な情報基準となる。

モニタリング計画の指針: • 可能な限りシンプルなモニタリング方法で、CBAM の設置で既存のシス テムを考慮し、最も信頼性の高いデータソース、堅牢な計測機器、短い データフロー、および効果的な管理手続きをベースにすること。

ニタリングに関与す る新しいスタッフのトレーニングにも利用できる。自主的に温室効果ガス検証 機関を利用する場合、MMD は検証機関にとって不可欠な情報基準となる。

モニタリング計画の指針: • 可能な限りシンプルなモニタリング方法で、CBAM の設置で既存のシス テムを考慮し、最も信頼性の高いデータソース、堅牢な計測機器、短い データフロー、および効果的な管理手続きをベースにすること。

115 • データがどのように構築されるかについての完全な透明性と追跡可能性 を保持し、CBAM データの本格実施期間における検証目的で、行われた 計算や仮定、データの正確性を確保するための管理方法を明示するこ と。 • 補足的な手順書が、MMD の下で実施される活動の明確な指示、関連デー タの場所、役割と責任を定める。 施設は年々技術的な変更を受けるため、MMD および手順書は、事業者によって 定期的に見直され、更新されるべき文書と考えられるべきである。
モニタリング手法の典型的な要素には、事業者として以下の活動が含まれる (施設の特殊性に応じて適用される): • データ収集(計測データ、請求書、生産プロトコル、在庫決定など) • 燃料と材料のサンプリング。 • 燃料と材料の実験室での分析 • 計測器のメンテナンスおよび校正 • 使用する計算と計算式の説明 • 使用される標準値とその出所の文書化 • 管理活動(データ収集のための二重確認の原則など) • データのアーカイブ(改ざんを防ぐセキュリティを含む) • 改善の可能性を定期的に確認する(可能な限り、モニタリングシステム の改善を試みるべきである)。 推奨される改善点: モニタリングのアプローチを改善するために、より正確な新しいデータソー スが利用可能になったかどうかを定期的に(少なくとも年に1 回は)チェックすべきである。

6.4.3 文書化された手順 モニタリング方法を補足する手順書には、以下の要素を含めるべきである: • スタッフの責任と能力の管理 - 主要なスタッフメンバーの役割と責任の割 り当てを説明する。 • データフローと管理手順 • 品質保証措置(実施すべきチェック項目)。 • データギャップが特定された場合、データを補完するための推定方法。 • モニタリング方法が適切かどうかを定期的に見直す。 • サンプリング計画と、必要な場合の修正手順。 • 該当する場合は、分析方法の手順。 • 関連する場合、EN ISO/IEC 17025 の実験室認定と同等であることの証拠 を示す手順。

• データフローと管理手順 • 品質保証措置(実施すべきチェック項目)。 • データギャップが特定された場合、データを補完するための推定方法。 • モニタリング方法が適切かどうかを定期的に見直す。 • サンプリング計画と、必要な場合の修正手順。 • 該当する場合は、分析方法の手順。 • 関連する場合、EN ISO/IEC 17025 の実験室認定と同等であることの証拠 を示す手順。

116 • 測定に基づく方法の使用手順。これには、計算の裏付けや、関連する場 合はバイオマス排出量の差し引き手順も含まれる。 • 施設が生産および/または調達する製品および前駆体のリストを定期的 に見直し、更新する手順。 事業者は、モニタリング文書と手順のすべてのバージョンが明確に識別できる ようにし、関係するすべてのスタッフが常に最新バージョンを使用しているこ とを確認する必要がある。

6.4.4 入手可能な最良のデータソースを選択する 実施規則付属書III のセクションA.3 には、CBAM に該当する物品の体化排出量 を決定する目的で、「入手可能な最良のデータソース」をあらゆる種類のモニ タリングに使用すべきであるという一般原則の詳細が記載されている。以上の 文脈から: • 「最良」とは、主に必要データを決定する上で最も正確な72 オプション を意味する。このことは、例えば、同じ変数に対する2 つの測定器のど ちらを使うべきかを決めるとき、事業者が、それを使う環境に対する 「誤差」が最も小さいと指定している方を選ぶべきであることを意味す る。さらに、「法的計量管理」の下にある機器(すなわち、いくつかの 法律の下で公式に検証された機器、例えば燃料の取引のための受け入れ られた測定を確保するためのもの)がある場合、これらは定義された基 準があり、優先されるべきである。
ただし、「最良」とはデータ処理の要素も含む。担当者が毎時間または 毎日値を読み取り、それを日誌に記録し、それを手作業で電子スプレッ ドシートに移し、そのスプレッドシートが(不要な)編集から十分に保 護されていない場合、特定の「管理手順」を必要とする「データフロ ー」に対して重大なリスクが存在することになる(セクション 6.4.6 を参 照)。より良いデータソースとは、例えば工程管理システムからデータ ベースに自動的にデータを提供し、操作間違いの危険なしにデータを抽 出できるものである。したがって、「最良」とはデータの流れにおける 誤りのリスクが最も低いデータソースを含むものである。 • 「利用可能」とは、測定されたパラメータが工程制御やコスト計算など に重要になるため、まず事業者としてデータソースがすでに利用可能で あることを意味する。そうでない場合は、何らかの選択をしなければな らない。CBAM の目的のために、追加の測定システムを購入するのか、 材料をサンプリングし、実験室で分析を行うシステムを確立するのかの 選択である。あるいは、「間接的な」方法(下記参照)を含む他の方法 を使うのか、モニタリングに必要なパラメータの合理的で信頼できる標

72 より正確には、この目的は測定の不確実性を最も低く抑えることであり、これには高い精度 (測定値が「真の値」に近いこと)と高い再現性(測定のばらつきが低いこと)の両方の概 念が含まれる。

、 材料をサンプリングし、実験室で分析を行うシステムを確立するのかの 選択である。あるいは、「間接的な」方法(下記参照)を含む他の方法 を使うのか、モニタリングに必要なパラメータの合理的で信頼できる標

72 より正確には、この目的は測定の不確実性を最も低く抑えることであり、これには高い精度 (測定値が「真の値」に近いこと)と高い再現性(測定のばらつきが低いこと)の両方の概 念が含まれる。

117 準値(例えば燃料の排出係数の標準値)を提供する文献資料があるか、 といった選択肢がある。 法律は、上記の質問に答えるための大きな柔軟性を提供している。「最 良の」情報源は使用されるべきだが、法律は管理上の負担とコストを制 限すべきであることを認識している。そのために、「技術的実現可能 性」と「不合理なコスト」(セクション 6.4.5 参照)という概念が導入さ れる。これにより、最良のソースが実現不可能であったり、不合理なコ ストがかかる場合には、「2 番目に良い」あるいは「3 番目に良い」デー タソースを選ぶことができる。 さらに法律は、必要であれば 「事業者の管理下にない」測定値を使用す ることを認めている。このことは、例えば、燃料供給業者がすでに燃料 の発熱量と排出係数を決定している場合、あるいは販売された燃料量を 決定するために使用される流量計や重量計を供給業者が所有している場 合、これらのデータをCBAM の目的に使用することができ、事業者で機 器や分析を購入する必要がないことを意味する。とはいえ、可能であれ ば、事業者自身の管理下でのモニタリングが望ましいことに留意された い。 • 「データソース」とは、排出量レベル、生産工程レベルで発生するすべ てのパラメータを決定し、製品の体化排出量を決定するために必要なす べてのものを指す。抽象的なレベルでは、特に、燃料、材料、エネルギ ーの流れなどの量と、これらの流れの質(材料の炭素含有量、蒸気の温 度、圧力、飽和度など)の決定を含む。各パラメータについては次のセ クションで詳しく説明されますが、ここでは概略として、法令によって 定められている方法を示します。 o 直接的な測定:これは具体的に言えば、天然ガスの流量計の直 読、石炭を運ぶトラックの重量測定などを意味し、品質に関して は、標準的な排出係数を直接適用すること、または実験室での分 析を実施して材料の炭素含有量を直接に測定することなどを意味 する。複数のパラメータが必要な場合73、すべてのパラメータが 実際に測定されれば「直接的な決定」とみなされる。 o 間接的な測定:これはしばしば「推定法」とも呼ばれる。事業者 は複数の仮定を行い、科学的に妥当な理由によって何らかの関連 のある測定値を探す必要がある。例えば、蒸気を発生するボイラ ーがあるが、熱メーターがない場合、燃料消費に基づいて熱量を 計算するためにボイラー生産者が指定する効率を使用することが できる。セメントクリンカーの工程排出に関する「方法B」も基 本的には間接的な測定方法である。クリンカーに含まれるCaO お よびMgO の量から、原料に存在した炭酸塩の量を逆算する(ここ での科学的な背景は、化学量論および他の炭酸塩が存在しなかっ た可能性が高いという前提である)。

73 特に正味のヒートフローを決定するために、蒸気流量、温度、圧力、飽和度、戻されたドレ ン量と温度が必要とされる。

ントクリンカーの工程排出に関する「方法B」も基 本的には間接的な測定方法である。クリンカーに含まれるCaO お よびMgO の量から、原料に存在した炭酸塩の量を逆算する(ここ での科学的な背景は、化学量論および他の炭酸塩が存在しなかっ た可能性が高いという前提である)。

73 特に正味のヒートフローを決定するために、蒸気流量、温度、圧力、飽和度、戻されたドレ ン量と温度が必要とされる。

118 直接的な測定法が好まれるが、管理コストを制限するために間接 的な方法も許容されることに留意すべきである。 o 相関関係:これは「改善された間接的な方法」であり、特に燃料 の品質的なパラメータに適用される。最も顕著なのは、石炭の排 出係数が灰分、熱量、および決定される排出係数との相関に基づ いてしばしば決定できることである。一部の工程ガスは、ガスの 組成(炭素含量)と相関する密度または熱伝導率を使用して特徴 付けることができる。 このような相関関係は、実験室分析によって年に1 回定期的に確 認される必要があり、したがって標準排出係数(固定値)を使用 するよりも「良い」と見なされるが、代表的なサンプリングを伴 う実際の実験室適切での分析ほど「優れている」とは見なされな い。 施設の事業者として、同じパラメータについて複数のデータソースが利用可能 であることがわかった場合、モニタリングのために「最良」のものを選択し、 それを「主要データソース」としてモニタリング方法の文書に記載すべきであ る。しかし、他のデータソースをすべて捨てるのではなく、それらを「補完デ ータソース」として定義し、そのデータソースからの値を「主要」データソー スとの整合性を定期的にチェックするために使うべきである。これにより、 「管理システム」(セクション 6.4.6 を参照)の役割を果たす。 全体として、データソースの選択に絶対的な 「正解」や「間違い」はない。し かし、時間をかけて、事業者としてデータソースの経験を積み、選択したソー スが本当に 「最良」であるかどうかを確認することが期待される。さらに、新 しい技術が利用可能になったり、コストが削減されたりする可能性もあり、施 設の場所が変更されることもある。従って、法律は、モニタリング方法を毎年 見直すことを規定している。

6.4.5 モニタリング関連コストの抑制 6.4.4 で示したように、実施規則では、事業者がCBAM の目的のためにモニタリ ングによって生じるコストを制限することを認めている。第一に、実行可能な 範囲で既存の方法と設備を使用すること、第二に、モニタリングの手法が「技 術的に実行不可能」であるか、「不合理なコスト」がかかる場合には、望まし い手法とは違った方法を認めている。これらの基準については、このセクショ ンで詳しく説明する。
コストが合理的かどうかの判断 施行規則付属書III のセクションA.3 の8 項では、コストを「不合理」と認定す るためには、モニタリング手法や改善策のコストがその便益性を上回らなけれ ばならないと説明している。 したがって、事業者としては、対象となるデータセットの特定の決定方法につ いてコスト/利益分析を実施し、コストが不合理かどうかを判断する必要がある。

ショ ンで詳しく説明する。
コストが合理的かどうかの判断 施行規則付属書III のセクションA.3 の8 項では、コストを「不合理」と認定す るためには、モニタリング手法や改善策のコストがその便益性を上回らなけれ ばならないと説明している。 したがって、事業者としては、対象となるデータセットの特定の決定方法につ いてコスト/利益分析を実施し、コストが不合理かどうかを判断する必要がある。

119 その上で、コストが不合理であると判断した場合は、特定のアプローチを選択 しない正当な理由として、この計算方法をモニタリング方法文書に含めるべき である。 使用する計算方法は実施規則に提供されている。利益計算(benefit calculation) には以下のものが含まれる:改善×CO2e 基準価格
• 改善は、測定の不確実性の期待されるパーセンテージ改善(または改善 を定量化できない場合は1%)を関連する排出量74に掛け算して計算され る。 • 基準価格は、CO2e 1 トン75 当たり20 ユーロである。
コスト計算:この計算にどのようなコストを含めるかを検討する際、 既存の基 準システムに追加されるコスト、つまり、既存の機器、またはより高価な(し かしより正確な)アイテムの増分コスト、言い換えると仮にCBAM がなかった としても購入されていたはずの機器のコストを差し引いた増分コストだけを含 めるべきである。この文脈において、考慮すべきコストの種類は以下の通りで ある。
• 投資費用 - 新しい機器のためのコスト(該当する場合)。新しい設備のコ ストは、その経済的耐用年数にわたって減価償却した年間コストとすべ きである(例:定額法による減価償却)。 • 運用および保守コスト - 年次校正サービスなど。 • 操業中断によるコスト - 新しい機器を設置するための操業停止によるもの (これを軽減するために、事業者として、これをメンテナンスのための 年次プラント停止と同時に行うことを検討することができる)、および /または
• その他、結果として生じる妥当なコスト。 上記を計算した結果、コストが利益を上回った場合、コストが「不合理」とみ なされるため、よりコストの低いモニタリング手法や機器を自由に選択するこ とができる。
なお軽微なコストが不合理とみなされることは決してない。このため、しきい 値は 年間2 000 ユーロと定められている。この金額以下であれば、CBAM のモニ タリング義務に沿って、施設のモニタリング手法を改善するための合理的な追 加コストとみなされる。 技術的実現可能性

74 関連排出量とは、当該の排出源の流れあるいは排出源に起因する報告期間中の直接排出量の ことであり、測定可能な熱量に起因する排出量、当該電力量に関連する間接排出量、生産さ れた物質や消費された前駆物質の体化排出量である。 75 このCO2 価格は、EU 排出量取引制度の実際のCO2 価格よりもかなり低く、実際の高いCO2 価格を前提とした多くの対策が「不要」とみなされるため、モニタリングコストの抑制に役 立つ。

の排出源の流れあるいは排出源に起因する報告期間中の直接排出量の ことであり、測定可能な熱量に起因する排出量、当該電力量に関連する間接排出量、生産さ れた物質や消費された前駆物質の体化排出量である。 75 このCO2 価格は、EU 排出量取引制度の実際のCO2 価格よりもかなり低く、実際の高いCO2 価格を前提とした多くの対策が「不要」とみなされるため、モニタリングコストの抑制に役 立つ。

120 より高コストのモニタリングアプローチを避けるための2 つ目の方法は「技術的 実現可能性」に基づいている。ある措置が「技術的に実現不可能」と見なされ るのは、施設には、提案されたデータソースまたはモニタリング手法のニーズ を満たす技術的リソースがなく、CBAM の目的に必要な期限内に実施できない 場合だ。例えば、技術設備を設置するスペースがない場合、安全性に懸念があ る場合、あるいはその技術が国内で利用できない場合などである。技術的な実 現不可能性は通常、不合理なコストと密接に結びついている。

6.4.6 管理措置と品質管理
カーボンプライシングやGHG(温室効果ガス)モニタリングシステムにおいて、 事業者が排出量モニタリングに関連するデータフローに対して効果的な管理シ ステムを適用することは、一般的に最良の実践とされている。CBAM 実施規則 の付属書III のセクションH では、そのような措置は任意であることが明記され ているが、このような管理システムを実装することは事業者自身の利益となる ものである。ここでは、管理システムの設定方法について簡単に説明する。 ステップ1:簡単なリスク評価を実施する:
最初にデータが発生する時点(例:燃料の請求書、施設内の機器の測定結果) から、どのようにデータが書き留められ、IT システムに入力され、どのように 計算に使われるか、そして最終的にCBAM 規則に基づいて、どのようにEU 輸 入業者に報告される体化排出量データに至るのか、それらのデータフロー全て を把握する。 次に、エラーのリスクが高いポイントを特定する(リスクが高いというのは、 エラーの発生確率が高いか、排出量へのエラーの影響が非常に大きい、または その両方が「中程度」以上であることを意味する)。
ステップ2:効果的な管理体制を確立する 特定された「高リスク」ポイント(理想的には「中リスク」ポイントについて も)には、管理措置が必要となる。例えば、リスクポイントとして、測定機器 の故障リスクが高い場合や、紙ベースの生産日誌からスプレッドシートにデー タをコピーする際のミス、あるいはデータがコンピュータ上で全スタッフに自 由にアクセス可能な場合のリスク、これらのリスクに対して措置を講じる必要 がある。また、データが不完全であるリスクがある場合(例:燃料供給業者が 請求書を送付するのが慢性的に遅延する等)も同様である。 ステップ3:管理措置が有効かどうかを定期的に評価する。 管理措置 (非網羅的な一覧)

生産日誌からスプレッドシートにデー タをコピーする際のミス、あるいはデータがコンピュータ上で全スタッフに自 由にアクセス可能な場合のリスク、これらのリスクに対して措置を講じる必要 がある。また、データが不完全であるリスクがある場合(例:燃料供給業者が 請求書を送付するのが慢性的に遅延する等)も同様である。 ステップ3:管理措置が有効かどうかを定期的に評価する。 管理措置 (非網羅的な一覧)

121 コスト/利益の比率が非常に良いシンプルな対策として、「二重確認の原則」の 適用がある。つまり、すべてのデータフローを、データ集計を行う主担当者76の 作業後に、独立した第二の担当者が検証する方法である。
さらに、実施規則では以下の点に注意が必要であることが示されている: • 関連する測定機器の品質保証(校正およびメンテナンス) • 情報技術システムの品質保証 • データフロー活動と管理活動における職務の分離
• スタッフに必要な能力の管理 • データの内部レビューと検証(これは時系列の比較や、異なるデータソ ースに対するチェックを行うことで実施できる。例えば、工程のエネル ギー効率が時間の経過や改善措置後に説明可能かどうかの確認) • 計器や手順が機能しない場合や、またはエラー(燃料や材料の品質が二 重計上されるなど)が発生した場合の修正と是正措置 • 外部委託プロセスの管理(例えば、事業所外の実験室が関与する場合、 または事業者の管理下にない機器が使用されている場合) • 文書バージョン管理を含む記録および文書の保持

6.5 施設の直接排出量を決定する CBAM 規則は、体化排出量を算出する際に、施設レベルから始まり、それらの 排出量をさまざまな生産工程に割り当て、その後に前駆体材料に関する体化排 出量を追加した製品に割り当てるという、トップダウンアプローチの原則に基 づいている。77このサブセクションでは、これらの計算方法についてガイダンス を提供する。 施設レベルでの排出量は、異なるアプローチによってモニタリングすることが でき、これらのアプローチは、データの欠落や二重計上がない限り、組み合わ せることもできる。 事業者としては、セクター固有の理由で特定の方法が必要な場合を除き、最も 正確で信頼できる結果を提供するモニタリングの方法を選択する必要がある

76 独立性とは、たとえば、環境、安全および健康部門の責任者でありデータ収集を担当する者 を、その後会計士が管理する場合を指す。担当者の能力に関しては、両者がCBAM における GHG排出量モニタリングの基本概念について訓練を受けている必要があることに留意された い。 77 体化排出量は理論的にはボトムアップアプローチを使用して計算することもできる。出発点 は外部方提供される製品であり、それがバリューチェーン全体をたどり、すべての前の生産 段階からの排出量が加算される。しかし実際には、通常、施設全体の排出量をモニタリング する方が簡単であり、通常、施設全体で使用される燃料ごとに主なメーターが存在する。 個々の生産工程に燃料の量を分割するためのサブメーターはあまり設置されていないため、 CBAM に関する実施規則ではこの方法が要求されている。

発点 は外部方提供される製品であり、それがバリューチェーン全体をたどり、すべての前の生産 段階からの排出量が加算される。しかし実際には、通常、施設全体の排出量をモニタリング する方が簡単であり、通常、施設全体で使用される燃料ごとに主なメーターが存在する。 個々の生産工程に燃料の量を分割するためのサブメーターはあまり設置されていないため、 CBAM に関する実施規則ではこの方法が要求されている。

122 (セクション6.4.4 参照)。CBAM で認められているモニタリング方法は以下の 通りである: • 計算ベースのアプローチ:活動データ(燃料消費データなど)および必 要に応じて実験室分析や標準値からの追加パラメータに基づき、排出源 ストリームから排出量を算出する。このアプローチでは、「標準手法」 (燃焼排出量と工程排出量を区別する方法)または「マスバランス手 法」を使用できる。 • 測定ベースのアプローチ:排出源からの排出量を直接測定する連続排出 量モニタリングシステム(CEMS)を必要とする。 • その他の非EU 諸国固有の方法:既存のカーボンプライシング制度、強 制的な排出量モニタリング制度、または認定された検証者による検証を 含む施設での排出量モニタリング制度(これは例えばGHG 削減プロジェ クトなど)の一部であり、かつ排出量データの網羅性と正確性という点 で、実施規則が提供するアプローチと同様の結果をもたらす場合である (セクション6.5.3 を参照)。このようなシステムには、例えば、予測排 出量モニタリングシステム(PEMS)のような方法もある。 上記のアプローチを組み合わせて使用することも可能であり、排出量報告にお いて二重計上やデータの欠落がなければ、施設の異なる部分をそれぞれ許可さ れたアプローチでモニタリングすることができる。

図6-4: 施設の排出量の概要

上記の 図6-4 は、実施規則付属書III に従って、施設の排出量がどのように計算 されるかを示している:

𝐸𝐸𝑚𝑚𝐼𝐼𝐼𝐼𝐼𝐼𝐼𝐼= ∑ 𝐸𝐸𝑚𝑚𝑐𝑐𝑐𝑐𝑐𝑐𝑐𝑐,𝑖𝑖 𝑛𝑛 𝑖𝑖=1

  • ∑ 𝐸𝐸𝑚𝑚𝑚𝑚𝑚𝑚𝑚𝑚𝑚𝑚,𝑗𝑗 𝑚𝑚 𝑗𝑗=1
  •   ∑ 𝐸𝐸𝑚𝑚𝑜𝑜𝑜𝑜ℎ𝑒𝑒𝑒𝑒,𝑘𝑘 𝑙𝑙 𝑘𝑘=1 (方程式 4)

とができる。

図6-4: 施設の排出量の概要

上記の 図6-4 は、実施規則付属書III に従って、施設の排出量がどのように計算 されるかを示している:

𝐸𝐸𝑚𝑚𝐼𝐼𝐼𝐼𝐼𝐼𝐼𝐼= ∑ 𝐸𝐸𝑚𝑚𝑐𝑐𝑐𝑐𝑐𝑐𝑐𝑐,𝑖𝑖 𝑛𝑛 𝑖𝑖=1

  • ∑ 𝐸𝐸𝑚𝑚𝑚𝑚𝑚𝑚𝑚𝑚𝑚𝑚,𝑗𝑗 𝑚𝑚 𝑗𝑗=1
  •   ∑ 𝐸𝐸𝑚𝑚𝑜𝑜𝑜𝑜ℎ𝑒𝑒𝑒𝑒,𝑘𝑘 𝑙𝑙 𝑘𝑘=1 (方程式 4)

123 ここで: 「EmInst」は、「CO2e」トンで表される施設の(直接)排出量である。 「Emcalc,i 」は、「CO2e」トンで表される、計算ベースの方法を用いた排出源の 流れ「i 」からの排出量である。 「Emmeas,j 」は、「CO2e」トンで表される、測定に基づく方法を用いた排出源 「j」 からの排出量である。 「Emother,k」は、「その他の方法」で決定された排出量で、「CO2e」トンで表さ れる指標「k」を示している。 「排出源の流れ」と「排出源」という用語の定義については、 6.2.2.1 の項を参 照のこと。「その他の方法」については、セクション 6.5.3 を参照のこと。 移行期間中、全セクターについて、間接排出量も報告しなければならない。本 セクションの構成は以下の通りである。 • 計算ベースの方法に関しては、 セクション6.5.1 にまとめられている。 o 標準手法は、セクション 6.5.1.1 で説明されている(燃焼と生産工 程排出量については別のサブセクションがある)。 o マスバランス法は、セクション6.5.1.2 で説明されている。 o 活動データを決定する規則は、標準手法とマスバランス法の両方 に関連している。要件はセクション6.5.1.3 に記載されている。 o 計算係数に関する要件も両方の方法に適用される。関連する規則 (適切な標準値の選択、相関関係の使用、 実験室分析と関連する サンプリングの実施)はセクション6.5.1.4 に示されている。 • 測定に基づく方法 (連続排出測定システムCEMS を使用)は、セクショ ン6.5.2 で説明されている。肥料セクターにおける亜酸化窒素(N2O) 排 出のモニタリングには特に重要である。 • セクション 6.5.3 では、「非EU 諸国固有の方法」、すなわちCBAM 実施 規則に示されている以外のモニタリング方法を使用する可能性について 述べている。 • バイオマスからのCO2 排出が特定の条件下でゼロとみなされる可能性が あるため、セクション6.5.4 ではそれに関する規則についての指針が示さ れている。これらの規則は、計算ベース、測定ベース、「非EU 諸国固有 の方法」など、すべてのメソッドに適用される。 • PFC(パーフルオロカーボン) 排出量については、セクション6.5.5 で簡 単に触れている。 • 最後に、 施設間のCO2 の移転に関する規則は、セクションに6.5.6 記載 されている。 それ以降は、セクション6.6 で、施設の間接排出量の決定について説明する。セ クション 6.7 以降では、施設の直接排出量と間接排出量を生産工程に分割する

」など、すべてのメソッドに適用される。 • PFC(パーフルオロカーボン) 排出量については、セクション6.5.5 で簡 単に触れている。 • 最後に、 施設間のCO2 の移転に関する規則は、セクションに6.5.6 記載 されている。 それ以降は、セクション6.6 で、施設の間接排出量の決定について説明する。セ クション 6.7 以降では、施設の直接排出量と間接排出量を生産工程に分割する

124 (「割り当てる」)ために必要な規則が記述されている。また、報告すべきデ ータで全く異なるものとしては、適用される炭素価格がある。これも事業者の 議題に上げ、モニタリング方法に文書化するべきである。そのため、セクショ ン6.10 で取り上げている。最後に、セクション6.11 では、四半期ごとのCBAM 報告書を準備する必要があるEU 輸入業者に対して、モニタリングされたデータ を伝達するためのテンプレートについて説明している。

6.5.1 計算ベースのアプローチ 6.5.1.1 標準手法 標準的なアプローチは、燃料または材料が排出量に直接関連している場合に適 用が容易である。これは、活動データ(例えば、消費された燃料の量または工 程入力材料の量)に排出係数を乗じたものによって排出量を計算することを意 味する。実験室での分析に基づき、不完全な化学反応の場合の排出量を補正す るために、実験室分析に基づく2 つの他の係数が排出量に適用されることがある。 それは、燃焼排出量に対する酸化係数と、工程排出量に対する換算係数である。
標準手法を使用するための主な要件は以下の通りである。
• 燃焼排出量 - 最小要件:燃料の量(t または m3)、排出係数(t CO2/t また は t CO2/m3)、推奨される改善:燃料の量(t または m3)、NCV 正味発熱 量(TJ/t または TJ/m3)、排出係数(t CO2/TJ)、酸化係数、バイオマス 分画。 • 生産工程排出量 - 最小要件:活動データ(t または m3)、排出係数(t CO2/t または t CO2/m3)、推奨される改善:活動データ(t または m3)、 排出係数(t CO2/t または t CO2/m3)、換算係数。 燃焼および生産工程排出量とパラメータに 関する標準法の公式は、実施規則付属書III のセクショ ンB.3.1 に示されており、以下でさらに詳しく説明される。

燃焼排出量78 燃焼排出量は次のように計算される。 𝐸𝐸𝐸𝐸= 𝐴𝐴𝐴𝐴 ∙𝐸𝐸𝐸𝐸∙𝑂𝑂𝑂𝑂 (方程式 5) ここで:
Em…排出量[t CO2] AD...活動データ[TJ]、 AD = FQ ∙NCV (式6)として計算 EF...排出係数[t CO2/TJ、t CO2/t または t CO2/Nm3]

78 「燃焼排出量」は、実施規則において、「燃料と酸素との間で起こる発熱反応中に発生する 温室効果ガス排出量」として定義されている。

量流量から差し引かれる。 正味の年間ヒートフローは、上記のデータから以下のいずれかの方法によって 決定することができる • 送流と戻り流の熱媒体の年間平均エンタルピーを決定するためのパラメ ータの年間平均値を求め、それに総年間質量流を掛ける。

102 すべての凝縮水が供給ポイントに戻されない場合でも、正味の測定可能な熱量は、凝縮水が 100%戻されると仮定して計算されるべきである。

154 • ヒートフローの時間単位の値を決定し、熱システムの年間総運転時間に わたってこれらの値を合計する。データ処理システムに応じて、時間単 位の値は適切な他の時間間隔に置き換えることができる。

方法2:測定された効率に基づくプロキシ(代用値)計算 この方法は、すべての燃料のエネルギー投入に基づき、次の式を使用してボイ ラーの既知の効率を用いて純粋に測定可能な熱量を決定するものである。 𝑄𝑄= 𝜂𝜂𝐻𝐻∙𝐸𝐸𝐼𝐼𝐼𝐼 (方程式 32) 𝐸𝐸𝐼𝐼𝐼𝐼= ∑𝐴𝐴𝐷𝐷𝑖𝑖∙𝑁𝑁𝑁𝑁𝑉𝑉𝑖𝑖 𝑖𝑖 (方程式 33) ここで:
Q...は、報告期間中に生産された純粋な熱の量 [TJ]である。
𝜂𝜂𝐻𝐻...は 熱生産の測定効率である。 EIn…は、報告期間中に第2 の式を用いて決定された燃料からのエネルギー投入 [TJ]である。 ADi…は、燃料 i の年間活動データ(すなわち消費量)[トンまたは Nm³]である。 NCVi...は、燃料「i」の正味発熱量 [TJ/t または TJ/Nm³]である。 この方法は、熱生産の「測定効率」を指す。なぜなら、事業者は、施設の異な る負荷状態を考慮に入れるために、効率を「合理的に長い期間」測定すること が推奨されているからである。 また、熱生産の効率はボイラー生産者の文書から取得することもできる(ただ し、一般的なアプローチの階層を考慮すると、好ましくない方法である)。こ の場合、特定の部分負荷曲線は、次のように計算された年間負荷係数を用いて 考慮する必要がある。 𝐿𝐿𝐹𝐹= 𝐸𝐸𝐼𝐼𝐼𝐼 𝐸𝐸𝑀𝑀𝑀𝑀𝑀𝑀 (方程式 34) ここで:
LF...は、負荷係数である。 EIn…は、報告期間中に決定された燃料からのエネルギー投入 [TJ]である。 EMax...は、熱生産ユニットが暦年の全期間、100%の定格負荷で稼動していた場合 の最大燃料投入量である。 蒸気ボイラーの場合、その効率は、すべての凝縮水が戻るという状況に基づい ている。戻ってきた凝縮水の温度は、実測値がない場合は90℃とする。

方法3:基準効率に基づくプロキシ(代用値)計算

る。 EIn…は、報告期間中に決定された燃料からのエネルギー投入 [TJ]である。 EMax...は、熱生産ユニットが暦年の全期間、100%の定格負荷で稼動していた場合 の最大燃料投入量である。 蒸気ボイラーの場合、その効率は、すべての凝縮水が戻るという状況に基づい ている。戻ってきた凝縮水の温度は、実測値がない場合は90℃とする。

方法3:基準効率に基づくプロキシ(代用値)計算

155 この方法は、ボイラー効率が不明な場合に用いられる。この方法は方法2 と同じ であるが、保守的な仮定として70%の基準効率を使用する(ηRef,H = 0.7)。

境界を越えるヒートフローの特定要件
測定可能な熱の境界を越えるヒートフロー(取り込みおよび放出)の場合、事 業者としては可能な限り、自身の測定システムを用いてこれらのヒートフロー の量を特定し、以下をカバーするモニタリング手法を確保すべきである。
• 取り込まれた熱量を、可能な場合、供給源ごとに別々に記録し、その発 生源も記録する。 • 排出量103を特定するために、最近の報告期間で入手した取り込まれた熱 の供給者からのデータ。 • 放出された熱量(当該する場合)。

熱エネルギーバランス 実際には、施設に複雑なヒートフローがある場合、すなわち、同じ施設内の異 なる生産工程間で測定可能な熱を取り込み、放出、または移転する場合、異な る熱生産および消費工程間の正確な分割は、熱エネルギーバランスを使用して 決定する。これを使用して以下を実施する。 • 生産工程への測定可能な熱のすべての流れの年次量の正確な分割を決定 する。 • 対応する燃料投入の排出量を熱の分割104に比例して生産工程に割り当て る。熱損失が特定の生産工程に割り当てられない場合、消費された熱の 分割に比例して割り当てるものとする。 • 全体の消費量およびそれに対応する排出量を確認する。

測定可能な熱の燃料排出係数を決定するための方法

103 原則として、熱供給者が使用する混合燃料の排出係数が必要である。 104 CBAM 実施規則付属書 III セクション F.4:他のアプローチに従って排出量を割り当てること ができない場合、これらの排出量は、付属書F.3.1 に従って生産工程に既に割り当てられた 相関パラメータを使用して割り当てるべきである。そのために、排出源の流れの量とそれに 対応する排出量は、これらのパラメータが生産工程に割り当てられている比率に比例して割 り当てられるべきである。適切なパラメータには、生産された製品の質量、消費された燃料 や材料の質量または体積、測定不可能な熱の発生量、稼働時間、または既知の設備効率が含 まれる。

書F.3.1 に従って生産工程に既に割り当てられた 相関パラメータを使用して割り当てるべきである。そのために、排出源の流れの量とそれに 対応する排出量は、これらのパラメータが生産工程に割り当てられている比率に比例して割 り当てられるべきである。適切なパラメータには、生産された製品の質量、消費された燃料 や材料の質量または体積、測定不可能な熱の発生量、稼働時間、または既知の設備効率が含 まれる。

156 測定可能な熱が生産工程内で消費されるか、またはそこから放出される場合、 熱に関連する排出量は以下のいずれかのアプローチによって決定される。 • アプローチ1:コージェネレーション(CHP)以外の方法で施設内で生産 された熱に使用される。 • アプローチ2:コージェネレーション(CHP)によって施設内で生産され た熱に使用される。
• アプローチ3:施設外で生産された熱。

アプローチ1 - 施設内で生産されたコージェネレーション(CHP)の測定不可能 な熱の排出係数 施設内での燃料燃焼から生産されるコージェネレーション(CHP)の測定不可 能な熱については、関連する混合燃料の排出係数を決定し、生産工程に割り当 てられる排出量を以下のように計算する。
EmHeat = EFmix · Qconsumed / η (式35) ここで:
Em 熱...は、は生産工程における熱関連の放出量(tCO2)である。 EFmix…は、適用可能な場合には煙道ガス浄化からの放出を含む、「t CO2/TJ」で 表される各混合燃料の排出係数である。
Qconsumed…は、生産工程において消費される測定可能な熱の量(TJ)である。
η ... は、熱生産工程の効率である。

EFmix は別途、以下の式で計算される。

EFmix = (Σ ADi · NCVi · EFi + EmFGC) / (Σ ADi · NCVi) (式36) ここで:
ADi...は測定可能な熱生産に使用される燃料「i」の年間活動データ(すなわち、 消費量)[トンまたはNm3]である。 NCVi...は、は燃料「i」の正味発熱量[TJ/t またはTJ/Nm3]である。 EFi ...は、「t CO2/TJ」で表される燃料「i」の排出係数である。 EmFGC ...は、「t CO2」で表される煙道ガス浄化からの工程排出量である。
これらのパラメータは、直接排出のモニタリングに計算ベースのアプローチが 使用される場合、容易に入手可能である(セクション6.5.1 を参照)。 混合燃料に廃ガス(定義はセクション6.7.5 を参照)が含まれ、廃ガスの排出係 数が天然ガスの標準排出係数より高い場合は、廃ガスの排出係数の代わりにそ の標準排出係数を使用して「EFmix 」を計算する。

れる煙道ガス浄化からの工程排出量である。
これらのパラメータは、直接排出のモニタリングに計算ベースのアプローチが 使用される場合、容易に入手可能である(セクション6.5.1 を参照)。 混合燃料に廃ガス(定義はセクション6.7.5 を参照)が含まれ、廃ガスの排出係 数が天然ガスの標準排出係数より高い場合は、廃ガスの排出係数の代わりにそ の標準排出係数を使用して「EFmix 」を計算する。

157

アプローチ2 - コージェネレーション(CHP)によって施設内で生産された熱 コージェネレーション(CHP)ユニットへの総燃料投入量の排出量は、セクシ ョン6.7.4 で説明されている方法に従って分割され、熱と電気の排出量が算出さ れる。 アプローチ3 - 施設外で生産された測定可能な熱の排出係数 生産工程が、施設または生産工程の外部の第三者供給者から提供される測定可 能な熱を消費する場合、その熱の生産に関連する排出量は熱供給者から求めら れ、供給者は最新の報告期間のデータを使用してアプローチ1 またはアプローチ 2 のいずれかを用いて決定する。供給者が適格なMRV システムに従っている場 合、そのデータは入手可能であるべきであり、そうでない場合は、熱を消費す る施設の事業者として、第三者供給者との熱供給契約がこの要件をカバーする ことを確認する必要がある。 実際の排出量データが熱供給会社から入手できない場合は、該当国や産業セク ターで最も一般的に使用されている燃料を用い、ボイラー効率を90%と仮定し た標準的な値の排出係数を使用すべきである。

例外 正味の測定可能な熱量を定量化する際、CBAM の適用範囲内であれば、異なる 起源の間に区別はない。ただし、この規則にはいくつかの例外がある(実施規 則付属書III、セクションC.1.3): • 熱化学反応(燃焼ではない)から生成された熱 :これは生産工程が熱化 学反応から生成された測定可能な熱を消費する場合であって(例えば、 硝酸やアンモニアの生産など)、次のように対応すべきである: o 他の測定可能な熱から分離して消費された測定可能な熱の量を特 定すること。
o その熱消費に対してCO2排出量をゼロに割り当てること。 • 電気駆動の工程から回収された熱は、次のように対応すべきである: o 他の測定可能な熱から分離して、電気駆動の工程から回収された 測定可能な熱の量を特定すること(例:空気圧縮機から回収さ れ、工程の温水を供給するために使用される熱)。
o その熱消費に対してCO2排出量をゼロに割り当てること。 • 「測定不可能な熱」から回収された熱 105:生産工程が燃料から生成され た測定不可能な熱から回収された測定可能な熱を消費する場合に二重計

105
「測定不可能な熱」とは、測定可能な熱以外のすべての熱を意味する。測定不可能な熱 量は、熱を生成するために使用される燃料の量と混合燃料の正味発熱量(NCV)によって決 定される。

o その熱消費に対してCO2排出量をゼロに割り当てること。 • 「測定不可能な熱」から回収された熱 105:生産工程が燃料から生成され た測定不可能な熱から回収された測定可能な熱を消費する場合に二重計

105
「測定不可能な熱」とは、測定可能な熱以外のすべての熱を意味する。測定不可能な熱 量は、熱を生成するために使用される燃料の量と混合燃料の正味発熱量(NCV)によって決 定される。

158 上を避けるために、次のことを行うべきである(例:焼成炉の排気ガス から熱が回収される場合など): o 窯の排ガスから回収された測定可能な熱の消費量を決定する(他 の測定可能な熱とは分離する)、そして
o この熱量を基準効率90%で割り、その測定可能な熱から回収され た同等のエネルギー投入量を決定する。このエネルギー投入量 は、測定不可能な熱のために窯へ投入される燃料投入量から差し 引かれる。

6.7.3 電気エネルギーとその排出量に関する規則 以下のセクションでは、施設内で生産された電気の量や、製品の生産に消費さ れた電気の量の定量化、排出量を工程に割り当てるために使用される電気の排 出係数の計算方法について説明する。生産された電気が直接的な割り当て排出 量の計算にどのように関連するかについてはセクション6.2.2.2 を、消費された 電気と間接的な割り当て排出量についてはセクション6.6 を参照する。 コージェネレーション(CHP)の電気エネルギーとそれに関連する排出量の扱 いについては、セクション6.7.4 で個別に説明している。

6.7.3.1 電力量の定量化 生産工程によって消費または生産された電気の量を決定するためには、電気供 給を計測する必要がある。測定は実効電力に適用されるべきであり、みかけ電 力(複素電力)ではない。つまり、施設が消費する実際の電力のみが計測され、 無効電力(つまり戻り電力)成分は無視されるべきである。 施設による消費のみが考慮されるため、施設の境界の前、すなわちグリッド供 給ポイントと施設の境界の間で供給電力のために発生する伝送および配電損失 は無視されるべきである。
6.7.3.2 モニタリング要件 モニタリングのためには、事業者は自社の測定システムを用いて、直接的な場 合、また必要に応じて間接的な場合の消費電力を測定するための手順を確立す べきである。入手可能な最善のデータソースの選択については、 6.4.4 の項を参 照のこと。 自己供給された電気または直接的な技術的接続を介して提供された電気の排出 係数 コージェネレーション(CHP)ではなく別々に施設内で生産された電力に対し ては、電気の排出係数EFEl は、以下の方程式を用い、特定の混合燃料を使用し て計算される:
EFEl = ((Σ ADi · NCVi · EFi + EmFGC)) / Elprod (式 47)

6.4.4 の項を参 照のこと。 自己供給された電気または直接的な技術的接続を介して提供された電気の排出 係数 コージェネレーション(CHP)ではなく別々に施設内で生産された電力に対し ては、電気の排出係数EFEl は、以下の方程式を用い、特定の混合燃料を使用し て計算される:
EFEl = ((Σ ADi · NCVi · EFi + EmFGC)) / Elprod (式 47)

159 ここで:
ADi は、電気生産に使用される燃料「i」の年間活動データ(消費量)で、トン またはNm³で表される。
NCVi は、燃料「i」の正味発熱量で、「TJ/t」または「TJ/Nm³」で表される。
EFi は、「t CO2/TJ」で表される燃料「i」の排出係数である。 EmFGC は、「t CO2」で表される煙道ガス浄化からの工程排出量である。
Elprod は、MWh で表される正味の発電量である。これは、燃料の燃焼以外の他の 供給源から生産された電力を含むことがある。 これらのパラメータは、直接排出のモニタリングに計算ベースのアプローチが 使用される場合、容易に入手可能である(セクション6.5.1 を参照)。
廃ガス(定義についてはセクション6.7.5 を参照)が混合燃料の一部として使用 される場合、排出係数 EF が廃ガスの排出係数より低くなければ、実施規則の付 属書VIII に記載された天然ガスの標準排出係数を「 EFEl 」の計算に使用する。 コージェネレーション(CHP)を通じて施設内で生産された電力の場合、CHP ユニットへの総燃料投入量の排出量は、セクション6.7.4 で説明された方法に従 って、熱の排出量と電力の排出量に分割される。そこから、電力の排出係数を 計算することができる。 電力が施設自体によって生産されず、「直接接続された」施設 106 から供給され たものである場合、電力の排出係数は上記のように決定される(すなわち、電 力が施設内で生産されたのと同じアプローチを使用する)。その場合電力供給 者によってデータが提供されなければならない。
グリッドから受け取る電気の排出係数: • 通常のアプローチは、欧州委員会がCBAM 移行期間登録簿で提供するデ フォルト係数を使用することである。これは、 国際エネルギー機関 (IEA)のデータに基づく、原産国の電力網の平均排出係数である。 • 事業者としてより適切だと判断した場合、国の発電網の公開データに基 づいた他の排出係数を使用することができる。これには平均排出係数107 またはCO2排出係数108が含まれる。

106 施設は、同じ敷地内に位置する場合、または同じ事業者が運営している場合、特にCBAM の 下で製品を生産する施設への直接電力伝送線を持っている場合、直接接続されているとみな すことができる。 107 CBAM 規則は次のように定義している:「電力の排出係数」とは、「CO2e」で表され、製品 の生産で消費する電力量の排出強度を意味する。 108 CBAM 規則は次のように定義している:「CO2 排出係数」は、敷地内で、化石燃料から生産 される電力のCO2 強度の加重平均である。CO2排出係数は、電力部門のCO2排出量データを、 該当地域における化石燃料を使用した総発電量で除算したものである。単位は1 メガワット 時あたりCO2トンである。

係数」とは、「CO2e」で表され、製品 の生産で消費する電力量の排出強度を意味する。 108 CBAM 規則は次のように定義している:「CO2 排出係数」は、敷地内で、化石燃料から生産 される電力のCO2 強度の加重平均である。CO2排出係数は、電力部門のCO2排出量データを、 該当地域における化石燃料を使用した総発電量で除算したものである。単位は1 メガワット 時あたりCO2トンである。

160 • 電力購入契約の場合、排出係数が上記のように決定されるのであれば、 実際の排出係数を使用してもよい。 「保証書」や「グリーン証明書」などの市場ベースの手段を用いて特定の排出 係数を決定することは許可されていない。

6.7.4 コージェネレーション (CHP)に関する規則
コージェネレーション(CHP)は、「熱電併給」とも呼ばれ、一つの統合され た工程で熱と電力を同時に発生させることである。 コージェネレーション(CHP)から生成された熱は、温水、蒸気、または温風 の形で有用な熱消費目的のために回収される。109一方、生成される電力は通常 電気(機械的エネルギーの場合もあり)である。これは単一の複合工程である ため、排出量を各生成に配分するためには、一定の仮定と計算式を用いて、熱 と電力の間の排出量の配分を計算しなければならない。
以下のテキストボックスは、関連する付属書のセクションへの参照を示してい る。 施行規則の参照文書:
付属書III、セクションC ヒートフロー、C.1 正味測定可能熱量の決定に関する規則、およびC.2.2 コージェネレーションにより施設内で生成された測定可能な熱の排出係数。
付属書III、セクションD 電力、D.3 電力量を決定するための規則、およびD.4.2 コージェネレーシ ョンによって施設内で生成された電気の排出係数。
付属書IX、電気と熱を別々に生産する場合の効率基準値、表1 および表2。

実施規則は、コージェネレーション(CHP)に関連する排出量を工程に割り当 てるためのアプローチを提供しており、これはCHP の熱および電力110生成に対 する特定の排出係数を計算することに基づいている。このアプローチは、以下 に概説されており、これらの計算に必要な情報も示されている。

コージェネレーション(CHP)排出量を工程に割り当てるために必要な情報 CHP からの熱と電力生成間の排出量の分割を計算するためには、以下の情報を 収集する必要がある(該当する場合): (a) 報告期間中にコージェネレーション(CHP)に投入された燃料の総量:

109 吸収冷却工程によって冷却を行うために熱が使用される場合、その冷却工程は熱消費プロセ スとみなされる。 110 電気に関する規則は、当該の場合、機械エネルギーの生産にも適用される。

CHP からの熱と電力生成間の排出量の分割を計算するためには、以下の情報を 収集する必要がある(該当する場合): (a) 報告期間中にコージェネレーション(CHP)に投入された燃料の総量:

109 吸収冷却工程によって冷却を行うために熱が使用される場合、その冷却工程は熱消費プロセ スとみなされる。 110 電気に関する規則は、当該の場合、機械エネルギーの生産にも適用される。

161 𝐸𝐸𝐼𝐼𝐼𝐼= ∑𝐴𝐴𝐷𝐷𝑖𝑖∙𝑁𝑁𝑁𝑁𝑉𝑉𝑖𝑖 𝑖𝑖 (方程式 33) ここで:
EIn ...は燃料からのエネルギー投入量である。 ADi…は、燃料「i」の活動データ(すなわち消費量)[トンまたは Nm³]である。 NCVi...は、燃料「i」の正味発熱量 [TJ/t または TJ/Nm³]である。 これらのパラメータは、直接排出のモニタリングに計算ベースのアプローチが 使用される場合、容易に入手可能である(セクション6.5.1 を参照)。

(b) CHP からの熱生産量:ここでの活動レベルは、報告期間中にCHP によって生 成された正味の測定可能な熱の総量「Qnet 」で、単位はTJ である。ヒートフロ ーを決定するための規則は、セクション6.7.2 に記載されている。 (c) コージェネレーション(CHP)から生産された電力:ここでの活動レベルは、 報告期間中にコージェネレーション(CHP)によって生産されたTJ 単位の正味 の合計電力量(該当する場合は機械エネルギー量)である。正味電力量とは、 コージェネレーション(CHP)ユニットから取り出される(システム境界から 外に出る)電力量から、内部で消費された電力(「寄生負荷」)を差し引いた 後の電力量を意味する。 (d) コージェネレーション(CHP)からの総排出量: CHP への燃料投入による排 出量と煙道ガス洗浄による排出量からなり、年間CO2 トンである。総排出量「t CO2 」は、以下の式で計算される。 𝐸𝐸𝑚𝑚𝐶𝐶𝐶𝐶𝐶𝐶= ∑𝐴𝐴𝐷𝐷𝑖𝑖∙𝑁𝑁𝑁𝑁𝑉𝑉𝑖𝑖∙𝐸𝐸𝐹𝐹𝑖𝑖+ 𝐸𝐸𝑚𝑚𝐹𝐹𝐹𝐹𝐹𝐹 𝑖𝑖 (方程式 37) ここで:
EmCHP...は報告期間中のコージェネレーション(CHP)からの排出量 [t CO2]であ る。 EmFGC…は、煙道ガス処理からの工程排出量 [t CO2]である。 ADi、NCVi および EFi は、上記(a)においてと同じ意味を持つ。

(e) 報告期間中の熱と電気の平均効率: これらの無次元値は、上記(a)から(c) の投入量に基づいて次の式で計算される。ただし、(a)から(c)の投入量が入 手できない場合は、(f)に示された効率を代わりに使用する。 𝜂𝜂ℎ𝑒𝑒𝑒𝑒𝑒𝑒= 𝑄𝑄𝑛𝑛𝑛𝑛𝑛𝑛 𝐸𝐸𝐼𝐼𝐼𝐼 および 𝜂𝜂𝑒𝑒𝑒𝑒= 𝐸𝐸𝐸𝐸𝐸𝐸 𝐸𝐸𝐼𝐼𝐼𝐼 (式38 および式39) ここで:
ηheat...報告期間中の平均熱効率である。 Qnet...報告期間中に生産された正味の熱量[TJ]である。
EIn...上記(a)から計算されるエネルギー投入量[TJ]である。

は、(f)に示された効率を代わりに使用する。 𝜂𝜂ℎ𝑒𝑒𝑒𝑒𝑒𝑒= 𝑄𝑄𝑛𝑛𝑛𝑛𝑛𝑛 𝐸𝐸𝐼𝐼𝐼𝐼 および 𝜂𝜂𝑒𝑒𝑒𝑒= 𝐸𝐸𝐸𝐸𝐸𝐸 𝐸𝐸𝐼𝐼𝐼𝐼 (式38 および式39) ここで:
ηheat...報告期間中の平均熱効率である。 Qnet...報告期間中に生産された正味の熱量[TJ]である。
EIn...上記(a)から計算されるエネルギー投入量[TJ]である。

162 ηel...報告期間中の平均電気効率である。 Eel...上記(c)より、報告期間中に生産された電力量[TJ]の正味量である。

(f) 設計効率または標準効率:もし事業者として熱と電力の効率を個別に決定す ることが技術的に不可能であるか、またはそのために過剰な費用が発生する場 合は、メーカーの技術文書(すなわち設計値)に基づいた値を使用する必要が ある。これらも入手できない場合は、熱については 55% 、電気については 25% という保守的な標準効率値を以下の計算に使用することができる。

(g) 基準効率: 排出量の割り当て係数を計算する際に使用される。基準効率値は、 単独のボイラーでの熱生産と、コージェネレーションを伴わない電力生産のも のである。事業者としては、実施規則付属書IX の表1 および表2 から、適切な 燃料別の電力および熱の基準効率値を選択する必要がある。それらの係数は、 このガイダンス文書の 付属書 D にも含まれている。

(h) 熱と電気の割り当て係数 は、以下のように計算される。 𝐹𝐹𝐶𝐶𝐶𝐶𝐶𝐶,𝐻𝐻𝐻𝐻𝐻𝐻𝐻𝐻= ɳℎ𝑒𝑒𝑒𝑒𝑒𝑒ɳ𝑟𝑟𝑟𝑟𝑟𝑟,ℎ𝑒𝑒𝑒𝑒𝑒𝑒 ⁄ ɳℎ𝑒𝑒𝑒𝑒𝑒𝑒ɳ𝑟𝑟𝑟𝑟𝑟𝑟,ℎ𝑒𝑒𝑒𝑒𝑒𝑒 ⁄ +ɳ𝑒𝑒𝑒𝑒ɳ𝑟𝑟𝑟𝑟𝑟𝑟,𝑒𝑒𝑒𝑒 ⁄ (方程式 40) 𝐹𝐹𝐶𝐶𝐶𝐶𝐶𝐶,𝐸𝐸𝐸𝐸= ɳ𝑒𝑒𝑒𝑒ɳ𝑟𝑟𝑟𝑟𝑟𝑟,𝑒𝑒𝑒𝑒 ⁄ ɳℎ𝑒𝑒𝑒𝑒𝑒𝑒ɳ𝑟𝑟𝑟𝑟𝑟𝑟,ℎ𝑒𝑒𝑒𝑒𝑒𝑒 ⁄ +ɳ𝑒𝑒𝑒𝑒ɳ𝑟𝑟𝑟𝑟𝑟𝑟,𝑒𝑒𝑒𝑒 ⁄ (方程式 41) ここで:
FCHP,Heat...は熱の割り当て係数である。 FCHP,El... は電気(または該当する場合は機械エネルギー)の割り当て係数である。 ηref, heat…は独立型ボイラーにおける熱生産の基準効率である。
ηref,el...はコージェネレーションを用いない場合の発電の基準効率である。

(i) コージェネレーション(CHP)関連の測定可能な熱と電力の具体的な排出係 数:関連する(直接および間接)排出量を生産工程に割り当てるために使用す る係数は次のように計算される。
EFCHP,Heat = EmCHP · FCHP,Heat / Qnet (式 42) EFCHP,El = EmCHP - FCHP,El / EEl,prod (式43) ここで:
EFCHP, heat...は、「t CO2/TJ」として表されるコージェネレーション(CHP)ユニ ットにおける測定可能な熱の生産に対する排出係数である。

用す る係数は次のように計算される。
EFCHP,Heat = EmCHP · FCHP,Heat / Qnet (式 42) EFCHP,El = EmCHP - FCHP,El / EEl,prod (式43) ここで:
EFCHP, heat...は、「t CO2/TJ」として表されるコージェネレーション(CHP)ユニ ットにおける測定可能な熱の生産に対する排出係数である。

163 EFCHP,El...は、「t CO2/TJ」で表されるコージェネレーション(CHP)ユニットに おける発電の排出係数である。 Qnet…コージェネレーション(CHP)ユニットによって生産された正味熱量(単 位: TJ)である。 EEl,prod... コージェネレーション(CHP)ユニットで生産された電力(単位:TJ)。

6.7.5 廃ガスのエネルギーおよび排出量に関する規則 廃ガスは、一部の生産工程、特に鉄鋼セクターにおける不完全燃焼や化学反応 によって発生する。例えば、コークス炉ガス(COG)、高炉ガス(BFG)、塩 基性酸素炉ガス(BOFG)であり、これは「転炉ガス」としても知られている。 これらの廃ガスは、CO2 と不完全に酸化された炭素(通常は一酸化炭素(CO)) および時には水素(H2)やその他のガスの混合物であり、そのため燃料として 使用することでエネルギーを回収できる。また、生産工程に由来する「固有の」 排出量も含んでいる。 以下のテキストボックスには、関連する付属書セクションの参照が記載されて いる。 施行規則の参照文書:
付属書II、製品の生産ルート、鉄鋼セクション3.11~3.16 付属書III のB4 項 活動データに関する要求事項、B5 項 CO2の算定係数に関する要求事項、B.8 項 CO2 の施設間移転のモニタリングに関する要求事項、F.施設の排出量を製品に割り当てるための規 則。 付属書VIII、施設レベルでの直接排出量のモニ タリングに使用される標準係数。

廃ガスを燃料として利用して電力や熱を生産することは、放出やフレアリング よりも望ましく、エネルギー効率が高く、別の燃料を燃焼してエネルギーを生 産することで発生するはずの排出量を回避できる。 以下のセクションでは、廃ガスからのエネルギーの定量化と廃ガスの直接排出 量を生産工程に割り当てる方法について説明する。また、フレアリングの処理 についても特別なケースとして言及されている。 6.7.5.1 廃ガスの活動データの決定 実施規則で定義されているように、廃ガスは次の3 つの条件を満たさなければな らない: • 不完全に酸化された炭素(通常はCO の形)を含む。
• 標準的な条件下では気体状態であること(この条件下では、廃ガス流中 の有機成分の一部が凝縮する可能性があることに注意)。

する。また、フレアリングの処理 についても特別なケースとして言及されている。 6.7.5.1 廃ガスの活動データの決定 実施規則で定義されているように、廃ガスは次の3 つの条件を満たさなければな らない: • 不完全に酸化された炭素(通常はCO の形)を含む。
• 標準的な条件下では気体状態であること(この条件下では、廃ガス流中 の有機成分の一部が凝縮する可能性があることに注意)。

164 • 工程排出量の定義にリストされているいずれかの工程に起因すること。 (a) 鉱石、精鉱、二次材料中の金属化合物の化学的還元、電解還元、乾式 還元
(b) 金属および金属化合物からの不純物の除去
(d) 炭素含有物質が反応に関与する生成物および中間生成物の化学合成
(e) 炭素を含む添加剤または原材料の使用
(f) シリコン酸化物やリン酸塩などの金属酸化物や非金属酸化物の化学還 元、電解還元。 回収された廃ガスは、発生元の生産工程または施設で使用されるか、別の生産 工程や施設に移送される。例えば、統合製鉄所では、高炉ガスや転炉ガスが上 流工程(例:コークス生産)や下流工程(例:圧延)だけでなく、電力生産に も利用される。
工業プロセスは廃ガスのみに依存せず、他の燃料(例:天然ガス)と互換的に 使用されるため、単独で稼働することが可能である。 生産工程で消費される廃ガスの量を決定するには、廃ガス供給を計測する必要 がある。

6.7.5.2 廃ガスおよびフレアのモニタリング要件 廃ガスについては、実施規則附属書III のセクションB.4 およびB.5 に記載され ているように、計算係数(NCV および排出係数または炭素含有量)とそれぞれ の廃ガスの体積(通常立方メートル単位)をモニタリングする必要がある。関 連する要求事項は、それぞれセクション 6.5.1.3 およびセクション 6.5.1.4 で説明 されている。さらに、入手可能な最善のデータソースの選択に関する規則(セ クション6.4.4)を考慮すべきである。 フレア フレアについては、モニタリングは、廃ガスを使用する生産工程における、日 常的なフレアリングと操業時のフレアリング(トリップ、始動および停止、緊 急排気)の両方を対象とすべきである。 フレアガスからの排出量を計算する際には、以下を含めなければならない:
o 燃焼したフレアガスからの排出量
o フレアを操作するために必要な燃料の燃焼からの排出量(例:パイロ ット炎およびフレアガスを燃焼させるための燃料) o フレアガス排出源の流れの中の固有のCO2111

111 これはすでに排出源の流れの一部となっているCO2 である。6.5.6.1

対象とすべきである。 フレアガスからの排出量を計算する際には、以下を含めなければならない:
o 燃焼したフレアガスからの排出量
o フレアを操作するために必要な燃料の燃焼からの排出量(例:パイロ ット炎およびフレアガスを燃焼させるための燃料) o フレアガス排出源の流れの中の固有のCO2111

111 これはすでに排出源の流れの一部となっているCO2 である。6.5.6.1

165 正確なモニタリングが技術的に不可能である場合や、過剰なコストが発生する 場合には、基準排出係数として「0.00393 t CO2/Nm3」を使用するべきである。 112

6.7.5.3 直接排出量の割り当て 廃ガスは、生成された同じ生産工程内で完全に使用される場合もあれば、生成 物を生産する生産工程のシステム境界を越えて移転される場合もある。同じ生 産工程内で使用されない場合には、セクション6.2.2.2 で示された式を使用して、 生産工程に割り当てられる排出量を計算する。

6.8 製品の体化排出量の計算 セクション6.2.2 では、施設レベルから生産工程への排出量の割り当て方法を説 明しており、セクション6.2.2.3 では、割り当てられた排出量から製品の体化排 出量を計算するための数式を示している。ここから、製品の体化排出量を決定 するためには、さらにパラメータを決定する必要があることが明らかになる。 これがこのセクションのテーマである。 • セクション6.8.1 では、生産工程の「活動レベル」を決定するための CBAM 製品の種類と数量のモニタリング規則を説明している。 • セクション6.8.2 では、前駆体に関するデータのモニタリングに関するガ イドラインが提供されている。

6.8.1 生産された製品の規則 上記のセクション6.2.2.3 に従い、事業者は、各生産工程の活動レベル、すなわ ち、特定の報告期間における施設で生産された製品量を決定する必要がある。 定義に関するセクション(6.1.1)で説明されているように、同じ「集約製品カ テゴリー」のすべての製品の数量は合計され、活動レベルを算出する。
6.8.1.1 製品の生産量 施設で生産された製品の活動レベル(生産量)は、CBAM 規則に記載されてい る集約されたCN 製品カテゴリーに対応する製品仕様を満たす製品が生産工程を 出る際の総重量として計算される。これには、最終製品と、他の製品の生産に 使用される前駆体の両方が含まれる。 二重計上の回避

112 ここで使用されている基準排出ガスは、純粋なエタンの燃焼から得られたもので、フレアガ スの保守的な代用品として使用されている。

活動レベル(生産量)は、CBAM 規則に記載されてい る集約されたCN 製品カテゴリーに対応する製品仕様を満たす製品が生産工程を 出る際の総重量として計算される。これには、最終製品と、他の製品の生産に 使用される前駆体の両方が含まれる。 二重計上の回避

112 ここで使用されている基準排出ガスは、純粋なエタンの燃焼から得られたもので、フレアガ スの保守的な代用品として使用されている。

166 生産の二重計上を避けるために、集約製品カテゴリーの活動レベルにカウント されるのは、生産工程のシステム境界を超えて出荷された最終製品のみである。 必要な仕様を満たす製品、すなわち販売可能な製品または同一施設内で前駆体 として使用される製品のみが考慮される。そのため、以下のものは報告された 活動レベルから除外される: • 所望の品質や仕様を満たさず、同じ生産工程に戻されて再加工される製 品 • 生産工程から発生するスクラップ、副産物、または廃棄物(これが他の 施設に再加工または廃棄のために送られる場合も含む) 結果として、生産工程に割り当てられたすべての排出量は、販売可能な製品に 対して計上され、スクラップや廃棄物には体化排出量がゼロとされる。これに より、二重計上が効果的に回避される。環境的観点から見ると、これは材料消 費の削減やスクラップや廃棄物の回避を奨励する。スクラップの少ない工程は 体化排出量が低くなるためである。 6.8.1.2 モニタリング要件 事業者として、まず施設で生産されたすべての製品を、適用されるCN コードと 共に特定する必要がある。製品リストを追跡し、各生産工程で生産された製品 の数量を決定するための手順が確立されなければならない。これらの手順は、 施設のモニタリングの方法文書に文書化されるべきである。重要な側面につい ては以下で説明する。 製品の追跡 施設で生産された製品(および前駆体)の包括的なリストを作成し、以下を含 め定期的に見直すこと: • 記載された製品の仕様は、CBAM 規則の付属書I に記載されているCN コ ードと、実施規則の付属書II の表1 のセクション2 と一致していること を確認するために見直されるべきである。(本ガイダンス文書のセクシ ョン5 を参照)。 • 記載された製品は、施設の生産工程に関連する適切な生産ルートに正し く割り当てられるべきである。 • 新たに生産された製品を含むように、製品のリストは更新されるべきで ある。新しい製品のCN コードが特定されるべきである。 • 新しい製品が施設内に以前存在しなかった集約された製品カテゴリーに 属する場合、事業者としては、その製品の体化排出量を別途モニタリン グするための追加の生産工程を定義する必要がある。ただし、「バブル アプローチ」により、既存の生産工程に新しい製品を含めることが許可 される場合は除く(セクション6.3 参照)。 • 生産された新しい製品に関連する投入物、生成物、排出量は、関連する 生産工程に割り当てられるべきである。

前存在しなかった集約された製品カテゴリーに 属する場合、事業者としては、その製品の体化排出量を別途モニタリン グするための追加の生産工程を定義する必要がある。ただし、「バブル アプローチ」により、既存の生産工程に新しい製品を含めることが許可 される場合は除く(セクション6.3 参照)。 • 生産された新しい製品に関連する投入物、生成物、排出量は、関連する 生産工程に割り当てられるべきである。

167 新しいタイプの製品の追加は、既存の製品および前駆体への投入物、生成物、 排出量の割り当てを変更する可能性があるため、見直しもこれを考慮に入れる べきである。書面によるモニタリング手法の文書は、過度の遅滞なく更新され るべきであり、更新された手法によるモニタリングは直ちに開始されなければ ならない。 製品の数量を決定する方法 原則として、排出源の流れの活動データのモニタリングのために使用されるの と同様の方法が、生産された製品の定量化にも適用される。詳細はセクション 6.5.1.3 で説明する。入手可能な最善のデータソースを選択するための規則(セク ション 6.4.4)が適用される。
生産された製品および販売された製品の数量は通常、企業の財務報告の重要な 要素であるため、そのデータは追加の特別の努力なしにCBAM に利用可能であ るべきである。事業者は、CBAM データと会計監査報告書との整合性を 確保し、 体化排出量計算の裏付けにそれらの報告書を使用すべきである。 製品の品質をモニタリングする 業界セクターおよび生産される製品の種類に応じて、EU の輸入業者が四半期ご とのCBAM 報告でパラメータを報告することになっている。したがって、事業 者としては、輸入業者に関連情報を提供できる必要がある。これらの追加報告 要件は、各セクターのセクション 7 に記載されている。これらのパラメータの一 部は、製品の品質情報を必要とする。例えば、セメントのクリンカー含量、鋼 の特定の合金元素の含有量、鋼やアルミニウムの生産に使用されるスクラップ の量、硝酸または水酸化アンモニウムの濃度、混合肥料のさまざまな窒素形態 の含有量などである。 これは定性的な情報であるため、原則として 6.5.1.4 セクションの計算係数の規 則が適用される。つまり、当該する場合には、実験室での分析が必要となる。 しかし、多くの場合、このような分析は、顧客の仕様が満たされていることを 確認するため、生産品質管理の一環として実施されている。場合によっては、 工程の投入物のマスバランスに基づいて必要なパラメー タを計算する方が適切 なこともある。しかし、必要なパラメータを決定することは、無理のない努力 で可能であることが前提とされる。使用される方法はモニタリング方法の文書 に含まれ、定期的に見直されるべきである。 製品の品質による差別化の可能性があり、報告によって事業者はCNコードだけ でなく、より詳細なデータを輸入者に提供する機会が与えられる。例えば、異 なるグレードの混合肥料を3 種類販売している場合、同じCN コードを持つ3 つ の別々の製品として、EU の輸入業者に提供する通信テンプレートに、異なる体 化排出量および組成データを記載することができる。一般的な規則として、事 業者は同じCN コードのもとで、全体の生産工程の品質測定の年平均を報告目的 で使用することができる。オプションとして、事業者がより詳細なモニタリン グを行える場合は、「製品ごとの」モニタリングが推奨される。

ている場合、同じCN コードを持つ3 つ の別々の製品として、EU の輸入業者に提供する通信テンプレートに、異なる体 化排出量および組成データを記載することができる。一般的な規則として、事 業者は同じCN コードのもとで、全体の生産工程の品質測定の年平均を報告目的 で使用することができる。オプションとして、事業者がより詳細なモニタリン グを行える場合は、「製品ごとの」モニタリングが推奨される。

168 6.8.2 前駆体データのモニタリングに関する規則 セクション6.2.2.3 で説明している複雑な製品の体化排出量を計算するためには、 前駆体の体化排出量を、工程に割り当てられた直接および間接排出量に加える 必要がある。以下の規則が適用される。 • 同じ施設内で同じ工程で「バブルアプローチ」(セクション6.3 参照)を 使って関連する前駆体が生産される場合、別途のモニタリングや計算は 不要である。ただし、他の工程や他の施設から得られる前駆体はモニタ リングする必要がある。 • 前駆体が、複雑な製品の生産と同じ施設内だが、別の工程で生産される 場合: o 各施設の複雑な製品の生産工程で消費された関連する前駆体の量 を決定する必要がある。 o 前駆体の直接および間接の体化排出量を別途計算する必要があ り、その値は報告期間の平均でなくてはならない。 • 他の施設から得られた関連する前駆体について: o 消費された前駆体の量と体化された直接および間接の排出量を、 関連する前駆体を供給する施設ごとに別途決定または計上する必 要がある。
o 前駆体を供給する他の施設の事業者は、前駆体に体化された特定 の直接および間接の排出量を通信する必要がある。データの完全 性を確保するため、前駆体の生産者は、セクション6.11 で説明し ている任意の通信テンプレートを使って、供給された前駆体に関 するデータを報告する必要がある。
o しかし、これらのデータが不確実な場合、前駆体が合計の体化排 出量の20%以下でしか寄与しない場合に限り、体化された排出量 の合計計算にデフォルト値を使うことができる(セクション6.9 を 参照)。
他の施設から前駆体を取得した場合、付属書III の実施規則のセクションE に基 づいて、複雑な製品を生産する事業者として、前駆体の生産者から以下のデー タを要求する必要がある。 • 供給された製品の原産国 • 生産された施設の識別(以下の情報を含む) o 利用可能な場合、一意の施設の識別子 o 該当する場合、国際連合貿易運輸場所コード(UN/LOCODE) o 正確な住所とその英語表記 o 施設の地理的座標
• 実施規則の付属書II のセクション3 で定義されている生産ルート

生産する事業者として、前駆体の生産者から以下のデー タを要求する必要がある。 • 供給された製品の原産国 • 生産された施設の識別(以下の情報を含む) o 利用可能な場合、一意の施設の識別子 o 該当する場合、国際連合貿易運輸場所コード(UN/LOCODE) o 正確な住所とその英語表記 o 施設の地理的座標
• 実施規則の付属書II のセクション3 で定義されている生産ルート

169 • 実施規則付属書IV のセクション2 にリストされている、体化された排出 量を決定するために必要な、適用される特定のパラメータの値 • 前駆体に体化された特定の直接および間接の排出量(直近の報告期間の 平均として表され、トンの前駆体あたりトンのCO2e で示す)。別の報告 期間で生産された前駆体が他の施設から得られた場合は、最も最近の報 告期間の平均体化排出量(SEE)の値を使う。 • 前駆体が取得された施設の報告期間の開始日と終了日 • 該当する場合は、前駆体に対して支払うべき炭素価格に関する情報 欧州委員会の通信テンプレートを使えば、これらのデータが完全であることが 自動的に保証される。

6.9 デフォルト係数および他の方法の使用 事業者として、体化排出量の計算に必要なすべてのデータが揃っていない場合、 最良の利用可能なデータや推定方法でそのデータの不足を補う必要がある。施 設のデータにおける些細なデータギャップ(例えば、燃料の1 つのバッチの分析 が欠落している)については、モニタリング方法文書(セクション6.9.3 を参照) に適切な推定方法を記載すべきである。
その他の場合には、事業者が一定の条件下で購入した前駆体に対して使用でき る、製品および前駆体の特定の直接排出量および間接排出量に関する「デフォ ルト値」が存在する(セクション6.9.1 を参照)。また、移行期間の初期にはEU 申告者がこれらを限定的に使用することができる。さらに、間接排出量の計算 のための電力の排出係数のデフォルト値も、欧州委員会によって提供される (セクション6.9.2 を参照)。 加えて、既に温室効果ガス排出量のモニタリングおよび報告のためのシステム を導入している場合、CBAM 実施規則で提供されるCBAM 方法(本書セクショ ン6 で記述されている方法に準拠)への完全適用への移行を準備する必要がある という状況も考えられる。この状況に対するガイダンスについては、セクショ ン6.9.4 を参照のこと。

6.9.1 体化排出量のデフォルト係数 デフォルトの排出係数値は、欧州委員会によって、CN コードごとに(直接およ び間接排出量の両方について)計算されている。これらの情報は、欧州委員会 のCBAM 専用ウェブサイトに掲載されている。
• 4 桁のCN コードレベルで提供されるデフォルト値は、その4 桁のCN コ ードカテゴリーに該当するすべての製品に適用される(つまり、最初の4 桁に続く桁数に関係なく適用される)。

ルト係数 デフォルトの排出係数値は、欧州委員会によって、CN コードごとに(直接およ び間接排出量の両方について)計算されている。これらの情報は、欧州委員会 のCBAM 専用ウェブサイトに掲載されている。
• 4 桁のCN コードレベルで提供されるデフォルト値は、その4 桁のCN コ ードカテゴリーに該当するすべての製品に適用される(つまり、最初の4 桁に続く桁数に関係なく適用される)。

170 • 6 桁のCN コードレベルで提供されるデフォルト値は、その6 桁のCN コ ードカテゴリに該当するすべての製品に適用される。 • 8 桁のCN コードレベルで提供されるデフォルト値は、特定の8 桁のCN コード製品にのみ適用される。この8 桁のコードはほとんどの場合、製 鋼セクターに関連し、使用される生産ルートや合金元素の多様な範囲を カバーしている。 • 多くの場合、同じデフォルト値が複数のCN コードに適用される。 これらのデフォルト値は、前駆体の体化された直接または間接排出量として使 用でき、それらの前駆体が他のCBAM 製品の生産工程で投入および消費される 場合に使用される。前駆体の実際の排出量が入手できない場合にこれが通常使 用される。このような状況は通常、前駆体の供給者が必要な期間内に関連デー タを提供しない場合に発生する。
CBAM 実施規則の第4 条第3 項および第5 条により、デフォルト値の使用は以下 に制限されている。 • 2024 年7 月31 日まで数量の制限なしに使用可能(つまり、最初の3 回の 四半期CBAM 報告において使用可能)。そのため、EU の輸入業者は、 CBAM 製品を生産する施設の事業者からタイムリーに関連データを受け 取れない場合に、CBAM 要件を遵守するためにこれらの値を使用でき る。事業者としては、同じ期間にEU の輸入業者に提供する、購入された 前駆体に関するデータの不足を補うことができる。 • 時間の制限はないが、量的に制限されている。複雑な製品については、 全体の体化排出量の最大20%が推定により決定できる。欧州委員会が提 供するデフォルト値を使用することは、「推定」に該当する。事業者と しては、モニタリングに2 つの簡素化オプションを提供することにな る。 o 複雑な製品を生産し、購入した前駆体が全体の体化排出量の20% 未満の場合、供給者に関連データの提供を求める代わりにデフォ ルト値を使用できる。 o 製品の体化排出量の大部分が前駆体によって構成されている場合 (例:鋼棒を購入してネジやナットを生産する場合)、前駆体の 体化排出量に関して信頼できるデータを供給者から受け取る限 り、全体の体化排出量の20%未満が自社の生産工程に起因する場 合、自社の生産工程に「推定」を適用できる。この場合、実施規 則の付属書III に示された方法が施設に対して過度に負担である場 合、自社施設の排出量の「推定」において、他のMRV システムか らのモニタリングアプローチを使用することができる。
欧州委員会が決定したデフォルト値を使用する事業者は、これらの値が比較的 高い排出強度レベルで設定されていることに留意する必要があり、前駆体製品 の実際の値が入手可能な場合にはそれらを使用する方が有利であることがある。 さらに、デフォルト値は、一般に入手可能な情報源に基づく世界平均値として 決定されているため、実際のデータの妥当性をチェックするツールとしても役 立つ。

使用することができる。
欧州委員会が決定したデフォルト値を使用する事業者は、これらの値が比較的 高い排出強度レベルで設定されていることに留意する必要があり、前駆体製品 の実際の値が入手可能な場合にはそれらを使用する方が有利であることがある。 さらに、デフォルト値は、一般に入手可能な情報源に基づく世界平均値として 決定されているため、実際のデータの妥当性をチェックするツールとしても役 立つ。

171

6.9.2 電力網のデフォルト排出係数
間接的な体化排出量の計算のための電力網のデフォルト排出係数の使用に関す る規則は、セクション6.7.3.2 を参照。

6.9.3 施設のモニタリングデータの軽微なデータギャップ 施設の排出量をモニタリングする日常的な活動においてデータギャップが発生 した場合、実施規則では、その代替データは保守的な推定値から構成されるべ きであると要求している。すなわち、排出量が過小評価されず、活動レベル (生産データ)が過大評価されていないデータである。これに関しては次のよ うな指針がある。 • 計算ベースの方法で計算係数が欠落している場合(例えば、サンプルが 適時に取得されなかったり、実験室の分析が行われなかったりした場 合)、標準的な値による代替が容易な方法である(セクション6.5.1.4 を 参照)。 • 活動データ(セクション6.5.1.3)が欠落している場合(例えば、トラッ クの重さが測定されなかった場合)、同じ報告期間における類似のトラ ック積載の平均重量を使用し、推定値の保守性を確保するためにいくら かの補足(例えば、1 つの標準偏差)を加えるのが適切であると考えられ る。 • 測定機器が正常に機能していない場合、できるだけ早く交換しなければ ならない。その間、利用可能であれば不確実性の高い機器を使用するこ とができる。他に測定器がない場合は、欠損データを保守的に推定すべ きである。流量計の場合、同じ報告期間中に決定された平均流量を使用 し、推定値の保守性を確保するために、データにいくらかの補足(例え ば1 つの標準偏差)を加えることができる。他のケース(例えば、熱測 定)では、報告期間にわたって決定された工程のエネルギー効率に基づ いて推定することができ、補足を加える必要がある。 • データギャップを埋めるために選択したアプローチは、今後の利用のた めにモニタリング方法の文書に記載されるべきである。さらに、将来的 に同様のデータギャップを回避するためのオプションを特定するため に、定期的なレビューを実施する必要がある(例えば、重要な測定機器 のために予備のユニットの在庫を確保することなど)。

6.9.4 他のGHG モニタリングおよび報告システムの過渡的利用 CBAM の導入時に、多くの事業者および施設はすでに、企業や製品のカーボン フットプリントを決定するため、さまざまな企業責任報告制度、またはCO2 税、 排出権取引制度、または自主的なカーボン市場などのカーボンプライシング制 度のために、GHG 排出量のモニタリングおよび報告システムを導入している。

することなど)。

6.9.4 他のGHG モニタリングおよび報告システムの過渡的利用 CBAM の導入時に、多くの事業者および施設はすでに、企業や製品のカーボン フットプリントを決定するため、さまざまな企業責任報告制度、またはCO2 税、 排出権取引制度、または自主的なカーボン市場などのカーボンプライシング制 度のために、GHG 排出量のモニタリングおよび報告システムを導入している。

172 これらの報告システムには、いくつかの点で共通する原則 113があるが、技術的 な詳細については異なる点が多い。しかし、CBAM 法はこれらを、事業者があ る程度の移行期間の後に詳細なCBAM モニタリング規則を適用するための有用 な出発点として評価している。CBAM 実施規則では、他のMRV(モニタリング、 報告および検証)システムの使用について以下の制限を設けている: • 2024 年7 月31 日 まで(すなわち、最初の3 四半期のCBAM 報告書につ いて)、「排出量を決定するための他の方法」を使用することができる。 セクション 6.9.2 で言及されているようにデフォルト排出係数の使用を含 むが、これが唯一の可能性ではない。GHG プロトコル(施設または製品 レベル)、ISO 14065 またはISO 14404 に基づく報告など、他の排出量取 引制度や報告システムからのMRV システムも適用可能である。CBAM の もとでの体化排出量の同じ範囲を確保するためには、排出データの調整 が必要になる場合があり、そのような調整が推奨されている(以下を参 照)。
• 2024 年12 月31 日まで、 CBAM 実施規則のモニタリング規則と同様の対 象範囲と排出量データの正確さをもたらすのであれば、以下のモニタリ ングと報告の方法を用いることができる。 a) 施設が所在する場所のカーボンプライシング制度。 b) 施設が所在する場所の義務的な排出モニタリング制度。 c) 認定された検証者による検証を含む、施設内での排出モニタリング制 度。 • 2025 年1 月1 日以降、CBAM モニタリング規則において、規則に対して 例外的に認められる唯一の方法は、CBAM 製品全体の体化排出量の、最 大20%に対する「推定値」の使用である。これには、デフォルト排出係 数の使用も含まれるが、2025 年1 月1 日以前については、20%という制限 を遵守することを条件に、その他の推定値や前述のMRV システムの使用 も含まれる。
ポイント(a)は特に、英国排出量取引制度、韓国排出量取引制度、その他の (義務的な)既存および今後の国または地域の排出権取引制度など、政府機関 によって規制される炭素税および排出権取引システムを意味する。ポイント(b) は、米国環境保護庁(EPA)の温室効果ガス報告プログラムのような、排出量デ ータを報告する法的義務や、排出量取引制度(ETS)の設立準備のために使われ るMRV 制度に関するものである。ポイント(c)は、施設でのCDM プロジェク トなど、施設レベルのプロジェクトが含まれる。

113 CBAM 製品における体化排出量を決定するための規則は、同等の炭素価格を確保するために EU 排出量取引制度の規則に基づいている。EU 排出量取引制度は、そのMRV(モニタリン グ、報告および検証)システムを、EU 排出量取引制度の開発時に利用可能だったIPCC ガイ ドラインや業界基準に基づいて構築した。したがって、多くの炭素価格付けおよびMRV シ ステムの間には相当な互換性がある。しかし、EU 排出量取引制度と同じ排出量の対象範囲

ための規則は、同等の炭素価格を確保するために EU 排出量取引制度の規則に基づいている。EU 排出量取引制度は、そのMRV(モニタリン グ、報告および検証)システムを、EU 排出量取引制度の開発時に利用可能だったIPCC ガイ ドラインや業界基準に基づいて構築した。したがって、多くの炭素価格付けおよびMRV シ ステムの間には相当な互換性がある。しかし、EU 排出量取引制度と同じ排出量の対象範囲 を達成するために、CBAM の規則は特定のシステム境界を持ち、GHG プロトコルや特定の ISO 標準など他のMRV 規則とは完全な互換性はない。

173 事業者がこのような他のモニタリングの方法を使用することを選択した場合、 輸入業者にはどのMRV システムを使用したかについての情報を提供する必要が ある。報告申告者は、CBAM 四半期報告書において、「体化排出量を決定する ために使用した規則の方法論的基盤に関する追加情報と説明」を提供しなけれ ばならない。 他のモニタリングシステムからのGHG 排出量の範囲調整 表6-1 ( 95 ページ)で示したように、GHG 排出量モニタリング制度はCBAM と は異なる範囲を持つ場合がある。特に、事業者がCBAM 実施規則以外のモニタ リングシステムの規則を使用する場合、以下の調整が必要となる。 • 使用するモニタリングシステムが施設レベルのデータの排出量にのみ適 用される場合、得られたデータは実施規則の付属書III のセクションB の 要件(この文書のセクション6.5 で直接排出について論じている)および その付属書のセクションD(この文書のセクション6.6)の要件にのみ適 合する。したがって、実施規則の付属書III のセクションF に従って、生 産工程レベルでの割り当てられた排出量を決定するために追加のデータ が必要である(この文書のセクション6.2.2 および6.7)。
• 使用するモニタリングシステムが製品1 トン当たりの具体的なGHG 排出 量を示す場合、前駆体の排出量を追加する必要があるか、またはCBAM によってカバーされないがカーボンフットプリントの一部として決定さ れた排出量(例えば、輸送排出量)を差し引く必要がある。これは、各 モニタリングシステムが、GHG 排出量のシステム境界に関する透明な情 報を提供しないLCA データベースや文献値の使用を伴う場合は困難であ る。 • CBAM は移行的な段階において、直接および間接の体化排出量を別々に 報告することを要求している。モニタリングシステムが、直接排出量と 間接排出の両方のGHG 排出量を集計したものしか提供しない場合、基礎 データが直接排出と間接排出を分けることができる場合を除いて、その デー タをCBAM に使用することはできない。

6.10 適用される炭素価格の報告
異なる管轄区域にある異なる施設で生産された製品を公平に取り扱うためには、 施設の事業者として、CBAM 製品に対するCBAM 義務が決定される前に、輸入 者に対してCBAM 製品が生産される場所における支払うべき有効な炭素価格114 を通知する必要がある。

114 CBAM 規則は次のように定義している:「炭素価格」とは、炭素排出量削減計画に基づき税 金、賦課金もしくは手数料の形で、または温室効果ガス排出量取引制度に基づき排出枠の形 で、第三国において支払われるべき金額である。これは当該措置の対象となる、物品の生産 工程で排出される温室効果ガスに基づいて算定される。

れる場所における支払うべき有効な炭素価格114 を通知する必要がある。

114 CBAM 規則は次のように定義している:「炭素価格」とは、炭素排出量削減計画に基づき税 金、賦課金もしくは手数料の形で、または温室効果ガス排出量取引制度に基づき排出枠の形 で、第三国において支払われるべき金額である。これは当該措置の対象となる、物品の生産 工程で排出される温室効果ガスに基づいて算定される。

174 「有効な炭素価格」とは、施設の生産工程および生産に使用された前駆体のト ン当たり実際の価格を意味し、以下を考慮する必要がある。 • 当該管轄区域のカーボンプライシング制度における「CO2e」のトン当た りの実際の価格 • カーボンプライシング制度での生産工程の排出量の対象範囲(直接、間 接、温室効果ガスの種類など) • 該当する「リベート」115、つまり、排出量取引制度(ETS)の場合には無 償割り当てや、当該管轄区域で受け取る財政支援、補償、その他のリベ ートの形の金額(CBAM に関連する製品ごと)。 • 複雑な製品の場合、生産工程で消費された前駆体の炭素価格(リベート 受け取り後)。

移行期間中は、これは輸入者に対する報告義務だが、本格実施期間では、この 情報を開示することにより、輸入業者は、CBAM 義務を負う者が支払うべき金 額のリベートを得ることができる。 施設が炭素価格の対象となる場合、排出量を製品に割り当てるのと同様の方法 で、生産工程やCBAM 製品カテゴリーに割り当てることができるように、 CBAM 義務の前に、炭素価格に関する情報を収集する必要がある。 施設が所在する国(または地域、あるいはより小さな管轄区域)でカーボンプ ライシング制度が運用されている場合、既に支払われたトン当たりの「CO2e」 の実際の価格をモニタリングし、CBAM 四半期報告のために輸入者に関連情報 として伝える必要がある。 モニタリングと有効な炭素価格の計算の手順は、モニタリング手法の文書に含 めるべきである。また、別の施設から供給された前駆体を生産工程で使用する 場合は、供給者から前駆体製品ごとに同様の情報を取得する必要がある。
炭素価格は、生産工程および集計された製品カテゴリーに割り当てられ、 CBAM 製品のトン当たりユーロで表される。計算は以下の手順で行う。 • 排出量総量と炭素価格を確定し、これに基づいて報告期間中に支払うべ き総炭素価格を計算する。この計算は、生産工程116のレベルで実施され るべきである。
• 支払炭素価格の合計を生産工程ごとのCBAM 製品の生産トン数で割り、 CBAM 製品1 トンあたりの価格を算出する。

115 実施規則は次のように定義している:「リベート」とは、炭素価格の支払い義務者によって 支払われるべき、または支払われた金額を、金銭形式またはその他の形式で支払い前または 支払い後に減額した金額。 116 CBAM でカバーされるすべての排出が炭素価格でもカバーされると仮定すると、生産工程へ の排出量の配分に比例して、施設レベルでの炭素価格を配分するだけでよい。しかし、炭素 価格がCBAM 排出量の一部のみに適用される場合(例えば、工程排出量が燃料税のみでカバ ーされない場合)、排出源の流れごとの配分など、より適切なアプローチが必要となる。

で支払い前または 支払い後に減額した金額。 116 CBAM でカバーされるすべての排出が炭素価格でもカバーされると仮定すると、生産工程へ の排出量の配分に比例して、施設レベルでの炭素価格を配分するだけでよい。しかし、炭素 価格がCBAM 排出量の一部のみに適用される場合(例えば、工程排出量が燃料税のみでカバ ーされない場合)、排出源の流れごとの配分など、より適切なアプローチが必要となる。

175 複雑な製品では、生産工程で消費される前駆体の供給者が支払うべき炭素価格 を、複雑なCBAM 製品の炭素価格に加算し、最終的な炭素価格を算出する。
前駆体の供給業者が必要な情報を提供しない場合、その前駆体の炭素価格をゼ ロとしなければならない。 運用されている主な2 つのカーボンプライシング制度のタイプは、排出量取引制 度(ETS)または税、課徴金、手数料の形での炭素価格である。このような場合、 事業者が報告すべき情報のタイプは以下の通りである: • 排出量取引制度(ETS)の下での炭素価格:
o 適用される通貨で、「CO2e」の1 トンに関する年間平均の許可証 または証書の価格。 o 直接排出および/または間接排出に適用されるかどうかなどのETS 規則の詳細117 o 許可証や証書で提出しなければならなかった合計の排出量 o 「無償枠」として受け取った許可証や証書の合計
o その結果としての排出量と無償枠との差異。後者が排出量を上回 った場合、炭素価格はゼロとして報告される。 • 税金、課徴金、手数料の形の炭素価格:
o 適用される通貨で、「CO2e」の1 トンに関する年間平均の税金、 課徴金または手数料の額。例えば使用する燃料によって額が異な る場合、各報告期間において施設の混合燃料に対応する加重平均 率が決定される。 o 直接排出および/または間接排出、特定の工程や燃料などに適用さ れるかどうかなどの、適用される税金、課徴金または手数料に関 する規則の詳細117 o 税、賦課金または手数料の下で炭素価格を支払わなければならな かった総排出量 o 炭素税、賦課金または料金の支払いに適用することが認められて いたリベート。
o その結果として支払われた炭素税の総額。リベートが、リベート (または払い戻し)の適用前の税率を上回った場合、その炭素価 格はゼロとして計上される。 成果ベースの気候ファイナンス(RBCF)のような他のタイプの炭素価格システ ムも可能かもしれないが、これらは産業セクターの典型ではないため、CBAM 法では適格ではない。

117 輸入業者は、法的行為の説明と表示、すなわち、理想的にはインターネットへのリンクとし て、規制の参照内容を提供しなければならない。したがって、この情報も提供する必要があ る。

素価 格はゼロとして計上される。 成果ベースの気候ファイナンス(RBCF)のような他のタイプの炭素価格システ ムも可能かもしれないが、これらは産業セクターの典型ではないため、CBAM 法では適格ではない。

117 輸入業者は、法的行為の説明と表示、すなわち、理想的にはインターネットへのリンクとし て、規制の参照内容を提供しなければならない。したがって、この情報も提供する必要があ る。

176 CBAM 報告が報告者によってCBAM 移行レジストリに入力される際、炭素価格 が適用される通貨とユーロの間の為替レートは、前年の平均年間為替レートを 使用して自動的に適用される。 移行期間中、輸入業者は支払うべき炭素価格と、価格が適用されるCBAM 製品 の詳細を、CBAM 製品を生産する事業者によって報告された内容に基づいて報 告する。

6.11 報告テンプレート 本節では、CBAM 移行期間中、事業者として、どのように生産量と体化排出量 を計算し、報告すべきかを概説する。他のカーボンプライシング制度とは異な り、事業者として正式な報告義務はないが、製品を輸入するEU 輸入業者に排出 量データを伝達する必要がある。以下のテキストボックスは、CBAM の移行期 間に関連するもので、報告に関する実施規則の主要部分を示している。 施行規則の参照文書:
付属書II、セクション1 定義。 付属書III、セクションF 「施設の排出量を製品に割り当てるための規則」 付属書IV 「施設事業者から報告申告者への推奨される伝達内容」 体化排出量計算のデフォルト値は、欧州委員会が決定し、CBAM の専用ウェブサイトで公表して いる。

事業者は、自らが生産しEU に輸出する製品の体化排出量をモニタリングし、そ れを輸入者に報告する責任がある。輸入業者または「報告申告者」は、移行期 間中、四半期ごとに輸入品の体化排出量を報告しなければならない。 事業者が報告者に提供する推奨の「排出量データコミュニケーション」の内容 は、実施規則の付属書IV に記載されている。報告者は、このコミュニケーショ ンの情報を使用して、CBAM 移行レジストリでCBAM 報告を完了する。CBAM 報告の構成は、実施規則の付属書I に示されている。 欧州委員会は、事業者が必要な体化排出量データを報告者と共有するための支 援として、スプレッドシート形式の電子版「排出量データ通信テンプレート」 を作成した。これは以下の 図6-6 で紹介されており、スプレッドシートツールは 欧州委員会のCBAM 専用ウェブサイトから入手できる。

、CBAM 移行レジストリでCBAM 報告を完了する。CBAM 報告の構成は、実施規則の付属書I に示されている。 欧州委員会は、事業者が必要な体化排出量データを報告者と共有するための支 援として、スプレッドシート形式の電子版「排出量データ通信テンプレート」 を作成した。これは以下の 図6-6 で紹介されており、スプレッドシートツールは 欧州委員会のCBAM 専用ウェブサイトから入手できる。

177 図6-6: 自主的な電子版データ通信テンプレート - 目次ページ

主な特徴は以下の通りである。 • 操作が簡単で、データ入力からCBAM の体化埋め込まれた排出量データ を自動計算し、各生産工程の割り当てられた排出量がどのように計算さ れたかを示す。 • 事業者報告書のパート1 とパート2 の両方の情報を網羅し、 報告申告者 が、CBAM 報告書を完成させるために必要なデータと、任意のデータを 特定し、テンプレートの使用方法と様々な計算のガイドラインを提供す る。 • 報告を円滑に行うためのツール、CHP/コージェネレーションにおける熱 と電気の間で排出量を割り当てるためのツール、および炭素価格の計算 ツールを提供する。 • 申告者がCBAM 報告書に使用するための主要な情報をまとめた生産工程 と製品のサマリーシート。

6.11.1 事業者向け: 事業者の排出データ通信テンプレートには2 つの部分があり、最初の部分は、申 告者がCBAM報告書を作成するために必要なすべての情報を含んでおり、2つ目

178 の部分は、第1 部で報告されたデータの透明性を高めるための推奨される改善措 置としての任意のセクションである。概要は以下の 表 6-3 にて説明されている。 表 6-3:事業者が輸入業者に推奨する、「排出量データ通信」の内容 テンプレート 移行期間に必要な情報の概要 パート1 - 一般 情報 報告申告者に伝達すべきデータを含む。 – 施設データ、事業者の施設の識別および所在地の詳細、事業者の 認定代理人の連絡先。 – 施設内の各集合品目カテゴリーにおける生産工程およびルート。 – 集約製品カテゴリーまたはCN コードごとに個別の製品につい て: – 製品の直接および間接の固有の体化排出量、SEE 間接排出量に ついては、排出係数がどのように決定されたか、および使用さ れた情報源の詳細。 – 体化排出量を決定するために使用されたデータの品質、および その方法(計算ベース、測定ベース、その他)、完全にモニタ リングに基づくかどうか、デフォルト排出係数が使用された場 合、その理由。 – フォルト値が使用された場合、なぜ実データではなくデフォル ト値を使用したのかの簡単な説明。 – 必要であれば、生産された製品に関する追加的なセクター別報 告パラメータに関する情報。 – 該当する場合、炭素価格に関する情報、および前駆体の原産国 別に、他の施設から入手した前駆体に関する情報。 パート2 - 任意 情報 パート1 のデータの透明性を高め、報告申告者がパート1 の妥当性 確認を実施できるようにする。 – 施設の総排出量、各供給源で使用された活動データおよび計算係 数、測定ベースの方法を使用してモニタリングされた各排出源の 排出量、その他の方法で決定された排出量、該当する場合、外部 からのCO2の取り込みまたは他の施設への排出に関する情報。 – 取り込み、生成、消費、放出された測定可能な熱の、「ヒートバ ランス」、および廃ガスまたは電力に関するバランス。 – 施設で生産されたすべての関連製品のCN コードリスト(別の生 産工程でカバーされていない前駆体を含む)

ースの方法を使用してモニタリングされた各排出源の 排出量、その他の方法で決定された排出量、該当する場合、外部 からのCO2の取り込みまたは他の施設への排出に関する情報。 – 取り込み、生成、消費、放出された測定可能な熱の、「ヒートバ ランス」、および廃ガスまたは電力に関するバランス。 – 施設で生産されたすべての関連製品のCN コードリスト(別の生 産工程でカバーされていない前駆体を含む)

179 テンプレート 移行期間に必要な情報の概要 – 前駆体製品: – 他所から受け取った量。
– 他の事業者によって報告された、各前駆体の特定の直接および 間接の体化排出量。 – 各生産工程で使用された量(同じ施設で生産された前駆体を除 く)。 – 割り当てられた直接および間接の排出量について: 各生産工程の 割り当てられた排出量がどのように計算されたかに関する情報、 各生産工程の活動レベルおよび割り当てられた排出量。 – 施設の簡単な説明、該当するおよび非該当(対象外)の生産工 程。
– 施設内で行われる主要な生産工程およびCBAM の目的でカバ ーされていない生産工程。 – 使用されているモニタリングの方法の主な要素。
– 特にデータの品質を向上させるために取られた措置、また本格 実施期間においてどのような形の検証が適用されたか。 – 該当する場合、電力購入契約における電気の排出係数に関する情 報。 出典:実施規則付属書IV。

上記パート2 で推奨される任意のデータを提供するためには、事業者として、 申告者にこれらの情報を含む補足ファイルを提供する必要がある。

6.11.2 輸入申告者向け 移行期間中、報告申告者は、実施規則付属書I、「CBAM 報告書にて提出する情 報」に記載された構成を使用して、CBAM 移行期間登録簿にCBAM 報告書を提 出しなければならない。CBAM 報告書に関連する体化排出量に関する情報は、 事業者の排出データ通信のパート1 により提供され、上記の表 6-3 に記載されて いる。

もし、事業者が体化排出量に関する情報を申告者に伝達する際に、電子データ 通信テンプレートを使用した場合、CBAM 四半期報告書に必要な情報は、スプ レッドシートの最後にある「サマリー通信」シートに含まれている。

180 図6-7: サマリー通信シート、自主的な電子データ通信のテンプレート

このサマリーシートには、報告目的で計算される関連パラメータには、以下の ものが含まれる: • 炭素価格の支払額
• 消費電力 • 特定(直接)の体化排出量 • 特定(間接)の体化排出量 • セクター固有のパラメータ、例えば合金含有量。

このスプレッドシートは任意で使用されるが、申告者は事業者に対して、この テンプレートを使用して排出データ通信を提供するように要請することができ る。

リーシートには、報告目的で計算される関連パラメータには、以下の ものが含まれる: • 炭素価格の支払額
• 消費電力 • 特定(直接)の体化排出量 • 特定(間接)の体化排出量 • セクター固有のパラメータ、例えば合金含有量。

このスプレッドシートは任意で使用されるが、申告者は事業者に対して、この テンプレートを使用して排出データ通信を提供するように要請することができ る。

181 7 セクター別のモニタリングと報告 セクション 5では、CBAMの対象製品の仕様と、関連する生産ルートについて説 明している。本セクションでは、セクター別の詳細、特にセクター別のモニタ リングと報告の要件を追加し、各セクターの例を詳細している。
このガイダンス文書は、主にCBAM に該当する有形製品を生産する事業者の使 用を意図しているが、セクション 7.6 には、CBAM に該当する、製品としての電 力を輸入する事業者向けの情報も含まれている。 事例についての注記:事例は主に特定のセクターを対象としているが、中には 他のセクターの読者が興味を持ちそうな内容も含まれているため、読者は他の セクターの例からも学ぶことができる。特に: • セクション 7.1.2 (セメントセクター)は、対象施設を複数の生産工程に 分割するための段階的なアプローチの例を示している • この例は、セクション 7.1.3 で、「バブルアプローチ」を使って別法で詳 しく説明されている。さらに当セクションは、石灰石と他の鉱物の混合 物を「原料ミル」として共同でモニターすることが可能であることを実 証しており、これは対象施設の現状により適したものとなっている。 • 鉄鋼セクターの最初の例(7.2.2.1)では、統合された鉄鋼製品を扱ってい る。ここでは、モニタリングの労力を最小限に抑えるという観点から、 「バブルアプローチ」による生産工程の定義が示されている。さらに、 排ガスからの発電と、間接排出のための工場自身の電力排出係数の使用 も示されている(電力の一部はグリッドからも供給される)。 • 2 つ目の鉄鋼の例(セクション 7.2.2.2)では、電気アーク炉ルートを使用 した高合金鋼の生産を取り上げている。ここでは、追加の前駆体を購入 し、対象施設自身の排出量に加えている。また、CN コード内の追加報告 要件についても取り上げている。追加として、複雑な製品の体化排出量 の算定が2 つの異なる方法で実行されている。一つ目は、活動レベルで 割る前に体化排出量の総量を算定する方法であり、二つ目は、前駆体の 特定の体化排出量を用いて計算する方法である。 • 鉄鋼製品やスラグにはCO2でない形で排出される炭素が含まれているた め、どちらの鉄鋼の例もマスバランス計算を使用している。 • 肥料の例(セクション 7.3.2)では、体化排出量のほぼすべてが、購入し た2 つの前駆体であるアンモニアと尿素から発生する状況を取り上げて いる。例では、排出されるのはCO2だけであるが、このセクターでは、 N2O の排出も関係してくる。対象施設で硝酸を(例えば、例にある硫酸 に代わって)前駆体として使用する場合、硝酸に含まれるN2O の排出量 は、他の体化排出量と同様に追加される。 • アルミニウムの例(セクション 7.4.2)では、対象施設の一部(プリベー クアノード生産)がCBAM の対象外であり、関連する排出源の流れを適 切に分離しなければならない状況を示している。

、このセクターでは、 N2O の排出も関係してくる。対象施設で硝酸を(例えば、例にある硫酸 に代わって)前駆体として使用する場合、硝酸に含まれるN2O の排出量 は、他の体化排出量と同様に追加される。 • アルミニウムの例(セクション 7.4.2)では、対象施設の一部(プリベー クアノード生産)がCBAM の対象外であり、関連する排出源の流れを適 切に分離しなければならない状況を示している。

182 • 水素の例1(セクション 7.5.2.1、生産ルート:メタン蒸気改質)では、輸 出された熱をどのように排出量に反映させるかを示している。 • 水素の例2(セクション 7.5.2.2、クロールアルカリ電解)では、間接排出 のみが適用されるプロセスを取り上げている。これらは、施行規則が要 求しているように、プロセスの3 つの主要製品に分かれている。 すべての例を通じて、電力網から供給される電力について種々の仮定がなされ ており、その結果、電力の排出係数も異なっている。これらの種々の値は、係 数の指標を知る上で役立つかもしれない。

7.1 セメントセクター 別のセクションを示す。
施行規則の参照文書:
• 付属書II、セクション3 – 生産ルート別の特別規定と排出量モニタリング要件。サブセク ション3.2~3.5(セメントセクター集約製品カテゴリー)。
• 規則付属書III、セクションB – 対象施設レベルでの直接排出量のモニタリング、サブセ クションB.9.2。セクター別要件、セメントセクターからの生産工程排出量に関する追加 規則:B.9.2.1 方法A(投入ベース)に関する追加規則、B.9.2.2 方法B(生成ベース)に 関する追加規則、B.9.2.3 廃棄セメントキルンダスト/バイパスダストに関連する排出量に ついての追加規則。 • 規則付属書IV、セクション2 – 排出量データ連絡において、製品の生産者が輸入者に報 告すべきCBAM 対象製品のセクター別パラメータ。

7.1.1 セクター別のモニタリングと報告の要件
直接および間接の体化排出量は、施行規則に定められ、上記に示された方法に 従ってモニタリングされなければならない。
7.1.1.1 対象となる排出量
セメントセクターについてモニタリングと報告が必要な、関連する直接排出量 は以下の通りである: • 定置施設での燃料燃焼プロセス 118から生じる二酸化炭素(直接)排出量 のみ(自動車などの移動施設からの排出量は除く)。 • 以下から生じるプロセスにより排出される二酸化炭素(直接)排出量:

118 キルンおよび非キルン燃料の両方。セメントキルン燃料には、天然ガスや石炭などの従来型 の化石燃料、石油コークスや自動車の廃タイヤチップなどの代替化石燃料、バイオマス燃料 (バイオマス廃棄物)などがある。非キルン燃料とは、キルン以外で使用される燃料のこと で、例えば、フラッシュか焼炉で粘土を焼成したり、セメント原料を乾燥させたりする場所 で使用される。

る二酸化炭素(直接)排出量:

118 キルンおよび非キルン燃料の両方。セメントキルン燃料には、天然ガスや石炭などの従来型 の化石燃料、石油コークスや自動車の廃タイヤチップなどの代替化石燃料、バイオマス燃料 (バイオマス廃棄物)などがある。非キルン燃料とは、キルン以外で使用される燃料のこと で、例えば、フラッシュか焼炉で粘土を焼成したり、セメント原料を乾燥させたりする場所 で使用される。

183 o 炭酸塩を含む原料(石灰石、ドロマイトなど)の熱分解 o 原料(炭素質粘土、石灰岩、頁岩など)に含まれる非炭酸炭素 o 代替原料(原料ミルに使用されるフライアッシュなど)、または 使用されるあらゆる化石/バイオマス添加物 o 廃棄セメントキルンダスト(CKD)またはバイパスダスト • 熱の生産場所(すなわち、施設内での生産または施設外からの取り込み) に関係なく、生産工程のシステム境界内で消費される測定可能な暖房 (蒸気など)および冷房に起因する二酸化炭素(直接)排出量。 • 排出量コントロール(例えば、酸性煙道ガス浄化に使用されるソーダ灰 のような炭酸塩原料からの排出)に起因する二酸化炭素(直接)排出量。 これは、適用可能な製品すべてに含める。 上記の様々な排出源の流れから生じる直接排出量は、個別に報告されるのでは なく、対象施設や生産工程での直接排出量の合計に加えられる。 電力消費による間接排出量は、直接排出量とは別に報告しなければならない。
7.1.1.2 追加規則 生産工程排出量の算定 セメントクリンカー生産からの直接排出量を算定するために、活動量データが 以下を参照しているかどうかに応じて、原料ミルに含まれる成分からの生産工 程排出量のモニタリングに対しても追加規則が適用される: • 以下に基づく、工程の投入材料(石灰石など): o 工程投入材料の炭酸塩含有量(算定方法A)、および o キルンシステムから排出されるセメントキルンダスト(CKD)やバイ パスダストが調整されている • 工程の生成材料、例えばクリンカー製品の量(算定方法B) どちらの方法も同等であると見なされている。よって、事業者としては、より 信頼性の高いデータにつながり、使用する機器に適用しやすく、不当なコスト を回避できる方法を選ぶべきである。算定方法A およびB については、本ガイ ダンス文書のセクション 6.5.1.1 でさらに詳しく説明されている。 廃棄CKD またはバイパスダストに関連する排出量の算定 事業者は、キルンシステムから排出されるバイパスダストまたはセメントキル ンダスト(CKD)からのCO2 生産工程排出量を、CKD の部分焼成率で補正して加 えなければならない。

当なコスト を回避できる方法を選ぶべきである。算定方法A およびB については、本ガイ ダンス文書のセクション 6.5.1.1 でさらに詳しく説明されている。 廃棄CKD またはバイパスダストに関連する排出量の算定 事業者は、キルンシステムから排出されるバイパスダストまたはセメントキル ンダスト(CKD)からのCO2 生産工程排出量を、CKD の部分焼成率で補正して加 えなければならない。

184 • 最低要求事項:「0.525 t CO2/t 」ダストが排出係数として適用される

推奨される改善点:排出係数(EF)は、施行規則付属書III、B.5.4. 実験室での 分析の要件119 の規定に従い、以下の方程式を用いて、少なくとも年1 回決定さ れる: 𝐸𝐸𝐸𝐸𝐶𝐶𝐶𝐶𝐶𝐶= ቀ 𝐸𝐸𝐸𝐸𝐶𝐶𝐶𝐶𝐶𝐶 1+𝐸𝐸𝐸𝐸𝐶𝐶𝐶𝐶𝐶𝐶∙𝑑𝑑ቁ/ ቀ1 − 𝐸𝐸𝐸𝐸𝐶𝐶𝐶𝐶𝐶𝐶 1+𝐸𝐸𝐸𝐸𝐶𝐶𝐶𝐶𝐶𝐶∙𝑑𝑑ቁ (方程式 28) ここで: EFCKD … 部分的に焼成されたセメントキルンダストの排出係数 [t CO2/t CKD] EFCli … クリンカーの対象施設別排出係数 [t CO2/t クリンカー] d … CKD の焼成度(原料混合物中の炭酸塩CO2 の総量に対する排出され たCO2 の割合)

方法B – クリンカー排出ベース この方法については、施行規則にセクター別の規則が定められている: 報告期間中のクリンカー生産 [t] の活動量データ「ADj」は、以下のいずれかに よって決定することができる: o クリンカーの直接計量(技術的に可能な場合)、または o セメントの出荷量に基づく、以下の在庫調整算定を使用して得られる材 料の収支: 𝐶𝐶𝐶𝐶𝑖𝑖𝑝𝑝𝑝𝑝𝑝𝑝𝑝𝑝= (𝐶𝐶𝐶𝐶𝑚𝑚𝑑𝑑𝑑𝑑𝑑𝑑𝑑𝑑𝑑𝑑−𝐶𝐶𝐶𝐶𝑚𝑚𝑆𝑆𝑆𝑆) ∙𝐶𝐶𝐶𝐶𝐶𝐶−𝐶𝐶𝐶𝐶𝑖𝑖𝑠𝑠+ 𝐶𝐶𝐶𝐶𝑖𝑖𝑑𝑑−𝐶𝐶𝐶𝐶𝑖𝑖𝑆𝑆𝑆𝑆 (方程式 27) ここで
Cliprod は、クリンカーの生産量(単位:トン)
Cemdeliv は、セメントの出荷量(単位:トン)
CemSV は、セメントの在庫の変動(単位:トン)
CCR は、クリンカー対セメント比率(クリンカー[トン]対セメント [トン])
Clis は、クリンカーの供給量(単位:トン)
Clid は、クリンカーの発送量(単位:トン)
CliSV は、クリンカーの在庫の変動(単位:トン)

119 実験室での分析の要件に関するガイダンスは、セクション 6.5.1.4 に記載されている。

185 標準排出係数「EFj」は、最低要件として、「0.525 t CO2/t 」クリンカーの標準値 が適用される。改善のためには、EF を決定するためにクリンカーの分析を行う ことが推奨される。 換算係数「CFj 」については、モニタリングの労力を減らすため、常に「CFj = 1」 という保守的な仮定を用いることが許されている。

ダンスは、セクション 6.5.1.4 に記載されている。

185 標準排出係数「EFj」は、最低要件として、「0.525 t CO2/t 」クリンカーの標準値 が適用される。改善のためには、EF を決定するためにクリンカーの分析を行う ことが推奨される。 換算係数「CFj 」については、モニタリングの労力を減らすため、常に「CFj = 1」 という保守的な仮定を用いることが許されている。

186 クリンカー対セメント比率(CCR) セメント製品の体化排出量の計算において、排出量の大部分はセメントクリン カーから生じたものである。したがって、セメント生産量1 トン当たりに消費さ れるセメントクリンカー1 トンの質量比であるCCR(いわゆる「クリンカー係 数」)を考慮する必要がある。 CCR は以下のいずれかにより導き出される: o 付属書、セクションB.5.4 の規定に従った実験室での分析に基づいて、異 なるセメント製品ごとに個別に行う
o セメントの出荷量と変化した在庫の差および、バイパスダストやセメン トキルンダストを含むセメントの添加物として使用されるすべての材料 からの比率として算定する。 CCR は、パーセンテージ(%)で表され、ポルトランドセメントでは通常80~ 95%である。CCR は、特に、生産される混合セメン トや複合セメントに関連す る体化排出量の算定に関連する。クリンカーの含有量は、それらの複合セメン トの種類によって大きく異なっており 120、クリンカー以外は、排出量がゼロの 鉱物添加剤などの他の成分で構成されている。121

7.1.1.3 追加の報告パラメータ 以下の 表7-1 は、事業者が輸入者に排出量データを伝達する際に提供すべき追加 情報の一覧である。
表7-1:CBAM 報告書で要求されているセメントセクターの追加パラメータ 集約製品カテゴ リー 報告パラメータ
焼成粘土122 – 粘土が焼成されているかどうか。 セメントクリン カー – なし。 セメント – セメントのクリンカー含有量。すなわち:

120 欧州規格EN 197-1 では、CEM I(ポルトランドセメント)からV(複合セメント)までの5 つの主要なセメントタイプと、27 種類の製品タイプが定義されており、混合セメントと複合 セメント(CEM II~V)のクリンカー含有率は、95%のものから低い場合は5~20%のものま である。 121 鉱物添加物(主に石膏)と二次鉱物添加物(高炉スラグとフライアッシュ)は、CBAM の考 慮対象から除外されているため、体化排出量はゼロである。 122 CN コード 2507 00 80 に該当する非焼成粘土は、体化排出量がゼロである点に留意されたい。 それらは排出量ゼロであっても報告の義務があるが、粘土の生産者から追加情報を取得する 必要はない。

5~20%のものま である。 121 鉱物添加物(主に石膏)と二次鉱物添加物(高炉スラグとフライアッシュ)は、CBAM の考 慮対象から除外されているため、体化排出量はゼロである。 122 CN コード 2507 00 80 に該当する非焼成粘土は、体化排出量がゼロである点に留意されたい。 それらは排出量ゼロであっても報告の義務があるが、粘土の生産者から追加情報を取得する 必要はない。

187 – セメント生産量(トン)に対して消費されたセメン トクリンカー(トン)の質量比(クリンカー対セメ ント比率、またはCCR)
– パーセントで表示 アルミナセメン ト – なし。 CBAM 製品に必要なすべてのパラメータのデータを確実に収集し、製品の輸入 業者に伝える必要がある。輸入業者は、CBAM に基づいて製品をEU に輸入する 際に、追加のパラメータを報告する必要がある。 7.1.2 セメントの対象施設を別々の生産工程に分割する場合の例 生産工程のシステム境界を定義する際、事業者は、どのような物理的生産設備 が生産工程に属し、どのような投入物、生成物、排出量が関連するかを決定す る必要がある。そのためのアプローチについては、上記のセクション 6.3 で説明 し、セメントセクターについて、その例を以下の 表7-2 で示した。 セメントクリンカー(CN 2523 10 00)とセメント(CN 2523 29 00)の両方を生 産し輸出するセメント工場を想定した場合、事業者は、CBAM に該当するセメ ント工場を別々の生産工程に分割するために、以下の手順を踏む必要がある: ステップ1:すべての製品、物理的設備、対象施設への/対象施設からの投入物、 生成物、排出量のリストを作成する。 この最初のステップでは、事業者は、産業設備のリストや図面など、その対象 施設で利用可能な既存の情報を使用して、以下を特定する: • キルン、ボイラー、乾燥機、煙道ガス浄化装置、ボールミル、袋詰め設 備など、対象施設において生産工程を実施する物理的設備。
• 製品を生産するのに必要な原材料、燃料、電力など、工程への投入物。 • 生産された製品、副産物、熱、廃ガスなど、工程からの生成物。 • 工程からの排出量。
これらは、以下の 表7-2 にリストアップされている。 表7-2:セメントの対象施設における投入物、物理的設備、生成物、排出量のチェック リストの例。

ルミル、袋詰め設 備など、対象施設において生産工程を実施する物理的設備。
• 製品を生産するのに必要な原材料、燃料、電力など、工程への投入物。 • 生産された製品、副産物、熱、廃ガスなど、工程からの生成物。 • 工程からの排出量。
これらは、以下の 表7-2 にリストアップされている。 表7-2:セメントの対象施設における投入物、物理的設備、生成物、排出量のチェック リストの例。

188 投入物 物理的設備 生成物 関連するCBAM 排出量 キルン – 化石燃料 123 例:石炭、HFO キルン – 代替燃料 と廃棄物燃料(セ メントクリンカー 焼成キルン用) 例:MSW の高CV 画分124 キルン – クリンカ ー焼成キルンおよ び関連設備で消費 される電力 ミル – セメント乾 燥機用化石燃料 ミル – セメント粉 砕プラントおよび 関連設備で消費さ れる電力 キルン – 原材料 125:石灰石、粘土 キルン – 代替原 料:例、フライア ッシュ キルンシステムと関連設 備 例、原料ミル準備用 ミル – 粉砕機(乾燥機を 含む)および関連プラン ト(例、セメントの袋詰 め) セメント生産に関係のな いその他の産業設備(シ ステム境界から除外され る)。 地域暖房用熱交換器 煙道ガス浄化装置(ガス 状およびダスト状排出の 処理用) キルン – セメン トクリンカー126 ミル – タイプ別 のセメント製品 127 キルン – その他 の生成物128: 例、セメントキ ルンダスト 地域暖房、(ま たは冷房、電 気)129 キルン – 燃料の 燃焼による直接 排出量 キルン – 代替燃 料および廃棄燃 料からの直接排 出量 キルン – 電力消 費による間接排 出量 キルン – 炭酸塩 からの生産工程 排出量 ミル – 電力消費 による間接排出 量

123 対象となる工程またはその他の場所で使用する、熱を発生させるために燃焼させる燃料。燃 料の量(特に炭素含有量 / 排出係数)とエネルギー含有量の両方が、燃料を異なる生産工程 に割り当てるために重要である。 124 市町村固形廃棄物の高発熱量分 125 原材料とは、他の化学反応に関与したり、製品を生産する過程で物理的に変化したりする物 質のことである。 126 前駆体または中間製品。この場合、生産工程には「完成」製品も含まれる。前駆体は、対象 施設からの生成物である場合もある。例えば、事業者がセメントクリンカーとセメントの両 方を対象施設から供給した場合がそれに当たる。 127 セメントの完成品 – 対象施設/生産工程でモニタリングされた物理的な製品。 128 その他の製品(副産物)および廃棄物:生産工程の排出量を決定するための炭素含有量、お よび裏付けのためのエネルギー含有量に関係する場合にのみモニタリングが必要。 129 CBAM に該当する対象施設や生産工程から供給される測定可能な熱(または、生成のために 燃料を使用している場合、冷却や電気)は、二次製品のように扱われるべきである。つまり、 その生産工程の排出量から特定の排出量を差し引く必要がある。

製品(副産物)および廃棄物:生産工程の排出量を決定するための炭素含有量、お よび裏付けのためのエネルギー含有量に関係する場合にのみモニタリングが必要。 129 CBAM に該当する対象施設や生産工程から供給される測定可能な熱(または、生成のために 燃料を使用している場合、冷却や電気)は、二次製品のように扱われるべきである。つまり、 その生産工程の排出量から特定の排出量を差し引く必要がある。

189 投入物 物理的設備 生成物 関連するCBAM 排出量 ミル – キルンから のセメントクリン カー
ミル – セメント生 産に使用される添 加物

ステップ2:関連する生産工程と生産ルートを特定する。 このステップでは、事業者は、対象施設がセメントクリンカーおよびセメント を生産していることを確認する。セメントクリンカーとセメントは、施行規則 付属書II、セクション2、表1(および本ガイダンス文書のセクション 5)に記 載されている集約製品カテゴリーに分類されている。 集約製品カテゴリーのそれぞれが、ひとつの生産工程として定義される。事業 者は、表7-2 をチェックリストとして使用し、各生産工程に関連する投入物、 生成物、排出量を割り当てる。これはほとんどの場合比較的簡単に行える。 例: • セメントクリンカー生産工程: o 物理的設備:セメントキルン(予熱装置、プレカルサイナー、ク リンカー冷却器、煙道ガス洗浄装置などの付属設備を含む) o 投入物 / 排出源の流れ:工程用の燃料、電力、原材料、代替原材 料。 o 生成物(製品):セメントクリンカー、キルンダスト(クリンカ ー生産工程に再導入される)。 o その他の生成物:地域暖房ネットワークに供給される測定可能な 熱。 o 排出源:キルンシステムに関連する直接排出量(燃焼と工程)と 間接排出量(消費電力)。 • セメント生産工程: o 物理的設備:粉砕プラント、直火式乾燥機および付属設備(例、 セメント袋詰めプラント)。 o 投入物 / 排出源の流れ:セメントクリンカー、電力、乾燥機用燃 料、セメント生産に使用される石膏などの添加物。 o 生成物(製品):セメント。 o 排出源:粉砕工程に関連する直接排出量(該当の場合、セメント 乾燥機から)と間接排出量(電力消費から)。

(消費電力)。 • セメント生産工程: o 物理的設備:粉砕プラント、直火式乾燥機および付属設備(例、 セメント袋詰めプラント)。 o 投入物 / 排出源の流れ:セメントクリンカー、電力、乾燥機用燃 料、セメント生産に使用される石膏などの添加物。 o 生成物(製品):セメント。 o 排出源:粉砕工程に関連する直接排出量(該当の場合、セメント 乾燥機から)と間接排出量(電力消費から)。

190

概略図を使用することで、各生産工程や生産ルートのそれぞれのシステム境界 を視覚化し、それに応じて投入物、生成物、排出量を割り当てることができる。 図7-1: セメントクリンカーおよびセメントの生産工程の例で、システム境界を定義する ために使用される概略図。

上記のセメントの対象施設の場合、キルンシステムもセメント粉砕プラントも、 共有設備のない、比較的自己完結型の設備であり、各生産工程のシステム境界 に疑問の余地はない。このセクターであまり見られない唯一の要素を挙げると したら、地域暖房を目的としたクリンカーキルンからの熱回収である。実際に は、これは独立した生産工程とはならないが、クリンカー生産工程の排出量を 計算する際に、6.2.2.2 および 6.7.2 に示すように、熱量が考慮される。 以下のセメントセクターの具体例は、定義された生産工程に対して、どのよう に関連する排出量を算定し、生産工程に割り当て、特定の体化排出量を算定す るかを示している。単純化するため、この例では地域暖房が省略されている。 セメント粉砕前の乾燥機からの追加的な直接排出量も同様に省略されている。

7.1.3 セメントセクターの具体例 次の具体例は、セメントセクターの製品について、特定の体化排出量をどのよ うに算出するかを示している。移行期間中の報告に必要な、EU 域内への輸入に 伴う体化排出量は、本例示の最後に計算されている。

191 この例では、対象施設はセメントクリンカーとセメントの2 つの製品を生産して いる。それぞれがCBAM による別々の集約製品カテゴリーであるため、各製品 が一つの生産工程として定義される。
図7-2 は、対象施設の概略図であり、各生産工程のシステム境界を点線で示して いる。各生産工程を行う物理的設備は、「クリンカー生産」と「セメントミル」 にグループ分けされ、各生産工程における様々な投入物と生成物、および排出 源も特定されている。 図7-2:セメントの例 – 概略図

上記で定義された関連する2 つの生産工程は以下の通りである: • 生産工程1 – セメントキルンで生産されるセメントクリンカー。この生産 工程のシステム境界は、原料(石灰石とその他の鉱物)、燃料(石炭、 重油[HFO]、家庭廃棄物分)、および電気エネルギーの投入を含むも のとして定義されている。この工程からの生成物は、生産工程2 の関連前 駆体であるセメントクリンカーである。 • 生産工程2 – セメントミルで生産されるセメント。この生産工程のシステ ム境界は、石膏(原料としては体化排出量はない)、前駆体であるセメ ントクリンカー(体化排出量がある)、および電気エネルギーの投入を 含むものとして定義されている。この工程からの生成物はセメントであ る。 このケースでは、生産工程1 からの生成物である前駆体セメントクリンカーはす べて、生産工程2 に直接移行するため、 図7-3 に示すように、生産工程のシステ ム境界を結合した共同生産工程、または「バブルアプローチ」と定義すること ができる。

駆体であるセメ ントクリンカー(体化排出量がある)、および電気エネルギーの投入を 含むものとして定義されている。この工程からの生成物はセメントであ る。 このケースでは、生産工程1 からの生成物である前駆体セメントクリンカーはす べて、生産工程2 に直接移行するため、 図7-3 に示すように、生産工程のシステ ム境界を結合した共同生産工程、または「バブルアプローチ」と定義すること ができる。

192 図7-3: セメントの例 – 共同生産工程(「バブルアプローチ」)と完全モニタリングアプ ローチ – すべての赤い要素のモニタリングが必要。

システム境界は、CBAM 集約製品のそれぞれに対して前に定義された生産工程 の両方を包含するように描き直されている。
上記の赤文字で示した投入物と生成物は、両方の生産工程について排出量を割 り当て、直接および間接の特定体化排出量を測定するために、事業者がモニタ リングする必要のあるパラメータである。
この例でモニタリングされる直接および間接の排出量は、以下となっている: • 燃料燃焼による直接排出量 – 化石燃料(石炭とHFO)および家庭廃棄物 由来の化石/バイオマス混合燃料(代替燃料)の燃焼によるもの。 • 工程からの直接排出量 – セメントキルンシステムに投入される原料ミル (石灰石や他の鉱物から作られる)に含まれる炭酸塩の熱分解によるもの。 • 共同生産工程で消費される電気エネルギーからの間接排出量。 セメントの活動レベルもモニタリングする必要がある。「バブルアプローチ」 によってモニタリングが格段に容易になることがわかるであろう。特に、クリ ンカーの量とそれに関連する体化排出量を別々にモニタリングする必要がなく なり、2 つの工程での電気エネルギーの消費量を分ける必要もなくなった。 以下の表は、特定体化排出量(SEE)を特定するためにモニタリングされた燃料、 電気エネルギー、投入された原料をまとめたものである。SEE 値の算定は2 つの ステップで行われる: • ステップ1 – 関連する前駆体セメントクリンカーのSEE 値を算出する。
• ステップ2 – i) 前駆体の体化排出量、ii) クリンカー対セメント比率 (CCR)、および工程中に発生する追加排出量を考慮して、セメントの SEE 値を算出する。

特定するためにモニタリングされた燃料、 電気エネルギー、投入された原料をまとめたものである。SEE 値の算定は2 つの ステップで行われる: • ステップ1 – 関連する前駆体セメントクリンカーのSEE 値を算出する。
• ステップ2 – i) 前駆体の体化排出量、ii) クリンカー対セメント比率 (CCR)、および工程中に発生する追加排出量を考慮して、セメントの SEE 値を算出する。

193 対象施設で生産されたセメントクリンカーが転用され、別途に売却される場合、 ステップ1 で計算された体化排出量は、事業者からセメントクリンカー購入者に 伝達される必要がある。その場合、「バブルアプローチ」は認められない。 表7-3:セメントクリンカーの直接および間接排出量とSEE 値の算定 直接排出量 AD (t) NCV (GJ/t) EF (t CO2/t または t CO2/TJ) バイオマス % 排出量 化 石 (t CO2) 排出量 バ イオマス
(t CO2) 生産工程排出量 原料ミル(標準係 数)130 1 255 000

0.525

658 875

燃焼排出量 石炭 88 000 25 95

209 000 0 高い正味発熱量の家 庭廃棄物131 25 000 20 83 15% 35 275 6 225 HFO 43 000 40 78

134 160 0 直接排出量合計

1 037 310

間接排出量 AD (MWh)

EF (t CO2 / MWh)

排出量
(t CO2)

消費電力 81 575

0.833

67 953

クリンカー生産量 (トン) 1 255 000

ステップ1:特定の体化排出量(SEE)は、セメントクリンカーの直接および間接排出量と活動データを 用いて算出した。 セメントクリンカー 直接 間接

SEE 0.8265 0.0541
t CO2 / t

上記の 表7-3 で、ステップ1 は、報告期間中のセメントクリンカー生産に関連す る直接および間接排出量を算定して割り当て、その結果をクリンカー生産量の SEE 値として算出することである。
上記の原料ミルに使用されている排出係数は、施行規則 (EU) 2023/1773、付属書 III、セクションB.9.2.2. に記載されている標準排出係数である。排出係数を決定 するための最低要件として、「0.525 t CO2/t」セメントクリンカーという標準値 が適用されている。

130 試行規則付属書III、B.9.2.2. に記載されているセメントクリンカーの標準排出係数は、排出 係数を決定するための最低要件として、「0.525 t CO2/t」セメントクリンカーという標準値が 適用されている。 131 バイオマスとは、一般廃棄物の生分解性分のことである。一般廃棄物の排出係数および/また は正味発熱量が不明な場合は、試行規則付属書VIII 表2 の標準値(11.6GJ/t および 100 t CO2/TJ)を使用する。

いるセメントクリンカーの標準排出係数は、排出 係数を決定するための最低要件として、「0.525 t CO2/t」セメントクリンカーという標準値が 適用されている。 131 バイオマスとは、一般廃棄物の生分解性分のことである。一般廃棄物の排出係数および/また は正味発熱量が不明な場合は、試行規則付属書VIII 表2 の標準値(11.6GJ/t および 100 t CO2/TJ)を使用する。

194 また、家庭廃棄物中のバイオマス含有量に関連する直接排出量は別途計算され、 直接排出量の合計から差し引かれる。これは、RED II 持続可能性基準が家庭 / 一 般廃棄物には適用されないため、一般廃棄物の生分解性分(上記では15%)は バイオマスとして扱われ、総排出量は事実上ゼロと評価されるためである。 表 7-4:セメントの最終製品の直接および間接SEE 値の合計の算出(ステップ2) ポルトランドセメント生産

備考 クリンカー(トン)対セメ ント(トン)比率 0.95 これはポルトランドセメントのCCR。CCR は、生産されるセメント製品に固有のもの。

MWh/t t CO2/t
追加の電力消費 0.085 0.0708 セメント粉砕の生産工程用。電力については MWh/t x EF として計算。 ステップ2:関連する前駆体であるセメントクリンカーからの体化排出量を含め、最終セメント製品の SEE 値が算出される。 セメント 直接SEE 間接SEE

t CO2 / t セメ ント t CO2 / t セメ ント

前駆体(クリンカー)の寄 与 0.7852 0.0514 例えば直接SEE の場合、CCR を使用し、 「0.8265 t CO2 / t x 0.95 = 0.7852 t CO2 / t 」とし て算出。 生産工程

0.0708 上記の通り 特定体化排出量の合計 0.7852 0.1222 SEE の合計

EUへのポルトランドセメントの輸入に関して認可を受けた申告者(EU輸入者) が移行期間中に報告する体化排出量の合計は、例えばポルトランドセメント100 トンの輸入の場合、次のように算出される:
• 移行期間(報告のみ): o 直接体化排出量 = 100 t x 0.7852 t CO2 / t = 78.52 t CO2 o 間接体化排出量 = 100 t x 0.1222 t CO2 / t = 12.22 t CO2 合計:90.74 t CO2

7.2 鉄鋼セクター 別のセクションを示す。
施行規則の参照文書:

トンの輸入の場合、次のように算出される:
• 移行期間(報告のみ): o 直接体化排出量 = 100 t x 0.7852 t CO2 / t = 78.52 t CO2 o 間接体化排出量 = 100 t x 0.1222 t CO2 / t = 12.22 t CO2 合計:90.74 t CO2

7.2 鉄鋼セクター 別のセクションを示す。
施行規則の参照文書:

195 • 付属書II、セクション3 – 生産ルート別の特別規定と排出量モニタリ ング要件。サブセクション3.11~3.16(鉄鋼セクター集約製品カテゴリ ー) • 規則付属書IV、セクション2 – 排出量データ連絡において、製品の生 産者が輸入者に報告すべきCBAM 対象製品のセクター別パラメータ。 付属書VIII、セクション1 と2 – 対象施設レベルでの直接排出量のモ ニタリングに使用される標準排出係数、以下が含まれる:表1:廃ガス を含む燃料排出係数、表3:炭酸塩からの生産工程排出量、表5:鉄鋼 生産に使用されるその他の材料からの生産工程排出量。

7.2.1 セクター別のモニタリングと報告の要件
直接および間接の体化排出量は、施行規則に定められ、本ガイダンス文書のセ クション 6 に示された方法に従ってモニタリングされなければならない。
7.2.1.1 排出量のモニタリング 鉄鋼セクターについてモニタリングと報告が必要な、関連する排出量は以下の 通りである: • 高炉ガス(BFG)などの廃ガスやオフガスを含む、定置施設での燃料燃 焼工程から生じる二酸化炭素(直接)排出量のみ(自動車などの移動施 設からの排出量は除く)。
• コークスや天然ガスなどの還元剤による鉄鋼の還元、炭酸塩原料 132 の熱 分解、スクラップや合金の炭素含有量、工程に投入されるグラファイト 133 またはその他の炭素含有物などに起因する 、工程から生じる二酸化炭 素(直接)排出量。 • 熱の生産場所(すなわち、施設内での生産または施設外からの取り込み) に関係なく、生産工程のシステム境界内で消費される測定可能な暖房 (蒸気など)および冷房に起因する二酸化炭素(直接)排出量。 • 排出量コントロール(例えば、酸性煙道ガス浄化に使用されるソーダ灰 のような炭酸塩原料からの排出)に起因する二酸化炭素(直接)排出量。 これは、適用可能な製品すべてに含める。 上記の様々な排出源の流れから生じる直接排出量は、個別に報告されるのでは なく、対象施設や生産工程での直接排出量の合計に加えられる。 総直接排出量を算出する際、銑鉄、DRI、粗鋼、合金鉄などの鉄鋼集約製品、ま たはスラグや廃棄物に残存する炭素も、マスバランス法により考慮される。

132 石灰石、ドロマイト、FeCO3を含む炭酸鉄鉱石など。 133 高炉内で使用されるグラファイトブロック、電極や電極ペーストなど。

じる直接排出量は、個別に報告されるのでは なく、対象施設や生産工程での直接排出量の合計に加えられる。 総直接排出量を算出する際、銑鉄、DRI、粗鋼、合金鉄などの鉄鋼集約製品、ま たはスラグや廃棄物に残存する炭素も、マスバランス法により考慮される。

132 石灰石、ドロマイト、FeCO3を含む炭酸鉄鉱石など。 133 高炉内で使用されるグラファイトブロック、電極や電極ペーストなど。

196 簡略 電力消費による間接排出量は、直接排出量とは別に報告しなければならない。 このセクターの間接排出量は、移行期間中のみ報告される(本格実施期間中は 報告されない)。 7.2.1.2 追加規則 排出量の割り当て 鉄鋼セクターの生産工程が複雑であることを考慮し、移行期間中、焼結鉱、銑 鉄、FeMn、FeCr、FeNi、DRI、粗鋼、鉄鋼製品のグループから2つ以上の製品を 生産する対象施設は、その施設内で生産された前駆体が別途に売却されない場 合、これらのグループの全製品について、1 つの共同生産工程、または「バブル アプローチ」を定義して体化排出量をモニタリングし、報告することができる。 7.2.1.3 追加の報告パラメータ 以下の 表7-5 は、事業者が輸入者に排出量データを伝達する際に提供すべき追加 情報の一覧である。 表7-5:CBAM 報告書で要求されている鉄鋼セクターの追加パラメータ 集約製品カテゴリー 報告要件
焼結鉱石
– なし。 銑鉄 – 使用される主な還元剤。 – Mn、Cr、Ni の質量%、その他の合金元素の合計。 FeMn(フェロマンガ ン) – Mn と炭素の質量%。 FeCr(フェロクロ ム) – Cr と炭素の質量%。 FeNi(フェロニッケ ル) – Ni と炭素の質量%。 DRI(直接還元鉄) – 使用される主な還元剤。 – Mn、Cr、Ni の質量%、その他の合金元素の合計。 粗鋼 – 前駆体の主な還元剤(わかっている場合)。 – 鉄鋼中の合金の含有量 – 以下で表示: – Mn、Cr、Ni の質量%、その他の合金元素の合 計。 – 1 トンの粗鋼を生産するために使用されるスクラッ プ(トン)。

フェロニッケ ル) – Ni と炭素の質量%。 DRI(直接還元鉄) – 使用される主な還元剤。 – Mn、Cr、Ni の質量%、その他の合金元素の合計。 粗鋼 – 前駆体の主な還元剤(わかっている場合)。 – 鉄鋼中の合金の含有量 – 以下で表示: – Mn、Cr、Ni の質量%、その他の合金元素の合 計。 – 1 トンの粗鋼を生産するために使用されるスクラッ プ(トン)。

197 集約製品カテゴリー 報告要件
– 消費前マスクラップの割合。 鉄または鋼製品 – 前駆体の生産に使用される主な還元剤(わかってい る場合)。 – 鉄鋼中の合金の含有量 – 以下で表示: – Mn、Cr、Ni の質量%、その他の合金元素の合 計。 – 鉄鋼以外の含有材料の質量%(それらの質量が製品 の総質量の1%から5%を超える場合)。 – 1 トンの製品を生産するために使用されるスクラッ プ(トン)。 – 消費前マスクラップの割合。

CBAM 製品に必要なすべてのパラメータのデータを確実に収集し、製品の輸入 業者に伝える必要がある。輸入業者は、CBAM に基づいて製品をEU に輸入する 際に、追加のパラメータを報告する必要がある。

7.2.2 鉄鋼セクターの具体例 7.2.2.1 例1 – 統合製鉄所と鉄鋼製品への転換。 以下の具体例は、高炉/塩基性酸素転炉(BOF)ルートで生産される鉄鋼セクタ ーの製品について、特定の体化排出量をどのように算出するかを示している。 移行期間中の報告に必要な、EU 域内への輸入に伴う体化排出量は、本例示の最 後に計算されている。 統合製鉄所のこの例では、対象施設は5 つの製品を生産している。それぞれが CBAM による別々の集約製品カテゴリーであるため、各製品が一つの生産工程 として定義される。
以下の図は、対象施設の概略図であり、各生産工程のシステム境界を赤(およ び青)の点線で示している。各生産工程を行う物理的設備は、「焼結工場」、 「高炉」、「LD 転炉」、成形では「冷間圧延」、「熱間圧延」、「レールミ ル」、「発電所」に分類され、各生産工程に関連する投入物と生成物が特定さ れている。

198 図7-4: 炭素鋼生産、高炉ルートの例 – 概要

上記で定義され、以下の図でさらに詳しく説明されている5 つの関連する生産工 程は以下の通りである: • 生産工程1 – 焼結工場で生産される焼結物(集約製品カテゴリー「焼結 鉱」)。この生産工程のシステム境界は、投入される原料(鉄鉱石)、 燃料(コークス微粉)、および電気エネルギーを含むものとして定義さ れている。この工程から生成される焼結鉱は、生産工程2 に関連する前駆 体である。 • 生産工程2 – 高炉で生産される銑鉄(溶銑)。この生産工程のシステム境 界は、投入される原料である石灰、コークス(体化排出量なし)、前駆 体である焼結鉱(体化排出量あり)、コークスや家庭から出るプラスチ ック廃棄物(バイオマスを含む混合廃棄物画分)を含む燃料/還元剤、お よび電気エネルギーを含むものとして定義されている。この工程から生 成される銑鉄は、生産工程3 に関連する前駆体である。 • 生産工程3 – LD(塩基性酸素)転炉ルートで生産される粗鋼。この生産工 程のシステム境界は、投入される原料である石灰と鉄スクラップ(体化 排出量なし)、前駆体である銑鉄(体化排出量あり)、燃料(天然ガ ス)、および電気エネルギーを含むものとして定義されている。この工 程から生成される粗鋼は、生産工程4 に関連する前駆体である。 • 生産工程4 – さまざまな成形工程(熱間圧延、冷間圧延、レールミル)を

– LD(塩基性酸素)転炉ルートで生産される粗鋼。この生産工 程のシステム境界は、投入される原料である石灰と鉄スクラップ(体化 排出量なし)、前駆体である銑鉄(体化排出量あり)、燃料(天然ガ ス)、および電気エネルギーを含むものとして定義されている。この工 程から生成される粗鋼は、生産工程4 に関連する前駆体である。 • 生産工程4 – さまざまな成形工程(熱間圧延、冷間圧延、レールミル)を 経て生産される鉄鋼製品。これが棒鋼、ロッド、レールなどの基本製品 となる。この生産工程のシステム境界は、投入される粗鋼(体化排出量 あり)、燃料(天然ガス)、および電気エネルギーを含むものとして定

199 義されている。生産工程からの生成物はすべて同じ集約製品カテゴリー 「鉄鋼製品」(生産された各種前駆体から生産される複合製品)に属し、 これらが販売される。 • 生産工程5 – 高炉(生産工程2)からの廃ガスから生産される電力。高炉 ガスは生産工程2 から生産工程5 へ送られ、工程1 から4 では発電により エネルギーが回収される。 2 つ目の概略図 (図7-5)は、生産工程への投入物として、直接排出量をもたら すさまざまな排出源の流れを示している。
図7-5: 炭素鋼生産、高炉ルートの例 – 直接排出量と関連する排出源の流れ

直接排出量は、燃料(コークス微粉、プラスチック廃棄物、天然ガス)の燃焼、 発電に使用される廃ガス(高炉ガス)、還元剤としてのコークス 134 の生産工程 排出量、炭酸塩含有物質(石灰など)の熱分解、さまざまな鉄鋼材料に含まれ る炭素の放出から発生する。 下の3 つ目の概略図(図7-6)は、対象施設で生産され、電力網から購入され、 生産工程1 から4 で消費される電力の消費に起因する間接排出量について、どの 電気フローをモニタリングする必要があるかを青い破線で示したものである。

134 コークスは燃料として扱うこともできるが、主に還元剤として使われている。しかし、燃料 のように報告する、つまり正味発熱量を含めることで、一貫性チェックのためにエネルギー 収支に含めることができるという利点がある。

200 図7-6:炭素鋼生産、高炉ルートの例 – 間接排出量のモニタリング(電力フロー)

生産工程2 で発生する廃ガス(高炉ガス)の一部は、生産工程5 で発電用燃料と して回収される。この電力は対象施設内で使用されるため、電力網から供給さ れる必要な電力量を減らすことができる。この例では、生産された電力は100% 対象施設内で消費されると仮定しているが、施設の全電力需要をカバーしてい るわけではない。したがって、間接排出量の算定では、自家発電の電力と電力 網から供給される電力の排出係数から加重平均を計算しなければならない。 移行期間中は、鉄鋼セクターの生産工程が複雑であることを考慮し、鉄鋼セク ターの集約製品カテゴリー(焼結鉱、銑鉄、DRI、粗鋼、鉄鋼製品)のうち2 つ 以上の品目を生産する対象施設は、生産された前駆体が全て鉄鋼製品の生産に 使用されることを条件に、鉄鋼セクターの集約製品カテゴリー全てについて、1 つの共同生産工程、または 「バブルアプローチ」を定義することにより、体化 排出量のモニタリングと報告を行うことが許されている(セクション 6.3 参照)。

考慮し、鉄鋼セク ターの集約製品カテゴリー(焼結鉱、銑鉄、DRI、粗鋼、鉄鋼製品)のうち2 つ 以上の品目を生産する対象施設は、生産された前駆体が全て鉄鋼製品の生産に 使用されることを条件に、鉄鋼セクターの集約製品カテゴリー全てについて、1 つの共同生産工程、または 「バブルアプローチ」を定義することにより、体化 排出量のモニタリングと報告を行うことが許されている(セクション 6.3 参照)。

201 図7-7:炭素鋼生産、高炉ルートの例 – モニタリングアプローチの全体。赤文字のパラ メータはすべてモニタリングが必要。

図7-7 は、例にあげる対象施設におけるすべての排出源の流れに対するモニタリ ングアプローチの全体図を示している。この図では、鉄鋼製品の生産工程1~4 を囲む1 つのバブルアプローチのシステム境界が描かれている。バブルアプロー チ内におけるこの生産ルートからの直接および間接排出量は以下に由来する: • 燃料燃焼 – 化石燃料や廃ガスの燃焼による直接排出量。 • 生産工程排出 – 炭酸塩の熱分解、還元剤(コークス)、スクラップを含む 鉄鋼材料の炭素含有量から生じる直接排出量。 • 共同生産工程で消費される電気エネルギーからの間接排出量は、移行期 間中にモニタリングと報告が行われる。 赤文字で示した投入物と生成物は、「バブルアプローチ」工程について排出量 を割り当て、直接および間接の特定の体化排出量を測定するために、事業者が モニタリングする必要のあるパラメータである。モニタリングには、定量的な 側面(活動データ、6.5.1.3 参照)と定性的な側面(算定のための係数、6.5.1.4 参 照)の両方が含まれる。生産されるさまざまな製品の活動レベルもモニタリン グする必要がある。しかし、バブルアプローチを適用すれば、中間生成物(前 駆体)、この例では焼結鉱、銑鉄、粗鋼をモニタリングする必要はない。さら に、複数の生産工程で使用される電力や燃料の量は、生産工程での使用レベル ごとに分割する必要はない。
対象施設は様々な排出源の流れと材料フローを持つ複雑なものであることを考 慮し、施設に出入りする炭素量の完全な収支を算定するために、マスバランス 法(セクション 6.5.1.2 参照)が用いられる。この方法を適用する場合、各排出 源の流れに関連するCO2 の量は、燃料と工程の材料を区別することなく、各材 料中の炭素含有量(CC)に基づいて計算される。排出されずに製品や残渣とし

る必要はない。
対象施設は様々な排出源の流れと材料フローを持つ複雑なものであることを考 慮し、施設に出入りする炭素量の完全な収支を算定するために、マスバランス 法(セクション 6.5.1.2 参照)が用いられる。この方法を適用する場合、各排出 源の流れに関連するCO2 の量は、燃料と工程の材料を区別することなく、各材 料中の炭素含有量(CC)に基づいて計算される。排出されずに製品や残渣とし

202 て対象施設を離れる非排出炭素も、 表7-6 で、赤文字で強調表示されているマ イナスの活動データを持つ生成物の排出源の流れを定義することで、考慮され ている。

表7-6:炭素鋼生産、高炉ルートの算定の例 – 対象施設の直接排出量のマスバランス。 AD = 活動データ、CC = 炭素含有量。 消費レベル AD (t) CC バイオマ ス分画 排出量
(t CO2)135 コメント コークス微粉 50 000 88.0%

161 216.0

鉄鉱石 5 600 000 0.023%

4 719.2

コークス 2 200 000 88.0%

7 093 504.0

プラスチック廃棄物 70 000 68.4% 16% 147 270.8 バイオマス分画136 =
28 052 t CO2 スクラップ(外部) 800 000 0.210%

6 155.5

スクラップ(内部) 200 000 0.180%

1 319.0

焼成石灰 280 000 0.273%

2 800.0

天然ガス 170 000 75.0%

467 160.0

その他の投入物 40 000 10.0%

14 656.0

合計

7 898 800.6

生成物における炭素 AD (t) CC

「排出量」(マ イナス) (t CO2)

鉄鋼
-4 800 000 0.180%

-31 657.0

スラグ -1 000 000 0.030%

-1 099.0

合計

-32 756.2

対象施設の総直接排出量 7 866 044.4

上記の 表7-6 では、異なる排出源からのスクラップを含め、異なる投入物と生成 物の排出源の流れの炭素含有量(CC)がCO2 に換算される。混合プラスチック 廃棄物(都市固形廃棄物に由来すると仮定)に含まれるバイオマスからの排出 量はゼロ評価となる(セクション 6.5.4 参照)。そのあと、生成物における炭素 を差し引いた総直接排出量が算定される。 続いて、廃ガスが発電に用いられた場合の直接排出量からのその分の修正と併 せて、総間接排出量が計算されなければならない。この例では、次のような前 提を置いている。

135 係数 3.664 t CO2 / t C 136 次のように算定: 70 000 x 68.4% x 16% x 3.664 t CO2 / t C = 28 052 t CO2

引いた総直接排出量が算定される。 続いて、廃ガスが発電に用いられた場合の直接排出量からのその分の修正と併 せて、総間接排出量が計算されなければならない。この例では、次のような前 提を置いている。

135 係数 3.664 t CO2 / t C 136 次のように算定: 70 000 x 68.4% x 16% x 3.664 t CO2 / t C = 28 052 t CO2

203 表7-7:炭素鋼、高炉ルート – 対象施設の間接排出量の算定 対象施設の間接排出量 前提:
− 廃ガスの40%を発電に使用する(効率35%)。 − これは消費電力の75%をカバーし、残りは電力網から供給される。 − 廃ガスの排出係数は、同等の天然ガスに基づくが、他の天然ガスによる発電 所より効率は低い(EF = 0.576 t CO2 /MWh)。 − 電力網の排出係数 = 0.628 t CO2 / MWh (石炭50%、天然ガス30%、残りは再 生可能な燃料)。 対象施設における消費電力の加重排出係数: 0.589 t CO2 / MWh 対象施設の総電力消費量: 1 658 844 MWh /年 対象施設の総間接排出量: 977 059 t CO2 / 年

発電に使用された廃ガスからの排出量を二重計上しないよう、直接排出量から 差し引く必要がある。廃ガスの活動データは、上記の燃料投入量と発電効率に 関する情報を用いて、発電された電気から以下のように算定される: • 廃ガスから発電された電気:1 244 133 MWh (計測値) • 廃ガス燃料総投入量:1 244 133 / 0.35 効率 = 3 554 666 MWh • TJ に換算:3 544 666 * 0.0036 = 12 800 TJ 直接排出量から差し引く分の、発電に使用された廃ガスの量は、6.2.2.2 で示さ れた 「WGcorr,exp 」についての式を用いて、以下の 表7-8 で計算される。 表7-8:炭素鋼、高炉ルートの算定の例 - 対象施設の総直接排出量から廃ガスの差し引 き分を考慮して補正したもの

t CO2 / 年 備考 対象施設の総直接排出量

7 866 044 上記の 表7-6 から

AD (TJ) EF(天然ガ ス) 補正係数

廃ガスの差引分 -12 800 56.1 0.667 – 478 959 発電に使用された廃ガスの 差引分
粗鋼製品の生産工程における総直接排出量

7 387 085 修正された総直接排出量

次に、表 7-9 では、例示の対象施設で報告期間中に生産された製品の活動レベル のデータを示している。

から

AD (TJ) EF(天然ガ ス) 補正係数

廃ガスの差引分 -12 800 56.1 0.667 – 478 959 発電に使用された廃ガスの 差引分
粗鋼製品の生産工程における総直接排出量

7 387 085 修正された総直接排出量

次に、表 7-9 では、例示の対象施設で報告期間中に生産された製品の活動レベル のデータを示している。

204 表 7-9:報告期間中に生産された製品の活動レベルの例 製品 活動レベル(AL) 単位 前駆体

銑鉄 4 000 000 t / 年 粗鋼 5 000 000 t / 年 鉄または鋼製品

シート 3 500 000 t / 年 棒 800 000 t / 年 レール 500 000 t / 年 総生産量 4 800 000 t / 年 内部スクラップ 200 000 t / 年

表7-7、表7-8 の直接および間接合計排出量データと、表 7-9 の生産データを用 いることで、鉄鋼製品の直接および間接の特定体化排出量が以下のように算定 される(表7-10)。

表7-10:鉄鋼製品の簡略化された/「バブルアプローチ」による特定の体化排出量(SEE) の算定の例 総生産量(鋼鉄製品) 4 800 000
t / 年 鋼鉄製品の生産工程における総直接排出量 7 387 085 t CO2 / 年 対象施設の総間接排出量 976 919
t CO2 / 年 特定の直接体化排出量 1.539
t CO2 / 鉄鋼製品 特定の間接体化排出量 0.204
t CO2 / t 鉄鋼製品 特定の体化排出量(合計) 1.743 t CO2 / t 鉄鋼製品

最後のステップとして、これらの鉄または鋼鉄製品のEU への CBAM 報告義務 を満たす算定が可能となる。例えば、1 万トンの鉄鋼製品(レールなど)を輸入 する場合:
• 移行期間(報告のみ): o 直接体化排出量 = 10 000 t x 1.539 t CO2 / t = 15 390 t CO2 o 間接体化排出量 = 10 000 t x 0.204 t CO2 / t = 2 040 t CO2 合計:17 430 t CO2

への CBAM 報告義務 を満たす算定が可能となる。例えば、1 万トンの鉄鋼製品(レールなど)を輸入 する場合:
• 移行期間(報告のみ): o 直接体化排出量 = 10 000 t x 1.539 t CO2 / t = 15 390 t CO2 o 間接体化排出量 = 10 000 t x 0.204 t CO2 / t = 2 040 t CO2 合計:17 430 t CO2

205 7.2.2.2 例2 – 電気アーク炉(EAF)と鉄または鋼鉄製品への転換 以下の例は、EAF ルートで生産される粗鋼と鉄鋼製品について、特定体化排出 量をどのように算出するかを示している。移行期間中の報告に必要な、EU 域内 への輸入に伴う体化排出量は、本例示の最後に計算されている。 このEAF 製鋼ルートの例では、対象施設は集約製品カテゴリーに該当する2 つ の製品を生産し、それぞれは1 つの生産工程として定義されている。
図7-8 は、対象施設の概略図であり、各生産工程のシステム境界を赤い破線で示 している。各生産工程を行う物理的設備は、「EAF&AOD 製鋼」、成形では 「切断と溶接」、「熱間圧延による板と棒、焼鈍」にグループ分けされ、各生 産工程に関連する投入物と生成物も特定されている。 この例では、高合金鋼の生産を取り上げている。そのため、各種製品は、CN コ ードだけでなく、異なる合金等級によって定義される。CBAM に基づく移行期 間中の報告では、モニタリング規則は、同じ集約製品カテゴリーに含まれる異 なる合金がすべて、全報告期間中同じ体化排出量を持つとみなすことを前提と している。すなわち、モニタリング規則を適度にシンプルにするために、合金 等級の加重平均が使用される。ただし、合金等級(合金中の元素Cr、Mn、Ni の 含有量と炭素含有量)は、輸入時に追加情報として報告しなければならない。 したがって、輸入者はCN コードと合金等級をペアにして、個別に報告する必要 がある。
図7-8:EAF ルートで高合金鋼を生産する対象施設の例 – 概略図

上記で定義され、以下の図でさらに詳しく説明されている2 つの関連する生産工 程は以下の通りである:

206 • 生産工程1 – EAF/AOD 製鋼ルートで、異なる合金等級のスラブとして粗 鋼が生産される。この生産工程のシステム境界は、生産工程2 からの鉄ス クラップ(パイプ生産時に切断される鋼材)、前駆体の粗鋼および合金、 燃料(天然ガス)、黒鉛電極、その他の添加物、電気エネルギーからな る投入物を含むものとして定義されている。この工程から生成される粗 鋼は、売却される分と、生産工程2 に関連する前駆体として用いられる分 の両方である。前駆体が売却されるため、この対象施設の例ではバブル アプローチは認められていない。 • 生産工程2 – さまざまな合金等級の、さまざまな成形工程を経て作られる 基本製品である管(切断、圧延、溶接)、棒(熱間圧延、焼鈍)、板な どの鉄および鋼鉄製品の生産。この生産工程のシステム境界は、投入さ れる粗鋼(体化排出量あり)、燃料(天然ガス)、および電気エネルギ ーを含むものとして定義されている。この生産工程からの生成物は、販 売される完成品である鉄鋼製品である。 2 つ目の概略図 (図7-9)は、生産工程への投入物として、直接排出量をもたら すさまざまな排出源の流れを示している。
図7-9:EAF ルートで高合金鋼を生産する対象施設の例 – 計算ベースのアプローチによ る直接排出量モニタリングに関連する排出源の流れ

直接排出量は、燃料(天然ガス)の燃焼や、黒鉛電極、その他の添加物の生産

の生成物は、販 売される完成品である鉄鋼製品である。 2 つ目の概略図 (図7-9)は、生産工程への投入物として、直接排出量をもたら すさまざまな排出源の流れを示している。
図7-9:EAF ルートで高合金鋼を生産する対象施設の例 – 計算ベースのアプローチによ る直接排出量モニタリングに関連する排出源の流れ

直接排出量は、燃料(天然ガス)の燃焼や、黒鉛電極、その他の添加物の生産 工程排出量、さまざまな鉄鋼材料に含まれる炭素の放出から生じる。 3 つ目の概略図(図7-10)は、生産工程1 と2 で消費される電力に起因する間接 排出量を示している。

207 図7-10:EAF ルートで高合金鋼を生産する対象施設の例 – 間接排出量のモニタリングの ための電力消費。

4 つ目の概略図(図7-11)は、例にあげる対象施設におけるすべての排出源の 流れに対するモニタリングアプローチの全体図を示している。 図7-11:EAF ルートで高合金鋼を生産する対象施設の例 – モニタリングアプローチの全 体図。赤文字の情報はすべてモニタリングが必要。

鉄鋼の例1(セクション 7.2.2.1)では、対象施設で生産される全ての前駆体が、 完成品となる鉄鋼製品の生産にすべて使用されるため、「バブルアプローチ」 が用いられた。しかし、この例における事業者にこのアプローチを用いること

208 はできない。生産工程1 で生産された粗鋼の前駆体の一部が、生産工程2 に到達 する前に売却されるためである。従って、特定体化排出量は、この対象施設の 生産工程ごとに個別に算出する必要がある。
表7-11 の赤文字で示した投入物と生成物は、両方の生産工程について排出量を 割り当て、直接および間接の特定体化排出量を測定するために、事業者がモニ タリングする必要のあるパラメータである。モニタリングには、定量的な側面 (活動データ、6.5.1.3 参照)と定性的な側面(算定のための係数、6.5.1.4 参照) の両方が含まれる。前駆体を購入した場合は、特定体化排出量が含まれる (6.8.2 参照)。 例1 のように、対象施設は様々な排出源の流れと材料フローを持つ複雑なもので あることを考慮し、施設に出入りする炭素量の完全な収支を算定するために、 マスバランス法が用いられる。この方法を適用する場合、各排出源の流れに関 連するCO2 の量は、燃料と工程の材料を区別することなく、各材料中の炭素含 有量(CC)に基づいて計算される。排出されずに製品として対象施設を離れる 非排出炭素も、 表7-11 で、赤文字で強調表示されているマイナスの活動データ を持つ生成物の排出源の流れを定義することで、考慮されている。 表7-11:EAF の対象施設、消費レベルの例 – マスバランス法 消費レベル
AD (t) CC EF NCV (GJ/t) 排出量 (tCO2) 137 前提 / コメント 鉄スクラップ(市 場) 1 345 000 0.08%

3 942.5 CO2 に換算 天然ガス 163 806

56.1 48 441 096.9 IPCC の値、EF は t CO2 / TJ 黒鉛電極 4 468 81.9%

13 407.6 IPCC の値 各種添加物 89 360

0.45

40 212.0 石灰石、その他省 略、EF [tCO2/t] 粗鋼(購入) 80 540 0.15%

442.6

FeNi (28% Ni) 346 773 1.5%

19 058.6

FeCr (52% Cr)

黒鉛電極 4 468 81.9%

13 407.6 IPCC の値 各種添加物 89 360

0.45

40 212.0 石灰石、その他省 略、EF [tCO2/t] 粗鋼(購入) 80 540 0.15%

442.6

FeNi (28% Ni) 346 773 1.5%

19 058.6

FeCr (52% Cr) 331 213 5.2%

63 105.4

FeMn (31% Mn) 60 595 2.8%

6 216.6

合計

587 482.3

生成物における炭 素 AD CC

排出量(マ イナス)

鉄鋼 -2 140 000 0.180%

-14 114 鉄鋼AL はスクラッ プを差し引く138 スラグ -107 232 0.030%

-118

合計

-14 232

対象施設の総直接排出量

573 251 t CO2 / 年

137 係数 3.664 t CO2 / t C 138 すなわち、スクラップの量を差し引いた後の値

209 間接排出量 MWh EF (tCO2 / MWh) 排出量 t CO2

総電力消費量 1 888 460 0.833 1 573 087 t CO2 / 年

表7-11 では、投入物と生成物の様々な排出源の流れの炭素含有量(CC)がCO2 に換算され、生成物(工程からの鉄鋼とスラグ)に含まれる炭素を差し引いた 総直接排出量が計算されている。 総間接排出量も同じ表で計算されている。 次の 表7-12 では、まず2 つの生産工程の活動レベルが要約されている。次に、 天然ガスと電力エネルギーと排出量がどのように生産工程2 に割り当てられてい るかが示されている。エネルギーと排出量のデータは、棒、板、パイプのエネ ルギー消費原単位(SEC)の値を用いて計算された。その後、直接排出量の収支 が表の下部の生産工程1 に割り当てられた。 表7-12:EAF の対象施設、生産工程および製品別の体化排出量の計算の例(注:SEC = エネルギー消費原単位) 生産レベル トン EAF/AOD および(熱間)圧延のエネ ルギー消費量 備考

天然ガス GJ / t 電力 kWh / t

スラブ 2 234 000 0.31 700 工程1 – 生産トン数、EAF 市場用のスラブ 1 007 000

市場用の棒 456 000 5.4 180 工程2 – エネルギーと排出量 の割り当てに使用される SEC の値。
シート 771 000 4.45 220 工程2 – エネルギーと排出量 の割り当てに使用される SEC の値。 市場用の板 221 000

板とパイプ 550 000

パイプ 456 000 2.8 160 工程2 – エネルギーと排出量 の割り当てに使用される SEC の値。 スクラップ(内部 でのリサイクル) 94 000

板からパイプへの転換で出 るスクラップ(切断された 鋼鉄)。 排出量の分割 直接排出量(t CO2) 消費電力 (MWh) 間接排出量(t CO2) 工程1(EAF / AOD) 171 005 1 563 800 1 302 645 工程2(圧延など) 402 245 324 660 270 442 合計 573 251 1 888 460

000

板からパイプへの転換で出 るスクラップ(切断された 鋼鉄)。 排出量の分割 直接排出量(t CO2) 消費電力 (MWh) 間接排出量(t CO2) 工程1(EAF / AOD) 171 005 1 563 800 1 302 645 工程2(圧延など) 402 245 324 660 270 442 合計 573 251 1 888 460 1 573 087

210 生産工程2 で発生する鉄スクラップは、生産工程1 で再利用されるため、体化排 出量はない。 表7-12 での2 つの生産工程間の排出量の割当てに関するデータを用いて、次の 2 つの表では、直接と間接の両方の排出量について、CBAM に該当する各製品の 個別体化排出量が計算されている。この段階で、前駆体(購入された工程1 の鉄 鋼と合金、工程2 の粗鋼)の体化排出量を加える必要がある。 表7-13 では、粗鋼スラブの直接および間接の特定体化排出量が計算されている。 計算に使用したデータは以下の通り: • 対象施設での工程1 の排出量 – 上記のように算定。 • 工程1 で消費される前駆体の体化排出量 – 購入した前駆体の粗鋼と合金に ついて、以下で計算。 • 報告期間中の粗鋼スラブの活動レベル。活動レベルは、売却したスラブ と工程2 で使用したスラブの合計。 表7-13:EAF の対象施設、総体化排出量の計算の例 – 工程1(粗鋼/スラブ) 前駆体 SEE 直 接 MWh / t SEE 間 接 消費量 (t) 直接排出 量 (t CO2) MWh 間接排出 量
(t CO2) 合計 t CO2 粗鋼 1.48 0.245 0.204 80 540 119 199 19 724 16 430

FeNi (28% Ni) 3.00 3.001 2.5 346 773 1 040 319 1 040 735 866 933

FeCr (52% Cr) 2.5 2.821 2.35 331 213 828 034 934 396 778 352

FeMn (31% Mn) 1.3 2.281 1.9 60 595 78 774 138 212 115 131

スラブの総体化排出量の計算(工程1) 工程1(スラブ)の活動レベル 2 234 000

対象施設での排出量

171 005 1 563 800 1 302 645

消費された前駆体の体化排出量(上記の 合計から)

2 066 325 2 133 067 1 776 845

体化排出量の合計

2 237 331 3 696 867 3 079 490 5 316 821 特定の体化排出量(t CO2 / t スラブ)またはMWh / t 1.001 1.655 1.378 2.380

工程2 の計算は、工程1 と同様の方法で行うことができる。しかし、ガイダンス の意味で、表7-14 では、複雑な製品(鉄鋼製品)の直接および間接の体化排出 量の計算を、工程2 の個別体化排出量と個別帰属排出量のみを使用する方法、す なわち、工程2 の活動レベルと総排出量を省略する方法で示した。
表7-14:EAF の対象施設、複雑な製品の体化排出量の計算の例。工程2 – 鋼鉄製品

工程2 の計算は、工程1 と同様の方法で行うことができる。しかし、ガイダンス の意味で、表7-14 では、複雑な製品(鉄鋼製品)の直接および間接の体化排出 量の計算を、工程2 の個別体化排出量と個別帰属排出量のみを使用する方法、す なわち、工程2 の活動レベルと総排出量を省略する方法で示した。
表7-14:EAF の対象施設、複雑な製品の体化排出量の計算の例。工程2 – 鋼鉄製品

211 総生産トン数: 市場用の棒 456 000 t

市場用の板 221 000 t

パイプ 456 000 t

鋼鉄製品合計 1 133 000 t

前駆体消費(スラブ) 1 227 000 t

1トン当たりのスラブ消費量(粗鋼): 1.083 t / t

直接
(t CO2) MWh 間接 (t CO2) 合計 (t CO2) 前駆体質量比(Mi) 1.083

前駆体のSEEi

1.001 1.655 1.378

工程2 の製品1 トン当たりの排出量

0.355 0.287 0.239

特定の体化排出量 SEE (t CO2 / t 鉄鋼製品)

1.440 2.079 1.732 3.171

上記の工程2 における最終鉄鋼製品の総体化排出量を計算する際には、前駆体の 質量比 (Mi)を考慮する(計算ベースのアプローチの詳細についてはセクション 6.2.2.3 を参照)。これは、生産される鉄鋼製品1 トン当たりに消費される粗鋼ス ラブの質量であり、以下のように計算される: • スラブの質量 / 鉄鋼製品の質量:1 227 000 / 1 133 000 = 1.083 (上記と同 様)。前駆体の直接および間接の SEEi 値は、この比率で調整される。す なわち:
• 直接のSEEi(前駆体):1.001 x 1.083 = 1.084

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